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8章 新たな王と新たな時代2 亡霊と王
625 誘拐 (改)
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「さぁみんな起きて起きて。早速領主襲撃を始めるよー」
「んもーダンったら! それじゃどっちが悪の組織か分かんないでしょっ。ちゃんとレガリアの壊滅って言いなさーいっ」
朝イチでニーナに駄目出しを貰いながら、軽めのおはようのキスをする。
昨夜のうちに話をまとめておいたので、今日は朝食を済ませたら直ぐにレガリアの残党狩りに赴く事になった。
昨日話し合いの間に寝ていたアウラとフラッタには朝食中に軽く説明し、詳しくはそれぞれの同行者のティムルとラトリアに説明を丸投げした。
「みんなの実力なら怪我をすることもさせることも無いと思うけど、一応未知のマジックアイテムが使われる可能性だけは警戒しておいてね」
「……そうじゃな。スレイブシンボルのような例もあるのじゃ。妾たちを脅かす可能性があるとすれば、やはり未知のマジックアイテムが脅威なのじゃ」
リスのように食事をほっぺに溜め込みながら、もぎゅもぎゅフラッタが神妙な面持ちで頷いてくれる。
……その状態で神妙な面持ちをされても困るんだよ?
スレイブシンボルを実際に使用された当人としては、至極真面目に警戒してるんだろうけどさぁ……。
「今日は私達の職業浸透もお休みするんだねー。私はあんまり事情が分かってないから、ティムルママの指示に従うねー」
「あはーっ。了解よーっ。ママにまっかせなさーいっ」
アウラのペアはティムルだから、全体の中で1番安心感があると言っても過言じゃないな。
家族の中では戦闘力の低いムーリは、精霊魔法を駆使するおっぱい英雄リーチェと一緒だから心配ない。
戦闘力特化のヴァルゴは、人に合わせるのが得意なエマと上手く噛み合ってくれたらいいんだけどね。
ラトリアの説明を、うんうんと真剣な表情で聞いているフラッタも頼もしい。
……やっぱり1番心配なのはニーナ、ターニアペナじゃないのぉ?
この2人、家族の中でもトップクラスに容赦ないからなー……。
「いやいやっ! ダンの実力は疑ってないけど、1番不安なのはどう考えても私たちでしょっ! ダン1人しか戦えないのに、非戦闘員が4人も同行するんだよっ?」
「そこは安心していいよチャール。俺に同行する以上、イントルーダーが襲ってこようが絶対にみんなを危険な目には遭わせないから」
「お、おぉ……! す、好きな男に守ってもらえるのって、こんな嬉しいもんなんだなっ……!?」
「まーったく、シーズは口を開けば直ぐに可愛いこと言いやがってぇ~」
不安がるチャールとは対照的に、完全に恋する乙女の眼差しを俺に向けてくるシーズ。
そんな彼女をよしよしなでなでしながらも、期待に添えるかはちょっと微妙だなぁと思ってしまった。
「でも、シーズにかっこいいところを見せれるかは自信無いよ? 多分殆ど作業になっちゃうと思うからさ」
「あ? 領主を攫ってくるのが作業って……。そりゃいったいどういうことだ?」
「「あ~……」」
首を傾げるシーズに、声を揃えて納得したような声をあげるシャロとキュール。
あのねぇシーズ。
イントルーダーをソロで撃破できる俺達は、やろうと思えば今すぐスペルディア王城を制圧することだって可能なんだよー?
「突然失礼しますねー。死にたくなかったら黙ってご同行願えるかなー?」
「なっ……!? なな……!?」
スペルディアの隣りの街、かつてカリュモード商会の会長モルドラと出会った街の領主の首に、神鉄のロングソードを突きつける。
相手からしてみれば、突然俺が目の前に出現したようにしか思えなかっただろうなぁ。
「大人しくついてくれば悪いようにはしない。だけどちょっとでも抵抗の意志を感じたり、騒ぎ立てるようなことがあれば、アンタもその家族も容赦なく切り捨てるから」
戸惑う領主の男を脅してパーティに加入させ、先日再訪した奈落6階層の元竜人族の飼育場に連れて行く。
ここは未だに到達者が居ないらしいので、監禁場所に最適だ。レガリアの作った場所だし遠慮なく利用しよう。
「信じる信じないは自由だけど、ここは奈落6階層の先の中継地点だ。ここで暫く待っててね」
「ば、馬鹿なっ……!? 奈落の6階層ということは、ここは例の……!?」
「知ってるなら話が早いね。自力で帰る自信が無いならここで大人しくしててよ。迎えは約束するからさ」
「ま、待てっ……! シャーロット様、これはいったい……!?」
戸惑いシャロに声をかけてくる男を奈落に残して、アウターを脱出する。
領主の男が探索者を浸透させていないのは鑑定で確認済みだ。
戦える人間の動きでもなかったし、死にたくなければ大人しくしてるでしょ。
「はい一丁あがり~。この調子でどんどん進めていこうねー」
「え、えぇ~……? 目の前で見せられたのに、何が何やらさっぱり分かんないんだけど……?」
「なんで正面から堂々と乗り込んでも誰にも反応されねぇんだよ……!?」
白昼堂々と正面からの領主襲撃を目の当たりにしたチャールとシーズが、事態を飲み込めずにパニックを起こしている。
流石にキュールとシャロは落ち着いた様子……というか、なんか呆れた様子ですね?
「血が流れなくてホッとはしたのは認めるけど……。今いったい何したんだダン……!?」
「とある職業に『全体気配遮断』ってスキルがあってね。スキル作動中は周囲に認識されにくくなるんだー」
混乱しているチャールとシーズに、気配遮断を用いた一連の流れを説明する。
気配遮断スキルを知らない2人は、狐につままれたような気分だろう。
正面から堂々と領主邸に侵入し、シャロの案内で領主の寝室まで移動し、鑑定を使って本人確認と職業浸透を確認したらパーティに加入させ、領主の気配も遮断してあっさりと脱出して見せたのだから。
スペルド王国最強の剣士と言われたラトリアですら、気配遮断スキルを認識することが出来ずに乳首をツンツンぐりぐりされちゃったからね。
他の貴族が気配遮断に気付くのはまず無理だろう。
「仮に気付かれても、イントルーダーを単独で撃破する戦闘能力で押し通れてしまうわけだ……。今回はダンさん側にいるから心配する必要は無いんだけど、これって狙われた時点で詰んでるよねぇ……?」
「……詰んでますね。これ多分、王宮騎士団でも気付けないんじゃないですか?」
キュールとシャロは混乱こそしなかったようだけど、自分の立場に置き換えて気配遮断スキルの隠密性に慄いている。
単純にどうなってるんだ? じゃなくて、自分が使われたらどうしようって考えるのは、やっぱり2人が大人だからなのかなぁ。
「ちなみに、以前ヴァルハールの竜爵家低に忍び込んで、執務室のラトリアに気付かれずに乳首をぐりぐりしたことがあるよー」
「竜爵家の使用人はおろか、ラトリアさん本人にも気付かれなかったんですか……!?」
ラトリアの実力を俺以上に重く捉えているシャロが、気配遮断の効果の凄まじさに驚愕の声をあげた。
あの時の無防備なラトリアの乳首を思い出して、驚くシャロの乳首をツンツンと突いて弄ぶ。
しかし驚いてしまっているシャロは、乳首を好き放題ツンツンぷにぷにされている事にも気付かない。寂しい。ぷにぷに。
「そ、そんな襲撃を領主に察知しろと言っても無理ですよね……。その圧倒的な実力差のおかげで、無駄な血が流れずに済んだわけですけど……」
「俺達が発する音を拾えれば、俺たちを認識することは可能なんだけどねー。警戒していないと意外と気付けないものなんだよ」
「意外でもなんでもないから……。誰も居ないと寛いでいる時に音がしたって、普通の人は気のせいかなって流しちゃうでしょ……」
「これ……。ダンだけじゃなく、仕合わせの暴君のみんなが同じこと出来るの……? 道理で気軽に王国中の領主誘拐なんて企てるわけだよぉ……」
チャールさんや。企てるって言うの止めてくれません? 言葉の持ってるイメージが悪すぎるんだよ?
まぁ実際に国家転覆しそうなことをしでかしておきながら、今更イメージなんか気にしても仕方ないんだけどさぁ……。
「確かにこれ、かっこよくもなんともねぇな……。かっこよくはねぇけど、自分がやられたらって思うとめっちゃくちゃ怖ぇわ……」
「今度チャールとシーズにこっそり悪戯してあげるよ。じゃこの調子でどんどん誘拐してこようか」
「ご主人様こそ、ノリノリでやってません……?」
こういうのはノリが大事なんだよシャロ。
冷静になっちゃったら理性と言う名のブレーキかかっちゃうからね。
ノリと勢いで誘拐を終わらせちゃって、後悔するのはもう後戻りも取り返しもつかなくなった後にしよう。
シャロとシーズの乳首をぷにぷにと優しく可愛がりながら、次々と領主たちを攫ってくる。
基本的に領主連中は戦えない奴ばかりで、剣を突きつければ大体大人しく従ってくれる。
俺の隣りにシャロがいる事で、王城からの緊急の案件だと勘違いした者もいるようだ。
奈落に連れて行く人数が増えると、人が増えたことで少しずつ落ち着いてきた連中が騒ぎ立てた始める。
面倒なので騒いだ相手が出るたびに片っ端からオーバーウェルミングで萎縮させていったら、次第に大人しく待つようになってくれた。
「順調だね。このペースなら明るいうちに余裕で全員攫って来れそうだ」
困惑気味の同行メンバーに声をかけつつ、次々と領主の誘拐作業を進めていく。
今のところ探索者になれている者は1人もいないので、逃げられる心配も無いので見張りも立てていない。
「シャロを見るたびに、黙って俺の言う事を聞け的なことを言ってくる奴が何人もいるのだけが困りものだけど、それさえ気にしなければ何の問題もなさそうだ」
「以前の私は殿方に従順に振舞っておりましたからねぇ。レガリアを名乗って関係を迫ってきた相手も少なくなかったので、もしかしたらレガリアは私の身体をダシに使って領主たちを勧誘していた可能性もありますね」
「うわ……。あと100回は滅ぼさない時が済まなくなってきたわぁ……」
「ふふっ。ご主人様にヤキモチを焼いてもらえるのはとっても嬉しいんですけど、他人に怒りを向けるよりも、貴方のシャロに目を向けて欲しいですっ」
「あーっ! シャロばっかりズリーよ! シャロはさっきもキスしたろー!? 今度は俺の番に決まってんだろうがーっ!」
無能者が多い貴族連中に苛立ちを覚えるたびにシャロとシーズが競ってキスをしてくれるので、なんか2人とキスする為にその辺の石ころにすら怒って見せたい気分になってくるよぉ。
おっきなシャロのおっぱいと、栄養が足りなくて平らなシーズのおっぱいをモミモミと楽しみながら、各地の領主を誘拐して回った。
「さて……。ここで最後だ。さっさと済ませよっか」
思った以上に誘拐が順調に進んで、俺が担当する最後の街に到着する。
直ぐに領主邸を訪ねて、領主に会いたいと門番に取り次いでもらう。
「ご主人様? どうして正面から訪問されたんで……」
「ダンさんかい? 今日は随分と急な訪問だね……って!? シャシャ、シャーロット様ぁ……!?」
首を傾げるシャロの姿を見て、領主の身でありながら直接俺を迎えに来てくれたヴィアバタの領主が仰天している。
残念ながらこの人もシャロを弄んだ男の1人で、間違いなくレガリアに所属しているようなのだ。
今は彼に同行してもらわないとと、複雑な感情を押し殺して声をかける。
「突然の訪問申し訳ありません。そして申し訳ないついでにちょっとこのまま同行してくれますか? ヴィアバタの領主、タルナーダさん」
「えっえっ? い、いったいどういうこ……」
「俺は今、レガリアって組織の残党狩りをしています」
「なっ……!?」
こんな寂れた街の領主も例外なくレガリアの名前を知っていて、例外なくシャロを弄んでいるんだから嫌になるね。
今更憤っても仕方ないけど、仕方なくても腹は立つよ。
「出来れば手荒な真似はしたくないし、無関係の人を巻き込みたくも無いので……。素直にパーティに加入して大人しく同行してもらいたいんですよ」
「ひっ……!?」
ヴィアバタの領主タルナーダの言葉を遮って、インベントリから取り出したロングソードを見せ付けて同行を要請する。
……ここまでしておきながら、彼に剣を突きつける事の出来ない自分の優柔不断さに少し笑ってしまうな。
「レ、レガリアの残党狩りって……!? いや、残党って、それじゃレガリアは……!」
「詳しい説明はあとだ。他の人を巻き込みたくないからまずは移動しよう。大人しく従ってくれれば安全は保証するよ」
「な、なんでこんな……! シャーロット様! これはいったいどういうことですか!?」
状況の掴めないヴィアバタの領主さんは、剣を持っている俺ではなく、かつて肌を重ねた女性であるシャロに説明を求めてくる。
そんなタルナーダさんに、静かに首を振って見せるシャロ。
「説明は後だとたった今主人が言ったはずです。事情が知りたければ大人しく同行してくださいタルナーダ様」
「しゅ、主人って……!? ダ、ダンさんがシャーロット様の主人ですってぇ……!?」
「……ごめん。それ以上騒ぐならいい加減手荒なまねに出ざるを得ないよ。今すぐ口を閉じて同行してくれる?」
「……っ!」
ハッとしたように両手で口を押さえて、無理矢理黙り込むヴィアバタの領主さん。
お互い良い関係を築けていたと思ったのに、その関係を自分から壊してしまうような事になってしまって本当に残念で仕方ないよ。
でもレガリアに所属していたことを見逃すわけにはいかないし、シャロを弄んだ点でも減点だ。容赦はしないよ。
すっかり萎縮したヴィアバタの領主タルナーダと共に奈落に向かうと、どうやら俺達が最後だったようで、既に家族のみんなが奈落で待っていてくれた。
それは構わないんだけど、なんで領主達が怯えたように俯いて地面を睨んでいるのかな?
怯える領主たちに首を傾げていると、俺の疑問を察したニーナが事情を説明してくれる。
「流石貴族様だけあって、リーチェやラトリアと面識のある人もいてさ、そういう人たちがダンの不在中に助けてくれって騒ぎ始めてねー。フラッタが天井にブレスを放って見せて黙らせたのー」
「なるほど……。ブレスを放ったわりにはフラッタは元気そうだね?」
「かなり威力を抑えて放ったのじゃー。じゃがその程度のブレスでも、此奴らには充分な恐怖を与えられたようじゃのうっ」
からからと屈託なく笑うフラッタだけど、人間にも物理的干渉が可能なブレスを目の前で放たれたら、戦えない人からしたら恐怖以外の何物でも無いんだよ?
しかもブレスを放ってもピンピンされてたら、ブレス後の隙を窺うってわけにもいかないだろうし。
「お疲れ様フラッタ。それじゃせっかくフラッタが場を収めてくれたんだ。この流れで話を始めようか」
未だ戸惑った様子のヴィアバタ領主も他の領主と合流させ、希望者には水と食事くらいは振舞ってやると前置きしてから話を始める。
組織レガリアのトップであるメナスを俺が殺したこと。
その流れで組織レガリアの残党を狩りつくす為に、今回皆さんにご同行願ったこと。
話に流れ次第ではこのまま家に帰すことも、この場で皆殺しにすることも、犯罪者として拘束してもらうこともあるとしっかり宣言しておく。
話を聞いた領主連中は、理不尽な誘拐に怒りを顕わにしている者、後ろめたい何かがあるのか蒼白になって震えている者、戸惑った様子でキョロキョロしているだけの者など様々だ。
どうやらここにいる奴等のレガリアとしての意識も、人によってかなり差がありそうだ。
誰がどの程度レガリアと関わってきたのかしっかり見極めていかないと王国が滅びかねないから、いつも以上に集中して話をしないとなぁ~。
「んもーダンったら! それじゃどっちが悪の組織か分かんないでしょっ。ちゃんとレガリアの壊滅って言いなさーいっ」
朝イチでニーナに駄目出しを貰いながら、軽めのおはようのキスをする。
昨夜のうちに話をまとめておいたので、今日は朝食を済ませたら直ぐにレガリアの残党狩りに赴く事になった。
昨日話し合いの間に寝ていたアウラとフラッタには朝食中に軽く説明し、詳しくはそれぞれの同行者のティムルとラトリアに説明を丸投げした。
「みんなの実力なら怪我をすることもさせることも無いと思うけど、一応未知のマジックアイテムが使われる可能性だけは警戒しておいてね」
「……そうじゃな。スレイブシンボルのような例もあるのじゃ。妾たちを脅かす可能性があるとすれば、やはり未知のマジックアイテムが脅威なのじゃ」
リスのように食事をほっぺに溜め込みながら、もぎゅもぎゅフラッタが神妙な面持ちで頷いてくれる。
……その状態で神妙な面持ちをされても困るんだよ?
スレイブシンボルを実際に使用された当人としては、至極真面目に警戒してるんだろうけどさぁ……。
「今日は私達の職業浸透もお休みするんだねー。私はあんまり事情が分かってないから、ティムルママの指示に従うねー」
「あはーっ。了解よーっ。ママにまっかせなさーいっ」
アウラのペアはティムルだから、全体の中で1番安心感があると言っても過言じゃないな。
家族の中では戦闘力の低いムーリは、精霊魔法を駆使するおっぱい英雄リーチェと一緒だから心配ない。
戦闘力特化のヴァルゴは、人に合わせるのが得意なエマと上手く噛み合ってくれたらいいんだけどね。
ラトリアの説明を、うんうんと真剣な表情で聞いているフラッタも頼もしい。
……やっぱり1番心配なのはニーナ、ターニアペナじゃないのぉ?
この2人、家族の中でもトップクラスに容赦ないからなー……。
「いやいやっ! ダンの実力は疑ってないけど、1番不安なのはどう考えても私たちでしょっ! ダン1人しか戦えないのに、非戦闘員が4人も同行するんだよっ?」
「そこは安心していいよチャール。俺に同行する以上、イントルーダーが襲ってこようが絶対にみんなを危険な目には遭わせないから」
「お、おぉ……! す、好きな男に守ってもらえるのって、こんな嬉しいもんなんだなっ……!?」
「まーったく、シーズは口を開けば直ぐに可愛いこと言いやがってぇ~」
不安がるチャールとは対照的に、完全に恋する乙女の眼差しを俺に向けてくるシーズ。
そんな彼女をよしよしなでなでしながらも、期待に添えるかはちょっと微妙だなぁと思ってしまった。
「でも、シーズにかっこいいところを見せれるかは自信無いよ? 多分殆ど作業になっちゃうと思うからさ」
「あ? 領主を攫ってくるのが作業って……。そりゃいったいどういうことだ?」
「「あ~……」」
首を傾げるシーズに、声を揃えて納得したような声をあげるシャロとキュール。
あのねぇシーズ。
イントルーダーをソロで撃破できる俺達は、やろうと思えば今すぐスペルディア王城を制圧することだって可能なんだよー?
「突然失礼しますねー。死にたくなかったら黙ってご同行願えるかなー?」
「なっ……!? なな……!?」
スペルディアの隣りの街、かつてカリュモード商会の会長モルドラと出会った街の領主の首に、神鉄のロングソードを突きつける。
相手からしてみれば、突然俺が目の前に出現したようにしか思えなかっただろうなぁ。
「大人しくついてくれば悪いようにはしない。だけどちょっとでも抵抗の意志を感じたり、騒ぎ立てるようなことがあれば、アンタもその家族も容赦なく切り捨てるから」
戸惑う領主の男を脅してパーティに加入させ、先日再訪した奈落6階層の元竜人族の飼育場に連れて行く。
ここは未だに到達者が居ないらしいので、監禁場所に最適だ。レガリアの作った場所だし遠慮なく利用しよう。
「信じる信じないは自由だけど、ここは奈落6階層の先の中継地点だ。ここで暫く待っててね」
「ば、馬鹿なっ……!? 奈落の6階層ということは、ここは例の……!?」
「知ってるなら話が早いね。自力で帰る自信が無いならここで大人しくしててよ。迎えは約束するからさ」
「ま、待てっ……! シャーロット様、これはいったい……!?」
戸惑いシャロに声をかけてくる男を奈落に残して、アウターを脱出する。
領主の男が探索者を浸透させていないのは鑑定で確認済みだ。
戦える人間の動きでもなかったし、死にたくなければ大人しくしてるでしょ。
「はい一丁あがり~。この調子でどんどん進めていこうねー」
「え、えぇ~……? 目の前で見せられたのに、何が何やらさっぱり分かんないんだけど……?」
「なんで正面から堂々と乗り込んでも誰にも反応されねぇんだよ……!?」
白昼堂々と正面からの領主襲撃を目の当たりにしたチャールとシーズが、事態を飲み込めずにパニックを起こしている。
流石にキュールとシャロは落ち着いた様子……というか、なんか呆れた様子ですね?
「血が流れなくてホッとはしたのは認めるけど……。今いったい何したんだダン……!?」
「とある職業に『全体気配遮断』ってスキルがあってね。スキル作動中は周囲に認識されにくくなるんだー」
混乱しているチャールとシーズに、気配遮断を用いた一連の流れを説明する。
気配遮断スキルを知らない2人は、狐につままれたような気分だろう。
正面から堂々と領主邸に侵入し、シャロの案内で領主の寝室まで移動し、鑑定を使って本人確認と職業浸透を確認したらパーティに加入させ、領主の気配も遮断してあっさりと脱出して見せたのだから。
スペルド王国最強の剣士と言われたラトリアですら、気配遮断スキルを認識することが出来ずに乳首をツンツンぐりぐりされちゃったからね。
他の貴族が気配遮断に気付くのはまず無理だろう。
「仮に気付かれても、イントルーダーを単独で撃破する戦闘能力で押し通れてしまうわけだ……。今回はダンさん側にいるから心配する必要は無いんだけど、これって狙われた時点で詰んでるよねぇ……?」
「……詰んでますね。これ多分、王宮騎士団でも気付けないんじゃないですか?」
キュールとシャロは混乱こそしなかったようだけど、自分の立場に置き換えて気配遮断スキルの隠密性に慄いている。
単純にどうなってるんだ? じゃなくて、自分が使われたらどうしようって考えるのは、やっぱり2人が大人だからなのかなぁ。
「ちなみに、以前ヴァルハールの竜爵家低に忍び込んで、執務室のラトリアに気付かれずに乳首をぐりぐりしたことがあるよー」
「竜爵家の使用人はおろか、ラトリアさん本人にも気付かれなかったんですか……!?」
ラトリアの実力を俺以上に重く捉えているシャロが、気配遮断の効果の凄まじさに驚愕の声をあげた。
あの時の無防備なラトリアの乳首を思い出して、驚くシャロの乳首をツンツンと突いて弄ぶ。
しかし驚いてしまっているシャロは、乳首を好き放題ツンツンぷにぷにされている事にも気付かない。寂しい。ぷにぷに。
「そ、そんな襲撃を領主に察知しろと言っても無理ですよね……。その圧倒的な実力差のおかげで、無駄な血が流れずに済んだわけですけど……」
「俺達が発する音を拾えれば、俺たちを認識することは可能なんだけどねー。警戒していないと意外と気付けないものなんだよ」
「意外でもなんでもないから……。誰も居ないと寛いでいる時に音がしたって、普通の人は気のせいかなって流しちゃうでしょ……」
「これ……。ダンだけじゃなく、仕合わせの暴君のみんなが同じこと出来るの……? 道理で気軽に王国中の領主誘拐なんて企てるわけだよぉ……」
チャールさんや。企てるって言うの止めてくれません? 言葉の持ってるイメージが悪すぎるんだよ?
まぁ実際に国家転覆しそうなことをしでかしておきながら、今更イメージなんか気にしても仕方ないんだけどさぁ……。
「確かにこれ、かっこよくもなんともねぇな……。かっこよくはねぇけど、自分がやられたらって思うとめっちゃくちゃ怖ぇわ……」
「今度チャールとシーズにこっそり悪戯してあげるよ。じゃこの調子でどんどん誘拐してこようか」
「ご主人様こそ、ノリノリでやってません……?」
こういうのはノリが大事なんだよシャロ。
冷静になっちゃったら理性と言う名のブレーキかかっちゃうからね。
ノリと勢いで誘拐を終わらせちゃって、後悔するのはもう後戻りも取り返しもつかなくなった後にしよう。
シャロとシーズの乳首をぷにぷにと優しく可愛がりながら、次々と領主たちを攫ってくる。
基本的に領主連中は戦えない奴ばかりで、剣を突きつければ大体大人しく従ってくれる。
俺の隣りにシャロがいる事で、王城からの緊急の案件だと勘違いした者もいるようだ。
奈落に連れて行く人数が増えると、人が増えたことで少しずつ落ち着いてきた連中が騒ぎ立てた始める。
面倒なので騒いだ相手が出るたびに片っ端からオーバーウェルミングで萎縮させていったら、次第に大人しく待つようになってくれた。
「順調だね。このペースなら明るいうちに余裕で全員攫って来れそうだ」
困惑気味の同行メンバーに声をかけつつ、次々と領主の誘拐作業を進めていく。
今のところ探索者になれている者は1人もいないので、逃げられる心配も無いので見張りも立てていない。
「シャロを見るたびに、黙って俺の言う事を聞け的なことを言ってくる奴が何人もいるのだけが困りものだけど、それさえ気にしなければ何の問題もなさそうだ」
「以前の私は殿方に従順に振舞っておりましたからねぇ。レガリアを名乗って関係を迫ってきた相手も少なくなかったので、もしかしたらレガリアは私の身体をダシに使って領主たちを勧誘していた可能性もありますね」
「うわ……。あと100回は滅ぼさない時が済まなくなってきたわぁ……」
「ふふっ。ご主人様にヤキモチを焼いてもらえるのはとっても嬉しいんですけど、他人に怒りを向けるよりも、貴方のシャロに目を向けて欲しいですっ」
「あーっ! シャロばっかりズリーよ! シャロはさっきもキスしたろー!? 今度は俺の番に決まってんだろうがーっ!」
無能者が多い貴族連中に苛立ちを覚えるたびにシャロとシーズが競ってキスをしてくれるので、なんか2人とキスする為にその辺の石ころにすら怒って見せたい気分になってくるよぉ。
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「さて……。ここで最後だ。さっさと済ませよっか」
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直ぐに領主邸を訪ねて、領主に会いたいと門番に取り次いでもらう。
「ご主人様? どうして正面から訪問されたんで……」
「ダンさんかい? 今日は随分と急な訪問だね……って!? シャシャ、シャーロット様ぁ……!?」
首を傾げるシャロの姿を見て、領主の身でありながら直接俺を迎えに来てくれたヴィアバタの領主が仰天している。
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「突然の訪問申し訳ありません。そして申し訳ないついでにちょっとこのまま同行してくれますか? ヴィアバタの領主、タルナーダさん」
「えっえっ? い、いったいどういうこ……」
「俺は今、レガリアって組織の残党狩りをしています」
「なっ……!?」
こんな寂れた街の領主も例外なくレガリアの名前を知っていて、例外なくシャロを弄んでいるんだから嫌になるね。
今更憤っても仕方ないけど、仕方なくても腹は立つよ。
「出来れば手荒な真似はしたくないし、無関係の人を巻き込みたくも無いので……。素直にパーティに加入して大人しく同行してもらいたいんですよ」
「ひっ……!?」
ヴィアバタの領主タルナーダの言葉を遮って、インベントリから取り出したロングソードを見せ付けて同行を要請する。
……ここまでしておきながら、彼に剣を突きつける事の出来ない自分の優柔不断さに少し笑ってしまうな。
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そんなタルナーダさんに、静かに首を振って見せるシャロ。
「説明は後だとたった今主人が言ったはずです。事情が知りたければ大人しく同行してくださいタルナーダ様」
「しゅ、主人って……!? ダ、ダンさんがシャーロット様の主人ですってぇ……!?」
「……ごめん。それ以上騒ぐならいい加減手荒なまねに出ざるを得ないよ。今すぐ口を閉じて同行してくれる?」
「……っ!」
ハッとしたように両手で口を押さえて、無理矢理黙り込むヴィアバタの領主さん。
お互い良い関係を築けていたと思ったのに、その関係を自分から壊してしまうような事になってしまって本当に残念で仕方ないよ。
でもレガリアに所属していたことを見逃すわけにはいかないし、シャロを弄んだ点でも減点だ。容赦はしないよ。
すっかり萎縮したヴィアバタの領主タルナーダと共に奈落に向かうと、どうやら俺達が最後だったようで、既に家族のみんなが奈落で待っていてくれた。
それは構わないんだけど、なんで領主達が怯えたように俯いて地面を睨んでいるのかな?
怯える領主たちに首を傾げていると、俺の疑問を察したニーナが事情を説明してくれる。
「流石貴族様だけあって、リーチェやラトリアと面識のある人もいてさ、そういう人たちがダンの不在中に助けてくれって騒ぎ始めてねー。フラッタが天井にブレスを放って見せて黙らせたのー」
「なるほど……。ブレスを放ったわりにはフラッタは元気そうだね?」
「かなり威力を抑えて放ったのじゃー。じゃがその程度のブレスでも、此奴らには充分な恐怖を与えられたようじゃのうっ」
からからと屈託なく笑うフラッタだけど、人間にも物理的干渉が可能なブレスを目の前で放たれたら、戦えない人からしたら恐怖以外の何物でも無いんだよ?
しかもブレスを放ってもピンピンされてたら、ブレス後の隙を窺うってわけにもいかないだろうし。
「お疲れ様フラッタ。それじゃせっかくフラッタが場を収めてくれたんだ。この流れで話を始めようか」
未だ戸惑った様子のヴィアバタ領主も他の領主と合流させ、希望者には水と食事くらいは振舞ってやると前置きしてから話を始める。
組織レガリアのトップであるメナスを俺が殺したこと。
その流れで組織レガリアの残党を狩りつくす為に、今回皆さんにご同行願ったこと。
話に流れ次第ではこのまま家に帰すことも、この場で皆殺しにすることも、犯罪者として拘束してもらうこともあるとしっかり宣言しておく。
話を聞いた領主連中は、理不尽な誘拐に怒りを顕わにしている者、後ろめたい何かがあるのか蒼白になって震えている者、戸惑った様子でキョロキョロしているだけの者など様々だ。
どうやらここにいる奴等のレガリアとしての意識も、人によってかなり差がありそうだ。
誰がどの程度レガリアと関わってきたのかしっかり見極めていかないと王国が滅びかねないから、いつも以上に集中して話をしないとなぁ~。
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