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651 ※閑話 献上品
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「ゴブトゴ。どういうことか説明してもらえるかしら?」
機嫌の良さそうなマギーが、最近巷で噂になっている祝賀イベントとやらの詳細を宰相殿に問いかけている。
王国民に慕われる立派な国王になろうと、腕を磨き本を読み、即位式の準備に大忙しの日々を送っていた俺とマギーに、身に覚えの無い賞賛が届くようになった。
どうやら俺とマギーの名前で様々な催しを行なっているという話だったが、忙しくて直接確かめに行けなかったんだよなぁ。
「私とガルが王国のみんなに慕われるのはありがたいわ。けれど身に覚えの無いことで喜ぶわけにはいかないの。怒っているわけじゃない。ただ何が起こってるのか知りたいの。ね、ガル?」
「あ、ああ。説明してもらえるか宰相様。国中のみんなが喜んでくれてんのは嬉しいけどよ、何が起こってんのか分からないのは落ちつかねぇんだ」
「勿論ご説明致しますとも。王国の皆は、ガルシア陛下とマーガレット陛下の即位を心より祝福してくれているのですからなっ」
宰相殿の言葉に、マギーの頬がピクピクと痙攣しているのが分かった。
これは笑いたいのを必死で堪えているんだろうな。褒められるのが好きなマギーらしい。
「お忙しい両陛下に黙って話を進めた事はお詫び申し上げます。ですがシャーロット様の発案で、せっかくなのでサプライズとしてお2人を驚かせようという話になりましてな。両陛下には内密に進めさせていただいたのですよ」
「まぁっ! ラズ姉様がっ?」
可愛がってくれていた姉のシャーロット様の名前が出たことで、マギーは弾ける様な笑顔になった。
国民の為に凜とした姿を見せなければならないと思っているマギーだが、姉のシャーロット様には素直に甘えるんだよなぁ。
「では、どのような催しが開催されているのか、1つ1つご説明させていただきましょう」
宰相殿が説明してくれた、俺達の即位を祝う国を挙げての祝賀イベントというのは、本当に盛大で常軌を逸したものだった。
戦える者も戦えない者も、領主も庶民も協力して王国中で俺達を祝福してくれるって……。
いくら顔の広いシャーロット様でも、どうやってここまで……?
「シャーロット様が自ら各地に赴いて、領主たちに協力を呼びかけてくださいましてな。貴族たちも非常に協力的なのです」
「……はぁ~。流石はラズ姉様だわ。曲者揃いの王国貴族を、よく纏め上げられるものねぇ~……」
「一応シャーロット様と両陛下の名誉の為に言っておきますが、男女の関係を迫ったわけではありませんからな?」
宰相殿は少し慎重な口調で釘を刺してくる。
確かに釘を刺されなければ、シャーロット様はご自身との関係を対価に王国貴族を纏め上げたのかと勘違いしてしまいそうだ。
「色狂いと言われるシャーロット様が、両陛下の即位にケチをつけるわけにはいかないと、自らの足と言葉で各地の領主達を説得して回ったのです。民に慕われる両陛下の即位を、身分を越えて祝おうと」
「あ、あの面倒臭がりのラズ姉様が、私たちの為に各地をお回りに……!? あぁ姉様……!」
「シャーロット様には頭が上がらないな……。だけど宰相殿、催しに必要な経費はどこから出てるんだ?」
感極まって目に涙を浮かべるマギーのおかげで、俺は逆に少し頭が冷えちまった。
おかげで我ながら下らない、下世話な事が気になっちまう。
「俺達に黙って話を進めたってことは国庫には手をつけてないんだろ? けど催しの規模を聞く限り、シャーロット様個人で捻出できるような費用じゃないように思えるんだが」
「いえ、シャーロット様の個人的な資産から賄われているんですよ。おかげで国庫からは1リーフの持ち出しもありません」
俺の疑問をきっぱりと否定する宰相殿。
各地を回って領主達を説得しただけじゃなくて、必要経費も全て自分の持ちだしって……。
感動に身を震わせているマギーにゃ申し訳ねぇが、今までのシャーロット様とは別人もいいとこだぜぇ……?
「少し前からシャーロット様は、ご自身の奴隷達を使って商売を始めておりましたからな。それに加えて犯罪奴隷達が転職出来るようになったおかげで、始まりの黒からも凄まじい利益を叩き出していたのですよ」
「あ……。そういや最近、犯罪奴隷の転職が可能になったんだったな。いやでもよ、それって滅茶苦茶最近だろ? いくら収入が増えたと言っても、いくらなんでも短期間過ぎねぇか?」
「語弊がありましたね。シャーロット様が商売を始めていたのは数年前からです。そこに今回カリュモード商会出身の有能な奴隷が沢山手に入ったとかで、事業を一気に拡大されたのですよ」
カリュモード商会の奴隷……ってことは、スペルディアを襲撃してきた奴らを登用してるってことかよ……!?
レガリアとかいう組織の暗躍があったとは言え、自分の父親を唆した主犯格を使いこなすたぁ、ある意味色狂いよりも狂気を感じるぜ……。
「それとマーガレット陛下に、シャーロット様から伝言がございます。陛下に謝っておいて欲しいと」
「えっ!? こ、ここまでのことをしてくださったラズ姉様が、いったいなにを謝る必要が……!?」
「実は両陛下が多忙な日々を送られている間に、シャーロット様は婚姻を結ばれましてな。城からお住まいを移されているのです」
「「えっ!?」」
驚きのあまり思わず叫んだ声が、同じように叫んだマギーの声を重なった。
どうやらマギーも知らなかったらしい。
「お互い忙しく、陛下にお話せずに婚姻を結ぶことを大変申し訳無いと仰っておりました。マーガレット陛下に黙って婚姻を結び、そして城を去ってしまった事をまず詫びて欲しいと」
「ま、まず……!? まずってことは、まだ何かあるの……!?」
「はい。黙って婚姻を結んだこともですが、婚姻相手を陛下に紹介出来ないことも詫びてお……」
「なっ、なんでっ!? なんでラズ姉様の婚姻相手と会えないのよっ!? おかしいでしょ!?」
宰相殿の説明を遮って、悲痛さすら感じさせてマギーが叫ぶ。
馬の合わない家族たちの中で、唯一シャーロット様だけが心許せる相手だったとか言っていたっけ。
取り乱すマギーに、勿論ご説明しますと冷静な態度を崩さない宰相殿。
マギーのこの反応は予想がついてたってことか。
「陛下もご存知だと思いますが、シャーロット様はとても恋多きお方で、沢山の男性と愛し合った経験がございます。それは宜しいですか?」
「え、えぇ……。流石にそれを認めないほど子供ではないわよっ……」
「そんなシャーロット様が最後に選んだ相手は、なんと平民でしてな。城に上げるのも憚られるほど普通の男性なのだそうです」
「ラ、ラズ姉様が庶民を選んだって別に不思議じゃないわよっ! ラズ姉様が選んだ相手なら多少礼節に欠けていたってきにしないわっ!」
「いいえ陛下。問題は礼節ではなくてですね、相手の安全なのですよ」
食って掛かりそうなマギーをその都度落ち着かせ、あくまで淡々と説明を続ける宰相殿。
どうやらシャーロット様はマギーが自分の結婚相手と会いたがるのは予想していたようで、会わせることが出来ない理由を理論立てて宰相殿に説明していたようだ。
沢山の王国貴族と……もしかしたら王国の殆どの男性貴族と肌を重ねた経験がおありのシャーロット様。
そんなシャーロット様が平民の男にベタ惚れになって、婚姻まで結んでしまったら……。今までは一夜限りのお遊びで浅くつきあっていた王国貴族が豹変するかもしれない。そう懸念したようだ。
「シャーロット様は大変男性に人気の方でしたからな。誰の物でもない気軽に遊べる相手だからこそ、貴族たちは執着しなかったのです。それが特定の男性、しかも平民に取られたとなっては……」
「……例えばその男性を人質にして、シャーロット様を弄ぼう、なんて輩が出てこないとも限らない……。だから婚姻相手をなるべく表舞台に立たせられない、ってことか?」
「その通りですガルシア陛下。シャーロット様もマーガレット陛下に夫を紹介できないのは大変心苦しいと仰っておりましたが、夫の命と安全には代えられないからと」
「う、うぅ……。ラズ姉様の相手を危険に晒すわけにはいかないけど……! でも……!」
宰相殿の説明を聞いて、マギーが分かりやすく葛藤している。
これでも王女として生まれ育ち、王国最強の魔物狩りとして王国中で活動してきたマギーは、王国貴族の悪辣さと、庶民の立場の低さというものを嫌というほど理解している。
だから夫を貴族から護りたいというシャーロット様の願いも理解できて、だけど姉に愛する人を紹介してもらえないもどかしさで苛立ってしまっているようだ。
「マーガレット陛下。シャーロット様からの伝言はお詫びだけではなくてですね。陛下にお願いもあるそうなのですよ」
「ラ、ラズ姉様が私に!? な、なに!? 姉様はなんて言ってるの!?」
「1つは今回の祝賀イベントのことですな。当事者である両陛下に黙って話を進めたお詫びと、両陛下にも楽しんで欲しいと仰っておりました」
「お祝いしてくださった事にお詫びなんて必要ないのにっ……ラズ姉様ったら真面目なんだから……!」
苛立っていたマギーの機嫌が明らかに上向いたのを感じた。
王国民総出でのお祝いを楽しんでくれ、と言われて機嫌が悪くなる奴なんか居る訳ないわな。
「って、1つはってことは他にもあるの!?」
「ええ。『黙って婚姻の話を進めた私がこんなことをお願いするのも申し訳ないけれど、もしも陛下が嫌じゃ無ければ、シャーロット様の婚姻の発表は両陛下の即位と同時に、こっそりと公表して欲しい』とのことです。貴族連中からの注目を夫から逸らしたいのでしょうな」
「私の即位とラズ姉様の婚姻を同日に発表するの!? なにそれ、素敵じゃないっ! 申し訳ないなんてとんでもないわっ! 流石ラズ姉様、とっても素敵な提案よっ!」
ついさっきまで苛立っていたマギーが、ワクワクとした表情を浮かべて笑っている。
その姿に暖かいものを感じると共に、この場に居ない筈のシャーロット様がマギーを完璧に手玉にとっているような恐ろしさも感じてしまった。
「両陛下の許可さえいただければ、シャーロット様の希望通りに進めますが、よろしいですかな?」
「いいに決まってるでしょっ! ラズ姉様と同時に婚姻を発表するなんて最高だわっ! ね、ガルもそう思わないっ!?」
「あ、あぁ。流石はマギーの姉様だな。俺達の為にここまでしてくれるなんて……」
喜びの中に少しだけ混じった、恐怖に似た感情を振り払う。
仮にシャーロット様がマギーを手玉にとっていたとしても、シャーロット様が俺達を祝福する為に尽力なさってくれたことには変わりない。
ここは嬉しくて仕方が無さそうなマギーのように、素直に喜ぶべきところだろう。
「……ちょうど良い機会ですので、この場でお伝えしておきましょうか」
「ん? まだ何かあんのか?」
「ええ。実は両陛下に向けて、シャーロット様から贈り物があるのです」
「えっ!? この上更に贈り物だなんて……! ラズ姉様ぁ……!」
宰相殿は部屋の外で待っていた侍女に何かを申し付けて、改めて俺達の正面に腰を下ろした。
「ぬか喜びさせて申し訳ないのですが、まだ両陛下への贈り物は届いておりません。が、マーガレット陛下宛てに何点かお召し物が届いております」
「へ? 届いていないって言ったのに、結局贈り物は届いてるわけ?」
「いえ、シャーロット様は陛下が即位式で着る衣装を用意してくださる予定なんです。それが本当の贈り物ですね。ですがそれまでにもいくつか衣装を送るそうなので、陛下の好みや感想を教えて欲しいそうです」
そのタイミングで戻ってきた侍女が、10点を超えるドレスを持ってきた。
その全てがスレッドドレッド製の最高級品で、10着全てが異なるデザインをしていた。
「こ、これだけでも凄いのに……即位式で着る衣装も用意してくださるの……!?」
「お忙しいところ誠に恐縮なのですが、気にいったデザインや着心地などを報告してもらえたらありがたいとのことです。それらを参考に、即位式に相応しい衣装を作り上げたいと」
「やったぁっ! ならこれから毎日姉様の衣装を着なくっちゃいけないわねっ」
文字通り飛び上がって喜ぶマギー。
並べられたドレスはどれも煌びやかで、男の俺から見ても華やかさを感じる衣装だ。
女性のマギーから見れば、俺が思う以上に特別な衣装に見えるんだろうなぁ。
「……っと、ゴブトゴ。これ、公務に着ても平気、よね?」
「問題ないでしょう。そこはシャーロット様も考慮してくださっているようで、斬新ながらも派手すぎない衣装を用意してくださったようですから」
「姉様ったら気品もあってハイセンスで、本当に素晴らしいわぁ……。即位式の衣装も楽しみねっ」
ドレスを広げながら、このあと早速着替えなきゃーとはしゃぐマギー。
そんなマギーが落ち着くのを少し待ってから、宰相殿は次に俺への贈り物とやらの説明を始める。
「それで、ガルシア陛下への贈り物ですが。これは当日シャーロット様の手から、直接お渡ししていただく予定でして、即位式のイベントの1つに組み込んであるのです」
「どういうこった? いくら王族とは言え、個人間の贈り物を即位式で披露する?」
「物が物でしてね。シャーロット様は個人的に献上してくださったのですが、私のほうからお披露目すべきだと進言したのです」
シャーロット様は個人的に贈ってくださるつもりだったのを、宰相殿が即位式に組み込んだぁ?
逆ならまだ分かるけど、真面目な宰相殿が贈り物なんかを即位式のイベントとして扱うなんて信じられねぇな?
しかし宰相殿の説明を聞いた俺は、度肝を抜かれつつも納得してしまった。
確かにこんなもの、こっそり献上していいもんじゃねぇな、と。
「なっ!? ウ、ウェポンスキル付きのアウターレア製ロングソードだってぇ!?」
「それだけでも異常なのですがな。専用ウェポンスキルの他に、魔法妨害、貫通、体力吸収、物理攻撃力上昇の大効果が付与されているのですよ」
「え、えぇ……? ラズ姉様、そんな武器をどうやって用意したのかしら……?」
いやいや!? そんなレベルの話じゃないからなマギー!?
なんで衣装を貰ったときより大分テンションが低いんだよ!? ありえねぇだろこれ!?
「国宝も国宝、神が作ったひと振りという感じでしてな。これはもう即位式で公表するしかなかろうと」
「い、意味が分からねぇ……。そんな武器が存在しているのも意味分からねぇが、それをあっさり献上しちまうシャーロット様も理解できねぇよ……」
「なんでも偶然手に入れてしまったけれど、扱いに困ってしまったそうでして。タイミング的にも新王が扱うに相応しいと、献上する事にしたそうです。あまりにも価値がありすぎて、ご自身で持つのは少し怖いと」
「……なるほど」
あまりの価値に、持っていると危険だと判断なされたわけか。
マギーと違ってシャーロット様は戦闘の経験は無いらしいし、下手に高価なものを持っていても身の安全を脅かすだけだと……。
しかも平民のところに嫁がれたばかりだったか。確かにこんな剣、とても管理できる環境じゃないな……。
「直接お会いするのは即位式当日まで難しいとは思いますが、両陛下の即位を王国を上げて祝福してくださるそうです。ここまで祝福される両陛下は幸せものですなぁ」
「ふふ。王国民からの期待の大きさに少し怯んでしまいそうだけど、頑張って彼らとラズ姉様の信頼に応えてみせるわっ。頑張ろうねガル!」
「はは……。今更になって王って立場の重みを実感してきたぜ。まだまだ隠居暮らしはできねぇなぁ」
王国中から祝福されて王に即位する。
以前は飾りにしか思えなかった玉座が、以前は空しく感じられた王位が、なんだか意味あるものに思えてきやがる……!
へへっ! 王国最強の魔物狩りである『断魔の煌き』は解散しちまうけど、俺とマギーはまだまだこれからみてぇだな!
いつかきっと、あいつらなんかよりもずっと多くの人間を幸せにして見せらぁ! 頑張ろうなマギー!
機嫌の良さそうなマギーが、最近巷で噂になっている祝賀イベントとやらの詳細を宰相殿に問いかけている。
王国民に慕われる立派な国王になろうと、腕を磨き本を読み、即位式の準備に大忙しの日々を送っていた俺とマギーに、身に覚えの無い賞賛が届くようになった。
どうやら俺とマギーの名前で様々な催しを行なっているという話だったが、忙しくて直接確かめに行けなかったんだよなぁ。
「私とガルが王国のみんなに慕われるのはありがたいわ。けれど身に覚えの無いことで喜ぶわけにはいかないの。怒っているわけじゃない。ただ何が起こってるのか知りたいの。ね、ガル?」
「あ、ああ。説明してもらえるか宰相様。国中のみんなが喜んでくれてんのは嬉しいけどよ、何が起こってんのか分からないのは落ちつかねぇんだ」
「勿論ご説明致しますとも。王国の皆は、ガルシア陛下とマーガレット陛下の即位を心より祝福してくれているのですからなっ」
宰相殿の言葉に、マギーの頬がピクピクと痙攣しているのが分かった。
これは笑いたいのを必死で堪えているんだろうな。褒められるのが好きなマギーらしい。
「お忙しい両陛下に黙って話を進めた事はお詫び申し上げます。ですがシャーロット様の発案で、せっかくなのでサプライズとしてお2人を驚かせようという話になりましてな。両陛下には内密に進めさせていただいたのですよ」
「まぁっ! ラズ姉様がっ?」
可愛がってくれていた姉のシャーロット様の名前が出たことで、マギーは弾ける様な笑顔になった。
国民の為に凜とした姿を見せなければならないと思っているマギーだが、姉のシャーロット様には素直に甘えるんだよなぁ。
「では、どのような催しが開催されているのか、1つ1つご説明させていただきましょう」
宰相殿が説明してくれた、俺達の即位を祝う国を挙げての祝賀イベントというのは、本当に盛大で常軌を逸したものだった。
戦える者も戦えない者も、領主も庶民も協力して王国中で俺達を祝福してくれるって……。
いくら顔の広いシャーロット様でも、どうやってここまで……?
「シャーロット様が自ら各地に赴いて、領主たちに協力を呼びかけてくださいましてな。貴族たちも非常に協力的なのです」
「……はぁ~。流石はラズ姉様だわ。曲者揃いの王国貴族を、よく纏め上げられるものねぇ~……」
「一応シャーロット様と両陛下の名誉の為に言っておきますが、男女の関係を迫ったわけではありませんからな?」
宰相殿は少し慎重な口調で釘を刺してくる。
確かに釘を刺されなければ、シャーロット様はご自身との関係を対価に王国貴族を纏め上げたのかと勘違いしてしまいそうだ。
「色狂いと言われるシャーロット様が、両陛下の即位にケチをつけるわけにはいかないと、自らの足と言葉で各地の領主達を説得して回ったのです。民に慕われる両陛下の即位を、身分を越えて祝おうと」
「あ、あの面倒臭がりのラズ姉様が、私たちの為に各地をお回りに……!? あぁ姉様……!」
「シャーロット様には頭が上がらないな……。だけど宰相殿、催しに必要な経費はどこから出てるんだ?」
感極まって目に涙を浮かべるマギーのおかげで、俺は逆に少し頭が冷えちまった。
おかげで我ながら下らない、下世話な事が気になっちまう。
「俺達に黙って話を進めたってことは国庫には手をつけてないんだろ? けど催しの規模を聞く限り、シャーロット様個人で捻出できるような費用じゃないように思えるんだが」
「いえ、シャーロット様の個人的な資産から賄われているんですよ。おかげで国庫からは1リーフの持ち出しもありません」
俺の疑問をきっぱりと否定する宰相殿。
各地を回って領主達を説得しただけじゃなくて、必要経費も全て自分の持ちだしって……。
感動に身を震わせているマギーにゃ申し訳ねぇが、今までのシャーロット様とは別人もいいとこだぜぇ……?
「少し前からシャーロット様は、ご自身の奴隷達を使って商売を始めておりましたからな。それに加えて犯罪奴隷達が転職出来るようになったおかげで、始まりの黒からも凄まじい利益を叩き出していたのですよ」
「あ……。そういや最近、犯罪奴隷の転職が可能になったんだったな。いやでもよ、それって滅茶苦茶最近だろ? いくら収入が増えたと言っても、いくらなんでも短期間過ぎねぇか?」
「語弊がありましたね。シャーロット様が商売を始めていたのは数年前からです。そこに今回カリュモード商会出身の有能な奴隷が沢山手に入ったとかで、事業を一気に拡大されたのですよ」
カリュモード商会の奴隷……ってことは、スペルディアを襲撃してきた奴らを登用してるってことかよ……!?
レガリアとかいう組織の暗躍があったとは言え、自分の父親を唆した主犯格を使いこなすたぁ、ある意味色狂いよりも狂気を感じるぜ……。
「それとマーガレット陛下に、シャーロット様から伝言がございます。陛下に謝っておいて欲しいと」
「えっ!? こ、ここまでのことをしてくださったラズ姉様が、いったいなにを謝る必要が……!?」
「実は両陛下が多忙な日々を送られている間に、シャーロット様は婚姻を結ばれましてな。城からお住まいを移されているのです」
「「えっ!?」」
驚きのあまり思わず叫んだ声が、同じように叫んだマギーの声を重なった。
どうやらマギーも知らなかったらしい。
「お互い忙しく、陛下にお話せずに婚姻を結ぶことを大変申し訳無いと仰っておりました。マーガレット陛下に黙って婚姻を結び、そして城を去ってしまった事をまず詫びて欲しいと」
「ま、まず……!? まずってことは、まだ何かあるの……!?」
「はい。黙って婚姻を結んだこともですが、婚姻相手を陛下に紹介出来ないことも詫びてお……」
「なっ、なんでっ!? なんでラズ姉様の婚姻相手と会えないのよっ!? おかしいでしょ!?」
宰相殿の説明を遮って、悲痛さすら感じさせてマギーが叫ぶ。
馬の合わない家族たちの中で、唯一シャーロット様だけが心許せる相手だったとか言っていたっけ。
取り乱すマギーに、勿論ご説明しますと冷静な態度を崩さない宰相殿。
マギーのこの反応は予想がついてたってことか。
「陛下もご存知だと思いますが、シャーロット様はとても恋多きお方で、沢山の男性と愛し合った経験がございます。それは宜しいですか?」
「え、えぇ……。流石にそれを認めないほど子供ではないわよっ……」
「そんなシャーロット様が最後に選んだ相手は、なんと平民でしてな。城に上げるのも憚られるほど普通の男性なのだそうです」
「ラ、ラズ姉様が庶民を選んだって別に不思議じゃないわよっ! ラズ姉様が選んだ相手なら多少礼節に欠けていたってきにしないわっ!」
「いいえ陛下。問題は礼節ではなくてですね、相手の安全なのですよ」
食って掛かりそうなマギーをその都度落ち着かせ、あくまで淡々と説明を続ける宰相殿。
どうやらシャーロット様はマギーが自分の結婚相手と会いたがるのは予想していたようで、会わせることが出来ない理由を理論立てて宰相殿に説明していたようだ。
沢山の王国貴族と……もしかしたら王国の殆どの男性貴族と肌を重ねた経験がおありのシャーロット様。
そんなシャーロット様が平民の男にベタ惚れになって、婚姻まで結んでしまったら……。今までは一夜限りのお遊びで浅くつきあっていた王国貴族が豹変するかもしれない。そう懸念したようだ。
「シャーロット様は大変男性に人気の方でしたからな。誰の物でもない気軽に遊べる相手だからこそ、貴族たちは執着しなかったのです。それが特定の男性、しかも平民に取られたとなっては……」
「……例えばその男性を人質にして、シャーロット様を弄ぼう、なんて輩が出てこないとも限らない……。だから婚姻相手をなるべく表舞台に立たせられない、ってことか?」
「その通りですガルシア陛下。シャーロット様もマーガレット陛下に夫を紹介できないのは大変心苦しいと仰っておりましたが、夫の命と安全には代えられないからと」
「う、うぅ……。ラズ姉様の相手を危険に晒すわけにはいかないけど……! でも……!」
宰相殿の説明を聞いて、マギーが分かりやすく葛藤している。
これでも王女として生まれ育ち、王国最強の魔物狩りとして王国中で活動してきたマギーは、王国貴族の悪辣さと、庶民の立場の低さというものを嫌というほど理解している。
だから夫を貴族から護りたいというシャーロット様の願いも理解できて、だけど姉に愛する人を紹介してもらえないもどかしさで苛立ってしまっているようだ。
「マーガレット陛下。シャーロット様からの伝言はお詫びだけではなくてですね。陛下にお願いもあるそうなのですよ」
「ラ、ラズ姉様が私に!? な、なに!? 姉様はなんて言ってるの!?」
「1つは今回の祝賀イベントのことですな。当事者である両陛下に黙って話を進めたお詫びと、両陛下にも楽しんで欲しいと仰っておりました」
「お祝いしてくださった事にお詫びなんて必要ないのにっ……ラズ姉様ったら真面目なんだから……!」
苛立っていたマギーの機嫌が明らかに上向いたのを感じた。
王国民総出でのお祝いを楽しんでくれ、と言われて機嫌が悪くなる奴なんか居る訳ないわな。
「って、1つはってことは他にもあるの!?」
「ええ。『黙って婚姻の話を進めた私がこんなことをお願いするのも申し訳ないけれど、もしも陛下が嫌じゃ無ければ、シャーロット様の婚姻の発表は両陛下の即位と同時に、こっそりと公表して欲しい』とのことです。貴族連中からの注目を夫から逸らしたいのでしょうな」
「私の即位とラズ姉様の婚姻を同日に発表するの!? なにそれ、素敵じゃないっ! 申し訳ないなんてとんでもないわっ! 流石ラズ姉様、とっても素敵な提案よっ!」
ついさっきまで苛立っていたマギーが、ワクワクとした表情を浮かべて笑っている。
その姿に暖かいものを感じると共に、この場に居ない筈のシャーロット様がマギーを完璧に手玉にとっているような恐ろしさも感じてしまった。
「両陛下の許可さえいただければ、シャーロット様の希望通りに進めますが、よろしいですかな?」
「いいに決まってるでしょっ! ラズ姉様と同時に婚姻を発表するなんて最高だわっ! ね、ガルもそう思わないっ!?」
「あ、あぁ。流石はマギーの姉様だな。俺達の為にここまでしてくれるなんて……」
喜びの中に少しだけ混じった、恐怖に似た感情を振り払う。
仮にシャーロット様がマギーを手玉にとっていたとしても、シャーロット様が俺達を祝福する為に尽力なさってくれたことには変わりない。
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「……ちょうど良い機会ですので、この場でお伝えしておきましょうか」
「ん? まだ何かあんのか?」
「ええ。実は両陛下に向けて、シャーロット様から贈り物があるのです」
「えっ!? この上更に贈り物だなんて……! ラズ姉様ぁ……!」
宰相殿は部屋の外で待っていた侍女に何かを申し付けて、改めて俺達の正面に腰を下ろした。
「ぬか喜びさせて申し訳ないのですが、まだ両陛下への贈り物は届いておりません。が、マーガレット陛下宛てに何点かお召し物が届いております」
「へ? 届いていないって言ったのに、結局贈り物は届いてるわけ?」
「いえ、シャーロット様は陛下が即位式で着る衣装を用意してくださる予定なんです。それが本当の贈り物ですね。ですがそれまでにもいくつか衣装を送るそうなので、陛下の好みや感想を教えて欲しいそうです」
そのタイミングで戻ってきた侍女が、10点を超えるドレスを持ってきた。
その全てがスレッドドレッド製の最高級品で、10着全てが異なるデザインをしていた。
「こ、これだけでも凄いのに……即位式で着る衣装も用意してくださるの……!?」
「お忙しいところ誠に恐縮なのですが、気にいったデザインや着心地などを報告してもらえたらありがたいとのことです。それらを参考に、即位式に相応しい衣装を作り上げたいと」
「やったぁっ! ならこれから毎日姉様の衣装を着なくっちゃいけないわねっ」
文字通り飛び上がって喜ぶマギー。
並べられたドレスはどれも煌びやかで、男の俺から見ても華やかさを感じる衣装だ。
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「……っと、ゴブトゴ。これ、公務に着ても平気、よね?」
「問題ないでしょう。そこはシャーロット様も考慮してくださっているようで、斬新ながらも派手すぎない衣装を用意してくださったようですから」
「姉様ったら気品もあってハイセンスで、本当に素晴らしいわぁ……。即位式の衣装も楽しみねっ」
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「それで、ガルシア陛下への贈り物ですが。これは当日シャーロット様の手から、直接お渡ししていただく予定でして、即位式のイベントの1つに組み込んであるのです」
「どういうこった? いくら王族とは言え、個人間の贈り物を即位式で披露する?」
「物が物でしてね。シャーロット様は個人的に献上してくださったのですが、私のほうからお披露目すべきだと進言したのです」
シャーロット様は個人的に贈ってくださるつもりだったのを、宰相殿が即位式に組み込んだぁ?
逆ならまだ分かるけど、真面目な宰相殿が贈り物なんかを即位式のイベントとして扱うなんて信じられねぇな?
しかし宰相殿の説明を聞いた俺は、度肝を抜かれつつも納得してしまった。
確かにこんなもの、こっそり献上していいもんじゃねぇな、と。
「なっ!? ウ、ウェポンスキル付きのアウターレア製ロングソードだってぇ!?」
「それだけでも異常なのですがな。専用ウェポンスキルの他に、魔法妨害、貫通、体力吸収、物理攻撃力上昇の大効果が付与されているのですよ」
「え、えぇ……? ラズ姉様、そんな武器をどうやって用意したのかしら……?」
いやいや!? そんなレベルの話じゃないからなマギー!?
なんで衣装を貰ったときより大分テンションが低いんだよ!? ありえねぇだろこれ!?
「国宝も国宝、神が作ったひと振りという感じでしてな。これはもう即位式で公表するしかなかろうと」
「い、意味が分からねぇ……。そんな武器が存在しているのも意味分からねぇが、それをあっさり献上しちまうシャーロット様も理解できねぇよ……」
「なんでも偶然手に入れてしまったけれど、扱いに困ってしまったそうでして。タイミング的にも新王が扱うに相応しいと、献上する事にしたそうです。あまりにも価値がありすぎて、ご自身で持つのは少し怖いと」
「……なるほど」
あまりの価値に、持っていると危険だと判断なされたわけか。
マギーと違ってシャーロット様は戦闘の経験は無いらしいし、下手に高価なものを持っていても身の安全を脅かすだけだと……。
しかも平民のところに嫁がれたばかりだったか。確かにこんな剣、とても管理できる環境じゃないな……。
「直接お会いするのは即位式当日まで難しいとは思いますが、両陛下の即位を王国を上げて祝福してくださるそうです。ここまで祝福される両陛下は幸せものですなぁ」
「ふふ。王国民からの期待の大きさに少し怯んでしまいそうだけど、頑張って彼らとラズ姉様の信頼に応えてみせるわっ。頑張ろうねガル!」
「はは……。今更になって王って立場の重みを実感してきたぜ。まだまだ隠居暮らしはできねぇなぁ」
王国中から祝福されて王に即位する。
以前は飾りにしか思えなかった玉座が、以前は空しく感じられた王位が、なんだか意味あるものに思えてきやがる……!
へへっ! 王国最強の魔物狩りである『断魔の煌き』は解散しちまうけど、俺とマギーはまだまだこれからみてぇだな!
いつかきっと、あいつらなんかよりもずっと多くの人間を幸せにして見せらぁ! 頑張ろうなマギー!
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