異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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6章 広がる世界と新たな疑問1 蜜月の日々

383 王族 (改)

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「2人とも、凄く気持ちよかったよ。ありがとう」


 玄関でリーチェとヴァルゴを可愛がった俺は、2人の息が整うまで頭を撫でて2人を労う。

 しかしリーチェとヴァルゴの頭を撫でていた手は時間と共に少しずつ下がっていって、今は2人の乳首を優しくこねくり回している。


「「ん……あ、ん……」」

「ふふ。休憩中なのに硬くしすぎだよー? まだそんなに興奮してるのー」


 どちらかと言うと、興奮が冷めやらないのは自分のほうなんですけどね?


 我ながら本当におっぱいが大好きで困ったものだ。揉んでも舐めても吸っても全く飽きる気配がない。

 娯楽の殆ど無いこの世界でも、みんなのおっぱいさえあれば俺は問題なく過ごすことが出来るようだ。


 俺の指に合わせて小声で喘ぎながら体を震わせる2人に物凄く興奮するけど、今は2人の復活を待っている状況だったことをギリギリで思い出した。


「……ゴブトゴさんを待たせてるのを完全に忘れてたよ。ごめんね2人とも。続きは帰ってからにしよう」


 まったく、人を待たせているのに俺を誘惑する悪いおっぱいには、帰ったら沢山お仕置きしてあげなきゃいけないぜ。

 あーもう今から楽しみだなぁっ。


 解放する前に、思い切り乳首を引っ張りながら2人とたっぷりキスを楽しむ。2人とも大好きだよぉっ。


「城でのお話が何かは分からないけど、俺を誘惑して放さない2人のおっぱいには、帰ったらいっぱいお仕置きしてあげるからね。みんなが帰ってくるまでいっぱい虐めてあげるから楽しみにしてて」

「う~、酷いですよ旦那様ぁ……。ヴァルゴは切のうございますぅ……」

「うん。いっぱい虐めてね? ダンにお仕置きされるのが楽しみすぎて、ぼくのおっぱいが固いままだよぅ……」


 エロ過ぎる2人を今すぐ押し倒したくて仕方ないけど、今は我慢しなければいけない。

 今我慢した分を全て2人に注ぎ込むために、まずはさっさと用事を終わらせないとな。


 俺に体をこすり付けてくる2人を抱き寄せて、スペルディアの王城前まで転移した。


「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」


 王城前で待っていてくれた兵士さんに案内されて城内に進む。


 どうやら本当に城の中に案内されてしまうようだ。

 いや別にこっちは気にしないけど、王女殿下とかつっかかってこないだろうね?


 でもゴブトゴさんの名前で呼び出されているわけだし、滅多なことは起こらないと信じたい。


 案内されたのは以前も来た事のある会議室のような場所で、中にはゴブトゴさんと、見たことのない2名の男女が待っていた。


「えっ……。なんでこの方たちも居るのぉ……?」


 俺は2人とも面識が無いけど……。

 面識があるらしいリーチェが小声で嘆き、露骨にウンザリした顔をしているなぁ?

 
「急に呼び立てて申し訳ない。応じてもらって感謝する」


 俺たちが席に着いたのを見計らってゴブトゴさんが頭を下げてくる。

 こちらからも簡単に挨拶を返し、早速呼び出された用件を聞いてみる。


「今回ダン殿を呼んだ理由は2つある。1つはこれだ」


 ゴブトゴさんの言葉に合わせて、使用人の女性が金属製のトレイに乗せて1通の手紙を持ってきた。


「その手紙には記載されていないが、差出人はヴェルモート帝国で歴史学者を名乗っているキュールという魔人族の女性だ。仕合わせの暴君に連絡を取りたいがそのツテが無いからと、我が国宛に送られてきたのだ」

「おお? まさかのヴェルモート帝国から俺達宛てに手紙が……?」


 しかし俺には帝国との接点に身に覚えが無いぞ?

 ツテが無いとか言いながらも強引に接触してきた理由はいったい何だ……?


「私信ということだったので内容は確認出来ていない。もし差し支えなければ今この場で開封して、我々とも内容を共有して欲しいのだが、お願いできるだろうか?」


 為政者として手紙の内容を知りたいけど、プライベートでの手紙と言われたので我慢しましたって?

 気になるなら開封しても構わなかったのに、相変わらず真面目だなぁ。


 俺自身なにも分からないので、ゴブトゴさんの要望を了承する。

 そして俺が手紙を開封する間に、お話の途中失礼致しますと、ヴァルゴがゴブトゴさんに問いかける。


「ゴブトゴさん。手紙の差出人は魔人族と仰いましたね? ヴェルモート帝国には魔人族が普通に生活しているのですか?」

「いや、魔人族……、私が知っている魔人族は自らをタラム族と名乗っているのだが、タラム族も基本的には他種族との交流は殆ど無い。ゆえに有名なのだよ。帝国に雇われている、若く偏屈な自称歴史学者の魔人族は」

「ああ、珍しいから逆に王国までその名が知られているのですか。ありがとうございます、納得がいきました」


 ゴブトゴさんによると、タラム族も帝国領にあるという自分達の隠れ里からなかなか出てこないらしいけれど、まったく交渉に応じないというような頑なな姿勢ではないらしい。

 スペルド王国のマジックアイテム開発局に協力しているのもこのタラム族らしく、用事があったら応じる程度の社交性はあるようだ。


 それでも自ら里の外で活動する魔人族はやはり稀で、帝国の若き美人歴史学者キュールの名はスペルド王国貴族の間にはまぁまぁ知れているそうだ。

 美人……、ってことは女性なのね。


「さぁて。その美人学者さんは、俺にいったい何の用なのかなー、っと……」


 ゴブトゴさんの説明を聞きながら手紙を確認する。

 手紙の内容は端的で、非常にシンプルなものだった。


『貴方の持っている2つの神器について話したいことがございます。1度お会いすることは出来ませんか?』


「…………」

「……ダン、これって」


 俺の両隣から手紙を覗き込んだリーチェとヴァルゴも、その内容に緊張感を高めている。


 ……こいつ、何者だ? 何で俺が神器を所有している事を知っている?

 しかも、数まで正確に……。


 差出人は魔人族らしい。なら守人の集落から情報が漏れた?

 だけどあの集落は限界なまでに閉鎖的だ。いくら同じ魔人族とは言え、別部族の者が簡単に入り込めるとは思えない。


 なによりあの守人たちが、神器のことを外に洩らすとは考えにくい。


「……その様子だとあまり良いことが書いてあるわけではなさそうだな。内容を伺っても宜しいか?」

「ん……。ちょっとだけ待ってくれる?」


 少し聞きにくそうな雰囲気で手紙の内容を問うゴブトゴさん。

 そんなゴブトゴさんに情報を共有して良いものか即断できず、返答を保留する。


 ……神器のこと、広めてしまっていいものなのかなぁ。

 そりゃあ俺がずっと所有してるもの嫌なんだけど、安易に広めるのは危険な情報じゃないだろうか?


 でもゴブトゴさん経由で連絡を取り合う以上、彼に事情を説明しないわけにはいかないか。

 問題があるとすれば、同席している2名が誰かのか未だに紹介されていないことなんだけど……。


「……ゴブトゴさんに手紙の内容を明かすのは構わないんだけど、そっちの2人は誰なのかな? 手紙のことよりも先に紹介してもらえない?」

「おっ。ようやく触れてくれたか。全く興味を持たれていないかと思ってヒヤヒヤしたよっ」


 ゴブトゴさんに、この場に同席していた見知らぬ男女の紹介を要求すると、当の本人の男性のほうが勢いよく立ち上がった。


「ゴブトゴを責めないでやってくれよ? 貴方が触れてくるまでは紹介しないようにお願いしたのは俺だからさっ」

「あ、はい」


 手紙の件で少し緊張していたところに、初対面の男の軽薄なノリがそぐわなかった為、ついついぞんざいに返事を返してしまった。

 しかし男は俺の反応など気にも留めずに、芝居がかった動きと共に言葉を続ける。


「初めまして、だね。仕合わせの暴君のリーダー、ダンさんっ」

「こちらの軽薄そうな男は、私の兄であるバルバロイ・フォート・スペルディア第4王子です。そして同じく軽薄そうな女である私は、シャーロット・ララズ・スペルディア第1王女です。初めましてダンさん」

「あー酷いよラズっ!? まだ俺が喋ってる途中なのにーっ!」


 もったいぶってなかなか名乗らない男に代わって、座ったままの女性が一気に紹介を終えてくれた。


 えーと、酷いよ酷いよと喚く男性が第4王子で、はいはいと落ち着いた様子で第4王子をあしらっている女性が第1王女様なの?

 確認の意味を込めてリーチェに視線を送ると、頷きで返された。どうやら本当に王族らしい。


「お初にお目にかかりますバルバロイ殿下、シャーロット殿下。改めまして、仕合わせの暴君のダンと申します。お2人にお会いできて光栄です」


 初対面だし本物の王族という事で、一応丁寧に挨拶してみた。

 けれど挨拶されたバルバロイ殿下は、右手の人差し指を顔の前でちっちっちっと揺らして、場の空気を破壊する。


 ……この動作をリアルでやる人、本当にいるんだなぁ?


「ノンノンっ! 俺の事はロイでいいし、妹の事はラズでいいよ。言葉遣いも崩して崩して。こんな非公式の場で形式なんて邪魔なだけさ」

「この馬鹿の言う通りですダンさん。今回は私達がダンさんたちにお会いしたくて無理を通している立場。私達に敬意を払う必要などございません。どうぞ自然に振舞ってくださいませ」


 ロイ殿下はノリが軽いし、ラズ殿下は口が悪いなっ!? 


 第1王女ってことは、ラズ殿下は第2王女のマーガレット殿下の姉って事になるのか。

 そして第4王子のロイ殿下はラズ殿下のお兄さんということなので、更に年上と。


 それは分かったけど、なんでこの場に同席していて、しかも俺の方を立てるような言動をしてくるのかが分からないな?

 首を傾げる俺に、ゴブトゴさんが事情を説明してくれる。


「ということでな。ダン殿を呼び立てた2つ目の理由は、バルバロイ殿下とシャーロット殿下が貴方に会いたがったからなのだ。その理由は頑として教えてくださらんだが……」

「ダンさんに会いたかった理由はあとでちゃんと説明するけど、少し長くなると思うんだ。だからダンさん、出来れば先に手紙の内容を教えてくれるとありがたいかな?」


 若干疲れた様子のゴブトゴさんと、手紙の内容を改めて聞いてくるロイ殿下。


 手紙の内容自体は大したもんじゃないし、神器のことはあれど教えるのに抵抗は無い。

 だけどリーチェが嫌そうな顔してるのが気になるんだよなぁ?


 ちょっとだけお待ちくださいとひと言断って、リーチェに2人のことを聞いてみる。


「ねぇリーチェ。さっきからなんでそんなに嫌そうな顔してるの?」

「ほほ、本人の前で直球過ぎるよーっ!? 一応相手は王族なんだからねっ!?」


 直球で聞いた俺に、精霊魔法で防音措置を施してから怒鳴るリーチェ。

 一見平然とした態度のままで俺に怒鳴るという、器用な芸を披露してくれたリーチェ。どうやってんだそれ?


 リーチェはこほんと小さく咳払いし、改めて俺の質問に回答してくれた。


「えっとね。ロイ殿下もラズ殿下もとても優秀な方で有名なんだ。シモン陛下の子供とは思えないくらいにね」

「無能の代名詞なんだな、先代国王って……」


 マーガレット殿下の時も思ったけど、シモン陛下の子供とは思えないくらいに優秀って枕詞、便利すぎない?


「そんな優秀なお2人だけど、ちょっとご自身に正直すぎるところがあってさ……。国民からはあまり人気が無いんだ」

「正直って?」


 自分に正直っていうのは今みたいに空気を読まないとか、我が侭を押し通すって意味なのかと思えば、どうやらそうじゃないらしい。

 2人が正直なのは己の性欲。2人は色狂いとして有名なのだそうだ。


「気に入った相手には片っ端から手を出すことで有名なんだよ、この2人って。2人ともマギーよりも優秀なくらいなんだけど……。性欲に正直という点においては、間違いなくシモンの子供なんだよねぇ……」

「……色狂いの両殿下が、無理を言って俺に会いに来た理由かぁ」


 それ絶対ろくでもない奴じゃん。深く考えたくないよぉ。


 ……考えたくもないけど、とりあえず手紙の内容を伝える分には問題ないかな?

 リーチェに精霊魔法を解除してもらう。


「お待たせして申し訳ない。手紙の内容は俺の持っている神器について話がしたいんだとさ」


 開封した手紙を3人に晒しながら、内容を要約して伝える。

 神器と伝えられた3人は、ピンときていない様子のゴブトゴさん。興味無さそうなラズ殿下。興味津々なロイ殿下と、正に三者三様と言うに相応しい様子だった。


「マジでっ!? ダンさんって失われたはずの神器レガリアを2つも持ってるワケ!? ウッソでしょ!?」

「おっと、ロイ殿下は神器レガリアのことをご存知なのね。持ってるっていっても、成り行きで預かってるだけだよ」

「意思持つ神器は、自ら所有者を見極めると言われております。ダンさんの仰るその成り行きこそが、神器レガリアの所有者には重要なのでしょう」

「……お2人とも、神器のことをよくご存知で」


 ロイ殿下に続いて、ラズ殿下も神器について語り出す。

 そんな2人の様子にちょっとだけ違和感を覚えた。


 国政を取り仕切っている宰相のゴブトゴさんは神器について知らなそうなのに、王子・王女レベルの2人のほうが神器について詳しいのはおかしくないか?

 無能の代名詞だった国王シモンなんて、レガリアと関わっておきながら何も知らなかったっぽいのに……。


「お2人とも博識だね。所有してる俺でさえ、暫くは何も知らなかったってのにさ。宰相であるゴブトゴさんすら知らないような情報を、お2人はどうやって知りえたの?」

「ノンノン! それを言っちゃったら、神器を所有してるダンさんこそ何者って話になっちゃうよっ?


 警戒心を顕わに質問する俺に、茶化した調子でカウンターを放つロイ殿下。

 王族すらも知りえない情報を持っているお前は何者だ、ってか? そんなの俺の方が知りたいんだけどな。


「スペルド王国建国と共に失われた3つのレリックアイテム、神器レガリア。450年以上も前に失われた神のマジックアイテムを、ダンさんはいったい何処から見つけてきたのかなぁ?」


 うっすらと笑みを浮かべるロイ殿下だけど、その瞳は笑っていない。

 油断なく俺の反応を窺い、俺の一挙手一投足から得られる情報を見逃すまいと、先ほどまでとは別人のような集中力が伝わってくる。


 ……なるほど。確かに優秀な方のようだ。

 無理を言って俺に会いに来たのは神器の話がしたかったからか? 帝国の学者とも裏で通じていたりするのだろうか?


 ロイ殿下に対する警戒レベルを引き上げる俺と、そんな俺をつぶさに観察してくるロイ殿下。緊張感の漂い始めた会議室。


「……御2人共そこまでです。私たちは仕合わせの暴君と敵対する意思は全くありません」


 しかしその緊張感を破ったのは意外にも、パンパンと叩かれたラズ殿下の拍手の音だった。


「……ダンさんと敵対するようなことをするのは控えてくださいよこの馬鹿。そんなだから貴方は馬鹿なんですよバーカ」

「ひどっ!?」


 兄であるロイ殿下を凄い勢いで罵倒したあと、少し申し訳なさそうな表情を作って俺の方を向くラズ殿下。


「済みませんねダンさん。この馬鹿はこの通り馬鹿でして、いつも馬鹿なことばか馬鹿りしでかすんです。この場限馬鹿ぎりのことと、どうか笑って流していただけませんか?」

「ラズーっ!? いくら妹とは言え、年上の男に馬鹿馬鹿言いすぎだからねーっ!? 君が妹じゃなければ不敬罪で首が飛んでてもおかしくないって分かってるっ!?」


 妹からの馬鹿のマシンガンラッシュを受けたロイ殿下は、流石に緊張感を保てずにラズ殿下に怒鳴り散らす。

 しかしそれをまるで見えていないかのように、完全無視して受け流すラズ殿下。妹って強いんだな?


「改めて申し上げておきますが、私共はダンさんたち仕合わせの暴君と敵対する気は一切ありません。なのでダンさんの疑問に答えさせていただきます。この馬鹿と私はレガリアと面識があります。神器ではない方のレガリアと、です」

「ネタばらし早過ぎるよラズってばぁ! 話しちゃったのは仕方ないけどさぁ……「」

「な、なんですとぉっ!? シャーロット殿下っ……、それは本当ですか……!?」


 あっさりと爆弾を投下するラズ殿下と、俺が反応する前にラズ殿下に食って掛かるゴブトゴさん。

 ……なんだか修羅場ってきましたね?


「ま、ということだよダンさん。俺とラズの話、聞いてみる気になってくれたかい?」


 肩を竦めながら俺に問いかけてくるロイ殿下。

 いやいや、聞いてみる気になったどころか、このまま何も聞かずに帰れなくなっちゃったじゃないの。


 ノーリッテの話では壊滅したはずの組織レガリア。

 だから、まさかこんなところから組織レガリアの名前が出てくるとは思わなかった。


 敵対する気は無いと言っている以上、2人の話を聞いておいたほうが良いだろうな。

 さて、2人が俺に会いたがった本当の理由ってなんなのかな?
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