異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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8章 新たな王と新たな時代2 亡霊と王

601 絶技 (改)

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「こ、こちらがスキル付与を済ませた完成品となりまーす……!」


 魔力枯渇でふらつく体に鞭打って料理の生番組のノリで大きく両手を開き、周囲に散らばった聖銀武器を指し示す。


 職人崇拝のドワーフたちに現実を思い知らせようとして、職業スキルと補正を最大限に駆使した生産スキルとスキル付与の多重発動を実演してみせた。

 しかし流石に聖銀武器作成からのスキル付与はドワーフ族ではない俺には負担が大きすぎて、久々に魔力枯渇寸前まで魔力を使ってしまい、苦しみで脂汗が吹き出てくる。


「あ~……。流石に疲れたよぉ~っ」


 まるで時間が止まってしまったように凍り付く集会所。

 それをいいことに可愛い奥さんの乳首をツンツンぐりぐりしても、反応が返って来ないのが寂しいんだよ? つんつんぷにぷに。


 ティムルとシャロを抱き寄せて、2人のおっぱいに顔を埋めて魔力の回復を図る。

 あー、本当はこの薄布の向こうの乳首にしゃぶりついた方が魔力が回復しそうだけど、愛する2人の可愛い乳首をこんな奴らに見せるわけにはいかないから我慢しないとね。むにゅむにゅ。


 だけど2人のおっぱいの感触を堪能していたら、だんだん顔を埋めるだけじゃ我慢出来なくなってきたなぁ?


「……ご主人様。服が傷みますので、服の上から乳首を噛むのは控えてもらっていいですか?」

「おや? シャロが1番復活が早いのはちょっと意外だったよ。ちゅううううう」

「んっ……! そんなに強く吸われたらぁ……噛まれなくても同じなんですけどぉ……?」


 暫く2人のおっぱいに顔を埋めていて、段々服の上から乳首を吸ったり噛んだりしていたらようやくシャロが復活してくれた。


「ごめんね。他の男に可愛いシャロの大事な乳首を見せたくないからこうするしかないんだよ。はむはむ」

「私ももうご主人様以外に乳首を晒す気はありませんが、ご主人様も私たちの乳首を放してくれる気はなさそうですね?」

「んー……。可愛いシャロのお願いは聞いてあげたいんだけど、口寂しいんだよねぇ……」


 魔力枯渇で弱っているせいか、いつもより大分素直にシャロに甘えてしまう俺。

 シャロっておっぱい吸われると頭をなでなでしてくれるから、もう自然な流れで甘えちゃうんだよなーっ。


「う~ん……。なにか乳首の代わりになる物があれば放しても良いんだけどなー?」

「ふふ。仕方ないご主人様です。ほら、顔を上げてください。私の舌を乳首だと思って、さぁどうぞっ」

「わぁいっ。察しが良くってえっちに積極的なシャロ、大好きーっ」


 2人の乳首から口を離すのは辛いけれど、服の上からの乳首よりも直接触れ合い舐め合えるシャロの舌の方がずーっと気持ち良いのは間違いないっ。

 おっぱいに挟まれたまま2人の柔らかい身体をモゾモゾと登って、チロチロと舌を見せびらかすシャロに噛みつくようにキスをする。


 乳首の代わりにと差し出した言葉に偽りはなく、シャロは舌を極力動かさずに俺にされるがままで居てくれる。

 なので窄めた自分の口をシャロの口の中まで突っ込み、なるべく深く舌を咥えてジュルジュルと音を立てて思い切り吸い上げる


 口の中のシャロの舌を吸い上げながら舐め回し、乳首には無い滑った感触に興奮を覚えていると、シャロは俺の口をはむっと咥えて、自分の舌を吸う俺の口を思い切り吸い上げ始めた。

 なにこれーっ! 自分とシャロの口がどうなってるのかすらもう良く分かんないよーっ。シャロ大好きーっ!


「あぁん、シャロばっかりズルいズルい~っ! お姉さんもダンとキスがしたいのにぃ~っ!」


 シャロとキスをしているうちにどうやら復活してくれたティムルは、俺に自身をむにゅむにゅ擦りつけながらキスしてキスしてと必死になっておねだりしてくる。


 うおお!? 人前では極力冷静に努めてくれるティムルお姉さんが、まるで駄々っ子のようにイヤイヤと首を振っておねだりしてきたぞーっ!?

 お姉さんのおねだり、しっかりと聞き届けたーっ!


 シャロとティムルの顔を抱き寄せて、3人でちゅぱちゅぱ舌を絡める。

 もう既にここが何処で何をやっていたのか覚えてないけど、シャロもティムルも覚えてなさそうだしどうでもいっかー!


「はむぅ……ちゅる……れろれろ。好きぃ……。ダン大好きぃ……」


 必死に俺の首に抱き付きながら一瞬も離れたくないとでもいうかのように、情熱的に舌を絡めてくれるティムル。

 更にシャロとティムルの顔を抱き寄せている俺の腕の内側で、2人は自分から熱心におっぱいを押し付けてくれるので死ぬほど気持ちいい。


 もうこのまま一生2人とキスしたまま過ごしたいくらいだよぉ。

 シャロもティムルも大好きぃ……。


「ななっ!? なんでこんな場所でそんなに情熱的に接吻なさってるんですか!! 落ち着いて! ダンさんもティムルさんも一旦落ち着いてーーっ!!」


 おおっと、我が家の家族を除いた現実への帰還者第1号はカラソルさんか。


 情事に特化した夢の宿グループを経営しているだけあって、3人でれろれろちゅうちゅうしている俺達にも普通にツッコミを入れてくるなぁ。

 そしてシャロにはツッコミを入れないあたり、シャロが夢の一夜亭に何度も出入りしていたのは間違いないようだ。


 でもカラソルさんが復帰したってことは、他の連中もそろそろ我に返る頃だろう。

 名残惜しいけどここは一旦終了して、あとでたっぷり続きをしようっ。


「さ、キスは一旦終わりにしよう。その代わりにぎゅーっとしててあげるからねー」

「やぁん。もっとキスしたいのぉ……! ダン~っ、イジワル言わないでもっとキスしてぇ……?」

「ごめんね、大好きなお姉さんのおねだりは聞いてあげたいけど、大好きなお姉さんのえっちな姿は俺以外に見せたくないんだよー」


 イヤイヤと甘えてくるティムルお姉さんの事を可愛がってあげたいのは山々なんだけど、こんな可愛いにお姉さんの姿を俺以外に見せたくはないからね。

 それに一応まだ話は終わってないんだから、口だけは解放しておいて欲しいんだよ?


「ほら、口寂しかったら耳をはむはむしてていいから。もうちょっとだけ我慢してくれる?」

「ダンのいじわるぅ……。あんなにかっこいいところを見せておいてキスしちゃダメなんて酷いわよぉ……。はむはむ」


 頬を膨らませて文句を言いながらも我が侭は通さず、素直に俺の耳を甘噛みし始めるティムル。

 甘えモードで不満は口にするものの、お姉さんらしく状況を察して素直に言う事を聞いてくれる辺りが最高に可愛くていじらしいなぁもうっ。


「はむはむ。ちゅうちゅう。れろれろ。ちゅううう」

「あとでいっぱいキスしてあげるから、今はそれで我慢しててね。その代わり好きなだけそうしてていいから」

「ご、ご主人様……。ティムルさんはいったいどうしちゃったんですか……? いつも余裕たっぷりのティムルさんと同じ人物とは思えないんですけど……」


 泣きそうな顔で俺の耳をしゃぶり続けるティムルを見て、シャロが目を丸くしている。

 普段のシャロならティムルに便乗して俺の耳をはむはむちゅぱちゅぱしてきそうなものだけど、ソレすら忘れるほどにビックリしてるみたいだ。


 ふ~む、どうしたって聞かれても俺もちょっと困惑気味なんだけど……。

 お姉さんが甘々の最強モードになってしまった要因としては考えられるのは、さっきの多重クリエイトしかないよなぁ?


「今までも何度かあったことなんだけど、ドワーフ族のティムルは生産系のイベントにとても弱くってねー。多分さっきの俺の多重クリエイトスキル発動を見て昂っちゃったんだと思うよ」

「なるほど……って、そうですよご主人様っ。さっきのアレはいったいなんだったんですか? なんで一瞬で大量のミスリル武器が生み出されて、そして次の瞬間には大量のスキルジュエルが出てきて消えたんですけど……?」

「あ、シャロにもミスリル武器とスキルジュエルって分かったんだ? 魔物狩りをしてないのに凄いね」

「先日ご主人様が武器職人まで無理矢理浸透させたからですっ! ……ってまさか、お忘れになったとか言わないですよねっ!?」

「あ、そうか。武器鑑定か」

「あーっ! 本当にお忘れになってるーっ!」


 奈落でパワーレベリングした時に、シャロには感度を優先して職人ルートを進ませたんだったなー。

 武器鑑定には……っていうか鑑定スキルには詠唱が必要無いから、シャロが鑑定スキルを使った事に気付かなかったよ。


 ほっぺをぷくーっと膨らませて割と素で怒っているように思えるシャロにごめんごめんと謝りながらすりすりと頬ずりすると、膨らんでいたほっぺは直ぐに機嫌良さそうにしぼんでいった。

 シャロもティムルも素直可愛いよぉ。すりすり。


「スキルジュエルは城に居た時に何度か目にしたことがありましたのですぐに分かりました。だからあんなに大量に出てきて、そして一瞬で消えたのが意味分からなすぎますよっ」

「えっとね。五感補正、身体操作性補正、敏捷補正に各職業スキルを使って、超高速詠唱をして同時にスキル付与を行なったんだよ」

「なんで説明された方が余計に意味が分からなくなるですかっ。そもそも普通にスキル付与しないでくださいよっ! もーっ! んもーっ!」

「あーもうお姉さんもシャロも可愛すぎるぅ。大好きっ。もう2人とも大好きすぎるぅ」


 なんだかヤケクソのように、空いている方の俺の耳をはむはむし始めたシャロ。

 これって多分アレだ。意味が分からなすぎて理解するのを放棄したんじゃないかな。


「さっきのがスキルジュエル……!? あんなに大量に、しかも一瞬で全てを付与ぉ……!?」


 なんかカラソルさんが俺達の話を聞いて頭を抱えているようだ?


 でもティムルとシャロが俺の耳の穴にニュルニュルと舌を侵入させてくるので、周囲の音が滅茶苦茶聴き取り難くって困るね。

 最高に気持ち良いから止めなくていいけどっ。


「疑うなら転がってる武器を付与術士に見てもらって良いよー。俺達の装備のスキルを見抜いた奴がいたみたいだから、職人連合には付与術士がいるはずだからね」

「いや、今更ダンさんを疑うつもりは無いですよ……。疑うつもりは無いですけど、それでも信じられないだけで……」

「は……ははっ、あーっはっはっはっは!!」


 完全にドン引きしているカラソルさんとは別の声で、突然大きな笑い声が集会所に響き渡った。

 どうやらカイメンが腹を抱えて笑っているようだ?


 現在最高の耳栓をしている状態のおかげで、突然の爆笑も聴き取り辛いんですけどねー?


「ふはははっ! なんだこれは! いったいなんなのだっ! 全ての武器にウェポンスキルと有用なスキルが付与されているじゃないか! 1つの空きも残さず全てにスキルを付与したなんて正気とは思えんよっ! しかもあの一瞬でだっ!」


 いやいやカイメンさんよ。

 正気とは思えないのは、狂ったように爆笑してる今のお前のほうなんだよ?


「へー? カイメンってスキル鑑定できるんだね」

「くくくっ……! 付与術士になることがアルケミスト加入の絶対条件だからなぁ……!?」


 マジかよ? 30人くらい居なかったっけ、アルケミストって。

 その全員が付与術士とか、確かに超エリート集団だったと言えるのかもしれないな。


 っていうか、名匠が失われた現代だと付与術士が職人ルートの最終職扱いなのか?

 そう考えるとアルケミストという付与術士の集団は、職人崇拝の傾向が強いクラメトーラの支配者として相応しい組織に思えてくるな。


 ……壊滅させちゃった俺が言うのもなんだけど?


「これでも俺は50手前で付与術士になった天才職人扱いだったのだがなぁっ!? 流石にあんな物を見せられては天才なんて恥ずかしくて名乗れんよ! ははははははっ!」


 50歳になる前に付与術士になれれば天才扱いなの?


 確かに付与術士の浸透はかなり遅かった気がするけど、装備を作れる3職を浸透させれば転職は出来るはずなんだけどなー。

 名匠の知識が失われていないのだから付与術士の転職条件も伝わってると思うのに、それにしては浸透が遅すぎるような……。


 って、クラメトーラでは種族混合パーティを組む事はほぼ絶望的な上、戦闘職による戦闘系の補正が一切得られないのか。

 その上街の外にも魔物は出ない、暴王のゆりかごの魔物の発生も抑圧されていたとなっちゃあ、いくら正しい知識が伝わっていても付与術士の数は簡単には増えなかったわけか。


「名匠になったティムル様のところにドワーフの聖女アウラが引き取られたのは運命だと思っていた! だが違った! まさか人間族の貴様こそが聖女アウラを導く職人だったとはなぁっ!」

「はぁ? 俺は別に職人でもなんでもないよ? アウラの保護者ではあるけど」

「何を言うかっ! ホムンクルス計画を託すのに貴様ほど相応しい職人は他に居らん! なんという皮肉なのだ! ははははははっ!」


 カイメンの馬鹿笑いのおかげで、周囲のドワーフたちも少しずつ正気に戻り始めたようだ。

 なんだかんだ言って、カイメンって結構尊敬されていたのかもしれないな。付与術士らしいし。


「名匠のようにドワーフに限られた能力ではなく、純粋な研鑽によって極限まで洗練された職人の絶技! それを人間族の貴様に見せられるとはなっ! アウラに唯一重ねられなかった人間族が、まさかアウラを導く至高の職人であるとは思いもしなかったぞ……!」

「……やっぱアウラに人間族の魔力は含まれてないのか」


 これでアウラには好事家が出ることもなく、俺の子供を孕む心配も無くなったな。

 実年齢10歳の娘を自分の手で……というか種で孕ませるって最高に興奮はするけど、犯罪臭が半端ないから実現しなくて良かったと思おう。


「ダン、と言ったか? 今までの非礼を詫びよう」

「……あ? いきなりどうした?」


 ツンデレキャラだったカイメンがついにデレたのか、俺に謝罪しながら頭を下げてきた。

 そして顔を上げたカイメンは、戸惑う俺に構わず集会所の中心で高らかに宣言する。


「付与術士カイメンの名の下に宣言しよう。これよりドワーフ族は名匠ティムル様と、その夫ダン様に服従すると!」

「あ、そういうの間に合ってるんで結構でーす」

「断るんじゃないっ! この流れでどうしてそうなのだ貴様はっ! 素直に我らの忠誠を受け取らんかっ!」


 服従すると言った直後なのに、俺に食って掛かってくるカイメン。

 お前さぁ……。服従って言葉を1度辞書で確認してくるといいんだよ?


「俺が望むのは服従じゃなくて自立なの。支配じゃなくて繁栄なの。俺に忠誠を誓うって言うなら、俺の手を煩わせないくらいに自立してくれよドワーフ族?」

「いきなり真面目になるんじゃないっ! 貴様の情緒はどうなっているのだっ!?」

「今のカイメンだけには情緒がどうとか言われたくないんですけどー?」

「ぐぬぬ……! ああ言えばこう言いおってぇ……!」


 マジで要らないんすよ、ドワーフの忠誠と信仰なんてさぁ。

 ただでさえ竜人族と魔人族、そしてエルフには似たような扱いを受けているのに、ここでドワーフ族の忠誠なんか受け取ったら種族をコンプリートする勢いだってんだよ。


「だが貴様がなんと言おうともう無駄だ! あれほどの絶技のこの場で晒してしまった以上、クラメトーラの全ドワーフは貴様に頭を垂れると思うがいいっ!」

「なんで脅迫みたいに言ってんだよ? 絶対服従してやるから覚悟しておけって、いったいどんな脅しだっつうの」

「名匠ティムル様のことも、聖女アウラのことも宜しく頼むぞっ! 人間族の若く優れた職人ダンよ!」


 芝居がかったカイメンの言動に呆れていると、カイメンの言葉に合わせて周囲のドワーフが一斉に席を立ち、そして地面に片膝を突いて俺に向かって頭を下げてくる。

 要らないって言ってんだろ! なに跪いちゃってんだよテメーら!


 どうやらドワーフ族の未熟を思い知らせる為に行なった行動が、逆にドワーフたちの信仰を集めてしまったらしかった。

 さっきまでとは完全に正反対の理由で話を聞いてくれそうもないドワーフたちに、俺は思考を放棄してシャロとティムルの舌の感触に逃げ込むのだった。
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