異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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6章 広がる世界と新たな疑問3 ホムンクルス計画

456 アウターブレイク (改)

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 散々愛した後にアウラを娘扱いする事が決まって、アウラの事は大好きなんだけど微妙な気分になってしまう俺。

 アウラ自身が望んでくれた事とは言え、流石に簡単には受け入れられないよなぁ……。


 などと悩んで見せながらも、左右にアウラとフラッタを侍らして2人のおっぱいをモミモミと揉みしだいている時点で俺に言えることなど何も無い。もみもみ。


「ん……。パパにおっぱい触られるの、気持ちいい……」

「くくく、アウラに遠慮しておるのか? 普段と比べて随分と優しい触り方じゃのう? はうぅっ!?」


 からかうように挑発してくるフラッタに乗っかって、フラッタの敏感乳首を思い切り抓り上げる。

 遠慮もなにも、さっきまで思い切り貪ってたっての。


「遠慮じゃなくて配慮だよ。なんだか勢いのままみんなを愛し続けちゃったけど、まだ話さなきゃいけない事が残ってるからさ」

「はぁぁんっ! 引っ張ったまま先っぽカリカリしちゃだめなのじゃぁぁぁっ……!」


 フラッタの小さな体が反り返るほど強く乳首を引っ張って、逃げ場の無い乳首の先を人差し指でカリカリと引っかいてあげる。

 舌を突き出しながら喘ぐフラッタの口をキスで塞いで、視線でニーナに質問の有無を問う。


「あはっ。落ち着いてるけどまだまだえっちな気分みたいだねっ。話が終わったらまたいっぱい相手してくれる?」


 勿論お相手させていただきますよぉっ! みんなのことをひたすら愛させていただきますよーっ!

 口が塞がっているので、返事代わりにフラッタの乳首をより強く引っ張って、フラッタとキスをしたままコクコクと頷いてみせる。


 だけどニーナ。質問はそれじゃないでしょ? 分かってて聞いたんだろうけど。


「えっちの予定が決まったところで真面目な話を始めるの。まずは1番気になってるアレ、タイニーコロッサスを両断した時の話を聞きたいの」


 本当に真面目な話が始まったのでフラッタの口と乳首を解放し、息も絶え絶えなフラッタの顎の下を猫のように撫でながら答える。

 流石に猫のようにゴロゴロ言ったりはしないけど、気持ち良さそうに身を委ねてくれるフラッタが可愛い。


「んー、今回初めて試した技だから上手く説明できないんだけどね……」


 アウラとフラッタが俺の両頬にキスしてくれるのを感じながら、タイニーコロッサスを滅ぼしたの時のことを思い返す。


「敵から奪った魔力を俺の体に吸収させずに武器に込めて、職業補正やウェポンスキルではない純粋なエネルギーの塊として敵に放ったんだ。例えるならフラッタのオーラやヴァルゴのダークブリンガーに近い技術かな?」

「あ、あっさりととんでもないこと仰ってませんか……? 人間族のダンさんが竜人族や魔人族の種族特性に近い事を……?」

「ラトリア、ダンがとんでもないのは元からなの。だからそこに驚いてもしょうがないからね?」


 慄くラトリアを優しく宥めるニーナ。

 だけどニーナ。その評価は正直嬉しくないんだよ?


「出来ちゃったものはしょうがないとして、どうしてそんなことを試したの? ダンはヴァンダライズで満足してなかったのかな?」

「いや、俺もヴァンダライズを超える力を求めようとは思ってないよ。心配しないで」


 微妙に不安げな表情を浮かべているニーナに弁明する。

 ヴァンダライズですら生命維持機能に支障をきたしてしまったからな。あれ以上の力を求める事にニーナが消極的なのは無理もない。


「ただ、グルトヴェーダに道を通している時に出会ったマウントサーペントとかさ、魔法もウェポンスキルも通じない巨大な生物がいるって分かったからね。そういう相手を想定して備えておきたいって思ったんだ」


 マグナトネリコを滅ぼす事に成功した俺達は、もう対魔物戦力を増強する必要は無いと思うんだよね。


 だけど、イントルーダー並の巨体を誇る野生動物の存在を確認してしまったんだ。

 ウェポンスキルにも魔法にも頼れない状況で巨大な生物を殺すのは容易じゃない。だから対策を講じた。それだけだ。


「アウターごと地面を抉り取ったヴァンダライズは、恐らく魔物以外の存在にも影響を及ぼせる技だと思うんだけどさ。毎回心停止してみんなに心配を掛けたくないんだ。だからヴァンダライズを使わずに済むように新しい技術を求めたんだよ」

「……私たちに心配をかけたくないって気持ちは嬉しいの。だけど今のダンの言葉で逆に不安になったよ? マグナトネリコを倒したくらいじゃ対応できない相手が存在するって言われたようなものだもん」

「ニーナの言う通りだね。君はいったい何を想定しているの? ダンの考えをぼく達にも教えてくれないかな……?」


 ニーナとリーチェが揃って不安そうな顔をしてしまう。

 心配しなくても共有するって。みんなのこと、心から頼りにさせてもらうからね。


「正直な話、確証があるわけじゃないんだけどさ。マウントサーペントクラスの野生動物はまだまだ沢山いると思ってるんだよ。特にヴェルモート帝国にある海とかヤバそうだなってさ」

「マウントサーペントは実際に存在したわけですから、ダンさんが警戒するのも理解できますけど……。海を特別警戒する理由はなんなんですか?」


 エマが首を傾げながら聞いてくる。

 エマは不安な表情と言うよりも、単純に疑問に思って聞き返してきた感じかな?


「俺の居た世界とこの世界を同じに考えるのは難しいけど、俺の居た世界では陸上にいる生物よりも海の中に居る生物のほうが圧倒的に巨大だったんだよ。陸上ですら山みたいなサイズの生物がいるこの世界だと、海中にはどんな巨大生物が潜んでいるのか分かったもんじゃないってね」

「へぇ? 陸の上と海の中では生き物の大きさが変わってくるんだ? ちなみにどれくらい差があったのかな?」


 ターニアの質問に、昔ネットで拾った知識を掘り起こす。


 確か陸上最大の生物は象の5メートル弱くらいで、海中最大のシロナガスクジラは20~30メートルくらいだったような記憶があるけど、みんなにメートルで説明しても多分通じないよな?

 どう説明するのが分かりやすいだろう?


「えっと、みんなに分かりやすく例えるなら、海中には竜王クラスの大きさの生物がいて、陸上ではドラゴンサーヴァントくらいの大きさの生物までしかいなかったんだよ。だからこの世界も水中の生物のほうが大きい可能性が高いかなって思ってるんだ」


 確か絶滅した恐竜まで含めれば、シロナガスクジラの倍くらいあるような生物もいた気がしたけどね。

 マウントサーペントもその類いの稀有な例であったとするなら安心できるんだけどなぁ。


「旦那様にも確証があるわけではない様ですけど、海にはマウントサーペントの数倍の巨躯を持つ生物がいる可能性もあるわけですか……。それは確かに備えなければいけないことかもしれません」

「んー……。そんな巨大生物が居れば知られていると思いますけどねぇ……。でも実際マウントサーペントは知られていなかったみたいですし、なんとも言えないのかなぁ?」

「うん。ムーリの言う通りなんとも言えないってのが正直なところだよ。俺の考えすぎって可能性も高いし、そもそもそんな生物と戦う機会があるとは限らないからね。気にしすぎないで欲しいな」

「ダン……。それってなんだっけ、、とかいう奴なんじゃないのぉ?」


 おいおいティムル、何を縁起でもない事を口にしているんだ。そう言うことは口に出しちゃうと成立しちゃったりするから気をつけたまえ。

 
 実際問題、そんな巨大生物と相対する機会があるとは思ってない。でも可能性があるなら備えておくべきだと思う。

 フラッタとヴァルゴが居れば2人に任せてしまえるけれど、可愛いお嫁さんの後ろに隠れてるってのはどうにも性に合わないんだよなぁ。


「ま、いつも通り俺の考えすぎだとでも思ってて。考えすぎて祝福と加護に頼らない戦い方を模索した結果がアレだったってだけだから。深く考えても結論が出る話じゃないよ」

「祝福と加護に頼らない戦い方ですか……。考えさせられる言葉ですよ。旦那様を見ていると、我ら守人が如何に何も考えずに惰性で腕を磨いてきたのかと思えてしまいますね」


 少し悔しそうにしているヴァルゴだけど、俺の発想はこの世界の理をシステムとして認識したからこそ出来たことだからね?

 こことは異なるの世界、システムの外側に居た俺だからこそたどり着けた発想だったんだと思うよ。


「……祝福と加護に頼らない、この世界のシステムの外側の能力か。じゃあアウターブレイクとでも名付けようかな。まだまだ改良の余地は多いけどね」


 特に魔力吸収を行わないと発動できない点は改良しないと話にならない。


 造魔召喚したイントルーダーを攻撃して魔力吸収するか? でもそれって結局俺の魔力を吸収してるだけだから効率が悪いよな?

 今回アウターブレイクの発動に成功したのだから、あの体験を元に自力で発動できるように改良しておかないとな。


異世界より現れたアウター運命を打ち破る力ブレイクか。確かにぼくの王子様に相応しい能力だね。そしてダン以外には真似出来そうもない能力みたいだ」

「んもうダンったら。世界中の不幸を砕かないと満足できないのっ? ダンは欲張りすぎなのっ」


 リーチェとニーナの表情から不安が無くなったように感じる。

 恐らく家族の誰よりも俺への依存度が高いこの2人には、なるべく心配をかけたくない。アウターブレイクの説明で納得してくれたようでホッとしたよ。


「それじゃ次は私から聞いていいかしら?」


 ニーナとリーチェが納得してくれたのを感じ取ったのか、ティムルが次の話題へと話を進める。


「ダンはクラクラット……、いえクラメトーラをどう扱おうとか考えてるかしら? もし考えているなら私にも聞かせて欲しいわ」

「んー、正直に言えば何も考えてないかな……。暴王のゆりかごの魔力を正常化したことで色んなものが好転してくれないかなって思ってる程度だよ」

「あはーっ。面倒臭がりのダンらしい意見ね」


 俺らしいと笑顔を見せてくれたティムルだったけど、直ぐに表情を引き締めて会話を続ける。


「だけどダン。私達は私達の勝手な都合で、クラメトーラの実質的なトップだったカイメンたちを壊滅させちゃったのよ? 今後のクラメトーラのことを放り出しちゃうのは無責任って事にならないかしら?」

「んー、ティムルの言いたいことも分かるけど……。ドワーフの里の事に介入しちゃうのは、それこそ越権行為とか内政干渉にならないかなぁ? 俺達ってクラメトーラの住人でもなんでもないわけだし」


 ティムルの言いたい事は確かにその通りだ。俺達は俺達の都合で、クラメトーラを管理・運営している人間達を排除してしまったのだから。

 このあとにクラメトーラが混乱する事は想像に難くないわけで、今回の件が原因で生じた混乱を見て見ぬ振りをするというのは無責任に映るかもしれない。


 けれどそこでドワーフの里の管理・運営に手を出してしまったら、俺達がクラメトーラを統治しているのとさほど変わりがなくなってしまうと思うんだ。

 責任云々という話をするのであれば、俺達の都合でクラメトーラを統治してしまうことこそが無責任だと思う。


 ……そんなもの、侵略して支配したのと何も変わらないと思うから。


「ドワーフ族のティムルには申し訳ないけど、誤解が無いようにはっきり言わせて貰うよ。俺が責任を持つのはアウラのことだけだ。ドワーフの里全体、クラメトーラの住人の将来にまでは責任を持つ気は無いし、持てないよ」

「……私達の行動が原因で、クラメトーラ全体に混乱が生じても?」

「それでもだよ。ドワーフ族全体を背負ったり出来ないよ。俺はそんな大物じゃないからね」


 俺の内面を探るかのように、真剣な表情で俺の様子を窺うティムル。

 彼女はドワーフ族の未来を俺に背負ってもらいたいわけじゃない。俺がそんなものを背負ってしまわないか心配してくれているんだろう。


「それにティムルが言っていた通り、俺達がしたことって寄生虫の駆除だからね。カイメンたちが居なくなって混乱するのは確実だろうけれど、クラメトーラ全体で言えば色んな事が好転していくと思ってるんだ」

「……ふふ。お姉さんとしたことが、ちょっと過保護だったみたいね?」


 過保護結構! お姉さんに甘やかされるのは大好物ですよ!

 もういくらでもメロメロに甘やかしてください! 過保護に過剰に愛してくれていいんだよっ!


「ドワーフ族のことは心配要らないわ。元々あんな不毛の大地に好き好んで住んでいる連中だもの。カイメンたちが居なくなって多少混乱する事があっても、どうせ耐え忍ぶ事を選ぶでしょうからね」


 肩を竦めながらそう吐き捨てたティムルは、ゆっくり椅子から立ち上がり俺に歩み寄ってくる。

 そして俺の前まで来たと思ったら、そのまま動きを止めずに静かに唇を重ねてきた。


「ありがとうダン。長きに渡ってドワーフ族を蝕み続けた呪いを解決してくれて。これ以上何があっても、それはドワーフ族の問題よ。貴方は何も気にしなくていいからね?」


 言い終わるともう1度キスをしてきて、俺から離れた後は愛おしそうにアウラの事を撫で始めるティムル。


「ダンが気に病んでいないなら問題ないの。私からの確認は以上よ。他にダンに聞きたいことがある人はいるかしら?」

「あ、それじゃ私から聞いていいかな……?」


 クラメトーラへの干渉の確認を終えて他のみんなに声をかけるティムル。

 そんなティムルに返事をしたのは、俺に抱き寄せられながらティムルに撫でられているアウラ本人だった。


「ねぇパパ。パパの居た世界って、異世界ってなぁに……?」

「あ」


 そうだよ。アウラはまだ何も知らないんだったよ。

 話についていけなくてしどろもどろになるアウラの様子にみんなで和んだあと、俺達の新しい家族に俺達が共に歩んできた時間を話して聞かせたのだった。
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