異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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8章 新たな王と新たな時代1 色狂いの聖女

572 ※閑話 調教 (改)

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「……え。わっ、私、裸……? え、ええっと……?」


 目が覚めた私は、自身の置かれた状況に困惑する。

 私は全裸のままで後ろ手に縛られ、そして男の上に跨ったうつ伏せの状態で今まで眠っていたらしかった。


「この男は……。そうだ、私は昨日、この男に……」


 私の下で気持ち良さそうにいびきをかいている男の顔を見て、昨晩自分の身に起きたことが思い起こされる。


 昨晩私は自分の奴隷であるこの男に唆されて、ひと晩中この身を弄ばれ続けたんだった……。

 初めてであったにも拘らず、ひと晩で7度も注ぎ込まれた私は、男に貫かれたまま意識を手放して……。


「さ、流石に今は繋がっていないようですね……」


 軽く腰を振って確かめると、杭のように私の体を貫いていた感触が無く、私の体は自由に動かせた。

 自由と言っても両手は後ろでに縛られているので、体を動かす度に自分の裸体を奴隷の男にこすり付けてしまう。


 そんな私の動きで眠っていた奴隷の男が目を覚まし、下卑た笑いを私に向けてくる。


「けひひ……! あぁ~気持ちいいぞぉシャーロットォ……! 寝ている夫を自身をこすり付けることで目覚めさせるとは、お前はなんと素晴らしい妻なのだぁ……!」

「なっ……! そんなわけっ……むぐぅ!」


 抗議の言葉を吐き出す前に、私の口は男の口で塞がれる。

 男は片手で私の後頭部を抱き寄せ、貪るように私の舌をしゃぶり上げながら、空いた片手で私のお尻をゆっくりとイヤらしく撫で回してくる。


 両手を拘束されて男に跨っている状態の私は何の抵抗もできず、数分間の間ひたすらに唇を奪われながら、汗ばんだ自身の裸体を男に押し付けることしか出来なかった。


「けひひっ。愛する妻からの口付けで目覚めることが出来るとは、人生最良の目覚めだったぞぉシャーロット。早くも我が妻としての自覚が芽生えたようで主人の俺も嬉しく思うぞぉ! ひゃはっ」

「はぁ……! はぁ……! だっ、れが、お前の妻ですかっ……!」

「けひひっ。最高の目覚めを提供してくれた妻には礼をせねばならんが、あまり騒ぐと人が来てしまうぞぉ? いいのかぁシャーロットォ……。奴隷に弄ばれた惨めな王族の姿を人に知られてもよぉ? ひひひっ」

「ひゃっ!? ひゃにをっ!?」


 男は私を乗せたまま横に回転し、私をベッドに押し倒す。

 そして左手を私の口に突っ込み、私の舌を引っ張り上げながら、満足げな笑顔を浮かべて硬くなった自身を私の割れ目にあてがってくる。


「ひゃっ……! はふっ……!」

「ひゃははっ! 舌の動きを封じられると、それだけで意外と声も出せなくなるだろぉ? 説明が終わるまでキスは出来ないからなぁ。悪いが少しそのまま我慢していろぉ。その分沢山突いてやるからなぁ? けひひひひっ」

「ひゃっ……だぁぁぁ……!」


 私の舌を掴み上げたまま。無遠慮に私の中に侵入してくる男の体。

 先ほど暫くキスをされたせいで、私の体はすっかり受け入れ準備を整えてしまっているようだ。


「っはぁぁぁぁぁ……。流石は我が妻シャーロットだぁ……。既に俺にピッタリの形をしているなぁ? 最高だぁ……。ひひひ……!」


 私の中に根元まで入り込み、容赦なく何度も最奥を抉りあげながら、満足げな様子で私に臭い吐息を吹きかけてくる奴隷の男。

 その臭いに思わず顔を晒した仕草にさえ興奮を覚えたのか、私の中の存在は更に硬さを増していく。


「はぁぁぁぁ……。良いかぁシャーロットぉ? 男の体というのは寝起きが最も硬くなるものなのだぁ。だからお前は妻として、毎朝夫の俺のものを搾り取る義務があるのだぞぉ? こんな風に、なぁっ!」

「ふぐっ……! むぐぅっ……!」


 それだけ言った男は私に覆い被さるようにキスをしてきて、上から体重をかけて何度も強く私の中を抉り続ける。

 そして男が私の中に欲望を撒き散らすまで、私の口は一瞬たりとも解放されることは無かった。


「はぁっ……! はぁっ……! あぁ~シャーロットの体は最高だなぁ……? 普通は1度出せば満足するというのに、愛するお前には朝から何度だって注いでやれそうだぁ……! ひゃはぁっ!」

「もうやめっ、むぐぅ!」


 精を撒き散らすごとにリムーバーで避妊をして、朝から何度も私の体を貪る男。


 王族たちは自分で起きてくるまで、緊急の場合以外は絶対に誰も起こしに来る事はない。

 それを知っている男は私の声をキスで封じながら、何度も何度も私の体を貪った。


「きひひ……! 愛し合った後、妻は感謝の気持ちを持って、夫の体を綺麗に掃除せねばならんぞぉ?」


 朝から5回も私に注ぎ込んだ後、ベッドの淵に座った男は、両手を拘束したままの私に口での奉仕を教え込んでくる。

 まるではまるで、奴隷の男に王族の私が傅いているみたいだ。


「そうだぁ……。しっかりと咥え込んで、お前の唾液以外に何も付着していない状態にするんだぁ。いいぞぉ……」

「ふぅ……ふぐぅ……!」


 私に奉仕をさせながら、前かがみに手を伸ばして私の無防備な胸を弄る男。

 散々弄ばれて昂った私の身体は、乱暴に弄られても快感を感じてしまう。


「いいかぁ……。これからは2人きりの時は、俺の事をご主人様と呼ぶんだぁ……。俺はお前の夫、主人なのだからなぁ? 分かったかぁシャーロットォ……!」

「ひぐっ……!」


 歯を立ててしまったり、少しでも返事が遅れるようなら、私の両乳首を思い切り引っ張って痛みを与えてくる男。 

 男がわざと私の乳首を強く扱い、私の奉仕を邪魔していると気付くのに時間は必要なかった。


 奴隷の男に好き勝手に弄ばれている今の自分の置かれている立場は、まるで躾されている犬猫のように思えた。


「さぁシャーロットぉ。おお、教えた通りにしてみなさいっ……!」

「……早朝から5回もお情けをいただき、誠にありがとうございます。今日も1日、淫乱なシャーロットのお相手をどうぞよろしくお願いします、ご主人様」

「ひひっ! けひひひっ! 生涯愛し合おうなぁシャーロットぉ……! ひゃははははははっ!」


 男の剛直の先端に口付けすることを強要し、それに従う私を見て勝ち誇るように笑う奴隷の男。

 この瞬間王族と奴隷という両者の立場は逆転し、主人と性奴隷という新たな関係性が誕生してしまったのだった。


 この日から男は、暇さえあれば私の体を貪るようになった。

 男は危険な橋を渡っている自覚はあるらしく、私の私室の外で私に近づくことは一切無かった。


 しかし食事や習い事の時間を最小限まで短縮するよう強要し、なるべく多くの時間を使って私の体を自分好みに仕込んでいった。



「良いですか? 私は部屋で奴隷と戯れているだけです。私が私室に戻った後は私の部屋の周辺にいる事を禁じます。良いですね?」


 スペルディア家は生来我が侭な一族だ。

 王であるシモンお父様を筆頭に、城の中ではありとあらゆる便宜が図られ、どんな理不尽で不可思議な要求でも通ってしまう。


 なので私本人が問題ないと言えば問題が無くなり、私本人に近づくなと言われれば誰も部屋に近づくことは出来なくなる。

 私の主人となった奴隷の男は私に人払いを要求し、そんな男に私はただひたすら従順に従った。



「ひひっ! ひひひひひ! 明るい時間に見るシャーロットの体は最高に美しいなぁ? おぉおぉこんなに乳首を硬くさせおってぇ! そんなに俺に吸って欲しいのかぁ?」

「はいっ……はいっ……。え、えっちなシャーロットは、ご主人様におっぱいを吸っていただきたいです……」

「ひゃははっ。まだ昼前だというのに仕方の無い奴だなぁ! だが愛する妻の求めに応じるのは夫の甲斐性というものだぁ!」


 まだ膨らみ始めたばかりの私の胸の上を、男の舌が縦横無尽に這い回る。

 その滑った感触に強い快感とひと握りの嫌悪感を覚えながら、何度も何度も注ぎ込まれる。


 胸を這う感触と注ぎ込まれる感触を感じながら、私はぼんやりと夕食の内容を予想するのだった。





「ひゃはっ。実に良い眺めだぞぉシャーロットぉ? 今日はお前自ら動き、主人の精を搾り取ってみせいっ」

「は……いっ……。それではご主人様……。ご奉仕させていただきますね……」

「ほ~れほ~れ。もっと激しく動かんかぁ。その調子では中に出すまでに日が暮れてしまうぞぉ?」


 自身は寝そべったまま、上に乗せた私に自主的に動くよう求めてくるご主人様。

 慣れない体位で四苦八苦する私を下から見上げながら、空いた両手で私のお尻や胸を撫で回してくる。


「なんだなんだぁ? もしや俺と長く繋がっていたいから手を抜いているのではないかぁ?」

「そ、そんなことは決して……! ただ慣れない体勢なので、いまいち勝手が……!」

「嘘をついてもすぐ分かるんだぞ? お前は自分で動きながら、自分の弱いところを避けて動いているだろう? 例えば、こことかなぁっ!」

「ひゃぁんっ!」


 男は下から私の腰をしっかりと押さえつけ、そして下から思い切り腰を突き上げてくる。

 その動きは的確に私の弱い部分を抉り上げ、あまりの衝撃に私は体の動きを止めてしまう。


「か……は……!」

「おうおう良いぞぉ……。素晴らしい締め付けだぁ……。妻たる者は常にこれくらい締め付けねばならぬぞぉ、シャーロットぉっ……!」


 私の弱い部分に自身を押し付けたまま、私の腰を回してぐりんぐりんと刺激してくる男。

 抉りあげられるとのはまた違った快楽が押し寄せ、私の体は強張るばかりだった。


「まったく……。妻としての心構えを教えてやっているというのに、お前と来たら俺に貫かれる度に締めつけてきおってぇ……! 受け身なお前には主人への奉仕はまだ早かったようだなぁ? ひひっ、ならば今は徹底的に快楽を叩き込んでやろうではないかぁっ! けひひひっ!」

「ご、ご主人様、待って待っ……! ふあああああっ……!」


 男は獰猛に笑った後、私の腰をしっかり掴んで乱暴に腰を突き上げ始めた。

 自分の体重も合わさっていつもよりも深く抉られる感触に、私はただ翻弄され。男の体を強く締め上げることしか出来ない。


「くくく……! 自分が上になっても責められる方が好きかぁ? 主人への奉仕を忘れ自分ばかり快楽を貪りおってぇ。そんな出来の悪い妻にもちゃんと注ぎ込んでやるっ……! さぁシャーロット! 妻として俺への謝罪と感謝を述べながら締めつけるのだぁっ!」

「じょっ、上手にご奉仕できなくてっ、申し訳ありっ、ませんん……っ! 自分ばかり気持ちよくなるっ、出来の悪いシャーロットの中にぃっ! いつも沢山注いでくれてぇっ! ありがとうっ、ございまっ、すぅぅっ……!」

「うおおおっ……! 出すぞ出すぞぉ……! 俺の子を孕め、シャーロットォォォ!!」

「はぁぁぁぁんっ!」


 弓なりに大きく反り返りながら、自分の体内に噴水のように注がれる液体の感触を感じる。

 注ぎこみながらも私の体を小刻みに動かして、長い長い射精を続けるご主人様。


 ご主人様の精が吐き出されると、私はもう体を起こしていられなくなり、そのまま後ろに倒れこんだのだった。


「ふぅむ。やはりシャーロットは責められる方が好きなようだなぁ。であれば苦手な事を無理に仕込むよりは、得意な事を徹底的に仕込むべきかぁ? ひひひっ」


 男がブツブツと言いながら、リムーバーで避妊処理を済ませる。

 しかし疲れ切った私は、その一連の流れが済んでも身動き1つ取ることができなかった。


 そしてこの男の前でそんな姿を晒せば、待っているのは更なる快楽しかない。

 息を乱してベッドに仰向けに身を投げ出す私の足を大きく開かせ、未だ硬さを保ったままの自身を無遠慮に突き入れてくる男。


「苦手なことをさせて済まなかったなぁ? これからは責められるのが大好きなシャーロットのために、主人として夫として、全力で応えてやるからなぁっ!」

「あ、ありがとう……ございま……はぁぁぁんっ……!」


 そうしていつも通り私に覆い被さった男は、何度も何度も私の中に精を放ち続けるのだった。

 いつも通りの流れに、私は快楽に溺れながらも少し退屈さを感じ始めていた。





「はぁはぁ……。どうだぁ? 視界が閉ざされると感覚が鋭敏になるだろぉ? 今どんな気分だぁシャーロットぉ?」

「はい……。私のいやらしい乳首を舐め回す、ご主人様の舌の感触がいつもより強く感じられます……。私の中のご主人様の熱さも、いつも以上にはっきりと感じられます……」

「うむ。俺もいつも以上に興奮しているシャーロットの強い締め付けを感じているぞぉ。けひひっ、昼間から拘束され、目隠しをされて喜ぶなんて、シャーロットは随分と淫乱だなぁ?」


 ベッドの上に座るご主人様の上に跨らされ、座ったままのご主人様と深く繋がりながら両手を拘束され目隠しをされた。

 どうやらご主人様は、女を拘束して犯すのが比較的好きなようだ。


「はぁはぁ……。うめぇ……。こんな真昼間に王女であるお前が、奴隷である俺に貫かれながら好き勝手に乳を吸われておるとは、この城の誰も想像もしていないだろうなぁ? けひひっ」

「お、お戯れを……。妻である私がご主人様をその身に受け入れるのに、時間も作法も関係ありません……」

「はぁはぁ……その通りだぁシャーロットぉ。妻であるお前の体は主人である俺の物なのだからなぁ。はぁはぁ……生涯俺に股を開き、この乳を俺に吸わせるのが妻であるお前の義務なのだぁ……!」


 拘束された私に抱き付き、私の胸を吸いながら一心不乱に腰を突き上げてくるご主人様。

 忙しく私の両胸を行き来して私の乳首を舐め回し、私の胸を吸いながら心底残念そうに呟いた。


「こんなに愛し合っている俺達が子供を作れんとはなぁ……。シャーロットよ。王女であるお前の力でどうにかできんのかぁ?」

「も、申し訳ありません……。スペルディア家は王を頂点に、その他の王族の立場は全て平等なのです……。全員同じ権限を有しておりますが、全員同じ制約があるのです……。全てを自由に振舞えるのは、王である父だけ……はぁんっ!」

「つまり王女であるお前には、これ以上どうしようもないという事かぁ。ならば仕方あるまい。せめて妻の体だけでも自由にさせてもらうとするかぁ!」

「あんっ! あぁんっ! あ、ありがとうございますっ! ありがとうございますぅっ……!」


 まるで八つ当たりをするように私の体を突き上げるご主人様。

 ひたすらに私の体を貪り、この日は食事まで辞退させて、本当に1日中何度も何度も中に注ぎ込まれてしまった。


 ご主人様に逆らう気なんてないけど、せめて食事くらいは普通にさせて欲しいと思った。




 しかしそんな日々は唐突に終わりを迎える。

 バルバロイ兄様が私室に篭る私を不審に思い、私の部屋の調査を命じたらしい。


「たかが犯罪奴隷の分際で王族を手篭めにしたまでは良かったけどねぇ。些か調子に乗りすぎちゃったかな?」


 王以外の全ての王族の権限は同じ。

 つまり兄が私の部屋を調査しろと命じれば、城の者たちは従わざるを得ない。


 もしもそれを拒否したいなら、私自身がその命令を撤回しなければならなかったのだけれど……。

 男に貪られて身動きの取れなかった私の意思の確認を取ることは出来ず、こうして事態が発覚してしまったのだった。


「待って! 話が違う……! シャ、シャーロット様! どうか、どうかひと言お力添えをぉっ! 私たちは、私たちはあんなにも愛し合っていたではありませんかっ! どうかご慈悲をぉっ!」


 衛兵に拘束されながらも私に懇願する、かつてのご主人様。

 私はその男にゆっくりと近づき、そして静かに言ってあげた。


「遊びの時間はもう終わりです。私はただ貴方との遊びに興じていただけ。愛し合っていたなどと、遊びのルールを遊びの外に持ち出すのは感心しませんよ?」

「な……!? そん、な……!?」


 私の言葉に絶望に染まった男の顔を見ても、その男が即日処刑されたと聞いても、特に私は何も思わなかった。

 会えなくて悲しいとか、私を弄んだ報いだとか、そんな感情は一切湧いてこなかった。


 しかし男に調教され尽くした私の体は、毎夜異性を求めて疼き続けた。

 仕方なく色事に詳しいバルバロイ兄様に相談したところ、自分が相手をして私の体の火照りを鎮めてくれると言い出した。


「で、ですが兄様……。流石に血の繋がった私たちが関係を持つのは……」

「俺からラズを求めることはしないよ。これは確実に守ろうじゃないか」


 今更色事に抵抗は無かったはずだったけれど、流石に肉親であるお兄様と肌を重ねる事には抵抗を覚えてしまう。

 渋る私の頭を撫でて、あくまで私の火照りを鎮める為に付き合うだけだと諭すロイ兄様。


「それに違法娼館のオーナー程度より俺の方がラズを気持ちよくさせる自信がある。調教済みのラズのことも、毎回確実に満足させてあげようじゃないか」


 かつてのご主人様よりも気持ちよくしてやる。

 逡巡する私の耳元で、お兄様が優しく囁く。


「あの男とも遊びだったんだろう? なら俺と肌を重ねるのだって遊びだと思えばいいさ。遊びに飽きたらすぐに止めていいよ。奴隷と違って俺は女に困ってないからね」


 兄と寝るのは遊びの延長。

 私が嫌になったら、私の意思でいつでもやめることが出来る。


 ご主人様には許されなかった選択肢を与えられたことで、私はすっかり兄を信用し、そして体を委ねる事にした。



 兄は自分で言うだけのことはあり、奴隷の男よりも遥かに女の扱いに長けていた。

 毎夜意識が飛ぶほどに高められ、余裕を見せる兄の前で無様に果て続ける日々。


 王族2人が近づくなと言えば、王である父以外の者には一切手出し口出しが許されない。

 兄との肉欲に塗れた日々は数年続き、その間に肉親と肌を重ね続けた私と兄は色狂いと噂されるようになっていった。


「いやぁ、やっぱり遊ぶなら調教済みの女に限るよねぇ! 奴隷に弄ばれたラズには申し訳無いけど、完璧に仕込まれたラズは最高の女性だよ!」

「……突然なんです? 褒めてもなにも出ませんよ?」


 いつものように肌を重ねたあと、いつものように兄のものを掃除していると、私の頭を撫でながら上機嫌に兄が語り始めた。

 機嫌がいいのはいつものことだけど、今日はいつにも増して上機嫌みたいだ。


「あははっ。出すのは俺の方、って?」

「下世話な冗談に付き合う気はありませんよ?」

「いやさ、ラズも知っての通り、俺って気の多い男だからさ。沢山の女性を愛していると、当然初めての女性の相手をすることもあるわけよ」

「……でしょうね」


 私に情事の後処理をさせながら、上機嫌に他の女性との情事の事を口にするロイ兄様。

 今更私たちの間に礼儀もなにも無いかもしれませんが、少しはデリカシーというものを持っていただきたいですね?


「……はい、綺麗になりましたよお兄様。ちゅっ」

「そんな女性達と、こうやって最後まで完璧に仕込まれてるラズを比べちゃうとさぁ。初めての女を抱くのがほんっとうに面倒臭くなっちゃって。さぁおいでラズ」


 掃除を終えた私を膝の上に座らせ、頭を撫でてくるバルバロイ兄様。

 別にお兄様とのことは遊びの延長なのに、お兄様は事が終わったら毎回こうして私を抱き締め、少しの間会話をするのだ。


「ねぇラズ。掃除までしてもらって悪いんだけどさぁ。これからもう1回させてくれない? なんかちょっと気分が乗ってきちゃって」

「……構いませんよ。お兄様、毎回気持ちよくしてくれますし」

「そりゃあ可愛い妹を乱暴に扱う気は無いよ。お前を仕込んだ男には感謝するけど、男としては三流だね。自分の快楽を貪るだけじゃあ女を悦ばすことは出来ないんだ」


 笑顔のお兄様に押し倒され、気絶するまで愛される。

 何度も何度も注がれた私は、いつものようにお兄様に頭を撫でられながら、今日もお兄様のベッドでお兄様と一緒に眠りに就くのだ。


「ふふ。あの男は良くやってくれたなぁ。まさかこんなに上手くいくなんて」

「ん~……? おにい、さまぁ……? まだ起きてらっしゃるんですかぁ……?」

「ああごめんねラズ。起こしちゃったかな? でもまだ遅い時間だから起きるには早いよ。もう1度お休み」


 優しく私を抱きしめながら、お休みと囁くお兄様に導かれ、覚醒しかけた私の意識は瞬く間にまどろんでいく。

 そんな私の顔を、ロイ兄様が楽しげに見詰めているのが感じられた気がした。


「肉親がどんな感じか試してみたかったけど、母は歳が行き過ぎてるし、マギーは流石に若すぎたからなぁ。かと言って初めての女を相手にするのは面倒だったんだよねぇ。ま、あの男も一時とは言え王族を手篭めに出来たんだ。死ぬ間際に見る夢としちゃあ最上級だったでしょ」


 まどろむ私の上からバルバロイお兄様の言葉が振ってくるけれど、安心しきった私の頭はその言葉を理解することなく、ゆっくりと夢の中に落ちていった。


 ……だけどひょっとしたらこの時の私は、無意識にお兄様の言葉を理解するのを拒絶してしまったのかもしれません。

 かつてのロイ兄様とは全く違った安心感を与えてくれる新しいご主人様と楽しくキスを交わしながら、私は少しずつ幼かった頃の日々を思い返していくのでした。
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