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6章 広がる世界と新たな疑問3 ホムンクルス計画
441 ボーリング (改)
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「ふふ。甘えてるダン可愛いのっ。よしよし良い子だねーっ」
ご機嫌な様子で俺の頭を撫でるニーナ。
暴王のゆりかごの最深部と思われる場所でニーナに膝枕してもらい、ティムルとヴァルゴのおっぱいを揉みしだきながらフラッタとリーチェに交互にキスしてもらって魔力を回復する。
ちょっと回復しすぎて、魔力が溢れそうになってきましたね。え、これって魔力じゃないんですか?
「ダンは1日でグルトヴェーダに数箇所穴を開けていたから、万端の状態ならどんなに深く掘削する事になっても大丈夫だと思うけど……。ダンが魔力枯渇をしないようにしっかり見守っててね? ティムル」
「任せてニーナちゃん! 絶対にダンに魔力枯渇なんて起こさせないからっ! もう2度とあんな想いは御免だからねっ!」
俺の頭や顎の下を両手で優しく撫でながらも、真剣な口調で語るニーナ。そして決意に燃えるティムルの返事。
ごめんよティムル。知らなかったとは言え、あの時は本当に怖い想いをさせてしまったね。
お詫びの気持ちを込めて、ティムルのおっぱいの先を目いっぱいよしよしなでなでする。楽しい。
「竜王ほどではないにしても、妾とヴァルゴでも地面を削ることはできるからの。ダン、お主自身も無理しないように気をつけて欲しいのじゃ、ちゅうううっ」
「フラッタの言う通りですよ旦那様。それに私のダークブリンガーはブレスのような瞬間火力が無い分、ある程度の時間維持する事が出来るはずです。掘削作業も任せてくださいね」
お願いするようにキスしてくるフラッタと、俺によしよしなでなでされているおっぱいを自信満々に張るヴァルゴ。
大丈夫。絶対に無理はしないし2人のことは頼りにさせてもらうからね。ちゅっちゅっ。くりくり。
「生体察知に加えて精霊魔法でも警戒しておくよ。だけど竜王のブレス音を消しきるのは無理だと思うから気をつけてね。ちゅうう」
フラッタと入れ替わって、俺の口に強く吸い付いてくるリーチェ。
流石に精霊魔法で掘削作業を隠蔽するのは無理だよな。振動だって凄まじいだろうし。
「ぷはぁっ。それと掘削が成功してもダンの消耗は激しいと思う。ダンに無理させない為にもぼく達が頑張ろうねっ。ちゅうちゅうれろれろ」
言い終わると直ぐに俺の口の中に舌を入れて、甘い舌で俺の口内を満遍なく舐め回してくるリーチェ。
掘削する距離にもよるけど、掘削直後に俺の消耗が激しい可能性は確かに想定しておかなければいけない事態だ。
ということで今回は、最高に可愛くて最強に頼もしい俺の家族に存分に頼らせてもらうとしよう。
充分に魔力が回復するまで、ニーナに撫でられながらみんなのおっぱいと舌を堪能する。
最早毎度のことだけど、アウター内部って寝室よりもエロ度上がるよな我が家って。
これだからアウターの探索はやめられないんだよねーちゅっちゅっ。もみもみ。
「膝枕ありがとう。だけどやっぱりニーナともキスさせてね? ちゅー」
最後に膝枕してくれたニーナをバックハグして、おっぱいを揉みながらたっぷりキスをして休憩終了だ。
英気を養いすぎて色々とはち切れそうだから、早く吐き出してしまわないと暴発してしまいそうだよ。
「それじゃ準備はいいねみんな? 魔力枯渇なんて起こす気は毛頭無いけど、今回は素直にみんなに頼らせて貰うよ、よろしく」
「んふー。ダンに頼ってもらえて嬉しいのっ。いつももっと頼っていいんだからねっ? ちゅっ」
「あはーっ。もう私にあんな想いさせちゃ駄目だからね? お姉さん、大好きなダンが倒れるところなんて見たくないんだから。ちゅっ」
「妾たちを助けてくれたダンならば、きっとアウラのことだって助けられるのじゃ。アウラのことも早く迎えて、世界で1番幸せな女の子になってもらうのじゃ。ちゅっ」
「準備は万端だよ。あとは君の好きなタイミングで始めて大丈夫。ぼく達はちゃんと君に合わせて動いてみせるからね。ちゅっ」
「旦那様には未だ及びませんが、旦那様より賜ったこの槍に誓って、旦那様に立ちはだかる障害全てを貫いて見せます。だから旦那様は安心して、今夜私たちにくれるご褒美でも考えていてくださいね。ちゅっ」
元々暴発しそうなところに、1人1人抱きつきながらキスをしてくるものだから、俺の魔力はもう爆発寸前だっ!
好きなタイミングで始めていいって言われたことだし、さっさと放出しちゃうぜっ! 頼んだ竜王!
「グルトヴェーダに引き篭もって、更には暴王のゆりかごに引き篭もって、更に更にその奥に秘密基地なんか作りやがってぇ! ぶち抜け竜王! ブレス発射ーーーっ!」
『ヴォオオオ……!!』
俺の掛け声に合わせて、巨大な竜王の体が青い光に包まれる。
竜王の全身を包んだ青い魔力はやがて喉の奥に収斂していき、1度大きく仰け反った竜王は己の足元目掛けて、強烈なブレスを吐き出した。
『ヴァアアアアアアアッッ!!』
直径2メートルはありそうな極太のブレスが、凄まじい振動と共に暴王のゆりかごの地面をあっさりと貫いていく。
この勢いのまま地面の先の相手まで消し飛ばしてしまうわけにはいかないので、極限まで集中して察知スキルで情報を集める。
魔力枯渇状態とは言え、やはりここは魔力で構成されたアウターの内部。グルトヴェーダの岩山よりも魔力に対する耐性は高いらしく、トンネル工事よりも掘削に時間がかかっているようだ。
だけど俺の魔力にはまだまだ余裕がある。絶対にぶち抜いて見せるからなぁ?
……とか言って、予想が大ハズレでこの下に何もなかったらどうしよう? まぁその時はその時だ。
「深い、なっ……!」
100メートルくらい掘削が進んだところで、一気に不安になってくる。
ブレスも無しに、こんなに深くアウターを掘り進めることなんて出来るものだろうか?
俺の予想は完全に見当違いで、この下にはなにも無いんじゃないのか?
そんな不安に駆られた俺は、掘削作業ではなく俺の状態をつぶさに観察しているティムルとニーナを捕獲して抱きしめる。
「ふふっ。早速頼ってくれたの? 大丈夫だよダン。私たちみんな、いつも貴方の傍にいるからねっ」
「あはーっ。魔力が枯渇しそうになったら無理矢理にでも止めてあげるわ。だから余計なことは考えないで、思いっきりブチかましちゃいなさーいっ」
2人が抱き締め返してくれる感触に、俺の中の不安感が溶けて無くなっていくのを感じる。
大丈夫。仮に何もなかったとしても、新しい可能性を考え直せばいいだけだ。
「う、おおおおおお……!!」
『アアアァァァァーーーーッ!!』
1分程度ブレスを放ち続け、流石に俺の体にも魔力枯渇の症状が出始めた。
俺と抱き合っているニーナとティムルの表情が険しくなってきたなと思った瞬間、生体察知が微かな反応を捉えた。
「――――見つけた! 撃ち方やめーーーっ!」
『ヴァッ!?』
ブレスで生体反応まで貫くわけにはいかないと、慌ててブレスの打ち切り指示を出す。
しかし慌てすぎてしまったせいか、勢い余って竜王の召喚ごとキャンセルしてしまい、大気に還っていく竜王。
……なんかごめん竜王。扱いが雑で。
でもブレス穴に入るにはお前の巨体は大きすぎるから、どっちにしても召喚をキャンセルしていたような気がしないでもないんだよ。
「かなり深いの……! が、地面の向こうの微かな反応が激しく動き回っておるのじゃ! 逃げられる前に行くぞヴァルゴぉっ!」
「了解ですフラッタ! 皆さんも後に続いてくださいっ!」
「ちょっ!? 待っ……!?」
青と黒の魔力に身を包みながら、300メートルくらいはぶち抜いた穴に躊躇無く飛び込んでいく2人。
俺達の職業補正なら大丈夫だとは分かっているけど、心臓に悪すぎるよ2人ともぉ……!
「私達も行くよ! 私とティムルがダンと一緒に行くから、リーチェは殿をお願いするのっ」
「任せてニーナ! それじゃみんなは早く2人を追ってあげて! この先に何があるかはまだ分からないんだからっ」
「おっけー! 行っくわよーっ!」
リーチェの声に頷いたニーナとティムルは、俺に抱きついたままで掘削した穴に走りよって……。
って待て待て待って!? せめて自分の足でぇぇぇ!?
荷物のようの俺を運搬するニーナとティムルは、なんの躊躇も無く穴に飛び込んだ。勿論俺を運搬したままで。
「ひいいいいいい!?」
自分で飛び降りるならまだしも、人に抱えられて高所から飛び降りるとか怖すぎるんですけどぉぉっ!?
確かに魔力は消耗してるけど、魔力枯渇は起こしてないんだから平気だってばぁぁぁっ!
俺達が飛び込んだのを確認したリーチェも、ひと呼吸置いて穴に飛び込んでくる。
うちの可愛いお嫁さんたちはみんな躊躇が無いなっ!? いくら職業補正があるとは言え、怖くないのかみんなはぁぁっ!?
「あそこじゃな! 行くのじゃヴァルゴ! 妾に合わせよぉぉぉ!」
「承知! 任せてくださいフラッタぁぁぁ!」
遥か下方からフラッタとヴァルゴの叫び声が轟いたかと思うと、眩い青と黒の閃光が穴の中を明るく照らす。
「アズールブラスタァァァ!!」
「ウルスラグナァァァ!!」
穴の底に到達する瞬間、2人がタイミングを合わせて攻撃を放つ。
完全に息の合った2人の魔力はダークブルーの閃光となって、ドラゴンイーターと災厄のデーモンスピアが触れた地面を吹き飛ばして貫いた。
その瞬間、ノイズ混じりだった生体察知の反応が鮮明になる。
貫かれた地面の先の空間で、沢山の生体反応が立ち尽しているのが居るのが分かる。
間違いなく到達したようだな、もう逃がさないぜぇ!
爆発の衝撃で落下速度が緩まった2人は華麗に着地し、1度壁にオリハルコンダガーを突き刺して落下速度を殺したティムルが、俺とニーナを抱えて着地する。
最後に精霊魔法で落下速度を抑えたリーチェが落ちてきたので、せっかくなので俺が受け止めてやって全員集合だ。
「ありがとダンっ。今視界を晴らすねっ」
満面の笑顔で俺にキスをしてきたリーチェが、直ぐに表情を引き締めて周囲の粉塵を風で吹き払ってくれる。
すると周囲には唖然とした表情で立ち尽す、恐らくドワーフ族だと思われる色黒の人間の姿と、暴王のゆりかごの内装とは似ても似つかない、綺麗に切り取られた人工的な空間が広がっていた。
俺からも1度キスをしてからリーチェを下ろし、察知スキルを発動させて周囲の状況を把握する。
中には30名近い人間の反応があり、魔物の反応は一切無かった。
「………………」
突然の俺達の襲撃に、周囲の連中は未だ思考が追いついていない様子だ。
さて、地面をぶち抜いたはいいけど、ここからどう行動すべきかな?
問答無用で目の前のドワーフ全員を行動不能にしてしまうか、まずは対話を試みてアウラの情報を引き出すべきか。
前者だとアウラの状態が不安定だった場合に対処出来ない可能性が捨てきれないし、後者だった場合はドワーフの逃亡を許してしまう可能性が否定出来ない。
どちらを選んでもリスクは避けられない、か。ならまずは穏便に……。
「こんな形でお邪魔して悪いね。入り口が無かったものだからさ」
俺は対話を選択し、周囲のドワーフになるべく軽い感じで声をかける。
この場で最終調整を行っていたのであれば、ドワーフを逃がすことはあってもアウラをこの場から引き離すことは難しいと判断したのだ。
アウラさえ無事に確保できれば、研究者たちなんてどうなろうが知ったことじゃないからな。
「………………」
しかし俺達の登場の仕方があまりにもショックだったのか、30名近いドワーフの誰もが何の反応も返してくれない。寂しいな?
図らずも無力化に成功しているようだし、このまま穏便に話を進めたいところだ。
「俺達はアウラの知り合いでね。彼女がなかなか会いに来てくれないから、俺達の方から会いに来たんだよ。ってことでアウラに会わせてくれるかな?」
「……アウラにだとぉっ!? お前らはいったい何者だ!? なんでアウラの事を知ってる!?」
「ひょっとしてレガリアの裏切りかっ……!? だっ、だから最近は連絡がつかなく……!」
固まっていたドワーフたちだけど、アウラの名前を聞いた瞬間に思考が回転し始めたようだ。よほどアウラの事が大切らしいな。
それにしても、レガリアの裏切りねぇ。やっぱりコイツら、レガリアと協力体制にあったわけかぁ。
「……貴様ら、もしや先日アウラと話していた奴らか……?」
喧騒に包まれかけた状況の中で、1人の中年男性が訝しげな表情を浮かべながら慎重な足取りで前に出てきた。
出てきた相手には俺も見覚えがある。
「覚えていてもらって光栄だね。あんたは確かカイメンさんだったっけ? アウラの保護者の」
「やはりあの時の奴らか……! 貴様らいったい何者なんだ!? 上で異常があったという報告は受けていないぞっ!?」
こんなことは聞いていないぞと狼狽するカイメン。
その口振りから察するに、どうやら転移魔法陣が勝手に起動したなんて報告はされていないようだね。
ま、侵入者の姿を確認できなかったのだから報告はしないかな? この施設の事を知らない人ならなおさらだ。
「何者もなにも、俺達はアウラの友達だよ。再会の約束をしたのにアウラがいつまで経っても会いに来てくれないから、仕方なくこっちから出向いたんだよ。アウラはどこかな?」
「……やはり目的はアウラかっ! 貴様らアウラを手に入れて、いったいなにをするつもりなのだぁ……!?」
「手に入れるなんて物騒な言い方やめてくれない? 俺達は彼女と友達になったんだから、友達と一緒に過ごしたいと思ってるだけだよ?」
「……あくまで目的を喋る気は無いか。まぁいい、貴様らの目的など知ったことではない!」
嘘を吐いているつもりは無いんだけどなぁ。
でもまぁ目的を言えばアウラの救出なのだから、カイメンの判断は間違っているわけでもないか。
しっかし、アウラを研究対象としてしか認識していないカイメンの口調にはちょっとイラッとさせられるね。
「侵入者だ! ここに侵入を許してしまった以上絶対に逃がすわけにはいかない! 警戒レベルは最大限、ありとあらゆる方法を用いて侵入者を排除、抹殺するんだぁっ!!」
カイメンの叫びに場の空気が変わる。分かっちゃいたけど穏便には解決できないね。会話はあまり意味が無かったかな。
でもそっちが力ずくで来るなら、こっちも同じ対応をしやすいからな。助かるよカイメン。
まずはここを制圧して、アウラの居場所と状態を聞き出さないといけない。
アウラを外に連れ出して平気なのか確認できないうちは、あまり無茶するわけにはいかないからね。
だからみんな。制圧するのはいいけど、皆殺しにしちゃ駄目なんだよー?
ご機嫌な様子で俺の頭を撫でるニーナ。
暴王のゆりかごの最深部と思われる場所でニーナに膝枕してもらい、ティムルとヴァルゴのおっぱいを揉みしだきながらフラッタとリーチェに交互にキスしてもらって魔力を回復する。
ちょっと回復しすぎて、魔力が溢れそうになってきましたね。え、これって魔力じゃないんですか?
「ダンは1日でグルトヴェーダに数箇所穴を開けていたから、万端の状態ならどんなに深く掘削する事になっても大丈夫だと思うけど……。ダンが魔力枯渇をしないようにしっかり見守っててね? ティムル」
「任せてニーナちゃん! 絶対にダンに魔力枯渇なんて起こさせないからっ! もう2度とあんな想いは御免だからねっ!」
俺の頭や顎の下を両手で優しく撫でながらも、真剣な口調で語るニーナ。そして決意に燃えるティムルの返事。
ごめんよティムル。知らなかったとは言え、あの時は本当に怖い想いをさせてしまったね。
お詫びの気持ちを込めて、ティムルのおっぱいの先を目いっぱいよしよしなでなでする。楽しい。
「竜王ほどではないにしても、妾とヴァルゴでも地面を削ることはできるからの。ダン、お主自身も無理しないように気をつけて欲しいのじゃ、ちゅうううっ」
「フラッタの言う通りですよ旦那様。それに私のダークブリンガーはブレスのような瞬間火力が無い分、ある程度の時間維持する事が出来るはずです。掘削作業も任せてくださいね」
お願いするようにキスしてくるフラッタと、俺によしよしなでなでされているおっぱいを自信満々に張るヴァルゴ。
大丈夫。絶対に無理はしないし2人のことは頼りにさせてもらうからね。ちゅっちゅっ。くりくり。
「生体察知に加えて精霊魔法でも警戒しておくよ。だけど竜王のブレス音を消しきるのは無理だと思うから気をつけてね。ちゅうう」
フラッタと入れ替わって、俺の口に強く吸い付いてくるリーチェ。
流石に精霊魔法で掘削作業を隠蔽するのは無理だよな。振動だって凄まじいだろうし。
「ぷはぁっ。それと掘削が成功してもダンの消耗は激しいと思う。ダンに無理させない為にもぼく達が頑張ろうねっ。ちゅうちゅうれろれろ」
言い終わると直ぐに俺の口の中に舌を入れて、甘い舌で俺の口内を満遍なく舐め回してくるリーチェ。
掘削する距離にもよるけど、掘削直後に俺の消耗が激しい可能性は確かに想定しておかなければいけない事態だ。
ということで今回は、最高に可愛くて最強に頼もしい俺の家族に存分に頼らせてもらうとしよう。
充分に魔力が回復するまで、ニーナに撫でられながらみんなのおっぱいと舌を堪能する。
最早毎度のことだけど、アウター内部って寝室よりもエロ度上がるよな我が家って。
これだからアウターの探索はやめられないんだよねーちゅっちゅっ。もみもみ。
「膝枕ありがとう。だけどやっぱりニーナともキスさせてね? ちゅー」
最後に膝枕してくれたニーナをバックハグして、おっぱいを揉みながらたっぷりキスをして休憩終了だ。
英気を養いすぎて色々とはち切れそうだから、早く吐き出してしまわないと暴発してしまいそうだよ。
「それじゃ準備はいいねみんな? 魔力枯渇なんて起こす気は毛頭無いけど、今回は素直にみんなに頼らせて貰うよ、よろしく」
「んふー。ダンに頼ってもらえて嬉しいのっ。いつももっと頼っていいんだからねっ? ちゅっ」
「あはーっ。もう私にあんな想いさせちゃ駄目だからね? お姉さん、大好きなダンが倒れるところなんて見たくないんだから。ちゅっ」
「妾たちを助けてくれたダンならば、きっとアウラのことだって助けられるのじゃ。アウラのことも早く迎えて、世界で1番幸せな女の子になってもらうのじゃ。ちゅっ」
「準備は万端だよ。あとは君の好きなタイミングで始めて大丈夫。ぼく達はちゃんと君に合わせて動いてみせるからね。ちゅっ」
「旦那様には未だ及びませんが、旦那様より賜ったこの槍に誓って、旦那様に立ちはだかる障害全てを貫いて見せます。だから旦那様は安心して、今夜私たちにくれるご褒美でも考えていてくださいね。ちゅっ」
元々暴発しそうなところに、1人1人抱きつきながらキスをしてくるものだから、俺の魔力はもう爆発寸前だっ!
好きなタイミングで始めていいって言われたことだし、さっさと放出しちゃうぜっ! 頼んだ竜王!
「グルトヴェーダに引き篭もって、更には暴王のゆりかごに引き篭もって、更に更にその奥に秘密基地なんか作りやがってぇ! ぶち抜け竜王! ブレス発射ーーーっ!」
『ヴォオオオ……!!』
俺の掛け声に合わせて、巨大な竜王の体が青い光に包まれる。
竜王の全身を包んだ青い魔力はやがて喉の奥に収斂していき、1度大きく仰け反った竜王は己の足元目掛けて、強烈なブレスを吐き出した。
『ヴァアアアアアアアッッ!!』
直径2メートルはありそうな極太のブレスが、凄まじい振動と共に暴王のゆりかごの地面をあっさりと貫いていく。
この勢いのまま地面の先の相手まで消し飛ばしてしまうわけにはいかないので、極限まで集中して察知スキルで情報を集める。
魔力枯渇状態とは言え、やはりここは魔力で構成されたアウターの内部。グルトヴェーダの岩山よりも魔力に対する耐性は高いらしく、トンネル工事よりも掘削に時間がかかっているようだ。
だけど俺の魔力にはまだまだ余裕がある。絶対にぶち抜いて見せるからなぁ?
……とか言って、予想が大ハズレでこの下に何もなかったらどうしよう? まぁその時はその時だ。
「深い、なっ……!」
100メートルくらい掘削が進んだところで、一気に不安になってくる。
ブレスも無しに、こんなに深くアウターを掘り進めることなんて出来るものだろうか?
俺の予想は完全に見当違いで、この下にはなにも無いんじゃないのか?
そんな不安に駆られた俺は、掘削作業ではなく俺の状態をつぶさに観察しているティムルとニーナを捕獲して抱きしめる。
「ふふっ。早速頼ってくれたの? 大丈夫だよダン。私たちみんな、いつも貴方の傍にいるからねっ」
「あはーっ。魔力が枯渇しそうになったら無理矢理にでも止めてあげるわ。だから余計なことは考えないで、思いっきりブチかましちゃいなさーいっ」
2人が抱き締め返してくれる感触に、俺の中の不安感が溶けて無くなっていくのを感じる。
大丈夫。仮に何もなかったとしても、新しい可能性を考え直せばいいだけだ。
「う、おおおおおお……!!」
『アアアァァァァーーーーッ!!』
1分程度ブレスを放ち続け、流石に俺の体にも魔力枯渇の症状が出始めた。
俺と抱き合っているニーナとティムルの表情が険しくなってきたなと思った瞬間、生体察知が微かな反応を捉えた。
「――――見つけた! 撃ち方やめーーーっ!」
『ヴァッ!?』
ブレスで生体反応まで貫くわけにはいかないと、慌ててブレスの打ち切り指示を出す。
しかし慌てすぎてしまったせいか、勢い余って竜王の召喚ごとキャンセルしてしまい、大気に還っていく竜王。
……なんかごめん竜王。扱いが雑で。
でもブレス穴に入るにはお前の巨体は大きすぎるから、どっちにしても召喚をキャンセルしていたような気がしないでもないんだよ。
「かなり深いの……! が、地面の向こうの微かな反応が激しく動き回っておるのじゃ! 逃げられる前に行くぞヴァルゴぉっ!」
「了解ですフラッタ! 皆さんも後に続いてくださいっ!」
「ちょっ!? 待っ……!?」
青と黒の魔力に身を包みながら、300メートルくらいはぶち抜いた穴に躊躇無く飛び込んでいく2人。
俺達の職業補正なら大丈夫だとは分かっているけど、心臓に悪すぎるよ2人ともぉ……!
「私達も行くよ! 私とティムルがダンと一緒に行くから、リーチェは殿をお願いするのっ」
「任せてニーナ! それじゃみんなは早く2人を追ってあげて! この先に何があるかはまだ分からないんだからっ」
「おっけー! 行っくわよーっ!」
リーチェの声に頷いたニーナとティムルは、俺に抱きついたままで掘削した穴に走りよって……。
って待て待て待って!? せめて自分の足でぇぇぇ!?
荷物のようの俺を運搬するニーナとティムルは、なんの躊躇も無く穴に飛び込んだ。勿論俺を運搬したままで。
「ひいいいいいい!?」
自分で飛び降りるならまだしも、人に抱えられて高所から飛び降りるとか怖すぎるんですけどぉぉっ!?
確かに魔力は消耗してるけど、魔力枯渇は起こしてないんだから平気だってばぁぁぁっ!
俺達が飛び込んだのを確認したリーチェも、ひと呼吸置いて穴に飛び込んでくる。
うちの可愛いお嫁さんたちはみんな躊躇が無いなっ!? いくら職業補正があるとは言え、怖くないのかみんなはぁぁっ!?
「あそこじゃな! 行くのじゃヴァルゴ! 妾に合わせよぉぉぉ!」
「承知! 任せてくださいフラッタぁぁぁ!」
遥か下方からフラッタとヴァルゴの叫び声が轟いたかと思うと、眩い青と黒の閃光が穴の中を明るく照らす。
「アズールブラスタァァァ!!」
「ウルスラグナァァァ!!」
穴の底に到達する瞬間、2人がタイミングを合わせて攻撃を放つ。
完全に息の合った2人の魔力はダークブルーの閃光となって、ドラゴンイーターと災厄のデーモンスピアが触れた地面を吹き飛ばして貫いた。
その瞬間、ノイズ混じりだった生体察知の反応が鮮明になる。
貫かれた地面の先の空間で、沢山の生体反応が立ち尽しているのが居るのが分かる。
間違いなく到達したようだな、もう逃がさないぜぇ!
爆発の衝撃で落下速度が緩まった2人は華麗に着地し、1度壁にオリハルコンダガーを突き刺して落下速度を殺したティムルが、俺とニーナを抱えて着地する。
最後に精霊魔法で落下速度を抑えたリーチェが落ちてきたので、せっかくなので俺が受け止めてやって全員集合だ。
「ありがとダンっ。今視界を晴らすねっ」
満面の笑顔で俺にキスをしてきたリーチェが、直ぐに表情を引き締めて周囲の粉塵を風で吹き払ってくれる。
すると周囲には唖然とした表情で立ち尽す、恐らくドワーフ族だと思われる色黒の人間の姿と、暴王のゆりかごの内装とは似ても似つかない、綺麗に切り取られた人工的な空間が広がっていた。
俺からも1度キスをしてからリーチェを下ろし、察知スキルを発動させて周囲の状況を把握する。
中には30名近い人間の反応があり、魔物の反応は一切無かった。
「………………」
突然の俺達の襲撃に、周囲の連中は未だ思考が追いついていない様子だ。
さて、地面をぶち抜いたはいいけど、ここからどう行動すべきかな?
問答無用で目の前のドワーフ全員を行動不能にしてしまうか、まずは対話を試みてアウラの情報を引き出すべきか。
前者だとアウラの状態が不安定だった場合に対処出来ない可能性が捨てきれないし、後者だった場合はドワーフの逃亡を許してしまう可能性が否定出来ない。
どちらを選んでもリスクは避けられない、か。ならまずは穏便に……。
「こんな形でお邪魔して悪いね。入り口が無かったものだからさ」
俺は対話を選択し、周囲のドワーフになるべく軽い感じで声をかける。
この場で最終調整を行っていたのであれば、ドワーフを逃がすことはあってもアウラをこの場から引き離すことは難しいと判断したのだ。
アウラさえ無事に確保できれば、研究者たちなんてどうなろうが知ったことじゃないからな。
「………………」
しかし俺達の登場の仕方があまりにもショックだったのか、30名近いドワーフの誰もが何の反応も返してくれない。寂しいな?
図らずも無力化に成功しているようだし、このまま穏便に話を進めたいところだ。
「俺達はアウラの知り合いでね。彼女がなかなか会いに来てくれないから、俺達の方から会いに来たんだよ。ってことでアウラに会わせてくれるかな?」
「……アウラにだとぉっ!? お前らはいったい何者だ!? なんでアウラの事を知ってる!?」
「ひょっとしてレガリアの裏切りかっ……!? だっ、だから最近は連絡がつかなく……!」
固まっていたドワーフたちだけど、アウラの名前を聞いた瞬間に思考が回転し始めたようだ。よほどアウラの事が大切らしいな。
それにしても、レガリアの裏切りねぇ。やっぱりコイツら、レガリアと協力体制にあったわけかぁ。
「……貴様ら、もしや先日アウラと話していた奴らか……?」
喧騒に包まれかけた状況の中で、1人の中年男性が訝しげな表情を浮かべながら慎重な足取りで前に出てきた。
出てきた相手には俺も見覚えがある。
「覚えていてもらって光栄だね。あんたは確かカイメンさんだったっけ? アウラの保護者の」
「やはりあの時の奴らか……! 貴様らいったい何者なんだ!? 上で異常があったという報告は受けていないぞっ!?」
こんなことは聞いていないぞと狼狽するカイメン。
その口振りから察するに、どうやら転移魔法陣が勝手に起動したなんて報告はされていないようだね。
ま、侵入者の姿を確認できなかったのだから報告はしないかな? この施設の事を知らない人ならなおさらだ。
「何者もなにも、俺達はアウラの友達だよ。再会の約束をしたのにアウラがいつまで経っても会いに来てくれないから、仕方なくこっちから出向いたんだよ。アウラはどこかな?」
「……やはり目的はアウラかっ! 貴様らアウラを手に入れて、いったいなにをするつもりなのだぁ……!?」
「手に入れるなんて物騒な言い方やめてくれない? 俺達は彼女と友達になったんだから、友達と一緒に過ごしたいと思ってるだけだよ?」
「……あくまで目的を喋る気は無いか。まぁいい、貴様らの目的など知ったことではない!」
嘘を吐いているつもりは無いんだけどなぁ。
でもまぁ目的を言えばアウラの救出なのだから、カイメンの判断は間違っているわけでもないか。
しっかし、アウラを研究対象としてしか認識していないカイメンの口調にはちょっとイラッとさせられるね。
「侵入者だ! ここに侵入を許してしまった以上絶対に逃がすわけにはいかない! 警戒レベルは最大限、ありとあらゆる方法を用いて侵入者を排除、抹殺するんだぁっ!!」
カイメンの叫びに場の空気が変わる。分かっちゃいたけど穏便には解決できないね。会話はあまり意味が無かったかな。
でもそっちが力ずくで来るなら、こっちも同じ対応をしやすいからな。助かるよカイメン。
まずはここを制圧して、アウラの居場所と状態を聞き出さないといけない。
アウラを外に連れ出して平気なのか確認できないうちは、あまり無茶するわけにはいかないからね。
だからみんな。制圧するのはいいけど、皆殺しにしちゃ駄目なんだよー?
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