異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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6章 広がる世界と新たな疑問2 世界の果て

437 終焉の向こう側 (改)

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「今日こそは終焉の向こう側を確かめよう」


 終焉の箱庭に転移した俺達は、すぐさまアナザーポータルで最深部を抜けた先に転移した。


 さて、今日中に終焉の箱庭を踏破したいところだけれど、今日のニーナは俺から離れる気が一切なさそうだ。

 この様子じゃあ先頭を任せるのは無理だな。よしよしなでなで。


「今日はニーナはお休みってことで俺に抱っこされようねー。フラッタもおいで。一緒に抱っこしてあげるから」

「む? 昨日も妾を抱っこしてくれたのに、今日も妾で良いのかの? ダンはそんなに妾のおっぱいが好きなのかのう?」

「フラッタのおっぱいは大好きだけど、今日はニーナとフラッタのちっこいコンビを抱っこしたい気分なんだよねー。おいでおいでー」


 たたたーっと駆け寄ってきたフラッタを捕まえて、ニーナと一緒に抱っこして2人のほっぺにキスをする。

 ほんと好色家姉妹は可愛すぎて困っちゃうなぁっ。


「それじゃ出発しようか。多分昨日のニーナの速度なら今日1日で抜けられると思うから、あの速度を参考にして走るからね。大丈夫だと思うけど、もしきつかったら無理せず言ってよ?」

「速度は了解したけど、なんだかお姉さんだけダンに甘えてない気がしちゃうわねぇ。帰ったら甘えていいかしらぁ?」

「大歓迎だよ。いつでも好きなだけ甘えてね」


 ティムルにちゅっと口付けし、そのまま他のみんなともキスをしてから走り出す。


 今日は俺が先頭を走るので、索敵スキルを常時発動しつつ気配遮断も使用して走り抜ける事にする。

 最深部でも俺達の速度についてこれる魔物は居なかったけど、戦闘する気が無いならそもそも魔物とエンカウントする必要も無いからな。


 それに、もしも暴王のゆりかごに無理矢理忍び込む事になった場合は、気配遮断スキルがカギとなるのは間違いない。

 今更スキルの使用に不安は無いけれど、常時発動でどの程度維持できるかを把握しておくべきだろう。


「あはははっ! 早い早ーい! 私とフラッタを抱っこしてるのに、ダンったら早すぎなのーっ!」

「ダンよ。今日はおっぱいを吸わなくて良いのか? 道の誘導くらいおっぱいを吸われながらでもしてやれると思うのじゃが」

「おっぱいを吸いたいのは山々だけどね。こんなに楽しそうなニーナに水を差す気にはなれないんだよ。フラッタのおっぱいはあとからいっぱいしゃぶってあげるね」


 おっぱいの代わりに2人のぷにぷにのほっぺにキスをして走り続ける。


 ニーナもフラッタも良い匂いがするよぉ。この匂いだけでお腹いっぱいになる想いだよ。

 まぁ実際は俺のお腹じゃなくて2人のお腹をいっぱいにするわけですけどね。


 今日はおっぱいをしゃぶりこそしていないけど、俺の首に抱き付いている2人は俺の顔におっぱいを押し付けてくれるので、その微かにやわらかい感触を楽しみながら走り続ける。

 左右の耳から伝わってくる、2人の鼓動が心地良いなぁ。





「おっ、あれ魔力壁、だよな?」


 2人の鼓動をBGMに走り続けること数時間。

 俺達は何とか終焉の箱庭の果て、反対側の魔力壁まで到達することが出来た。


「よっしゃあ目標到達ぅ! ってことでニーナ! フラッタ! シャツを捲ってくれる? ご褒美が欲しいんだよーっ!」

「あはっ。いっぱい走って偉かったねー? お腹いっぱいになるまでおっぱい吸っていいからねー?」

「いやニーナよ。妾たちのおっぱいからは何も出ないのじゃから、お腹いっぱいになるまで吸われたら永遠に吸われてしまうと思うのじゃが……」


 安心しろフラッタ! お前のおっぱいなら永遠に吸っても飽きないからなっ!


 目の前に零れた肌色と桃色の突起にしゃぶりつき、舐めまわして吸い上げる。

 これがあるからアウターの探索はやめられないんだよなぁ。れろれろちゅぱちゅぱ。


「ダンはニーナちゃんとフラッタちゃんのおっぱいにしか興味無さそうだけど……。やっぱりお姉さんとしてはこの先が気になっちゃうわねぇ」


 おっぱいをしゃぶる俺をスルーし、真剣な表情で出口の魔力壁を見据えるお姉さん。


 違うんだよティムル。俺だってこの先に興味がないワケじゃないんだ。

 だけど2人のおっぱいの先が魅力的過ぎて目も口も離せないんだよぉ。ちゅうちゅうはむはむ。


「あの夕焼けの先にはどんな光景が広がっているのか、今からワクワクして仕方ないよ」

「聖域の樹海は他の守人に先を越されてしまいましたからね。この先は恐らく私達が1番乗りのはずですっ」


 好奇心いっぱいのリーチェとヴァルゴ。

 うん、これ以上みんなを待たせるのは忍びないな。この続きは帰ってからたっぷりしようね2人とも。ちゅうううううう。


「ニーナもフラッタも、家に帰ったら続きをしようね。今は自重してこの先に進むとしようか」

「はぁ……。はぁ……。この先にも誰も居ないと思うから、おっぱいは出したままでいてあげるの。ダンの好きにしていいからね?」

「優しく吸うのはズルいのじゃぁ……。妾のおっぱい、ダンが恋しくて硬くなるのが止まらないのじゃぁ……」


 ん? 吸っちゃだめだった?

 それじゃフラッタの桃色乳首を転がすように、舌の腹で乳首全体をべろんべろんと……って、これじゃキリがないっての。


 震えるフラッタのほっぺにキスをしてからみんなと頷き合い、前人未到の終焉の先へと足を踏み出した。

 そしてある意味予想通り、終焉の箱庭の先には終焉の箱庭の続きのように広大な平原が広がっていた。


「予想通り代わり映えのしない景色、ではあるんだけど……」


 ……けれど、なんだ? なにかがおかしい。

 これ、ただの平原じゃない、のか?


「……なんだろう? 平原の先、なんだか違和感を覚えるね?」

「一見してどこまでも果てしなく続く景色のように見えますが……。なんでしょう? なんだか気味が悪いですね……」


 リーチェとヴァルゴも俺と同じ感想を抱いた様で、怪訝な顔をしながら首を傾げてる。

 そんな中、碧眼となったティムルが絶句しているのに気付いた。


「ティムル? どうしたの?」

「これが……これが終焉……!? ここが世界の果てだって言うの……!?」


 俺の声が聞こえていない様子のティムルは、平原に向かってフラフラと1人で歩き始める。

 そんなティムルの様子に首を傾げながらも、ティムルのあとに続いて歩き始める俺達。


「今のティムルは熱視を発動してたの。ということはこの場の魔力になんらかの異常があったってことなのかな?」

「むぅぅ……。確かに先ほどから違和感の拭えない場所じゃからのう。ティムルの目にはいったい何が映ったのじゃろう?」


 不安げに俺に抱きつくニーナとフラッタ。

 そんな2人を安心させてあげたいところだけれど、ティムルの様子はどう見ても尋常じゃない。そんな彼女の姿に俺まで不安を感じ始めてしまう。


 嫌な緊張感を纏わりつかせたままで歩き続けること数十分。

 何も無い場所で、突如ティムルが足を止めて息を飲んだ。


「……これ、は」


 彼女は躊躇いがちに前方に手を伸ばし、だけど手を伸ばしきる前に思い留まるように腕を引っ込めた。

 そして俺の方を振り返り、俺にお願いをしてくる。


「……ダン。魔物はなんでも良いから、造魔した魔物をこの先に進ませてくれないかしら? どうなるのか見てみたいの」

「造魔するのは構わないけど……。この先?」


 ティムルの背後には明らかに何も無い空間が広がっているようにしか見えない。

 だけどティムルはこの先に進むのが危険だと判断し、腕を伸ばすことすら躊躇ったんだ。


 ティムルの目に何が映し出されているのかは分からないけれど、ここは素直にティムルの指示に従おう。


「何でも良いんだね? それじゃ……そうだな。造魔、テラーデーモン!」


 なんでもいいとは言われたものの、戦闘力はある程度あったほうが良いだろう。

 でも流石にただの検証で竜王を召喚するのは贅沢すぎるので、ここは俺達が初めて相対したアウターエフェクトであるテラーデーモンさんにお越しいただいた。


「それじゃティムル。コイツを先に進ませればいいんだよね?」

「ええ。ありがとうダン。何も言えなくてごめんなさい……。だけどまずはどうしても試しておかなきゃって……」

「謝らなくていいよティムル。お前の事は全面的に信用してるんだからさ。早速進ませてみるからね」


 ティムルが頷くのを確認して、テラーデーモンを前進させる。

 そしてティムルの横を通り過ぎ、更に前に進ませようと思った矢先に、テラーデーモンの姿が消失する。


「……へ? 消えた?」


 ティムルのいる場所から少し進んだ瞬間、何も無いはずの場所でテラーデーモンの姿が突然掻き消える。

 すぐに戻ってくるように念じたけれど、テラーデーモンは戻ってこない。


「……ダン。テラーデーモンはどうなったのかしら? 再召喚できるようになってたりする?」

「再召喚? できる、ね……」


 ティムルに言われて造魔スキルを意識すると、テラーデーモンが再召喚可能になっていることが体感で分かった。


 ……という事は、テラーデーモンは見えなくなっただけじゃなくて死んだってこと……? 何の前触れも無く、ただ歩いただけで?

 ティムルのいる場所の先には何があるんだ? ティムルには何が見えている?


「……確証は無かったけれど、やっぱりこの先に進むのは危険みたいね。ダンが造魔スキルを持っていて良かったわ」

「……ごめんティムル。なにが起きてるのか全然分からないよ。説明してくれる?」

「ええ。でもその前に少し戻りましょうか。ここが危険だと分かった以上近づくべきじゃないわ」


 確かにティムルの言う通りだ。見た目には何も無い空間、ティムルの熱視が無ければ見破れない何かなのだ。

 近くに居て、ついうっかり触れてしまうような事は避けないとな。


 先に歩き始めたティムルを追って、終焉の箱庭の外縁部の魔力壁まで戻る。

 先ほどの場所から充分に距離が開いた事を確認し、順を追って話すわね、とティムルが語り始める。


「恐らくみんなも感じたと思うんだけど、アウターの外の景色を見た瞬間に、なんだか奇妙な違和感を抱いたのよね。なんとなく、目の前の景色が間違っているような」

「はい。違和感はありましたね。ただ、何に違和感を抱いているのか自分でも分かりませんでしたけど」

「そう。私も何がおかしいのか分からなかったから、この周辺の魔力を見てみようと熱視を発動したの。そしたら目の前の景色の途中からね、何も無くなってたの……」

「何も無い? それってどういう意味なのかな? 確かに何も無い広大な平原が広がっていたけど……」


 リーチェの問いかけに、首を横に振って答えるティムル。

 ……彼女の顔は、黒い肌でもはっきり分かるくらいに青褪めている。


「違うのよリーチェ。あの先には平原なんて無いの。平原も魔力もあの先には存在しない。あの先には本当に何もなかったの……!」

「な、なにを言っておるのじゃティムル……? ここから見ても、平原は果てが見えないほどに続いておるではないか……!?」

「……詳しい原理なんて分からないけど、恐らくと同じなんでしょうね」


 ティムルが指差した方向に目を向けると、アウターの魔力壁が聳え立っていた。

 つまり、大気中の魔力に何らかの境界線が生じているっていうことか?


「あそこに魔力の膜みたいなものがあってね? まるで水面に反射しているみたいに平原の景色が続いてるように見えちゃってるみたいなのよ。あの先には何も無いのにね……」

「……そっか。アウターの魔力壁も場所によっては視界を遮られるもんね。魔力によって視界不良が起きるのは既に私達は経験済みなの」


 ニーナが自分の実体験に紐付けて頷いている。

 アウターの魔力壁によって視界が遮られることは既に何度も経験してきた。そこから考えると、あの場所の魔力壁には平原の景色をカムフラージュする効果があるわけか?


「熱視で見ると、あの場所で平原はぷっつりと途絶えていたの。平原どころか魔力すら存在していない空間が、まるで切り立った崖のように広がっていたのよ……!」

「う~ん……。あの場所に足を踏み入れられない以上、ティムルの見た景色を共有できないのはちょっと面倒だねぇ」


 まさかアウターを通り抜けたその先にデストラップが設置してあるなんて夢にも思わないもんな。

 むしろ違和感の正体を突き止めようと、先に先にと進んでいたかもしれない。


「テラーデーモンが消失した事を考えると、あの場所の先には生物は存在できないのか? それとも造魔で召喚された魔物は、魔力で構成されてる擬似生命体だから消滅しちゃったのか……?」


 ともかく、俺達が進んでも無事でいられる保証が無い以上、あの先を確かめるのは危険すぎる。


 ドワーフの熱視無しでは見破れないトラップとかヤバすぎだろ。

 精霊魔法が使えるリーチェでも看破出来ないとはね……。


「なんにしてもありがとうティムル。お前は命の恩人だよ」

「それを言ったらダンの造魔スキルのおかげで踏み込まずに済んだんだけどね?」


 抱っこしているニーナとフラッタを書き分けて、ティムルがちゅっと口付けしてくれる。

 ティムルの顔には血色が戻ってきていて、話をしている間に大分落ち着きを取り戻してくれたようだ。


「まったく、終焉の箱庭とは良く言ったものよねぇ。まさか箱庭の先が本当に世界の果てだとは思ってもみなかったわよぉ」

「箱庭の先、かぁ。ここだけならいいんだけどね。まさか魔人族が踏破した、聖域の樹海の先も似たような事になってなきゃいいけど……」

「……確かに少し不安ですね。師匠に確認しておきます。景色に違和感を覚えたようなことは言っていなかったので、恐らくはこことは状況が異なると思いますが……」


 ペネトレイターとの情報共有はヴァルゴに任せておけば大丈夫かな?


 彼らは既に聖域の樹海も踏破済みだし、そう遠くない未来に終焉の箱庭も踏破してしまうだろう。

 その時に熱視を持たない彼らが世界の果てに気付けるとは思えない。警告は必要だろうな。


「終焉の箱庭を抜けたと思ったら、その先には本当に世界の果てがあったなんてな。もしかしたらこの世界は思ったよりも狭いのかもしれないなぁ」

「……はは。この世界を狭いなんて言えるのはきっと君だけだよ? 少なくともぼくは世界を狭いとは思わなかったかな?」


 なんだか少し呆れたような顔をしながらキスしてくれるリーチェ。


 俺の基準は地球の広さなんだけど、リーチェの基準は450年に渡って世界中を歩き続けた経験なんだろうな。

 世界の果てに来てしまったとは言え、自分の常識を広げられたことには変わりないんだろう。


 これ以上ここで出来ることはないだろうと判断した俺達は、すっかり暗くなった世界の果てから我が家に転移したのだった。

 ムーリたちにも、いつかこの世界の果てを見せてあげないとねぇ。
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