異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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7章 家族みんなで冒険譚1 いつもと違うメンバーで

469 ご褒美 (改)

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 終焉の箱庭の探索も今日で3日目だ。

 流石にかなり深い場所まで探索が出来ているし、今日中に最深部に辿り着く予定で魔物を虐殺し続けるムーリたち。


 最深部を目指してひたすら魔物を狩りながら進軍していると、正午を回る頃にニーナ達がこっちに合流してくれた。


「ゴブトゴさんに伝言は伝えてきたよ。そしたらゴブトゴさんに、キュールさんなら直ぐに飛んできてもおかしくないから、もしも尋ねてきたら私達に引き取って欲しいってお願いされたの」

「あー、始まりの黒を見学したときのテンションを考えると、俺達を帝国に招待する話とは関係無くこっちに来ちゃいそうだね。その時はチャールたちと一緒に離れで預かろっか」


 チャールとシーズの2人だって家族じゃないのに預かってるわけだから、キュールさんも離れで生活してもらっても構わないだろう。

 早めに来てもらえれば、その分チャールたちと話をする時間が確保できるし、聖域の樹海やトライラム教会について調査する前にある程度情報を共有することも出来るはずだ。


 とまぁこんな感じで、彼女に尋ねてこられて困る事はないかな? 離れを建設しておいてよかったー。


「それとね。トライラム教会の旧本部施設の調査を行うときは、教会の人間も誰か同行させて貰えないかって言われたの。ムーリはもう私達の家族扱いだから、他の人を同行させて欲しいんだって」

「んー? 教会の人を同行させるのは構わないけど、それってテネシスさんあたりに言われたの?」

「うんうん。まさにテネシスさんに言われたの。私達のことは信用しているけれど、それとは別に教会の人間も立ち会いたいんだって」


 信用とは別で立ち会いたいのか。好奇心かな?


 いや、真面目なテネシスさんのことだから、義務感とか使命感みたいなものを感じているのかもしれないな。

 子供達のためのお金ですら中々受け取ってくれないほど潔癖な人だったから、教会施設の調査を外部の人間に任せっきりにするのに抵抗があるのかもね。


「その時に、ダンから借りてる5000万リーフの返済もしたいって言ってたよ。王金貨50枚で返済したいって」

「おお? もうちょっとかかるかと思ってたけど、思ってたよりかなり早い返済だなぁ。無理してなきゃ良いけど」

「そこは平気みたいなの。孤児も教会兵も職業浸透が進んで、今までとは比べ物にならないくらいの収入が得られるようになったんだって。それにワンダみたいな14歳の孤児の人頭税は全員払いきったみたいだから、遠慮なく受け取って欲しいって言ってたの」

「ああ、別に孤児が滞納している税金全てを支払うまで返済を待つ必要は無いのか」


 現在14歳の孤児の税金さえ払ってしまえれば、奴隷落ちまでには1年以上の時間的猶予が発生する。

 そして1年もあれば、ほぼ全ての子供の税金を稼ぐ自信が今の教会にはあるのだろう。


 子供の年齢が下がるほど、滞納している税金の額も減っていくわけだしなぁ。


「旧本部施設に調査に入る前にひと声かけて欲しいって言ってたの。だから連絡を忘れちゃダメだからねー?」

「りょーかい。と言っても先に聖域の樹海の調査に入るつもりだけどね」


 報告が終わったニーナを抱っこして、目線を合わせて軽いキスを繰り返す。

 俺の首に抱き付いてくすぐったそうにキスに応戦してくれるニーナが可愛すぎて、何度も何度もキスしてしまう。ニーナ大好きぃ。


 双竜の顎と傾国の姫君が戦っている後ろで、仕合わせの暴君メンバーでちゅっちゅちゅっちゅとキスをし続ける。

 ドロップアイテムの回収とアウターブレイクの訓練は続けているから許して欲しい。だってみんな可愛すぎて我慢出来ないんだもん。ちゅっちゅ。みんな大好きぃ。


 しっかし、人間族が居ないと本当に浸透が進まないなぁ。

 騎士や兵士なんて1日で浸透した覚えがあるのに、スポットの最深部よりも魔物のレベルが高いような場所で戦っているのに、未だムーリもアウラも浸透を終えていないんだから。


 ターニアの斥候は最大レベル100だから、今日中に浸透させるのは難しいかな?

 他の4人の現在の職業はみんな最大レベル50なので、4人の職業は浸透させてから帰りたいところだね。


「え、ええ……? みなさんが来た途端に魔玉が光り出したんですけど……」

「レアドロップも明確に増えてるねぇ……。私達とダンさん達ってこんなに違うんだ……」


 ムーリとターニアが、6人全員豪商パーティの魔玉発光速度に慄いている。

 俺達は一切戦ってないけど、アライアンスを組んでいるからか魔玉の発光は促進されているらしいな。パーティじゃなくて距離的な問題なのかなぁ?


「んー、このままじゃと日没までに最深部にいくのは難しそうじゃな。かと言って明日に回すには半端な距離になりそうなのじゃ」

「そうねぇ。お姉さんとしては今日中に最深部まで進んでしまって、終焉の箱庭の探索を終了してしまうべきだと思うわねー」

「個人的にはティムルに賛成です。旦那様と早く聖域の樹海の調査がしたくって、最近は居ても立ってもいられませんから」


 う~ん。ヴァルゴと初めて会った日に聖域の樹海の異変については聞いてるから、ヴァルゴからしてみればずっと放置されているようなものなのかもしれない。そう考えるとちょっと可哀想だ。

 ヴァルゴを抱きしめてよしよしなでなで。待たせてごめんね。ぎゅー。


「職業浸透が少し半端になりそうな感じだね。ターニアの斥候だけ浸透せずに終わっちゃいそうかな?」

「んー、最深部のドレイク種を狩れば、母さんの斥候も浸透してくれるんじゃないかなぁ」

「いやいやニーナ。ラトリアとエマの剣なら火力充分だろうけど、仕合わせの暴君みたいに魔物の群れを瞬殺したりは出来ないんだからね?」


 ニーナとリーチェが今日の予定について、あーでもないこーでもないと若干盛り上がっている。

 俺は盛り上がっているリーチェのおっぱいを鷲掴みにして、もにゅもにゅ揉み解しながら予定を検討する。


「ターニアの斥候はLV100まで上がって、他の4人はちょうどLV50までの職業なのかぁ」


 ならターニア以外のみんなに職業設定を解禁して、ターニアの斥候が浸透するまでにLV50の職業を2つ浸透させてしまおうかな?

 そうして改めてフォアーク神殿で転職してから帰るって流れでいい気がする。


「ダンの言っていることも分かるが、ここからターニアの斥候まで浸透させきると帰りが遅くなりそうなのじゃ。別に無理をする必要は無いのではないか?」

「いやいや、俺達って全員が好色家のハイパー持久力補正の恩恵を得られているから、多少帰りが遅くなっても疲れたりしないでしょ? 俺達が魔物をひっぱってくれば魔物の殲滅は双竜の顎がこなしてくれると思うからね。そう無茶な話でもないさ」


 少し不安げなフラッタを抱っこして、目線を合わせて抱きしめる。ぎゅーっ。


「今回みんなは3日間も頑張ってくれたからね。最後くらいは職業設定を使ってご褒美をあげたくなっちゃったんだ。だからフラッタ、ちょっとだけご夕飯が遅くなっても良いかな?」

「むー? 無論ダンの好きにして構わぬのじゃが、ご褒美なら寝室でプレゼントした方がみな喜ぶのではないか?」

「寝室でもご褒美をあげるつもりだけど、ベッドの上でのご褒美は仕合わせの暴君のみんなにもあげたいからさ。傾国の姫君と双竜の顎用に職業浸透って形でもプレゼントを贈ろうかなって」

「妾たちにもご褒美をくれるのじゃ? それはそれは楽しみにしておかぬとなっ」


 嬉しそうに抱き付いて、俺の顔を小さなおっぱいで抱きしめてくれるフラッタ。

 ご褒美があっても無くても俺がすることに変わりは無いと思うんだけどね。ご褒美だと思えばいつも以上に張り切ってみんなに注ぎ込めそうだよっ。


 ああ~……。いつもならプレートメイルに阻まれてしまうフラッタのちっぱい気持ちよすぎるぅ……。

 今日は戦っていないからと、鎧を着用していないフラッタ偉いっ。もうこれだけでもご褒美あげたくなっちゃうよぉっ。


 フラッタのおっぱいに顔を埋めながら、戦っている5人の体調を確認する。どうやら5人ともまだまだ余裕があるようだ。


「みなさんには及ばないにしても、私達の職業浸透だってそれなりに進んでますからね。好色家のおかげで体力にも問題ありませんし、むしろありがたいくらいですよっ」


 笑顔で張り切るラトリアが可愛すぎて、フラッタを抱きしめながらラトリアにキスしてしまった。この母娘可愛すぎるんですけどぉ?

 思わずラトリアにキスしてしまった流れで他の4人にもキスを贈り、もうちょっとだけ頑張って欲しいと激励する。


「いえいえ。むしろこちらがみなさんにお付き合いいただいている立場ですからね? ダンさんのキスはいくらでも受け取っちゃいますけどっ」

「ごめんねムーリ。これ以上は帰宅するまで我慢して欲しい。キリがないからね」

「あははははっ! 残念な顔しすぎですよ、ダンさんってばっ!」


 ぐおおお……! こんなに可愛いムーリを抱きしめてあげられないなんて辛すぎるぅ……!

 でもそんなことしてたらマジでいつまで経っても攻略が進まないからな……。自重してくれ俺っ!


「ターニアは斥候の次に育成したい職業を1つ、他のみんなは職業を2つ考えておいてくれる? 最深部では魔物が押し寄せてくるはずだから、無駄が無いように職業変えちゃうからさ」

「昨日フォアーク神殿に行ったせいで、ダンさんの職業設定の非常識さに改めてびっくりするなぁ……」


 ため息をついているターニアをよしよしなでなでしながら、みんなの転職希望先を聞いておく。

 俺の考えている通りに事が運べば、転職先の職業まで浸透してくれそうな気がするなぁ。


 張り切って魔物を殲滅している5人の後ろで、仕合わせの暴君メンバーのおっぱいに代わる代わる顔を埋めながらドロップアイテムを回収する。


 ああもう、みんなのおっぱい最高だよぉ。これじゃいつも通り俺の方がご褒美貰ってるよぉ。むにゅむにゅ。

 ニーナのまっ平らなおっぱいですら柔らかいんだから、女の人の体って神秘に満ちてるよなぁ。むにゅむにゅ。


 最深部に到達する直前にターニア以外の職業が浸透してくれたので、最深部に突入する前にしっかり転職させておく。

 ムーリは司祭に、アウラは騎士になり、ラトリアは飛脚、エマは魔導師を選択した。



 司祭 最大LV50
 補正 体力上昇 魔力上昇 幸運上昇 魔法攻撃力上昇-
 スキル 治療魔法


 騎士 最大LV50
 補正 体力上昇 魔力上昇- 物理攻撃力上昇 物理防御力上昇
    敏捷性上昇 身体操作性上昇 五感上昇 装備品強度上昇
 スキル 全体補正上昇 対人攻撃力上昇 対人防御力上昇


 飛脚 最大LV50
 補正 持久力上昇+ 持久力上昇 敏捷性上昇+ 敏捷性上昇
 スキル インベントリ


 魔導師 最大LV100
 補正 魔力上昇+ 魔力上昇 魔法攻撃力上昇+ 魔法攻撃力上昇
 スキル 上級攻撃魔法 詠唱速度上昇



 全員の職業設定を終えて、満を持して最深部の漆黒の壁に踏み込んだ。


「それじゃ仕合わせの暴君メンバーで魔物をかき集めてくるから、5人はひたすら殲滅してくれる? 今のみんななら、最深部の魔物にも後れを取ることも苦戦することも無いはずだからね」

「至れり尽くせりで恐縮です。みなさんのご協力を無駄にしないよう奮起させてもらいましょう」

「ふふんっ。仕合わせの暴君のママたちにも、私がちゃんと戦えているって見せてあげるんだからっ」


 授業参観。いや、魔物狩り参観ですかね?

 静かに張り切るエマと賑やかに張り切るアウラをよしよしなでなでしてから、散開した仕合わせの暴君メンバーで魔物を釣ってくる。


 最深部のドレイク種が相手でも、みんな普通に戦えているようだ。ラトリアの破軍にいたっては、ドレイク種を1撃で葬り去っている。

 そんなみんなの元にドレイク種を出荷し続ける俺達仕合わせの暴君メンバー。


 やはり最深部の稼ぎ効率は他の場所と比べ物にならないほど高く、転職したてだっていうのにサクサクっと職業浸透が終わってしまった。


 魔物を釣りながらも、聞いてあった希望に沿って職業を設定。

 ムーリとラトリアは魔導師、アウラが魔法使い、そしてターニアが荷運び人になった。


 魔法使い 最大LV30
 補正 魔力上昇-
 スキル 初級攻撃魔法


 荷運び人 最大LV50
 補正 持久力上昇+ 
 スキル インベントリ 所持アイテム重量軽減+



「ターニアの斥候まで浸透が終わったけど、みんなもうちょっとだけ頑張ってね。俺達仕合わせの暴君が戦っている相手をみんなにも紹介しておきたいからさ」


 最高効率で魔物を集め、そして殲滅し続けること数分。

 突如最深部から魔物の気配が消失し、代わりにアウター全体が震えながら巨大な漆黒の魔法陣が出現する。


「ダンさんっ……! これってもしかして……!?」

「そうだよラトリア。お察しの通り、これはイントルーダーの出現予兆なんだ」


 ラトリアがごくりと唾を飲み込みながら、双剣を握る両手の力を強めたのが伝わってきた。

 そしてラトリアだけではなく、ムーリやアウラも真剣な表情で武器を構え直している。


 みんな緊張はしているものの、恐怖で竦んだりしている様子は無さそうだ。


 相変わらず長めの出現予兆を眺めながら、仕合わせの暴君メンバーで前に出る。


「今回は仕合わせの暴君で相手取るから、イントルーダー戦の雰囲気でも感じてもらえればいいかな? 俺の造魔召喚なんかじゃなく、殺意に塗れた本物のイントルーダーが出てくるから、気圧されないよう気をつけて」

「……ガレルみたいな紛い物とは違う、本物のイントルーダーが出てくるんだね。ダンさん達の実力は疑ってないけど……。ごめん、ちょっとだけ心配なの」


 イントルーダーが発する濃密な死の気配に、若干緊張気味のターニア。

 だけどごめんなターニア。多分このイントルーダー戦、一瞬で終わっちゃう予定なんだよ?
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