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6章 広がる世界と新たな疑問2 世界の果て
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「はぁ~。みんな可愛すぎる~……!」
察知スキルを全開にしながら、1人1人順番にみんなを愛する。
絶対に誰も来ないように全神経を尖らせながら3周ほどみんなの中に流し込んで、ぐったりしているみんなの頭を順番によしよしなでなでしてあげる。
だけどニーナの発情状態はまだ解除されきっていないようで、頭を撫でる俺の右手を捕まえて、まるで赤ん坊のようにちゅぱちゅぱと指先をしゃぶり始めた。
「もう終わりなのぉ……? もっとして欲しいのにぃ……」
「俺ももっとしたいけど、続きは家に帰ってみんなでね。それともまだ落ち着かないかな?」
「落ち着いてるよぉ。落ち着いてるけどもっともっとしたいのぉ……」
う~ん、確かにさっきと比べれば落ち着いてるように見えるけど、それでもいつも以上に積極的と言うか貪欲と言うか……。
いや積極的なニーナも大好物ではあるんですけどね? だけどちょっとニーナらしくない気がしちゃうんだよ。
寝ているニーナを横抱きにして、足の上に座らせる。
「いつものニーナだったら、家に帰ってみんなで愛し合おうって言いそうな気がするんだけどさ。今日のニーナはどうしてこんなに積極的なのかな? 良かったら教えて欲しいんだ」
「今日のって……。私はいっつもダンが大好きで、出来ることなら一瞬も離れたくないとしか思ってないよ?」
やだもうニーナさんったら。
なに当たり前のこと聞いてるの? みたいに首を傾げながら愛の告白してきちゃ困るってばぁ。
「俺もニーナと同じ気持ちだけど、普段のニーナってもっとみんなのことも考えてるでしょ? なんだか最深部を出てから凄くえっちな気分になってるみたいだけど、どうしてそうなったか分かるかな?」
「んふー。ダンが私と同じ気持ちで嬉しいの。私がえっちな気分になった理由なんて、ダンの事が大大だーい好きだからに決まってるのっ」
「俺もニーナの事が大好きすぎて仕方ないんだけど、なんだか幼児退行してない? ほんとどうしちゃったの?」
俺の首に抱きついてスリスリと頬ずりしてくるニーナが可愛過ぎるのは良いんだけど、いったいどうしちゃったんだ?
鑑定して確かめても、状態異常にかかってる訳でもないみたいだし……。
「なんだか今のニーナは、先日のムーリの姿に重なりますねぇ」
背中から抱きついてきて、空いているほうの頬に頬ずりしてくるヴァルゴが耳元で囁く。
ふむ、確かに甘えん坊モードのムーリと似た状態に感じなくもないな。
だけどニーナはとっくに獣化できるようになってるし、獣化を超える深獣化だって使用可能になってる。
しかも今日は1度も獣化してなかったはずなのに、獣化がきっかけで暴走甘えんぼモードに突入したムーリと同じ状態になってるのは何故?
「ふぅむ。走り出す前は普通に見えたがのう? 走っている時から少々箍が外れ気味だったような気はするのじゃ」
「箍が外れる……?」
確かにフラッタの言う通り、全力疾走中のニーナは何かが外れたように大爆笑していた。
今まで以上の速度で数時間走り続けた事によって、ニーナの心の箍が外れてしまった、とか?
「あはーっ。普段我慢していることがダンに甘えることだなんて、ムーリもニーナちゃんも可愛すぎるでしょー」
「あははっ。くすぐったいのー」
ティムルによしよしなでなでされたニーナは、くすぐったそうに目を細めている。可愛い。
そんな2人の様子を微笑ましそうに眺めながら、巨大おっぱいを押し潰すように腕を組んだリーチェがニーナの状態を考察する。
「う~ん……。今回ニーナは恐らく全力で走ったんだと思うけど、職業補正を全開にして長時間全力疾走したことで感情が制御できなくなっちゃった、とかかなぁ? まぁせっかくだから存分に甘えさせてあげなよ」
「ふむ。確かにさっきにニーナは今まで以上に早く走ってた気がするね」
リーチェの分析をまとめると、走るのが大好きなニーナが今までやったことがないくらいの全力疾走をしたことで、上がり切ったテンションがコントロールできなくなってしまったと?
ニーナが甘えてくる分にはなにも問題ないけどねっ。よしよしなでなで。
「それじゃ帰ろうかニーナ。もうチャールたちは離れに戻った時間だと思うし、今日はずっとくっついててあげるからね」
「はぁぁ……。大好きなダンに抱っこされるの、好きぃ……」
ぎゅーっと俺にしがみ付いて、俺の胸にスリスリ頬ずりしてくるニーナ。
ニーナって普段は1歩引いているところがあるけど、なんか定期的にめちゃくちゃ甘えてくるよなぁ。
発情期みたいなものでもあるの? 獣人族だけに。
俺の腕の中で丸くなっているニーナを抱っこして、移動魔法のコンボで一気に帰宅した。
「おかえりなさいダンさん……って、どうしたのニーナ?」
「ただいま。ちょうど良いからターニアもおいで。ぎゅーとしてあげるから」
家に帰るとムーリたちが夕食を取らずに待っていてくれたので、ニーナとターニアを一緒に抱きしめて遅めの夕食を取る事にした。
我ながら、人を抱っこしたまま食事するのにもすっかり慣れてしまったぜ。
「あはっ。ダンも母さんも大好きー。大好きな2人にくっついてるの嬉しすぎるのー」
「あらら。ニーナったら今日は随分と甘えん坊さんなの。私もニーナの事が大好きだよー」
俺の腕の中でイチャイチャするニーナとターニア。
2人を抱きしめて両手の塞がっている俺は、エマに餌付けしてもらって夕食を済ませる。
夕食を済ませた俺たちは、今夜は入浴を諦めて寝室に移動する。
そして甘えん坊モードのニーナとターニアを一緒に抱きしめてベッドに横になると、他のメンバーもいつも通りくっついてきてくれる。
「んーっ。大好きなみんなと一緒なのっ。大好きなみんなとダンと一緒にいられるのが幸せ過ぎるのーっ」
「お姉さんもニーナちゃんのことが大好きよーっ。今夜はいっぱいダンに甘えてあげてねー?」
「妾も大好きなニーナとくっつきたいのじゃっ。ダンよ、ちょっとだけ腕を開くが良いのじゃっ」
ニーナを抱きしめている俺の腕を強引に開いて、ニーナと一緒に俺の腕の中に収まるフラッタ。
そしてフラッタごとニーナを抱きしめるティムル。
「あら、それじゃターニアさんには同じパーティの私がくっつきましょうかねー。ダンさん、失礼しまーす」
俺にひと言断って、ターニアの背中に抱きつくムーリ。
だけどニーナとフラッタのコンビとおっぱい事情が違うので、俺の腕が回りきらないんだけど?
「せっかくの雰囲気だし、今日はこのまま寝ようか。えっちは明日起きてから思う存分しようね」
「ふふ、そうですね。こんなに可愛いニーナを乱れさせるのは少し勿体無いですから」
「最近はぼくたちばっかりダンに甘えちゃってたところもあるしね。今日はずーっとダンの腕の中に居ていいからね、ニーナ」
ヴァルゴとリーチェが柔らかい笑みを浮かべながらニーナを撫でる。
あ~イチャイチャでエロエロな時間も捨てがたいけど、こんな風に甘々でゆったりとした時間も最高なんだよぉっ。
ニーナは可愛いわみんな優しいわで、もうみんな大好きすぎるぅぅ!
大好きなニーナを抱きしめながら大好きなみんなに囲まれて、この日は珍しく服を着たまま眠りについたのだった。
そして翌朝、やはり俺が1番早く目が覚める。
俺の両手も空気を読んでくれたようで、誰の服の中にも侵入していなかった。偉いっ。
俺が毎回1番早く目が覚めるのって、恐らく持久力補正が1番累積してるせいなんだろうなぁ。
家の外では眠りの浅いみんなは、家で一緒に寝ると少しお寝坊さんになる。
俺や他のみんなに心から気を許しているってことだと思うと、なんだか無性に嬉しくなるなぁ。
みんなが起きるまで身動きせずに、すやすやと眠るみんなの寝顔を堪能する。
これってこの世界で俺だけが見ることを許された、幸せに満ちた景色なんだよなぁ。永遠に忘れないように目にも記憶にも焼付けとかないとなっ。
この先何度似たような光景を目にすることがあっても、その度に記憶に焼き付けていこうと心に誓った。
「あふぅ……。相変わらずダンが1番早いの……」
暫くみんなの寝顔を楽しんでいると、俺の腕の中のニーナが1番に目を覚ました。
ちょっと見すぎちゃったかな? 視線が煩かったのかも。起こしちゃってごめんね。
「おはようニーナ。俺を気にせずゆっくり寝ててもいいのに」
「やぁなの……。せっかくダンの腕の中にいるのに、二度寝するなんて勿体ないのぉ……」
眠そうに目を擦りながらひと言で俺を悩殺したニーナは、俺の腕の中でもぞもぞと動いて、首を伸ばしてちゅっと触れるだけのキスをしてきてくれる。
「大好きなの。大好きすぎて困っちゃうの。いっつも大好きなのに、瞬きする度に、呼吸する度に貴方をもっと好きになっちゃうの。ダンったらどこまで私を大好きにさせちゃう気なの~?」
鼻と鼻が触れ合いそうなほどの距離で、真っ直ぐに俺の目を見詰めながら全力で愛を伝えてくれるニーナ。
彼女の瞳から目が逸らせず、呼吸するのも忘れてニーナに見入ってしまう。
「……ニーナ、朝から破壊力ありすぎるんだよ? ちょっと手加減してくれない?」
「やーなのっ。ダンこそ手加減して欲しいの。私もうダンが好きすぎてどうにかっちゃいそうなんだからねっ」
からかうように笑ったあと、俺の顔中にキスを落としてくれるニーナ。
ズルイよニーナ。俺の両手が塞がってるのを知ってて、腕の内側で好き放題してくれちゃうなんてさぁ。
「沢山の人を幸せにしてくれるダンが好きなの。大好きなみんなを愛してくれるダンが好きなの。大好きなみんなと大好きなダンを愛せるのが本当に幸せなの。だからもっともっと色んな人を幸せにして欲しいのっ」
「いやいや、流石にもうこれ以上増やす気は無いからね? いくらニーナの頼みでもそればっかりは……」
「ふっふーん。無駄なのダン。貴方はこれからも色んな人を幸せにして、まだまだ沢山の女の子に惚れられちゃうんだから。新しいお嫁さんが今から楽しみなのっ」
……ニーナに好きって言ってもらえるのは嬉しいんですけどぉ。お嫁さんを増やすのに積極的過ぎて流石に困るんだよ?
これって絶対ニーナの特殊性癖だよね? この世界基準で考えても絶対マイノリティでしょ。
「……新しいお嫁さんのことは知らないけど、迎えたお嫁さんの事は精一杯幸せにしたいと思うよ。勿論ニーナのことも、この世界の誰よりも幸せにしてみせるから」
「残念でしたー。私はもうとっくに誰よりも幸せなんですーっ。誰よりも幸せなのに、毎日毎日もっと幸せにしてくるんだからダンには困っちゃうのっ」
「ニーナこそ残念でしたー。俺の方がニーナよりも幸せですからねー? 俺より幸せな人間なんてこの世界にいるわけないねっ」
2人で笑い合ってキスをする。
お互いが競い合って幸せになっちゃうんだからキリが無いね?
「あはーっ。やっぱり私、ダンとニーナちゃんがどっちも好きだわー。ニーナちゃんが居なかったら、お姉さんはダンを好きになってなかったかも、なんてねー?」
「うむっ。ダンとニーナ、2人が一緒に居るのが1番好きなのじゃっ。ダンとニーナを分けて考えるのは無理なのじゃーっ」
「ダンを好きな気持ちもダンに愛されているのも負けてないつもりだけど、それとは別にニーナはやっぱり特別だよね。ニーナがいてこそのダンだなって思うよ」
「もしもニーナが居なかったら、旦那様は私を受け入れてくださらなかったでしょうねぇ。普通は男性のほうが色んな女を抱きたがるものだと思うんですけど」
俺とニーナの会話を聞いていたみんなが、思い思いの言葉で茶化してくる。
でもその茶化してくる様子まで幸せそうだから、俺もニーナも釣られて暖かい気持ちにされちゃうよー。
「ニーナさんですらダンさんを素直にさせるのには苦労してましたからねぇ。いつも私のおっぱいを凝視してた癖に、なかなかお嫁にもらってくれないんですからっ」
「う、う~ん……。今更ながら、皆さんに登城を強いた時のことを後悔してしまいそうですよぉ……」
「誰とも愛し合わずに生涯を終えると思っていたのに、こんなに愛に満ちた毎日を送れて本当に幸せですよ。ニーナさんとダンさんの幸せを分けてくれて、本当にありがとうございます」
「はぁぁ……。幸せなニーナを見ることがこんなにも幸せなことだなんて知らなかったの。そんなニーナと同じ人を愛せるなんて、幸せすぎて溶けちゃいそうなのーっ」
1人だけ微妙な顔をしているラトリアの頭をよしよしなでなで。
もうあの時のことは水に流して欲しいところだけど、ラトリアとしてはトラウマになっちゃったのかもなぁ。あの時はごめんねラトリア。よしよしなでなで。
全員と正面から抱き合って、順番にキスをする。
大好きなみんなと1日の始まりのキスを交わし、1度ずつゆっくりと愛を注ぎ込んでから寝室を出る。
よし、体中に幸せが満ち溢れている。今の俺なら終焉の先なんて何も怖くないなっ。
大好きなみんなとゆっくり朝食を取ったあと、終焉の先を確かめに終焉の箱庭に転移したのだった。
察知スキルを全開にしながら、1人1人順番にみんなを愛する。
絶対に誰も来ないように全神経を尖らせながら3周ほどみんなの中に流し込んで、ぐったりしているみんなの頭を順番によしよしなでなでしてあげる。
だけどニーナの発情状態はまだ解除されきっていないようで、頭を撫でる俺の右手を捕まえて、まるで赤ん坊のようにちゅぱちゅぱと指先をしゃぶり始めた。
「もう終わりなのぉ……? もっとして欲しいのにぃ……」
「俺ももっとしたいけど、続きは家に帰ってみんなでね。それともまだ落ち着かないかな?」
「落ち着いてるよぉ。落ち着いてるけどもっともっとしたいのぉ……」
う~ん、確かにさっきと比べれば落ち着いてるように見えるけど、それでもいつも以上に積極的と言うか貪欲と言うか……。
いや積極的なニーナも大好物ではあるんですけどね? だけどちょっとニーナらしくない気がしちゃうんだよ。
寝ているニーナを横抱きにして、足の上に座らせる。
「いつものニーナだったら、家に帰ってみんなで愛し合おうって言いそうな気がするんだけどさ。今日のニーナはどうしてこんなに積極的なのかな? 良かったら教えて欲しいんだ」
「今日のって……。私はいっつもダンが大好きで、出来ることなら一瞬も離れたくないとしか思ってないよ?」
やだもうニーナさんったら。
なに当たり前のこと聞いてるの? みたいに首を傾げながら愛の告白してきちゃ困るってばぁ。
「俺もニーナと同じ気持ちだけど、普段のニーナってもっとみんなのことも考えてるでしょ? なんだか最深部を出てから凄くえっちな気分になってるみたいだけど、どうしてそうなったか分かるかな?」
「んふー。ダンが私と同じ気持ちで嬉しいの。私がえっちな気分になった理由なんて、ダンの事が大大だーい好きだからに決まってるのっ」
「俺もニーナの事が大好きすぎて仕方ないんだけど、なんだか幼児退行してない? ほんとどうしちゃったの?」
俺の首に抱きついてスリスリと頬ずりしてくるニーナが可愛過ぎるのは良いんだけど、いったいどうしちゃったんだ?
鑑定して確かめても、状態異常にかかってる訳でもないみたいだし……。
「なんだか今のニーナは、先日のムーリの姿に重なりますねぇ」
背中から抱きついてきて、空いているほうの頬に頬ずりしてくるヴァルゴが耳元で囁く。
ふむ、確かに甘えん坊モードのムーリと似た状態に感じなくもないな。
だけどニーナはとっくに獣化できるようになってるし、獣化を超える深獣化だって使用可能になってる。
しかも今日は1度も獣化してなかったはずなのに、獣化がきっかけで暴走甘えんぼモードに突入したムーリと同じ状態になってるのは何故?
「ふぅむ。走り出す前は普通に見えたがのう? 走っている時から少々箍が外れ気味だったような気はするのじゃ」
「箍が外れる……?」
確かにフラッタの言う通り、全力疾走中のニーナは何かが外れたように大爆笑していた。
今まで以上の速度で数時間走り続けた事によって、ニーナの心の箍が外れてしまった、とか?
「あはーっ。普段我慢していることがダンに甘えることだなんて、ムーリもニーナちゃんも可愛すぎるでしょー」
「あははっ。くすぐったいのー」
ティムルによしよしなでなでされたニーナは、くすぐったそうに目を細めている。可愛い。
そんな2人の様子を微笑ましそうに眺めながら、巨大おっぱいを押し潰すように腕を組んだリーチェがニーナの状態を考察する。
「う~ん……。今回ニーナは恐らく全力で走ったんだと思うけど、職業補正を全開にして長時間全力疾走したことで感情が制御できなくなっちゃった、とかかなぁ? まぁせっかくだから存分に甘えさせてあげなよ」
「ふむ。確かにさっきにニーナは今まで以上に早く走ってた気がするね」
リーチェの分析をまとめると、走るのが大好きなニーナが今までやったことがないくらいの全力疾走をしたことで、上がり切ったテンションがコントロールできなくなってしまったと?
ニーナが甘えてくる分にはなにも問題ないけどねっ。よしよしなでなで。
「それじゃ帰ろうかニーナ。もうチャールたちは離れに戻った時間だと思うし、今日はずっとくっついててあげるからね」
「はぁぁ……。大好きなダンに抱っこされるの、好きぃ……」
ぎゅーっと俺にしがみ付いて、俺の胸にスリスリ頬ずりしてくるニーナ。
ニーナって普段は1歩引いているところがあるけど、なんか定期的にめちゃくちゃ甘えてくるよなぁ。
発情期みたいなものでもあるの? 獣人族だけに。
俺の腕の中で丸くなっているニーナを抱っこして、移動魔法のコンボで一気に帰宅した。
「おかえりなさいダンさん……って、どうしたのニーナ?」
「ただいま。ちょうど良いからターニアもおいで。ぎゅーとしてあげるから」
家に帰るとムーリたちが夕食を取らずに待っていてくれたので、ニーナとターニアを一緒に抱きしめて遅めの夕食を取る事にした。
我ながら、人を抱っこしたまま食事するのにもすっかり慣れてしまったぜ。
「あはっ。ダンも母さんも大好きー。大好きな2人にくっついてるの嬉しすぎるのー」
「あらら。ニーナったら今日は随分と甘えん坊さんなの。私もニーナの事が大好きだよー」
俺の腕の中でイチャイチャするニーナとターニア。
2人を抱きしめて両手の塞がっている俺は、エマに餌付けしてもらって夕食を済ませる。
夕食を済ませた俺たちは、今夜は入浴を諦めて寝室に移動する。
そして甘えん坊モードのニーナとターニアを一緒に抱きしめてベッドに横になると、他のメンバーもいつも通りくっついてきてくれる。
「んーっ。大好きなみんなと一緒なのっ。大好きなみんなとダンと一緒にいられるのが幸せ過ぎるのーっ」
「お姉さんもニーナちゃんのことが大好きよーっ。今夜はいっぱいダンに甘えてあげてねー?」
「妾も大好きなニーナとくっつきたいのじゃっ。ダンよ、ちょっとだけ腕を開くが良いのじゃっ」
ニーナを抱きしめている俺の腕を強引に開いて、ニーナと一緒に俺の腕の中に収まるフラッタ。
そしてフラッタごとニーナを抱きしめるティムル。
「あら、それじゃターニアさんには同じパーティの私がくっつきましょうかねー。ダンさん、失礼しまーす」
俺にひと言断って、ターニアの背中に抱きつくムーリ。
だけどニーナとフラッタのコンビとおっぱい事情が違うので、俺の腕が回りきらないんだけど?
「せっかくの雰囲気だし、今日はこのまま寝ようか。えっちは明日起きてから思う存分しようね」
「ふふ、そうですね。こんなに可愛いニーナを乱れさせるのは少し勿体無いですから」
「最近はぼくたちばっかりダンに甘えちゃってたところもあるしね。今日はずーっとダンの腕の中に居ていいからね、ニーナ」
ヴァルゴとリーチェが柔らかい笑みを浮かべながらニーナを撫でる。
あ~イチャイチャでエロエロな時間も捨てがたいけど、こんな風に甘々でゆったりとした時間も最高なんだよぉっ。
ニーナは可愛いわみんな優しいわで、もうみんな大好きすぎるぅぅ!
大好きなニーナを抱きしめながら大好きなみんなに囲まれて、この日は珍しく服を着たまま眠りについたのだった。
そして翌朝、やはり俺が1番早く目が覚める。
俺の両手も空気を読んでくれたようで、誰の服の中にも侵入していなかった。偉いっ。
俺が毎回1番早く目が覚めるのって、恐らく持久力補正が1番累積してるせいなんだろうなぁ。
家の外では眠りの浅いみんなは、家で一緒に寝ると少しお寝坊さんになる。
俺や他のみんなに心から気を許しているってことだと思うと、なんだか無性に嬉しくなるなぁ。
みんなが起きるまで身動きせずに、すやすやと眠るみんなの寝顔を堪能する。
これってこの世界で俺だけが見ることを許された、幸せに満ちた景色なんだよなぁ。永遠に忘れないように目にも記憶にも焼付けとかないとなっ。
この先何度似たような光景を目にすることがあっても、その度に記憶に焼き付けていこうと心に誓った。
「あふぅ……。相変わらずダンが1番早いの……」
暫くみんなの寝顔を楽しんでいると、俺の腕の中のニーナが1番に目を覚ました。
ちょっと見すぎちゃったかな? 視線が煩かったのかも。起こしちゃってごめんね。
「おはようニーナ。俺を気にせずゆっくり寝ててもいいのに」
「やぁなの……。せっかくダンの腕の中にいるのに、二度寝するなんて勿体ないのぉ……」
眠そうに目を擦りながらひと言で俺を悩殺したニーナは、俺の腕の中でもぞもぞと動いて、首を伸ばしてちゅっと触れるだけのキスをしてきてくれる。
「大好きなの。大好きすぎて困っちゃうの。いっつも大好きなのに、瞬きする度に、呼吸する度に貴方をもっと好きになっちゃうの。ダンったらどこまで私を大好きにさせちゃう気なの~?」
鼻と鼻が触れ合いそうなほどの距離で、真っ直ぐに俺の目を見詰めながら全力で愛を伝えてくれるニーナ。
彼女の瞳から目が逸らせず、呼吸するのも忘れてニーナに見入ってしまう。
「……ニーナ、朝から破壊力ありすぎるんだよ? ちょっと手加減してくれない?」
「やーなのっ。ダンこそ手加減して欲しいの。私もうダンが好きすぎてどうにかっちゃいそうなんだからねっ」
からかうように笑ったあと、俺の顔中にキスを落としてくれるニーナ。
ズルイよニーナ。俺の両手が塞がってるのを知ってて、腕の内側で好き放題してくれちゃうなんてさぁ。
「沢山の人を幸せにしてくれるダンが好きなの。大好きなみんなを愛してくれるダンが好きなの。大好きなみんなと大好きなダンを愛せるのが本当に幸せなの。だからもっともっと色んな人を幸せにして欲しいのっ」
「いやいや、流石にもうこれ以上増やす気は無いからね? いくらニーナの頼みでもそればっかりは……」
「ふっふーん。無駄なのダン。貴方はこれからも色んな人を幸せにして、まだまだ沢山の女の子に惚れられちゃうんだから。新しいお嫁さんが今から楽しみなのっ」
……ニーナに好きって言ってもらえるのは嬉しいんですけどぉ。お嫁さんを増やすのに積極的過ぎて流石に困るんだよ?
これって絶対ニーナの特殊性癖だよね? この世界基準で考えても絶対マイノリティでしょ。
「……新しいお嫁さんのことは知らないけど、迎えたお嫁さんの事は精一杯幸せにしたいと思うよ。勿論ニーナのことも、この世界の誰よりも幸せにしてみせるから」
「残念でしたー。私はもうとっくに誰よりも幸せなんですーっ。誰よりも幸せなのに、毎日毎日もっと幸せにしてくるんだからダンには困っちゃうのっ」
「ニーナこそ残念でしたー。俺の方がニーナよりも幸せですからねー? 俺より幸せな人間なんてこの世界にいるわけないねっ」
2人で笑い合ってキスをする。
お互いが競い合って幸せになっちゃうんだからキリが無いね?
「あはーっ。やっぱり私、ダンとニーナちゃんがどっちも好きだわー。ニーナちゃんが居なかったら、お姉さんはダンを好きになってなかったかも、なんてねー?」
「うむっ。ダンとニーナ、2人が一緒に居るのが1番好きなのじゃっ。ダンとニーナを分けて考えるのは無理なのじゃーっ」
「ダンを好きな気持ちもダンに愛されているのも負けてないつもりだけど、それとは別にニーナはやっぱり特別だよね。ニーナがいてこそのダンだなって思うよ」
「もしもニーナが居なかったら、旦那様は私を受け入れてくださらなかったでしょうねぇ。普通は男性のほうが色んな女を抱きたがるものだと思うんですけど」
俺とニーナの会話を聞いていたみんなが、思い思いの言葉で茶化してくる。
でもその茶化してくる様子まで幸せそうだから、俺もニーナも釣られて暖かい気持ちにされちゃうよー。
「ニーナさんですらダンさんを素直にさせるのには苦労してましたからねぇ。いつも私のおっぱいを凝視してた癖に、なかなかお嫁にもらってくれないんですからっ」
「う、う~ん……。今更ながら、皆さんに登城を強いた時のことを後悔してしまいそうですよぉ……」
「誰とも愛し合わずに生涯を終えると思っていたのに、こんなに愛に満ちた毎日を送れて本当に幸せですよ。ニーナさんとダンさんの幸せを分けてくれて、本当にありがとうございます」
「はぁぁ……。幸せなニーナを見ることがこんなにも幸せなことだなんて知らなかったの。そんなニーナと同じ人を愛せるなんて、幸せすぎて溶けちゃいそうなのーっ」
1人だけ微妙な顔をしているラトリアの頭をよしよしなでなで。
もうあの時のことは水に流して欲しいところだけど、ラトリアとしてはトラウマになっちゃったのかもなぁ。あの時はごめんねラトリア。よしよしなでなで。
全員と正面から抱き合って、順番にキスをする。
大好きなみんなと1日の始まりのキスを交わし、1度ずつゆっくりと愛を注ぎ込んでから寝室を出る。
よし、体中に幸せが満ち溢れている。今の俺なら終焉の先なんて何も怖くないなっ。
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