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8章 新たな王と新たな時代1 色狂いの聖女
571 隔絶 (改)
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「今回はちょっとだけズルさせてもらうよっ。造魔、エンシェントヒュドラ!」
「ななななっ!? なんですかこれっ!? なんですかこれええええっ!?」
造魔召喚したエンシェントヒュドラを見て、俺に思い切り抱き付いてくるシャロ。
人間族さんの我を忘れた全力の抱擁は痛みも感じないし、ただただ気持ちいいだけだなぁ。
怯えるシャロを抱きしめて、よしよしなでなでしながら説明をする。
「驚かされてごめん。でも安心して。コイツは俺が呼び出した、俺が完璧に制御できる魔物だから」
「え、ええ……? ご主人様が呼び出したって、え~……?」
「聖域の樹海の倒木の量は人の手で片付けられる範疇を超えてるからさ。コイツらに頼ろうと思うんだ」
クイッと顎を上げて見せて、エンシェントヒュドラを指し示す。
俺に釣られるように1度エンシェントヒュドラを見たシャロは、だけど物凄く引き攣った表情を浮かべながらゆっくりと振り返って、恐る恐る聞いてくる。
「こ、ここここ……、こいつ、ら……?」
「うん。コイツら。まだいるんだ、こういう魔物。流石に魔力を回復させてもらわないと呼び出すのはキツいけどね」
「こらーっ! ダーン! 造魔するならちゃんと告知しなさーい!」
シャロに説明をしていたら、風のような速さで駆けつけたニーナに説教されてしまった。
造魔スキルを知っている守人たちやキュールさんたちでも、いきなりイントルーダーを召喚されたことでかなり驚いてしまったようだ。
俺の中で造魔イントルーダーは重機って認識になりつつあるからな。
本来は世界を滅ぼすことも可能な存在であるって事実を忘れかけてしまってるわ……。
逆に最も大きな衝撃を受けたと思われるシャロは、ニーナの説教中も動かずに大人しくしているエンシェントヒュドラを見て、少しだけ落ち着きを取り戻してくれたみたいだった。
シャロをよしよしなでなでしながらニーナに説教を受けていると他のみんなも集まってきたので、エンシェントヒュドラを呼び出した理由を説明する。
「つまり、イントルーダー達を使って倒木の解体と運搬をしたいってことなの?」
「うん。いくらなんでも守人たちでコレを片付けるのは無理だよ。1本1本が山みたいな巨木だしさ。片付けるのに世代単位の時間がかかると思うんだ」
「……運用するのは聖域の樹海と、国家機密であるスレッドドレッド飼育場まで、ね。一見問題なさそうには思えるけど……」
重機イントルーダーの運用について、我が家の参謀ティムルが慎重に審査する。
俺が抱きしめているシャロと、エンシェントヒュドラを見て怯えつつも興奮しているキュールさんをチラリと見てから、少し遠慮がちにティムルが口を開く。
「ダンも分かってると思うけど、シャロはスペルディア家の人間で、キュールさんが知りえた情報は全てヴェルモート帝国の皇帝カレン・ラインフェルドの耳に入るのよ? そんな2人にまで造魔イントルーダーの存在を知らせて本当に良かったのかしら?」
「俺も迷ってはいるんだけどさぁ。造魔スキルのこともイントルーダーを使役できることも、いずれは知られることだと思うんだよねー」
「そうかしらぁ? ダンが秘匿しておけば、その2つの事実にはなかなか辿り着けなかったと思うけどぉ?」
ええ、それこそそうかなぁって感じなんだけど……。
奴隷商人を浸透させて魔物使いになり、それを更に浸透させれば召喚士に行き着くんだよ?
そして召喚士にさえ辿り着けば、造魔スキルでより強力な魔物を使役できる可能性に気付くと思うんだけど。
ああでも奴隷商人は国家公務員扱いで、かなり厳重な扱いなんだっけ?
しかも奴隷商人になった人なんて普通は自分で戦わなくなるだろうし、奴隷商人の最大レベルは100と、かなり浸透しにくい職業なんだよな。
そこからフォアーク神殿のランダム転職で魔物使いになり、これまた最大レベル100の魔物使いを浸透させてまたランダム転職で召喚士を得ると。
確かに果てしなく遠い上に、正解を知らないと辿り着けない気がしてきたな。
ノーリッテはよくぞ自力で召喚士まで辿り着いたもんだ。
「今後、分析官までならそれなりに増えると思うわよ? でもそれだけじゃ多分造魔スキルには辿り着けなかったと思うわ。でもこうして知られてしまった以上、恐らく探されると思うのよねぇ」
「んー……。イントルーダーが使役可能だと分かれば、知っている人は探すかもねぇ……」
「スペルドでは王族スペルディア家が、ヴェルモートでは皇帝カレンが大層野心家でいらっしゃるみたいだし、絶対に探されるわよ? いいのぉダン? イントルーダーを使役できる人がうじゃうじゃ増えちゃってもーっ?」
からかい口調のティムルの言葉の裏に、私たち家族は平気だけど、それ以外の人たちへ悪影響が出たら俺が悲しむんじゃないのか、という感情がこめられている気がした。
いつも心配ばかりかけて申し訳ないなぁ。でも心配してもらえるのが嬉しいよ。
「了解だよお姉さん。元々みんなにも話してなかったけど、今後はこれ以上の情報開示を控える事にする。探したい人は勝手にしてもらおう」
「あはーっ。私たちはダンさえ納得してくれてるのなら気にしないわよぉ? でも慎重なダンにしてはちょっと迂闊に思えたから、確認させてもらったのよねー」
「いや、いっつも迂闊だよ? みんなに支えてもらって何とか騙し騙しやってるだけでさ」
俺の行動って大体行き当たりばったりの思いつきだからね。
みんなの支えがなかったらすぐに行き詰って、瞬く間に路頭に迷うに違いないんだよ?
「で、今回のことなんだけど……。多分俺、俺だけが造魔を使える事をズルいと感じ始めてる気がするよ」
「「「あ~、なるほどぉ……」」」
くっ……! みんな揃えて納得したような声を上げやがってぇ!
こんなどうでもいい事で悩んでるなんて俺らしいってか!? ちくしょうめーっ!
「グルドヴェーダへの道を通した時もアルケミストの研究所に押し入った時も、造魔スキルがちょっと強力すぎてね……。この情報を俺が独占してるのは、ちょっとアンフェアな気がしてきてさぁ」
「生身でそれ以上のことが出来るくせによく言うのじゃ」
「ぐっ……!」
「でもダンの言う事も分かるのじゃ。造魔スキルは戦力としても労働力としても強力すぎるのじゃ。強力ゆえに広めるのは危険じゃが、強力ゆえに活用されるべきスキルなのじゃ」
くぅぅ! 落として上げるとは、恐るべしフラッタぁ!
裏表の無いフラッタからの同意の言葉は、お前が思ってる数百倍嬉しいんだよーっ!
「どうやら旦那様もフラッタと同じような迷いを抱いているようですね。だから最低限の情報だけ開示して、後は流れに任せよう、みたいな」
「ぼくとしてはあまり問題は起きないと思ってるけどね。造魔スキルを手に入れたとしても、イントルーダーを滅ぼせる人ってまずいないからね。アウターエフェクトなんて何体従えても無駄だしさ」
「いやいや。確かにイントルーダーは強力な魔物だけど、俺達今まで何体倒してきてると思ってるんだよ? イントルーダーを人の手で滅ぼせるって事は、俺達自身が証明して……」
「ダン。君の自己評価が低いのは知っているけど、ここは断言させてもらうね。職業浸透を済ませた仕合わせの暴君メンバーが揃っていても、君が居なかったらイントルーダーを倒せてないから」
「え? いやそんなはず……」
そんなはず無いと反論しようとする俺を、翠の双眸からの鋭い視線だけで制止してみせるリーチェ。
そんなリーチェの言葉に、みんなも同意するように俺を見詰めてくる。
いや、初めての竜王戦は確かに俺の職業浸透数に助けられた面もあったと思うけど、みんなだってそれぞれソロでイントルーダー級の魔物を撃破した経験があるじゃん。
それに俺たち以外でだって、ノーリッテがイントルーダーを滅ぼして……。
いや、ノーリッテは全戦力を投入してもアポリトボルボロスを滅ぼせなかったから、崩界を使って滅ぼしたと言ってたっけ?
「あははー。ダン、私たちが1人でイントルーダーを倒したのだって、結局貴方がいてくれたから倒せたんだよー?」
「へ? ど、どういうことニーナ?」
「貴方が居なかったらムービングディザスターなんて絶対に思いつかなかったし、他のみんなだってそうでしょ?」
終いには、それぞれがソロでイントルーダーを討伐したことすら俺のおかげだと言い始めるニーナ。
笑顔で問いかけるニーナに、みんなも笑顔で当時のイントルーダー戦を振り返って答えを返す。
「あはーっ。ダンに魔力視について教えてもらってなかったら、私は間違いなく負けてたわねーっ」
「妾もダンにオーラを教わっていなかったら、あの汚物に弄ばれておったじゃろうなぁ……」
「ぼくがシモンの命令魔法を敗れたのだって、君が教えてくれた精霊魔法の応用のおかげだよ?」
「私も旦那様に補正について伺っていなければ、怨魂スキルで補正を上回られた時点で殺されていたでしょうねぇ」
ティムルはマモンキマイラの回復ギミックに気付くことが出来ず、フラッタはダーティクラスターの再生能力を上回ることが出来なかった。
リーチェは命令魔法を風で遮断する発想に思い至れず、ヴァルゴはダークブリンガーを編み出すことが出来なかった?
それらが出来たのは全部俺のおかげだと、みんなは口を揃えて俺を褒めてくれる。
「聞いたダン? 職業補正と装備品だけでイントルーダーに勝利できたわけじゃないんですよーだっ」
べーっと舌を出して笑うニーナ。
か、可愛い……! じゃなくてっ! いや可愛いけどそうじゃなくって!
仮にみんなの言う通りだとしたら、俺の影響を受けずにイントルーダーを倒したのって、もしかしてノーリッテしかいない?
そしてそのノーリッテも神器始界の王笏を用いて、自分の寿命と引き換えに何とか滅ぼしたって……。
「最高に頼りになるぼくたちの旦那様と同じく、イントルーダーもまた隔絶された存在なんだよ。始界の王笏をダンが持っている以上、恐らく新たにイントルーダーを造魔出来る者は出てこないと思ってるよ」
「んー……。それでもアウターエフェクトを操られるだけでも問題じゃないかしらぁ? そっちはどう思うのリーチェ?」
「そっちも問題ないと思うよティムル。これからの魔物狩りはアウターエフェクトを滅ぼせる者がどんどん出てハズだからね。仮に複数体嗾けられても、劣化アウターエフェクトの脅威は今までよりも段違いに低くなると思う」
「……なるほどぉ。魔物狩り全体の水準が上がることで、相対的に造魔の脅威度が下がるのね。ふむふむ」
リーチェとティムルのお姉さん組が、造魔スキルの情報公開に関して色々な想定をしてくれている。
話の流れ的に、造魔スキルの情報公開は問題無しと判断されそうなので、安心してシャロのお尻を両手で撫で回す。
「……あ」
けどシャロの張りのあるお尻を撫で回したことで、イントルーダー体験会の事を思い出してしまった。
これは物凄く怒られそうだけど……。
打ち明けるならなら少しでも早いほうがいいよな……?
「あー……ごめんティムル、リーチェ。実はゴブトゴさんに、始まりの黒の探索許可と引き換えにイントルーダーの体験会を提案しちゃったんだけど……不味いよね?」
「ん、つまり始まりの黒でイントルーダーを召喚してみせるって事? 王族たちの前で」
「まだ本決まりにはなってないけど、多分そういう感じになると思う。で、その場に居合わせた人にイントルーダーの造魔フラグ、立っちゃうよね……?」
「……なるほど。そうなってくると状況は変わってくるかな? ちなみにダン、君はどう思ってる?」
問いかけた俺に逆に問い返してくるリーチェ。
けれど問いかけが漠然としすぎていて、これだけじゃちょっと意味が分からない。
「どうって……いったいなんのこと?」
「熱心に調べられるとは思うけど、造魔スキルに到達することが出来ると思うかって聞いてるのっ。職業設定無しで造魔スキルに辿り着けると君は思うかな?」
「む、ちょっと待ってね……」
シャロのお尻を両手で撫で回し、シャロのおっぱいに顔を埋めて思考に集中する。
まず大前提の奴隷商人の浸透だけれど、そもそもここがまずハードルが高い気がする。
今居る奴隷商人は結構高齢な人が多い印象だし、奴隷商人の先に召喚士が出現するなんて、テイマーやサモナーって発想を持ってないとまず連想できないと思う。
「あ、あのー……。ご主人様が私のおっぱいに顔を埋めてくださっているのですけど、このまま好きにさせておいて宜しいのですか?」
「ごめんねシャロ。ダンはおっぱいと顔が触れ合ってないと真面目なことが考えられない人なんだ。シャロが嫌じゃなければ好きにさせてあげて欲しいの」
「そうなのですか……。それは大変ですね。ご主人様、シャロのおっぱいは貴方のおっぱいですから、好きなだけ顔を埋めてくださいね……?」
ニーナ司令官から我が家のおっぱい事情を聞いたシャロが俺を抱きしめてくれるので、おっぱいとの密着度が上がってどんどん思考が冴え渡る。
非戦闘員である奴隷商人の浸透を進めようという発想はまずないだろうし、色々な職業の浸透とランダム転職を試す際には奴隷や従者を使う可能性が高い。
そういった人たちに奴隷商人の転職条件を満たすのはまず無理だ。
じゃあ実際に召喚士を探しそうな人物を想定して……。
例えばロイ殿下が自ら職業浸透を進めて魔物使いと召喚士を探すとなった場合、奴隷商人の転職条件である奴隷解放を満たせるだろうか?
……多分だけどあの人、奴隷を解放した経験は無い気がする。奴隷を殺した経験はありそうだけど。
仮にあの馬鹿殿下が召喚士を追い求めても、そう簡単には辿り着けないはずだ。
ヴェルモート帝国の皇帝カレン陛下はどんな人物か読めないけれど……。
もし仮に召喚士に辿り着けたとしても、今度はイントルーダーの討伐が難しいから、やっぱり問題はなさそうかな?
「皇帝カレン陛下のことは読めないけど……、イントルーダー体験会に立ち会う人物の中には恐らく造魔スキルに辿り着ける人はいない、と思う」
「ロイ殿下やマギー、ガルシアさんでも無理かな?」
「多分無理だと思うな。ノーリッテみたいな人間性じゃないと辿り着けない気がする。馬鹿殿下はいい線いってるかもしれないけど、あの人は逆に人間性が悪すぎて到達できない気がするよ」
「新王両陛下は良い意味で到達できないってことだね。なら体験会も造魔スキルの情報開示もこのまま進めていいと思うよ」
「仮に造魔イントルーダーで悪さしようものなら、妾たちが出張って止めればいいのじゃ。イントルーダーは隠しようがないしのう」
フラッタが任せろとばかりに小さい胸を張ってみせる。
ああ、シャロのおっぱいも気持ちいいのに、フラッタのおっぱいも触りたいよぉ。
「最悪の想定だと、その体験会で得た造魔イントルーダーで他のイントルーダーを滅ぼされ、複数の造魔イントルーダーを使役されることだと思いますが……。平気でしょうかね?」
「ん、それも平気じゃないかしらぁ。造魔イントルーダーでオリジナルイントルーダーを上回るのは難しいわ。オリジナル竜王と造魔竜王の戦闘力には雲泥の差があるからねぇ」
ヴァルゴの懸念も、ティムルお姉さんが大丈夫と払拭してくれた。
ノーリッテが造魔イントルーダーでオリジナルイントルーダーを殺し回っていた事実は無視してもいいのかなと思ったけど、そういやノーリッテは魂を触媒に造魔イントルーダーをオリジナル規格まで強化することが出来たんだったな。
造魔スキルの情報を開示する以上、悪用されるリスクをゼロにはできないと思う。
けれど悪用される可能性があるからこそ、少なくとも支配者層には知っていてもらわなきゃいけない情報だとも言えるだろう。
みんなには心配と面倒を掛けちゃったけど、最終的に倒木の片付けにイントルーダーを運用するのはOKと見做された。
ついでにみんなもスレッドドレッドの餌の運搬を手伝ってくれたので、サクサクっと今日の分の給餌は終了だ。
手伝ってくれたお礼にキスをプレゼントして、聖域に戻るみんなを見送った。
「それじゃこれからお城に行くよ。シャロの大切な人たちのこともちゃんとお世話したいし、何より正式にシャロをうちに迎えなきゃいけないからね」
「はい。よろしくお願いしますねご主人様。シャロはもうご主人様の御子を身篭っていると思いますので、今更他の男性には嫁げませんから」
「う~ん。本当に身篭ってるかなぁ? ここは万全を期すべきじゃないかなぁ?」
「えっ、ご主人様、ここでされるのです……あっ」
生体察知で人間がいないことを確認し、念のため気配遮断スキルも使って、スレッドドレッドの巣穴の前でシャロを押し倒す。
明るい時間、解放的な状況でもう1度たっぷりとシャロの中に出しまくって、ぽっこりお腹のシャロと共に改めてスペルディアに転移したのだった。
「ななななっ!? なんですかこれっ!? なんですかこれええええっ!?」
造魔召喚したエンシェントヒュドラを見て、俺に思い切り抱き付いてくるシャロ。
人間族さんの我を忘れた全力の抱擁は痛みも感じないし、ただただ気持ちいいだけだなぁ。
怯えるシャロを抱きしめて、よしよしなでなでしながら説明をする。
「驚かされてごめん。でも安心して。コイツは俺が呼び出した、俺が完璧に制御できる魔物だから」
「え、ええ……? ご主人様が呼び出したって、え~……?」
「聖域の樹海の倒木の量は人の手で片付けられる範疇を超えてるからさ。コイツらに頼ろうと思うんだ」
クイッと顎を上げて見せて、エンシェントヒュドラを指し示す。
俺に釣られるように1度エンシェントヒュドラを見たシャロは、だけど物凄く引き攣った表情を浮かべながらゆっくりと振り返って、恐る恐る聞いてくる。
「こ、ここここ……、こいつ、ら……?」
「うん。コイツら。まだいるんだ、こういう魔物。流石に魔力を回復させてもらわないと呼び出すのはキツいけどね」
「こらーっ! ダーン! 造魔するならちゃんと告知しなさーい!」
シャロに説明をしていたら、風のような速さで駆けつけたニーナに説教されてしまった。
造魔スキルを知っている守人たちやキュールさんたちでも、いきなりイントルーダーを召喚されたことでかなり驚いてしまったようだ。
俺の中で造魔イントルーダーは重機って認識になりつつあるからな。
本来は世界を滅ぼすことも可能な存在であるって事実を忘れかけてしまってるわ……。
逆に最も大きな衝撃を受けたと思われるシャロは、ニーナの説教中も動かずに大人しくしているエンシェントヒュドラを見て、少しだけ落ち着きを取り戻してくれたみたいだった。
シャロをよしよしなでなでしながらニーナに説教を受けていると他のみんなも集まってきたので、エンシェントヒュドラを呼び出した理由を説明する。
「つまり、イントルーダー達を使って倒木の解体と運搬をしたいってことなの?」
「うん。いくらなんでも守人たちでコレを片付けるのは無理だよ。1本1本が山みたいな巨木だしさ。片付けるのに世代単位の時間がかかると思うんだ」
「……運用するのは聖域の樹海と、国家機密であるスレッドドレッド飼育場まで、ね。一見問題なさそうには思えるけど……」
重機イントルーダーの運用について、我が家の参謀ティムルが慎重に審査する。
俺が抱きしめているシャロと、エンシェントヒュドラを見て怯えつつも興奮しているキュールさんをチラリと見てから、少し遠慮がちにティムルが口を開く。
「ダンも分かってると思うけど、シャロはスペルディア家の人間で、キュールさんが知りえた情報は全てヴェルモート帝国の皇帝カレン・ラインフェルドの耳に入るのよ? そんな2人にまで造魔イントルーダーの存在を知らせて本当に良かったのかしら?」
「俺も迷ってはいるんだけどさぁ。造魔スキルのこともイントルーダーを使役できることも、いずれは知られることだと思うんだよねー」
「そうかしらぁ? ダンが秘匿しておけば、その2つの事実にはなかなか辿り着けなかったと思うけどぉ?」
ええ、それこそそうかなぁって感じなんだけど……。
奴隷商人を浸透させて魔物使いになり、それを更に浸透させれば召喚士に行き着くんだよ?
そして召喚士にさえ辿り着けば、造魔スキルでより強力な魔物を使役できる可能性に気付くと思うんだけど。
ああでも奴隷商人は国家公務員扱いで、かなり厳重な扱いなんだっけ?
しかも奴隷商人になった人なんて普通は自分で戦わなくなるだろうし、奴隷商人の最大レベルは100と、かなり浸透しにくい職業なんだよな。
そこからフォアーク神殿のランダム転職で魔物使いになり、これまた最大レベル100の魔物使いを浸透させてまたランダム転職で召喚士を得ると。
確かに果てしなく遠い上に、正解を知らないと辿り着けない気がしてきたな。
ノーリッテはよくぞ自力で召喚士まで辿り着いたもんだ。
「今後、分析官までならそれなりに増えると思うわよ? でもそれだけじゃ多分造魔スキルには辿り着けなかったと思うわ。でもこうして知られてしまった以上、恐らく探されると思うのよねぇ」
「んー……。イントルーダーが使役可能だと分かれば、知っている人は探すかもねぇ……」
「スペルドでは王族スペルディア家が、ヴェルモートでは皇帝カレンが大層野心家でいらっしゃるみたいだし、絶対に探されるわよ? いいのぉダン? イントルーダーを使役できる人がうじゃうじゃ増えちゃってもーっ?」
からかい口調のティムルの言葉の裏に、私たち家族は平気だけど、それ以外の人たちへ悪影響が出たら俺が悲しむんじゃないのか、という感情がこめられている気がした。
いつも心配ばかりかけて申し訳ないなぁ。でも心配してもらえるのが嬉しいよ。
「了解だよお姉さん。元々みんなにも話してなかったけど、今後はこれ以上の情報開示を控える事にする。探したい人は勝手にしてもらおう」
「あはーっ。私たちはダンさえ納得してくれてるのなら気にしないわよぉ? でも慎重なダンにしてはちょっと迂闊に思えたから、確認させてもらったのよねー」
「いや、いっつも迂闊だよ? みんなに支えてもらって何とか騙し騙しやってるだけでさ」
俺の行動って大体行き当たりばったりの思いつきだからね。
みんなの支えがなかったらすぐに行き詰って、瞬く間に路頭に迷うに違いないんだよ?
「で、今回のことなんだけど……。多分俺、俺だけが造魔を使える事をズルいと感じ始めてる気がするよ」
「「「あ~、なるほどぉ……」」」
くっ……! みんな揃えて納得したような声を上げやがってぇ!
こんなどうでもいい事で悩んでるなんて俺らしいってか!? ちくしょうめーっ!
「グルドヴェーダへの道を通した時もアルケミストの研究所に押し入った時も、造魔スキルがちょっと強力すぎてね……。この情報を俺が独占してるのは、ちょっとアンフェアな気がしてきてさぁ」
「生身でそれ以上のことが出来るくせによく言うのじゃ」
「ぐっ……!」
「でもダンの言う事も分かるのじゃ。造魔スキルは戦力としても労働力としても強力すぎるのじゃ。強力ゆえに広めるのは危険じゃが、強力ゆえに活用されるべきスキルなのじゃ」
くぅぅ! 落として上げるとは、恐るべしフラッタぁ!
裏表の無いフラッタからの同意の言葉は、お前が思ってる数百倍嬉しいんだよーっ!
「どうやら旦那様もフラッタと同じような迷いを抱いているようですね。だから最低限の情報だけ開示して、後は流れに任せよう、みたいな」
「ぼくとしてはあまり問題は起きないと思ってるけどね。造魔スキルを手に入れたとしても、イントルーダーを滅ぼせる人ってまずいないからね。アウターエフェクトなんて何体従えても無駄だしさ」
「いやいや。確かにイントルーダーは強力な魔物だけど、俺達今まで何体倒してきてると思ってるんだよ? イントルーダーを人の手で滅ぼせるって事は、俺達自身が証明して……」
「ダン。君の自己評価が低いのは知っているけど、ここは断言させてもらうね。職業浸透を済ませた仕合わせの暴君メンバーが揃っていても、君が居なかったらイントルーダーを倒せてないから」
「え? いやそんなはず……」
そんなはず無いと反論しようとする俺を、翠の双眸からの鋭い視線だけで制止してみせるリーチェ。
そんなリーチェの言葉に、みんなも同意するように俺を見詰めてくる。
いや、初めての竜王戦は確かに俺の職業浸透数に助けられた面もあったと思うけど、みんなだってそれぞれソロでイントルーダー級の魔物を撃破した経験があるじゃん。
それに俺たち以外でだって、ノーリッテがイントルーダーを滅ぼして……。
いや、ノーリッテは全戦力を投入してもアポリトボルボロスを滅ぼせなかったから、崩界を使って滅ぼしたと言ってたっけ?
「あははー。ダン、私たちが1人でイントルーダーを倒したのだって、結局貴方がいてくれたから倒せたんだよー?」
「へ? ど、どういうことニーナ?」
「貴方が居なかったらムービングディザスターなんて絶対に思いつかなかったし、他のみんなだってそうでしょ?」
終いには、それぞれがソロでイントルーダーを討伐したことすら俺のおかげだと言い始めるニーナ。
笑顔で問いかけるニーナに、みんなも笑顔で当時のイントルーダー戦を振り返って答えを返す。
「あはーっ。ダンに魔力視について教えてもらってなかったら、私は間違いなく負けてたわねーっ」
「妾もダンにオーラを教わっていなかったら、あの汚物に弄ばれておったじゃろうなぁ……」
「ぼくがシモンの命令魔法を敗れたのだって、君が教えてくれた精霊魔法の応用のおかげだよ?」
「私も旦那様に補正について伺っていなければ、怨魂スキルで補正を上回られた時点で殺されていたでしょうねぇ」
ティムルはマモンキマイラの回復ギミックに気付くことが出来ず、フラッタはダーティクラスターの再生能力を上回ることが出来なかった。
リーチェは命令魔法を風で遮断する発想に思い至れず、ヴァルゴはダークブリンガーを編み出すことが出来なかった?
それらが出来たのは全部俺のおかげだと、みんなは口を揃えて俺を褒めてくれる。
「聞いたダン? 職業補正と装備品だけでイントルーダーに勝利できたわけじゃないんですよーだっ」
べーっと舌を出して笑うニーナ。
か、可愛い……! じゃなくてっ! いや可愛いけどそうじゃなくって!
仮にみんなの言う通りだとしたら、俺の影響を受けずにイントルーダーを倒したのって、もしかしてノーリッテしかいない?
そしてそのノーリッテも神器始界の王笏を用いて、自分の寿命と引き換えに何とか滅ぼしたって……。
「最高に頼りになるぼくたちの旦那様と同じく、イントルーダーもまた隔絶された存在なんだよ。始界の王笏をダンが持っている以上、恐らく新たにイントルーダーを造魔出来る者は出てこないと思ってるよ」
「んー……。それでもアウターエフェクトを操られるだけでも問題じゃないかしらぁ? そっちはどう思うのリーチェ?」
「そっちも問題ないと思うよティムル。これからの魔物狩りはアウターエフェクトを滅ぼせる者がどんどん出てハズだからね。仮に複数体嗾けられても、劣化アウターエフェクトの脅威は今までよりも段違いに低くなると思う」
「……なるほどぉ。魔物狩り全体の水準が上がることで、相対的に造魔の脅威度が下がるのね。ふむふむ」
リーチェとティムルのお姉さん組が、造魔スキルの情報公開に関して色々な想定をしてくれている。
話の流れ的に、造魔スキルの情報公開は問題無しと判断されそうなので、安心してシャロのお尻を両手で撫で回す。
「……あ」
けどシャロの張りのあるお尻を撫で回したことで、イントルーダー体験会の事を思い出してしまった。
これは物凄く怒られそうだけど……。
打ち明けるならなら少しでも早いほうがいいよな……?
「あー……ごめんティムル、リーチェ。実はゴブトゴさんに、始まりの黒の探索許可と引き換えにイントルーダーの体験会を提案しちゃったんだけど……不味いよね?」
「ん、つまり始まりの黒でイントルーダーを召喚してみせるって事? 王族たちの前で」
「まだ本決まりにはなってないけど、多分そういう感じになると思う。で、その場に居合わせた人にイントルーダーの造魔フラグ、立っちゃうよね……?」
「……なるほど。そうなってくると状況は変わってくるかな? ちなみにダン、君はどう思ってる?」
問いかけた俺に逆に問い返してくるリーチェ。
けれど問いかけが漠然としすぎていて、これだけじゃちょっと意味が分からない。
「どうって……いったいなんのこと?」
「熱心に調べられるとは思うけど、造魔スキルに到達することが出来ると思うかって聞いてるのっ。職業設定無しで造魔スキルに辿り着けると君は思うかな?」
「む、ちょっと待ってね……」
シャロのお尻を両手で撫で回し、シャロのおっぱいに顔を埋めて思考に集中する。
まず大前提の奴隷商人の浸透だけれど、そもそもここがまずハードルが高い気がする。
今居る奴隷商人は結構高齢な人が多い印象だし、奴隷商人の先に召喚士が出現するなんて、テイマーやサモナーって発想を持ってないとまず連想できないと思う。
「あ、あのー……。ご主人様が私のおっぱいに顔を埋めてくださっているのですけど、このまま好きにさせておいて宜しいのですか?」
「ごめんねシャロ。ダンはおっぱいと顔が触れ合ってないと真面目なことが考えられない人なんだ。シャロが嫌じゃなければ好きにさせてあげて欲しいの」
「そうなのですか……。それは大変ですね。ご主人様、シャロのおっぱいは貴方のおっぱいですから、好きなだけ顔を埋めてくださいね……?」
ニーナ司令官から我が家のおっぱい事情を聞いたシャロが俺を抱きしめてくれるので、おっぱいとの密着度が上がってどんどん思考が冴え渡る。
非戦闘員である奴隷商人の浸透を進めようという発想はまずないだろうし、色々な職業の浸透とランダム転職を試す際には奴隷や従者を使う可能性が高い。
そういった人たちに奴隷商人の転職条件を満たすのはまず無理だ。
じゃあ実際に召喚士を探しそうな人物を想定して……。
例えばロイ殿下が自ら職業浸透を進めて魔物使いと召喚士を探すとなった場合、奴隷商人の転職条件である奴隷解放を満たせるだろうか?
……多分だけどあの人、奴隷を解放した経験は無い気がする。奴隷を殺した経験はありそうだけど。
仮にあの馬鹿殿下が召喚士を追い求めても、そう簡単には辿り着けないはずだ。
ヴェルモート帝国の皇帝カレン陛下はどんな人物か読めないけれど……。
もし仮に召喚士に辿り着けたとしても、今度はイントルーダーの討伐が難しいから、やっぱり問題はなさそうかな?
「皇帝カレン陛下のことは読めないけど……、イントルーダー体験会に立ち会う人物の中には恐らく造魔スキルに辿り着ける人はいない、と思う」
「ロイ殿下やマギー、ガルシアさんでも無理かな?」
「多分無理だと思うな。ノーリッテみたいな人間性じゃないと辿り着けない気がする。馬鹿殿下はいい線いってるかもしれないけど、あの人は逆に人間性が悪すぎて到達できない気がするよ」
「新王両陛下は良い意味で到達できないってことだね。なら体験会も造魔スキルの情報開示もこのまま進めていいと思うよ」
「仮に造魔イントルーダーで悪さしようものなら、妾たちが出張って止めればいいのじゃ。イントルーダーは隠しようがないしのう」
フラッタが任せろとばかりに小さい胸を張ってみせる。
ああ、シャロのおっぱいも気持ちいいのに、フラッタのおっぱいも触りたいよぉ。
「最悪の想定だと、その体験会で得た造魔イントルーダーで他のイントルーダーを滅ぼされ、複数の造魔イントルーダーを使役されることだと思いますが……。平気でしょうかね?」
「ん、それも平気じゃないかしらぁ。造魔イントルーダーでオリジナルイントルーダーを上回るのは難しいわ。オリジナル竜王と造魔竜王の戦闘力には雲泥の差があるからねぇ」
ヴァルゴの懸念も、ティムルお姉さんが大丈夫と払拭してくれた。
ノーリッテが造魔イントルーダーでオリジナルイントルーダーを殺し回っていた事実は無視してもいいのかなと思ったけど、そういやノーリッテは魂を触媒に造魔イントルーダーをオリジナル規格まで強化することが出来たんだったな。
造魔スキルの情報を開示する以上、悪用されるリスクをゼロにはできないと思う。
けれど悪用される可能性があるからこそ、少なくとも支配者層には知っていてもらわなきゃいけない情報だとも言えるだろう。
みんなには心配と面倒を掛けちゃったけど、最終的に倒木の片付けにイントルーダーを運用するのはOKと見做された。
ついでにみんなもスレッドドレッドの餌の運搬を手伝ってくれたので、サクサクっと今日の分の給餌は終了だ。
手伝ってくれたお礼にキスをプレゼントして、聖域に戻るみんなを見送った。
「それじゃこれからお城に行くよ。シャロの大切な人たちのこともちゃんとお世話したいし、何より正式にシャロをうちに迎えなきゃいけないからね」
「はい。よろしくお願いしますねご主人様。シャロはもうご主人様の御子を身篭っていると思いますので、今更他の男性には嫁げませんから」
「う~ん。本当に身篭ってるかなぁ? ここは万全を期すべきじゃないかなぁ?」
「えっ、ご主人様、ここでされるのです……あっ」
生体察知で人間がいないことを確認し、念のため気配遮断スキルも使って、スレッドドレッドの巣穴の前でシャロを押し倒す。
明るい時間、解放的な状況でもう1度たっぷりとシャロの中に出しまくって、ぽっこりお腹のシャロと共に改めてスペルディアに転移したのだった。
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