異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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8章 新たな王と新たな時代2 亡霊と王

594 負の遺産 (改)

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「へぇ~。そんなに沢山かけてもらったの? 貴女の褐色の肌が白くなっちゃうくらいに?」

「うんっ。ダンのってすっごく熱いから、まるでダンの興奮をそのまま塗りたくられてるみたいでさっ、すっごく興奮するんだよっ。ダンの匂いに包まれながら中に出してもらえるの、すっごく気持ちよかったなぁ……!」


 先ほどまでの白濁としたシャワーの話を、リーチェが嬉しそうにティムルに報告している。

 聞いている方のティムルも、良かったわね~っとほんわかした雰囲気だ。会話の内容だけが酷すぎるけど?


「どうシャロ? ちょっとは落ち着いたー? このあともみんなでして貰うんだから、別に落ち着いてなくても平気なんだけどねーっ」

「ありがとうございましたニーナさん。本音を言えばご主人様とはいくら肌を重ねても足りないくらいですけど、ひたすら注いでいただいたおかげで少し落ち着きました」

「んっ! 無事にシャロからもダンの匂いが漂ってくるようになったのっ」


 ニーナとシャロの会話も酷すぎるわぁ。

 ……どっちも俺が当事者なんですけどねー?


 お城でお掃除の概念を根本から否定するお掃除行為をたっぷり楽しんだ俺とリーチェとシャロの3人は、そのまま気配遮断して真っ白ドロドロの王女様2人と堂々と城内を歩いて帰宅した。

 廊下にぽたりぽたりと零れる精液を片付ける人を流石に可哀想に思っていると、私の部屋から後が続いている時点で察してくれますよと、フォローなのか追い討ちなのかよく分からないことを言うシャロが大丈夫だと保証してくれた。


 しかし流石にドロドロの2人をそのまま自宅に入れるのは後が大変なので、気配遮断したまま玄関先で裸になってもらい、ドロドロの2人を抱きかかえてお風呂に直行したのだった。


「あはーっ。王女であるリーチェとシャロの全身に精液をかけまくって、そのままの姿城内を歩かせ、更には家の前で全裸にさせるって……。ダンがやってることも調教そのものじゃないのー?」

「やめてよティムルー。俺だって自覚があるんだからさー……。でもリーチェもシャロも、このまま帰りたいって俺の言う事を聞いてくれなくってさ~……」


 色狂いのシャーロットの私室には、タオルも着替えもびっくりするほど豊富に取り揃えられていたんだけど、リーチェもシャロも体中の白濁液を拭き取る事を拒否しやがったんだよなー。

 王女2人を全身精液塗れにして城内を闊歩するって、現代日本の豊富なエロコンテンツでもなかなか無いシチュエーションじゃないかなぁ……。


「あははっ。ぼくはこの男に身も心も染められたんですよーって思いながら城内を歩くの、すっごく胸がすぅっとしたよーっ!」

「私たちの姿は誰にも認識されなかったようですけど、それでも驚くほど胸がすく思いでしたね。ご主人様の子種に包まれた状態でかつて肌を重ねた男性の前を通った時など、最早それだけで達してしまいそうになるほど興奮してしまいましたよぉ……!」


 なんでも、2人は本当に数え切れないほど城内では言い寄られた事があり、シャロに至ってはそれに逐一応えていたようだけど、本人たちは本当に煩わしくて仕方なかったそうで、気配遮断で姿を隠しながらでもいいから意趣返しがしたかったのだそうだ。

 俺達の動作音や匂いはリーチェが風で遮断してくれていたから万全の状態だったけれど、それでも人前を通る時は最高にスリリングだったし、2人は俺のものだと見せびらかしながら歩いているみたいな優越感で脳味噌が溶けそうだったよ。


「あはーっ。エルフのお姫様も人間族のお姫様も、既に完全に調教済みなんじゃないのーっ。そりゃあ外野から見たら魔法や職業スキルを疑っちゃうわよねーっ」

「旦那様が1番不思議そうな顔をされていますからねぇ。私たちから言わせれば、私たちが旦那様に惹かれるのは当然過ぎる話だと言いますのに」

「ちょっとバツが悪いけど、それでもみんなに好きって言われるのは凄く嬉しいよ。だから俺からもみんなに好きって伝えさせて欲しいんだけど……。本当にみんなにもかけなきゃいけないの?」


 浴槽の縁に掴まらせたフラッタとアウラを後ろから交互に貫きながら問いかけると、ニッコリ笑って当然ですと言わんばかりに大きく首肯するみんな。

 出来れば俺の子種は全部、みんなのお腹に注ぎ込んであげたいんだけどなぁ。


 だけど俺の言葉を聞いたエマは、鼻息荒く自分にもかけろとせがんでくる。


「こんなに幸せそうなリーチェさんとシャロさんを見せられては黙っていられませんよっ。中に出したければ好きなだけ出しても構いませんから、どうか顔にもかけてくださいませっ」

「ダンさん。子宝に恵まれにくい竜人族にとって、愛する殿方の精液というのはとても貴重なものなんです。そんなものを顔にかけようなんて、私もエマも思ったこともなくって……。この機会に是非体験させていただきたいなと」


 ルーナ家の女性らしい真っ白な肌とピンクの乳首を晒しながら、口を揃えてぶっ掛けて欲しいと懇願してくるラトリアとエマ。

 正直これだけで即発射しそうなくらい興奮するんだけど、というか実際フラッタの中にドクドク注ぎ込んじゃってるけど、ゴルディアさんとの濃密な夫婦生活が窺えるラトリアも未経験だとは少し意外に思えた。


「お尻を舐めたりするラトリアだから、そういうプレイはひと通り経験済みかと思ってたよ。ゴルディアさんにかけられたことは無かったの?」

「愛するディアの貴重な子種は、大切に大切にぜーんぶここで受け止めましたからねっ」


 エッヘンと美乳を晒しながら、自分の下腹部と股間を指差すラトリア。

 あまりにも平然と卑猥な行為をする未亡人のおかげで、娘のフラッタのお腹が急速に膨らんでいく。


 ごめんなフラッタ。でもお前のお母さんとお前自身がエロ過ぎるのがいけないんだよ?

 責任を持って1滴残らず俺の興奮を受け止めて欲しいっ。


「ん~……。みんながしたいって言うなら俺としては断る理由も無いけど、俺のお願いも聞いてくれる?」

「何でも聞いちゃうよーっ! どんな変態チックなお願いでも、私たちがぜーんぶ叶えてあげちゃうのーっ」

「うえぇ……。遊びで男と寝ていた私よりも、皆さんのほうがよっぽど性に奔放なんだけど~……」


 ドンと来いと言わんばかりにおっぱいを張るターニアと、そんなターニアの様子を見て我が家のノリについていけずに戦慄しているキュール。


 そんなに身構えなくてもいいんだよ。

 ちゃんとみんなの中にも限界まで注ぎ込みたいのと、ぶっ掛けたあとのみんなの体を俺の手で洗わせて欲しいってだけだからねー。


「自分で汚した私たちの体を自分の手で洗いたいって、充分変態っぽくないですかー? ダンさんがどんなに変態でも私は喜んで受け入れますけど、なんで態々自分の手で洗おうと思ったんです?」

「そんなの決まってるじゃん! 俺の手で直接汚れを落すことで、みんなの身体を隅々まで弄りたいからだよーっ」


 ムーリに答えると共に背後から覆い被さるようにフラッタとアウラの乳首を摘み上げ、急激に締まるアウラの中に後ろから思い切り注ぎ込む。

 無事にアウラのお腹をいっぱいにしたら、もう1度フラッタの中に注ぎこんでから2人を解放した。


「アウラとフラッタは今たっぷり注ぎ込んで上げたから最後にしようね。それじゃあまずは1人ずつお腹を膨らまさせて貰うよーっ」


 横に並ばせたみんなを1人1人満たしていき、アウラとフラッタにも改めて注ぎ直して、無事に全員のお腹が膨れたところで思い切りぶっ掛ける。

 元々抵抗する気なんて皆無そうだけど、それでも身動きの取れないみんなに一方的にぶっ掛け続けるのって、控えめに言っても最高に興奮するよぉ。


 無事に髪の毛の先に至るまで白濁に塗れたみんなの体を丁寧に洗い流し、綺麗になったみんなの体を改めて揉んだり吸ったりしゃぶったりして、楽しいバスタイムは終わりを告げたのだった。

 結果、俺はやっぱりかけるよりも中に出すほうが好きだということが判明した。



 お風呂から上がった後は寝室に直行し、リーチェとムーリのおっぱい布団の上に寝転がり、ニーナとティムルを抱き締める。

 そこで休憩も兼ねて、昨日みんなに伝え忘れたことを改めて報告する。


「レガリアの残党狩り?」

「うん。キュールとシャロにそれぞれ話を聞いた感じ、2人の協力があれば壊滅とまではいかないまでもかなりの拠点を潰せそうなんだよねー」


 本当は昨日告げるべき話だったのに、シーズの頭突きからプリンセスセットが続いて、とても他の事にリソースを割く余裕など無かった。


 だけどもしも残党狩りを実行するなら、みんなの協力は不可欠だ。

 俺達は組織レガリアの全容を知らないのだから、モタモタして拠点を移動でもされたらそれだけで追いかける事ができなくなる。


 ノーリッテとゼノンという指導者を失ったレガリアに大した力は残っていないと思うけれど、作戦を決行したなら電光石火で分かっている拠点を制圧しきらなければならない。

 ちょうどノーリッテがスペルド王国全土で起こした同時多発テロを、レガリアに対して行なうみたいなものだな。


「シャロとキュールさん……いえ、キュールの案内で各拠点を潰し、レガリアに保管されている資料を強奪するのね? 拠点の数にもよるけど、人手が足りない場合はまたペネトレイターに協力してもらえばいいのか……。成功率も危険性も問題ない範囲じゃないかしらぁ?」

「ティムルにそう言ってもらえると安心するよ。あいつ等って潜伏が基本だから戦闘力はさほど高くないと思うし、みんななら楽勝だと思うんだ」

「んー。確かに私たちなら楽勝だと思うけど、それって態々私たちがやることなのー?」


 我が家の参謀ティムルには作戦内容に及第点をもらえたけれど、司令官ニーナには作戦実行の意義を問われてしまった。


「ダンは忘れてるかも知れないけど、今って休暇中なんだよ? なのにダンったら毎日毎日すっごく忙しそうにしてるの」

「忘れてないし、忙しいのは不本意なんだけどねーっ!? ま、忙しくしたおかげでシャロとキュールを迎えられたと思えば、忙しくした甲斐もあったけど」

「うんうん。2人を家族に迎え入れてからダンもすっごく楽しそうにしてるじゃない? だからせっかくの休暇なんだからさ、2人ともっともっとえっちな事をして休暇を満喫するのーっ! とはならないのー?」


 俺の腕の中から俺を見詰めるニーナの瞳には問い詰めているような印象はなく、俺の好きにしてもいいけど組織レガリアの壊滅なんか今更なんの意味があるのかと、単純に疑問に思っているようだ。


 今回に関しては危険性もほぼ無いし、誰かが現在進行形で不幸になっているという情報も無い。

 だからニーナの目には、俺が積極的に残党狩りを計画しているのが少し意外に映ったのかもしれない。


 ニーナのつぶらな瞳を見詰めて、ニーナの瞳の中の俺と向き合い、自分自身の心と向き合う。


「……多分俺、組織レガリアのことが邪魔に感じているんだと思う」

「それはダンだけじゃなく、ここにいるみんなが思ってることだと思うの。だからその先を聞かせてくれる?」

「その先……。俺はどうしてあの組織を壊滅させたいのか……」


 ぶっちゃけ組織レガリアはもう死に体だと思う。

 指導者は喪われ、組織の象徴だった神器もレリックアイテムも失い、組織の存在も殆ど明るみに出てしまった。


 いくら古くて巨大な組織と言っても、この状態では出来る事は殆ど無いだろう。

 時間と共に勝手に衰退し、自然消滅していくのは間違いない。


 なら俺は、どうしてあえてこのタイミングであの組織を壊滅させようとしているのか……。


「……これから訪れる新しい時代にはさ。過去の亡霊なんか必要ないんだよ」


 そうだ。俺は新王の即位と共に訪れるこれからの時代を、笑顔と幸せに溢れた幸福な時代にしたいんだ。

 そこに過去の過ちの象徴のような、レガリアという過去の亡霊なんかにいつまで居座られるわけにはいかないね。


「新王2人が築く新たな時代に、他人の足を引っ張るのが大好きなレガリアなんかを残しておきたくないんだ。偽りの英雄譚は暴かれ、アルフェッカは再建され、各種族がまた手を取り合って生きられる時代を、過去の亡霊、邪神の残した呪いなんかに邪魔されたくないんだよ」

「なるほど。単純に私たちを阻む存在って意味じゃなくって、これから来る新たな時代にあんな負の遺産を残しておきたくないってことだねー」


 取り留めの無い俺の呟きを、ニーナが分かりやすく要約してくれる。


 そうだ。あんな奴等を残しておいても百害あって一利無しだ。

 だからこの機会にお引取り願おうって話だね。


「具体的な作戦はゆっくり考えるとして、旧開拓村から始まった俺とレガリアの因縁、この機会にすっぱり断ち切らせてもらいたいんだ。だから力を貸して欲しい」

「……そうだね。その件が無ければ私たちは出会えなかったけれど、それをレガリアに感謝するのは間違ってるの。ダンも子作りに積極的になってくれたし、私もつまらない感傷はポイーってするのっ」

「そこで子作りの話に繋げられたら台無しなんだよーーーっ!?」


 話の雰囲気の逆側を突いてくるフラッタと違って、ニーナは真面目なトーンのままでエロい話をぶっ込んでくるから困るんだよぉーっ!

 ニーナの中では、エロい話も真面目な話の1つとして認識されてるのかもしれないけどさぁ。


 ニーナの額にちゅっとキスして、そして出来うる限りの真剣な表情を作って宣言する。


「あんな奴らに関係なく、旧開拓村の悲劇が無くても俺は必ずニーナを見つけていたって、今ここで誓わせて貰うよ」

「え?」

「ティムルもフラッタもリーチェもヴァルゴもムーリもエマも、アウラもシャロもキュールも貰ってたって断言する。だからあの時の惨劇に、多くの人たちの悲しみに感謝なんか抱かなくていいんだよ」


 あの惨劇があったから、ノーリッテに犠牲にされた人たちがいたからみんなと出会えたなんて、悲劇に感謝するようなことはもう止めだ。

 みんなが巻き込まれた不幸に関係なく俺はみんなを愛し、ノーリッテの犠牲になった人たちが死なずに済んだとしてもみんなと出会っていたと、魂の芯から断言しよう。


「あはっ。だからそのけじめとしてレガリアを潰すんだねっ? ダンの心の負の遺産もこの機会にお掃除しちゃうのっ。よーし、みんながんばろーっ」

「「「はーいっ」」」


 ニーナが、みんなが複雑な思いを抱かなくて済むようにと宣言したつもりだったのに、どうやら俺の心にこそ蟠りが残っていたようだ。


 そう、俺がみんなの鏡なら、みんなだって俺の鏡なんだ。

 みんなの為にすることが、みんなを愛することが結局は自分自身を愛することに繋がっていく。


 俺自身こそがあの惨劇を受け入れ、そして乗り越えていくために。

 そろそろ過去の亡霊どもには、完全に退場してもらうとしよう。
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