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696 知性
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人工的にアウターを発生させる実験をしていたら、アウターよりも我が子を誕生させてしまった。
しかし生まれた我が子はどうやら植物で、将来的には世界樹となってこの世界を支える存在となってくれるだろう。
「……っじゃないよーーーっ!? 流石にこんな息子は嫌だよーっ!? 娘でも嫌だけどーっ!!」
受け止められるかこんな現実! 受け入れられるかこんな事態!
みんなとの子供がどんな種族や容姿でも愛する自信はあったけど、流石に人間ですらないのは想定していなかったんだよ!
勿論我が子として扱う必要は無いんだろうけど、俺達が教育して教え導いていくって、それマジで親子関係じゃん!?
「ちょっとダン、静かにしてっ! この子が起きちゃうじゃないのっ」
「なんで既に母親ムーブなのニーナ!? 受け入れるの早すぎるよ!? 流石に俺の種からは木が生えたりはしないんだよーっ!?」
「静かにしなさいって言ってるでしょっ! 別にダンに我が子として扱う事を強要するつもりは無いのっ。私がそれくらいの気持ちでこの子を大切に育てるつもりってだけの話なんだからねっ」
「う……。す、済みません……」
なんか今の会話内容、俺が最低な男みたいになってない? まるで子供の認知を拒む男のような……。
認知して欲しいなんて言ってない。私が勝手に生み育てるだけだ、みたいな。
……そう考えると、なんかこの木にもかなり申し訳ない発言をしてしまった気がする。
謝っておくか、木に。
「あ、ダンさんっ?」
抱きしめていたキュールを解放し、一足飛びで植物のドームの上に飛び乗る。
そのままリーチェとアウラの精霊魔法を辿って、この木の感情が宿っているらしい場所に移動する。
そこには、まだ素手でも簡単に折れそうなほどに細い、高さ30センチ程度の苗木があった。
異界の扉を保護している植物のドームは、どうやらこの木の根っこの部分が伸びて形成されたものらしい。
その苗木にそっと手を当てメタドライブを発動し、精霊魔法で繋がったリーチェとアウラを参考に俺も魔力で繋がるイメージをする。
「心無い事を言ってごめん。生まれてくれてありがとう」
この木を我が子として扱うかどうかは別としても、流石にさっきの発言は酷すぎた。
赤子なら俺の言葉の意味も理解出来ていないかもしれないけれど、俺の拒絶の感情は感じ取ったかもしれないから……。
ここは魔力を繋いで、誠心誠意気持ちを伝えるべきだろう。
「これからはお前も家族の一員だ。みんなと一緒にこの世界で幸せに過ごそうな。俺も出来る限りのことはするからさ」
我が子として扱うかどうかは別にしたって、この木に知性があるなら生み出した俺に責任が無いはずがない。
幸いニーナもキュールもノリノリだし、我が子と同じくらいに大切に育ててやるさ。
なんて思った瞬間、目の前の苗木に変化が起きた。
「なっ……!? ダンっ! 異界の扉が一気に開いたわよっ!?」
「へ? どゆことティムル?」
「言った通りの意味よ! ドームの中の異界の扉が開いて、魔力の流入量が跳ね上がったのーっ!」
焦った様子のティムルが、突然起こった状況の変化を報告してくれる。
ドーム状の根っこの上に立っている俺には確認できないけど、どうやらドームの中に急速に魔力が充満し始めたらしい?
「貴方また何かしたんでしょ!? どうしてそう軽はずみに毎回毎回何か起こすのっ! キュールに自分の特殊性を自覚しろって言われたばっかりでしょーーーっ!!」
「なっ、何かしたって、謝っただけだよ!? 流石にさっきは言いすぎたと思って……」
「パパーっ! その子から嬉しい、楽しいって気持ちが爆発するみたいに伝わってくるよーっ!? こんな感情、謝られて抱くわけないよ! 絶対に他にも何かしたでしょーっ!?」
くっ……! アウラまで完全に俺を容疑者扱いだ……! 状況を考えれば無理も無いけどっ。
けど、他にしたこと……? マジで謝っただけ、だよな?
「え、えっと……。俺の気持ちがちゃんと伝わるように、さっきのリーチェとアウラを参考に、メタドライブを発動した状態で木に触れて謝っただけ……」
「それだーーーっ!! 間違いなくそれだよーーーっ!! ダンさんの魔力に触れて眠っていた世界樹が目を覚ましたんだよ! それしか考えられないってばーーーっ!!」
「え、えぇ……? なんで俺の魔力で……?」
興奮しきって犬みたいに息を切らしているキュールには確信がある様子だけど、俺にはどうも信じられない。
だって魔力に反応して目を覚ますなら、リーチェとアウラの精霊魔法に触れた時点で目を覚ましてなきゃ辻褄が……。
「なんでって……。この木を産み出したのは誰の魔力か忘れたのかいっ!? 君だよ!? ダンさんの魔力で招きの窓と等価の天秤を起動したんだ!」
「……あ」
「私たちとダンさんの子供って言うか、完全にダンさんの子供なんだよこの木はっ!! ダンさんが居なかった4日間は寝て過ごし、父親の魔力を感じて今目を覚ましたんだよーーっ!!」
「……なるほど。ダンが居なければ実験が先に進まないってことか……。じゃあなるべく毎日会いに来てあげる必要がありそうね……」
「受け入れるの早いよお姉さん! キュールの言葉を否定する材料も思いつきませんけどーっ」
くっそぅ! ラトリアとエマはヤレヤレって肩を竦めてるし、ターニアとシーズは腹を抱えて笑い転げていやがるっ!
リーチェとヴァルゴはなんか崇めるような熱っぽい視線を送ってきてるし、収拾がつかないんだよっ!?
どうせ熱っぽい視線を送るなら、ニーナやムーリみたいに性欲を感じさせる視線でお願いしま……って、ニーナとムーリはどうしたんだ?
「ニーナ? ムーリ? 2人からエロい視線を感じるんだけどどうしたの? 今エロい要素あったっけ?」
「えっちな要素なんて関係ないのっ! 大好きなダンのかっこいい姿を見せられちゃったら、そんなのえっちな気分になっても仕方ないでしょーっ」
「ニーナさんの言う通りですよっ! 植物に吐いた暴言を気に病むって、ダンさんっていったい何処まで優しい人なんですかーーっ」
我慢出来ないといった様子で、一気に植物のドームを駆け上がって俺に抱き付いてくるニーナと、数秒遅れて抱き付いてくるムーリ。
我が家の最小と最大のおっぱいが押し付けられて、俺こそエロい気分にさせられるんだけど?
力いっぱい抱きついてきたニーナの小さなお尻とムーリのでっかいお尻をよしよしなでなでしていると、2人は腕を伸ばして俺の背後の世界樹の苗木を愛おしそうに撫で始めた。
「元々大切に育てるつもりだったけど、本当にダンの子供なら気合入っちゃうのっ。貴方のことも家族だと思って大切にお世話するからねっ」
「私たちはみんなダンさんのお嫁さんですから、み~んな貴方のお母さんですからね……?」
「ちょーーっ!? 止めて!? ダン、一旦メタドライブ止めなさーいっ! 異界の扉が開きすぎちゃうでしょーっ!!」
「誤解だよティムル!! メタドライブはとっくに切ってるんだよー!? 今はニーナとムーリが家族だよって声をかけただけなんだよ!?」
「ということは、既に私達の言葉を理解できる知性があるってことかい!? 凄い凄い凄いっ! 本当にシーズが言っていた通りの存在に育て上げられるかもしれないじゃないかーーーっ!!」
「一旦落ち着いてーっ!? 落ち着いて状況を整理しよう!? 今降りるから待っててっ!」
ニーナとムーリは元から力いっぱい抱き付いてくれているので、2人のお尻を撫で回していた両手に力を込めて2人を抱き上げ地面に降りる。
降りてから根っこドームの中を確認すると、ドームの中は確かに魔力の気配が濃くなっていて、ドーム部分が気持ち広くなったように感じられた。
「ドーム部分が広くなったように思えるけど……。同時に、ドームの中の地面もちょっと凹んできている?」
「その通りだよ! ドーム部分の拡張は中の魔力に押された結果だろうけど、地面が凹んでいるのはアウター化の兆候だと思うねっ」
「なるほどね……。宿り木の根も地下に向かうアウターだったから、マジで宿り木の根を再現する流れになりそうだな」
「いやぁダンさんには驚かされっぱなしだよ! 世界樹の生みの親になるだけでも凄いのに、まさか育ての親にもなれるだなんて完璧すぎるでしょっ!」
「いや、後半は狙ってないから。困惑してるのは俺だって一緒なんだけど?」
キュールが楽しそうで何よりだけど、偶発的に起こったことで感心されてもむずむずしちゃうってば。
ともかく今は状況を把握して情報を整理して、目の前の問題に冷静に……。
「ほらほらっ! みんなも早く挨拶してくるのっ! ダンの子供なんだから私達の新しい家族なんだからねーっ」
「冷静にさせてよニーナーっ!? いや、挨拶を止める気は無いし、今更家族扱いも子供扱いも否定する気は無いけど、だけどちょっと考えさせてーっ!?」
「ほーらダンさんっ。ダンさんの大好きなおっぱいですよー? 皆さんが挨拶を済ませてくる間、ダンさんが落ち着けるようにおっぱいちゅうちゅうしてていいですからねー?」
ニーナにツッコミを入れている間に自分とニーナのシャツをめくりあげたムーリが、叫ぶ為に大きく開いた俺の口の中に自分の乳首を押し込んでくる。
その瞬間全ての意識がムーリのおっぱいに集中した俺は、ムーリとニーナを力いっぱい抱き寄せて、2人の乳首を何度も何度も往復し続けた。
「あはっ。ダンったら一生懸命おっぱい吸ってるの。これじゃダンが赤ちゃんみたいなのーっ」
「いいんですよー。好きなだけちゅうちゅうちゅぱちゅぱしてくださいねー? 私達のおっぱいをちゅぱちゅぱしながら、ゆっくりと心を落ち着かせてくださいねー?」
口の中に2人の乳首の硬さを感じるたびに、俺の思考が落ち着いてくる。
落ち着いた思考で順番に苗木に声をかけるみんなの様子を眺めながら、実験の結果今起きている事を整理する。
要は俺の魔力でマジックアイテムを起動したことで、俺の魔力に反応する世界樹が創造されてしまったわけだ。
そしてその世界樹は膨大な魔力をその身に受けることで魂のようなものが定着し、植物とは思えないほどの知性を獲得してしまったと。
知性を得た世界樹の苗木だったけど、リーチェとアウラの精霊魔法には反応を示さなかったのに俺のメタドライブで目覚めたことを考えると、今のところ俺の魔力にしか反応しないらしい。
なのに何故かニーナとムーリが声をかけた時に、そして今みんなが声をかけるたびになんとなく嬉しそうな感情が伝わってくるのは何故なんだ……?
口の中に含んだ2人の乳首を気の赴くままにしゃぶりながら、全員が戻ってくるのを大人しく待った。
「恐らくだけど、本当に私達の会話を理解できる知性が既に備わっているようなんだっ!」
興奮気味のキュールが、今分かっている情報をまとめてくれる。
その情報にあまり興味のないシャロがおっぱいと口を使って俺にご奉仕を始め、俺はターニアに膝枕してもらいながら本人に寄せ上げさせたラトリアのおっぱいを同時にしゃぶって母乳を啜っている。
もう色々なことが起き過ぎて、ラトリアのおっぱいでもしゃぶってないとやってられないって。ちゅぱちゅぱ。
「ダンさんの魔力によって生まれた世界樹は、私たちが始まりの黒に潜っている間は休眠していたんだ。そのせいで異界の扉は開いても閉じてもいない、所謂現状維持のままだった」
「そこにダンがメタドライブを纏いながら話しかけたことで、眠っていたこの子は一気に覚醒したのね」
「そう。そして覚醒したからこそ、魔力だけでは無く言語にも反応を示すようになった。生まれて5日目のはずのこの苗木は、私たちが家族である事を理解してくれているようだよ?」
ゴクゴクと喉を鳴らすシャロの頭を撫でながら、ラトリアのおっぱいを飲んで俺も喉を鳴らす。
なんでコイツは教えてもいないのに俺達の言葉を理解できるんだろう? なんて考えるのは野暮なのかな?
異世界からこの世界に訪れた俺でさえ普通に会話出来ているのだから、異界からの大量の魔力を受けた苗木に会話理解力が芽生えても不思議じゃない……、かもしれない。
「元々経過観察を続ける予定だったけど、その重要度が増したって感じだね。定期的にダンさんの魔力を感じさせなければ休眠してしまうのか。休眠中の異界の扉はどうなってしまうのか。ダンさんが不在でも話を聞いてくれるのか。検証すべきことはいくらでもありそうだっ」
「となると、結局やること自体は変わらないのかしらね? 毎日顔を出して、この子の経過を観察。やることはこれだけよね?」
「そうだね。だけど顔を出すたびに語りかけたりしたほうがいいだろう。私たちも家族なんだと認識してもらうのが大切なのだと思うから」
「ふっふーんっ。それはお任せなのっ! ダンとの出会いから今に至るまで、ぜーんぶ教えてあげるからっ」
「ははっ。お手柔らかにねニーナ? ……って、ぼくらの会話を理解出来ているって事は、始まりの黒に潜る前に散々肌を重ねたこととか、今のダンの行動の意味とかも、ひょっとして分かってる……?」
リーチェ。それは深く考えてはいけないことだ。
執拗なまでの中出しえっちが自分の子供に一部始終見られていたなんて、今考えてもゾッとする。
どれだけゾッとしようとも、頑張ってくれているシャロのおかげで縮み上がったりはしないようだけど?
「まったく……。ダンよ、苦言を呈してくれたキュールに感謝するのじゃぞ? 世界樹を生み出し育てる者など、神と言ってもいいほどの特殊性なのじゃからのう」
待ってフラッタ。今回のって別に俺のせいじゃなくないかな?
どんな言い分けをしたって、俺の特殊性が損なわれるわけではないんだろうけどさ……。
俺はこの世の理不尽を嘆きながらシャロに思い切り流し込み、失った水分をラトリアのおっぱいから過剰に摂取するのだった。
さぁみんなっ! このあとは解放的な気分で海えっちの時間だよーっ!
しかし生まれた我が子はどうやら植物で、将来的には世界樹となってこの世界を支える存在となってくれるだろう。
「……っじゃないよーーーっ!? 流石にこんな息子は嫌だよーっ!? 娘でも嫌だけどーっ!!」
受け止められるかこんな現実! 受け入れられるかこんな事態!
みんなとの子供がどんな種族や容姿でも愛する自信はあったけど、流石に人間ですらないのは想定していなかったんだよ!
勿論我が子として扱う必要は無いんだろうけど、俺達が教育して教え導いていくって、それマジで親子関係じゃん!?
「ちょっとダン、静かにしてっ! この子が起きちゃうじゃないのっ」
「なんで既に母親ムーブなのニーナ!? 受け入れるの早すぎるよ!? 流石に俺の種からは木が生えたりはしないんだよーっ!?」
「静かにしなさいって言ってるでしょっ! 別にダンに我が子として扱う事を強要するつもりは無いのっ。私がそれくらいの気持ちでこの子を大切に育てるつもりってだけの話なんだからねっ」
「う……。す、済みません……」
なんか今の会話内容、俺が最低な男みたいになってない? まるで子供の認知を拒む男のような……。
認知して欲しいなんて言ってない。私が勝手に生み育てるだけだ、みたいな。
……そう考えると、なんかこの木にもかなり申し訳ない発言をしてしまった気がする。
謝っておくか、木に。
「あ、ダンさんっ?」
抱きしめていたキュールを解放し、一足飛びで植物のドームの上に飛び乗る。
そのままリーチェとアウラの精霊魔法を辿って、この木の感情が宿っているらしい場所に移動する。
そこには、まだ素手でも簡単に折れそうなほどに細い、高さ30センチ程度の苗木があった。
異界の扉を保護している植物のドームは、どうやらこの木の根っこの部分が伸びて形成されたものらしい。
その苗木にそっと手を当てメタドライブを発動し、精霊魔法で繋がったリーチェとアウラを参考に俺も魔力で繋がるイメージをする。
「心無い事を言ってごめん。生まれてくれてありがとう」
この木を我が子として扱うかどうかは別としても、流石にさっきの発言は酷すぎた。
赤子なら俺の言葉の意味も理解出来ていないかもしれないけれど、俺の拒絶の感情は感じ取ったかもしれないから……。
ここは魔力を繋いで、誠心誠意気持ちを伝えるべきだろう。
「これからはお前も家族の一員だ。みんなと一緒にこの世界で幸せに過ごそうな。俺も出来る限りのことはするからさ」
我が子として扱うかどうかは別にしたって、この木に知性があるなら生み出した俺に責任が無いはずがない。
幸いニーナもキュールもノリノリだし、我が子と同じくらいに大切に育ててやるさ。
なんて思った瞬間、目の前の苗木に変化が起きた。
「なっ……!? ダンっ! 異界の扉が一気に開いたわよっ!?」
「へ? どゆことティムル?」
「言った通りの意味よ! ドームの中の異界の扉が開いて、魔力の流入量が跳ね上がったのーっ!」
焦った様子のティムルが、突然起こった状況の変化を報告してくれる。
ドーム状の根っこの上に立っている俺には確認できないけど、どうやらドームの中に急速に魔力が充満し始めたらしい?
「貴方また何かしたんでしょ!? どうしてそう軽はずみに毎回毎回何か起こすのっ! キュールに自分の特殊性を自覚しろって言われたばっかりでしょーーーっ!!」
「なっ、何かしたって、謝っただけだよ!? 流石にさっきは言いすぎたと思って……」
「パパーっ! その子から嬉しい、楽しいって気持ちが爆発するみたいに伝わってくるよーっ!? こんな感情、謝られて抱くわけないよ! 絶対に他にも何かしたでしょーっ!?」
くっ……! アウラまで完全に俺を容疑者扱いだ……! 状況を考えれば無理も無いけどっ。
けど、他にしたこと……? マジで謝っただけ、だよな?
「え、えっと……。俺の気持ちがちゃんと伝わるように、さっきのリーチェとアウラを参考に、メタドライブを発動した状態で木に触れて謝っただけ……」
「それだーーーっ!! 間違いなくそれだよーーーっ!! ダンさんの魔力に触れて眠っていた世界樹が目を覚ましたんだよ! それしか考えられないってばーーーっ!!」
「え、えぇ……? なんで俺の魔力で……?」
興奮しきって犬みたいに息を切らしているキュールには確信がある様子だけど、俺にはどうも信じられない。
だって魔力に反応して目を覚ますなら、リーチェとアウラの精霊魔法に触れた時点で目を覚ましてなきゃ辻褄が……。
「なんでって……。この木を産み出したのは誰の魔力か忘れたのかいっ!? 君だよ!? ダンさんの魔力で招きの窓と等価の天秤を起動したんだ!」
「……あ」
「私たちとダンさんの子供って言うか、完全にダンさんの子供なんだよこの木はっ!! ダンさんが居なかった4日間は寝て過ごし、父親の魔力を感じて今目を覚ましたんだよーーっ!!」
「……なるほど。ダンが居なければ実験が先に進まないってことか……。じゃあなるべく毎日会いに来てあげる必要がありそうね……」
「受け入れるの早いよお姉さん! キュールの言葉を否定する材料も思いつきませんけどーっ」
くっそぅ! ラトリアとエマはヤレヤレって肩を竦めてるし、ターニアとシーズは腹を抱えて笑い転げていやがるっ!
リーチェとヴァルゴはなんか崇めるような熱っぽい視線を送ってきてるし、収拾がつかないんだよっ!?
どうせ熱っぽい視線を送るなら、ニーナやムーリみたいに性欲を感じさせる視線でお願いしま……って、ニーナとムーリはどうしたんだ?
「ニーナ? ムーリ? 2人からエロい視線を感じるんだけどどうしたの? 今エロい要素あったっけ?」
「えっちな要素なんて関係ないのっ! 大好きなダンのかっこいい姿を見せられちゃったら、そんなのえっちな気分になっても仕方ないでしょーっ」
「ニーナさんの言う通りですよっ! 植物に吐いた暴言を気に病むって、ダンさんっていったい何処まで優しい人なんですかーーっ」
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我が家の最小と最大のおっぱいが押し付けられて、俺こそエロい気分にさせられるんだけど?
力いっぱい抱きついてきたニーナの小さなお尻とムーリのでっかいお尻をよしよしなでなでしていると、2人は腕を伸ばして俺の背後の世界樹の苗木を愛おしそうに撫で始めた。
「元々大切に育てるつもりだったけど、本当にダンの子供なら気合入っちゃうのっ。貴方のことも家族だと思って大切にお世話するからねっ」
「私たちはみんなダンさんのお嫁さんですから、み~んな貴方のお母さんですからね……?」
「ちょーーっ!? 止めて!? ダン、一旦メタドライブ止めなさーいっ! 異界の扉が開きすぎちゃうでしょーっ!!」
「誤解だよティムル!! メタドライブはとっくに切ってるんだよー!? 今はニーナとムーリが家族だよって声をかけただけなんだよ!?」
「ということは、既に私達の言葉を理解できる知性があるってことかい!? 凄い凄い凄いっ! 本当にシーズが言っていた通りの存在に育て上げられるかもしれないじゃないかーーーっ!!」
「一旦落ち着いてーっ!? 落ち着いて状況を整理しよう!? 今降りるから待っててっ!」
ニーナとムーリは元から力いっぱい抱き付いてくれているので、2人のお尻を撫で回していた両手に力を込めて2人を抱き上げ地面に降りる。
降りてから根っこドームの中を確認すると、ドームの中は確かに魔力の気配が濃くなっていて、ドーム部分が気持ち広くなったように感じられた。
「ドーム部分が広くなったように思えるけど……。同時に、ドームの中の地面もちょっと凹んできている?」
「その通りだよ! ドーム部分の拡張は中の魔力に押された結果だろうけど、地面が凹んでいるのはアウター化の兆候だと思うねっ」
「なるほどね……。宿り木の根も地下に向かうアウターだったから、マジで宿り木の根を再現する流れになりそうだな」
「いやぁダンさんには驚かされっぱなしだよ! 世界樹の生みの親になるだけでも凄いのに、まさか育ての親にもなれるだなんて完璧すぎるでしょっ!」
「いや、後半は狙ってないから。困惑してるのは俺だって一緒なんだけど?」
キュールが楽しそうで何よりだけど、偶発的に起こったことで感心されてもむずむずしちゃうってば。
ともかく今は状況を把握して情報を整理して、目の前の問題に冷静に……。
「ほらほらっ! みんなも早く挨拶してくるのっ! ダンの子供なんだから私達の新しい家族なんだからねーっ」
「冷静にさせてよニーナーっ!? いや、挨拶を止める気は無いし、今更家族扱いも子供扱いも否定する気は無いけど、だけどちょっと考えさせてーっ!?」
「ほーらダンさんっ。ダンさんの大好きなおっぱいですよー? 皆さんが挨拶を済ませてくる間、ダンさんが落ち着けるようにおっぱいちゅうちゅうしてていいですからねー?」
ニーナにツッコミを入れている間に自分とニーナのシャツをめくりあげたムーリが、叫ぶ為に大きく開いた俺の口の中に自分の乳首を押し込んでくる。
その瞬間全ての意識がムーリのおっぱいに集中した俺は、ムーリとニーナを力いっぱい抱き寄せて、2人の乳首を何度も何度も往復し続けた。
「あはっ。ダンったら一生懸命おっぱい吸ってるの。これじゃダンが赤ちゃんみたいなのーっ」
「いいんですよー。好きなだけちゅうちゅうちゅぱちゅぱしてくださいねー? 私達のおっぱいをちゅぱちゅぱしながら、ゆっくりと心を落ち着かせてくださいねー?」
口の中に2人の乳首の硬さを感じるたびに、俺の思考が落ち着いてくる。
落ち着いた思考で順番に苗木に声をかけるみんなの様子を眺めながら、実験の結果今起きている事を整理する。
要は俺の魔力でマジックアイテムを起動したことで、俺の魔力に反応する世界樹が創造されてしまったわけだ。
そしてその世界樹は膨大な魔力をその身に受けることで魂のようなものが定着し、植物とは思えないほどの知性を獲得してしまったと。
知性を得た世界樹の苗木だったけど、リーチェとアウラの精霊魔法には反応を示さなかったのに俺のメタドライブで目覚めたことを考えると、今のところ俺の魔力にしか反応しないらしい。
なのに何故かニーナとムーリが声をかけた時に、そして今みんなが声をかけるたびになんとなく嬉しそうな感情が伝わってくるのは何故なんだ……?
口の中に含んだ2人の乳首を気の赴くままにしゃぶりながら、全員が戻ってくるのを大人しく待った。
「恐らくだけど、本当に私達の会話を理解できる知性が既に備わっているようなんだっ!」
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「そう。そして覚醒したからこそ、魔力だけでは無く言語にも反応を示すようになった。生まれて5日目のはずのこの苗木は、私たちが家族である事を理解してくれているようだよ?」
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「となると、結局やること自体は変わらないのかしらね? 毎日顔を出して、この子の経過を観察。やることはこれだけよね?」
「そうだね。だけど顔を出すたびに語りかけたりしたほうがいいだろう。私たちも家族なんだと認識してもらうのが大切なのだと思うから」
「ふっふーんっ。それはお任せなのっ! ダンとの出会いから今に至るまで、ぜーんぶ教えてあげるからっ」
「ははっ。お手柔らかにねニーナ? ……って、ぼくらの会話を理解出来ているって事は、始まりの黒に潜る前に散々肌を重ねたこととか、今のダンの行動の意味とかも、ひょっとして分かってる……?」
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執拗なまでの中出しえっちが自分の子供に一部始終見られていたなんて、今考えてもゾッとする。
どれだけゾッとしようとも、頑張ってくれているシャロのおかげで縮み上がったりはしないようだけど?
「まったく……。ダンよ、苦言を呈してくれたキュールに感謝するのじゃぞ? 世界樹を生み出し育てる者など、神と言ってもいいほどの特殊性なのじゃからのう」
待ってフラッタ。今回のって別に俺のせいじゃなくないかな?
どんな言い分けをしたって、俺の特殊性が損なわれるわけではないんだろうけどさ……。
俺はこの世の理不尽を嘆きながらシャロに思い切り流し込み、失った水分をラトリアのおっぱいから過剰に摂取するのだった。
さぁみんなっ! このあとは解放的な気分で海えっちの時間だよーっ!
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勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
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アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
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※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
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※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
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