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4章 マグエルの外へ2 新たな始まり、新たな出会い
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キャリアさんから受け取ったリストを参考に、2パーティに分かれて野盗狩りに繰り出す俺達。
今回の目的地には俺とニーナは行ったことがないので、俺のパーティはリーチェのポータルで、ニーナのパーティは一時的に冒険者にしたティムルのポータルで回る事になった。
旅慣れたお姉さん組の存在が頼もしいね。
「ここがハノンか。結構大きい街だな」
「ヴェルモート帝国とスペルド王国を繋ぐ道だからね。人の往来が激しい場所なんだ」
俺達を転移させてくれたリーチェが、すかさず解説を挟んでくれる。
1つ目の目的地であるこのハノンという街は王国の西側にある街で、ヴェルモート帝国との交易路にある宿場町として栄えているらしい。
けれど交易路って事で、平時でも度々野盗の被害が報告される場所なのだそうだ。
「けれど、この世界で犯罪者になるってかなりのリスクを背負うことになりそうなのに、よくやるよなぁ」
「野盗には大抵1人は犯罪職じゃない仲間がいるものなんだ。強奪した品はソイツが処分すればリスクも無いからね」
ああ、俺達が襲われた際にも1人荷運び人が参加してたもんな。ソイツが犯罪職のデメリットを回避するわけね。
他の連中は犯罪職になって人目を忍んで生きていくにしても、水源と住居さえ確保できれば生きていくには困らないってか。
「う~ん……。それでも俺にはやっぱり理解できないかなぁ。そこまでするメリットを感じないよ」
「うんうん。普通に考えれば、そこまでするなら真っ当に魔物を狩ればいいとは思うけれどね。だけど高額な装備品無しでも、人を殺すことは出来るからさ……」
あー、進退窮まった時に魔物を狩ろうにも、武器を用意できないのかぁ。
逆に野盗ならば、武器補正の乗らない刃物1つでもあれば事足りると。悪循環ここに極まれりって感じだね。
職人が増えて低品質武器だけでも安く出回るようになれば、税金の滞納者も減るのかもしれないなぁ。
さて、今回は時間が無いので観光は後回しだ。
冒険者ギルドで野盗の目撃情報を確認して、報告のあった現場に向かう。
「この辺が野盗の襲撃が行なわれた現場だね」
「んー。ちょっと範囲が広い感じですね。ここ一帯を虱潰しに調査するのは現実的じゃないです」
リーチェとムーリが現場を見渡しながら相談している。
周囲の警戒をヴァルゴに担当してもらいつつ、俺は捜索範囲の絞込みを試みる。
戦闘職になれるなら魔物を狩って稼げたはずだし、困窮して野盗になった者なら、恐らく戦闘職にはなれなかったんじゃないだろうか?
であれば魔物戦を避けて、街道の近くに潜んでるんじゃないかなぁ。
街道付近に潜んでいるのであれば、生体察知を最大範囲で展開していれば引っかかる気がする。
……それ以前に、リーチェ、ムーリ、ヴァルゴの3人を連れて街道を歩いていれば、野盗の方から引っかかってくれる気はするな。
ニーナとティムルを狙って野盗が現れた実績もあるし、リーチェとムーリのおっぱいは遠目からでも男を惹き付けて止まないはずだ。ソースは俺。
そんな感じでほぼノープランで生体察知を発動しながら街道を歩いていると、街道を外れたところに2人組の生体反応をキャッチする。
1人は俺達の後を追い始め、もう1人は別の場所に去っていったみたいだ。
リーチェとムーリとヴァルゴを見て、邪な気持ちを抱くのは良く分かるよ。ということでコイツらが野盗だな。
「なっ!? おまっ……」
「ハーイおやすみなさーい」
俺達を追ってきた方にキュアライトブローを叩き込み、サクッと無力化して拘束。幸先がいいねっ。
拘束した男を鑑定すると旅人LV18。去年成敗した盗賊にも荷運び人がいたし、盗品を売買するメンバーはインベントリを使える職業が多そうだなぁ。
そして野盗同士でパーティを組んでいれば、俺達を見張っていたこの男と他のメンバーが後から合流するのは簡単なわけか。
通話みたいなことは出来ないけど、所在確認だけでもかなり便利だねぇ。
「……戻っていった反応が他の生体反応と合流したみたいだ。恐らくアジトに到着したんじゃないかな。それじゃ襲撃しようか」
「ダ、ダン様の能力って凄まじすぎますね……! 気配を殺して包囲していた我らディロームの民が滑稽に思えてきますよ……」
ヴァルゴが察知スキルの効果を目の当たりにして慄いている。
確かにヴァルゴと出会ったとき、生体察知が無ければ窮地に陥っていたかもしれないなぁ。
拘束した男を引き摺りながら生体反応を追って、アジトを確認したらポータルで3人を迎えに行き、その場にいた全員を無力化して拘束する。
盗賊のLVは2~6。駆け出しの野盗だったようだね。
「た、頼む! 見逃してくれぇ! 俺には妻と娘がいるんだっ! 俺が、俺が金を稼がないと、家族が生きていけねぇんだよぉ!」
「見逃しません。お前らに襲われた人たちにだって家族も生活もあったんだよ」
家族の為に犯罪に手を染めざるを得なかったってのは可哀想だけどな。
お前らが出した被害で更に困窮した人たちがいるって事も忘れんじゃねぇっての。
「ま、お前らの事情には同情できる部分もあるし、人を殺したり攫ったりしてなかった点は認めてやるさ」
流石に殺人者になれる奴がいたら話は変わってくるけどね。
鑑定の結果でも被害報告でもコイツらが誰も殺めていないことは間違いないようだし、ぎりぎり情状酌量の余地ありと見なそう。
被害者に配慮? 犯人は捕まえたんだからそれで納得してもらいます。別に見逃すわけじゃないんだし。
「悪いようにはしないから、大人しく連行されてくれ」
「わ、悪いようにはしないって……?」
「お前らの犯罪奴隷化は防げないけどさ。お前らの身柄を引き取るくらいならしてやれるってことだよ」
「へ……?」
困惑する野盗をハノンの冒険者ギルドに連れていき、そのまま奴隷購入の意志を伝える。
そして冒険者ギルドに奴隷商人が来る間に、捕らえた野盗たちに簡単に事情を説明する。
「要は村作りのための人手が欲しいんだよ。それで野盗狩りをしてたってワケだ」
「ま、待ってくれ! 確かに強制労働されるよか100倍マシだけど、俺には家族が……!」
「妻や子供がいるなら同行させても構わないよ。家族まで奴隷化する気は無いし、仕事をするなら賃金も払おう」
「なっ……!? 家族も一緒に!?」
「し、仕事も世話してもらえるってのか!? で、でもウチのおっかぁは村人で……!」
「はいはい。1人1人の事情なんて聞いてられないっての。家族のことはまで強制しないから、自分達で決めりゃいいさ」
野盗だった男達5人と奴隷契約を結び、明日の正午にハノンの冒険者ギルドに集合する事を奴隷契約で命じて解散する。
犯罪奴隷は、所有者に命令に背くと問答無用で死んでしまうという非常に重いペナルティが科せられているので、仮に明日来なければ人手が少し減ってしまうだけの話だ。
家族を連れてくる場合はその時を最後のタイミングとし、その後に気が変わっても対応しないことを明言しておいた。
本人が望んでも、犯罪者と一緒に暮らすのは嫌だと思う家族もいるかもしれないしね。
「良かったですねダンさんっ。誰も殺してない野盗でっ」
「ん? そうだね。被害に遭われた人は間違いなく居たけど、犠牲者が出て居なかったのは不幸中の幸いだったよ」
「ムーリが言ってるのはそういう意味じゃないと思うけどねー?」
くすくすと笑いながら俺の両側に抱き付いてくるリーチェとムーリ。
なんだか2人が嬉しそうなのが気になるけど、両腕に押し付けられた幸せのボリュームのほうが気になってそれどころじゃないなっ。
ハノンの次に向かったダニールという街は、ネプトゥコとハノンの中間地点にある街で、ここでは7名の野盗を捕獲する事に成功した。
ここでも同じ説明をして今日は解散する。
こちとらお前らに構ってる暇は無いんだよぉっ!
まだ日は高い! 時間は充分にある! 宿は!? 宿はどこだぁっ!?
「釣りは要らない! 食事も必要無いから、チェックアウトまで一切人を通さないでくれ!」
「か、畏まりましたぁ……!」
ダニール1番の高級宿に部屋を取って、リーチェとムーリとヴァルゴをベッドの上に引きずり込む。
さぁここからご褒美タイムの始まりだよぉっ!
「今日は頑張りましたねダンさん。ご褒美に好きなだけちゅーちゅーしていいんですよー?」
「ふふ。そんなにぼくのおっぱい美味しいの? なら遠慮しないでいっぱいしゃぶってね?」
「うう……。ふ、2人に挟まれると流石に思うところがありますよぉ……」
なにも気にしなくていいんだよヴァルゴ。おっぱいに貴賎は無いんだ。
大きさも弾力も色も味も感度も、ただの個性にしか過ぎないんだからね? ヴァルゴのおっぱいだって大好きだよっ。ちゅうちゅうれろれろ。
「あっ、ねぇダン。トライラムフォロワーとは別にアライアンスを設立した方が良くないかな?」
「んー? ちゅぱちゅぱ」
3人の口と乳首にたっぷりキスをして、唾液とおっぱいの味比べをしながらムーリとヴァルゴを交互に満たして楽しんでいると、俺の頭をなでなでしてくれているリーチェから提案があった。
「村作りも人手が増えるし、今後は魔人族にも移動魔法を使ってもらう機会も増えると思うしさ。トライラムフォロワーだけじゃキャパシティが足りなくならない?」
「ん……。それは確かにそうかも……。ちゅうちゅうれろれろ」
3人の乳首をちゅぱちゅぱ吸いながら考える。
確かに村作りとトライラムフォロワーの活動は関連性が無い。
トライラムフォロワーで目指したのがトライラム教会の自立なのだから、トライラムフォロワーを俺が私的に利用しすぎるのも考えものかぁ。
アライアンスの設立はお金さえ払えば簡単に出来るはずだけど、設立に制限は無いのかな? それ以前に、複数のアライアンスに同時に参加できるのかも知りたい。
冒険者ギルドかティムル先生に確認しなきゃいけないなぁ。
「春頃までにはワンダが冒険者になって、ポータルを使えるようになりそうですからね。仕合わせの暴君に頼らなくても平気にはなりそうですかね?」
「確かにね。ワンダが冒険者になれたら俺達は抜けても良さそうだ。はむはむ」
「あーでもアライアンスに同時に登録出来なかったら、傾国の姫君はどっちに登録すればいいんでしょう?」
ヴァルゴの中をじんわり満たしながら考える。
トライラムフォロワーの代表者はムーリになってるんだから、同時登録が出来なければムーリはトライラムフォロワーにいるべきじゃないかなぁ。
ま、子供達はもう大人の庇護なんかなくても生きていけそうだけどね。
ヴァルゴの中を限界まで満たしてあげてからムーリに根元まで挿し込んで、欲しがり屋さんの吸い付きを楽しむ。
「我ら守人たちも、まだまだダン様にご負担を強いる事になってしまいそうですね。ダン様に頼るのではなく、ダン様に頼られる存在になりたいのですが……」
「あまり気にしなくて大丈夫だヴァルゴ。守人に関してはなんの心配も要らないよ。がじがじ」
いやぁ守人の人たちは戦闘技術は充分なんだから、職業浸透を進めるだけで劇的に状況が変わってくれるでしょ。
その為にも早く充分な装備を揃えてあげたいんだけどねぇ。
生産に向いているドワーフたちが食い物にされてるせいもあって、装備品が足りなすぎるんだよこの世界って。
「はぅぅ……。ダンさんのが、私の中で広がってぇ……」
最後にもう1度ムーリの中を満たしてから、マグエルへと帰還した。
「おかえりなのーっ。ダンも楽しんだみたいで何よりなのっ」
「ただいまニーナ。ニーナの提案のおかげで最高だったよーっ」
合流したニーナに感謝の気持ちを込めて、ハグとキスをプレゼントする。
ニーナたちの方も無事に野盗の捕獲は終了したそうだけれど、3件のうち1件は既に討伐された後だったようだ。
対人戦には戦闘補正が適用されないと言っても、魔物相手に戦い慣れている戦闘職の人間を出し抜くのは難しいんだろうね。
別パーティで頑張ってくれたニーナ、フラッタ、ティムルとぎゅーっと抱き会いちゅっちゅとキスをしたあと、ティムルのポータルで案内してもらって、捕獲した野盗全員と奴隷契約を結ぶ。
どうやらニーナたちが捕獲した野盗たちも、ぎりぎり殺人までは犯していなかった模様。
今日1日で19名の奴隷を所有してしまったぜ。
今後も家族と同居したければ、頑張って説得してくれよな。
奴隷契約を済ませて帰宅し、ティムルにアライアンスの事を確認する。
「アライアンスの設立は、利用料さえ払えるのならば制限なく出来るはずよ。沢山のアライアンスを設立するくらいなら、アライアンスボードを利用して1つにまとめちゃった方が楽だとは思うけどね」
「アライアンスボードまでは手を出したくないなぁ……。他のアライアンスへの同時参加は?」
「複数のアライアンスへの参加は確か可能だったはずよ。複数のアライアンスに同時に登録するメリットって、あんまりないと思うけどねー」
複数同時登録が出来るなら移動が楽でいいな。
明日犯罪奴隷とアライアンスを設立して、全員さっさと移動させてしまうかー。
「アライアンスプレートって最大30パーティ登録できるんだっけ? となると最大人数は6人30パーティで180名って感じかぁ」
この時点で魔人族用のアライアンスに足りてない気がするけど……。
まぁ全員をアライアンスに参加させる必要は無いのかな。
でも人数的に余裕が無いのは間違いない。魔人族用と犯罪奴隷用のアライアンスは分けようかな。
犯罪奴隷と一般奴隷のアライアンスも分けるとして、3つ同時設立かぁ。名前考えるのが面倒臭いなぁ。
「何はともあれ、ニーナ、ティムル、フラッタもお疲れ様。ターニアさんもお疲れ様だよー」
「あははっ。ニーナやティムルちゃんフラッタちゃんが凄すぎて、私はついていくだけだったけどねー?」
ニーナとティムルとフラッタをぎゅーっとしながら、ターニアさんと笑い合う。
そんなターニアさんも含めて、みんな問題なく賞金稼ぎと盗賊の職を手に入れることが出来たようだ。
殺人者の資格は得ていないみたいだけど……。必要に迫られない限り、こんな職業にはなって欲しくないところだよ。
殺人者を浸透させないと暗殺者にはなれないなら、その時は諦めるしかないだろうね。
さぁて。今晩は労いの意味も込めて、みんなとゆっくり愛し合うとしようかなー。
「おはようみんな。ラトリアとエマのところに行ってくるから、気にせずこのまま休んでてね」
「い、いってらっしゃいなのぉ……」
夜通し全員とたっぷり愛し合ったせいで、みんな腰砕けのヘロヘロ状態だ。
そんなみんなにおはようと行ってきますのキスをして、まずは朝イチでヴァルハールに赴く。
「も、入らないって、あぁぁっ……! い、1回抜いっ、てぇ……!」
「そ、そんなに強く吸っても、ラトリア様みたいにおっぱい出ませんからぁっ……!」
ラトリアとエマをたっぷり愛してから、休憩の間に村の開発許可が下りたかを聞かせてもらう。
「開拓村の再建は問題なく許可してもらえました。侵食の森の拡張にはゴブトゴ様も気がかりだったそうで、とても喜んでいましたよ」
「そっか。国側に反対されなくて良かったよ。ちゅうちゅうごくごく」
俺におっぱいを吸われながら、ラトリアが無事に開発許可が下りた事を報告してくれた。
更に乳首を口に含んだまま、ルーナ家に齎された告発の件を改めて聞いてみる。
「マルドック商会の商人を名乗る男が現れて、自分のところの商会が昔から竜人族を違法奴隷として売り捌いている、と言ってきたんですよ」
「男の方からルーナ家に売り込んできたってわけね」
「その男は取引に関する書類等を証拠品として提出してくれたんですけど、肝心の奴隷の監禁場所については詳しく知らなかったみたいで……。調査が少し難航したんです」
なるほど。つまりルーナ家は、奈落に物資が運び込まれているのは知らなかったのか。
シルヴァによって被害者の竜人族奴隷が虐殺されたという話も、国の使いからそのように聞かされたってだけなんだね。
となると、シルヴァの凶行そのものがまったくの出鱈目だった可能性が高くなってくるなぁ。
「ちなみにその告発をした男ってどうなってるの? ちゅぱちゅぱれろれろ」
「竜爵家で匿っておりましたけど、あんなことになってしまったので現在は所在不明です。生きている可能性も低いですけれど、死んだところを見たわけでもないのでなんとも……」
んー。普通に考えれば処分されてるよなぁ。黒幕とグルでもない限り。
敵だった場合は死んでても関係ないし、もし黒幕とは無関係でも大した情報を持っていそうにないので、死んでいてもあまり影響はないか。
一応職業は商人、名はジャックというらしい。覚える価値あるかなぁ?
「2人とも最高に可愛かったよ。また来るね」
「「あんっ……!」」
俺が流し込んだ愛情をゴポゴポと溢しながらぐったりとしているラトリアとエマの乳首をべろんべろんと大きく舐め上げ、次回もまた可愛がってあげる約束をしてヴァルハールを後にする。
そしてマグエルに戻った俺は、早速冒険者ギルドに赴き新規アライアンスを3つ設立することにした。
「アライアンスの設立が完了しました。こちらがアライアンスプレートになります」
冒険者ギルドの職員から、3つのアライアンスプレートを受け取る。
1つ目のアライアンスはは犯罪奴隷用の『クリミナルワークス』だ。
犯罪奴隷は生涯解放出来ないので、消えない烙印という意味も込めて、あえてクリミナルと名付ける事にした。
2つ目のアライアンスが守人用の『ペネトレイター』。
守人たちの槍の技術はこの世界ではありえないレベルなので、彼らの槍で悪しき者全てを貫いて欲しいという願いを込めて。
そして3つ目、クリミナルワークスとペネトレイターに該当しない人用のアライアンスとして『ファミリア』を設立した。
犯罪者じゃない奴隷とか、村で働きたい人なんかを移動魔法に巻き込みたい時なんかに使う予定。
アライアンスプレートの情報にも問題は無さそうなので、インベントリに収納して冒険者ギルドを後にする。
インベントリに収納できるマジックアイテムは嵩張らないのが素晴らしいね。
無事にアライアンスを設立したら、村の建設許可が下りた事をキャリアさんに報告しに行く。
するとシュパイン商会には既に大量の奴隷と、従属魔法を行使するための奴隷商人が待機していた。
「うおぉ……。結構な人数を購入できたんだね……?」
「ここまでのポータル代は奢りにしておくわ。もっとずっと稼がせてもらえそうだしね」
どうやら、俺が渡したお金は全て奴隷購入代金に消えてしまったらしい。
これだけの人数のポータル代って結構馬鹿にならない金額だと思うけど、ここはキャリアさんの厚意に素直に甘えておこうか。
「王金貨30枚でとりあえず98名購入できたわ」
うええっ! いきなりファミリアが満員の危機だよぉっ! 犯罪奴隷の家族もファミリアに登録するつもりだったのにぃ!
いや、現地に移動さえしてしまえば無理にアライアンスに登録させる必要は無いのか。多分大丈夫だ、多分。
「所有者をダンさんに変更しちゃうから、ステータスプレートを出してちょうだい」
「はいよー宜しくねー」
キャリアさんに促されて、奴隷商人にステータスプレートを手渡す。
スレイブシンボルの例があるからずっと注意をしていたけど、特に何事も無く奴隷契約は終了した。
奴隷商人が汗だくになりながら奴隷契約を済ませてくれたあと、適当に5~6人のパーティに分かれてもらい、98名全員をファミリアに登録する。
「キャリアさん。俺はこれから犯罪奴隷を迎えに行ってくるけど、ちょっと頼んでいいかな?」
「なにかしら? あまり無茶な事は言わないで欲しいけれど?」
「この人たちをお腹いっぱいにさせて欲しい。あとは出来れば動きやすくて丈夫な服も、可能な限りでいいから揃えて貰えるかな? 人数が人数だから、可能な限りでいいよ」
キャリアさんに王金貨1枚を手渡して、奴隷たちのお世話をお願いする。
お金さえ出してもらえるなら問題ないわと、快く引き受けてくれるキャリアさん。
「あ、トーレさんやオディさんも開拓村に移動したいなら、ポータルで送ってくよー?」
「ありがとダンさん。でもシュパイン商会にも冒険者はいるから大丈夫よー」
「了解。それじゃ明日また来るから、それまでこの人たちをお願いね」
バイバイとシュパイン商会を後にして、昨日回った都市に転移し、購入した犯罪奴隷を迎えにいく。
19人の犯罪奴隷に加えて、その家族が26名、合計45人をクリミナルワークスに登録した。
「ま、まさかまた主人と一緒に暮らせるなんて……!」
「その分しっかり働いてもらうつもりだけどね。もう他人様に迷惑かけないようにちゃんと言い聞かせておきなよ?」
どうやら犯罪奴隷の家族は、全員が一緒に来る事を望んだらしい。
俺が仕事を与えられると言ったこともあるけれど、ここに残っても生活のアテがない家族が殆どのようだ。
「流石にこの人数をマグエルには連れていけないよなぁ。あっちにも98人待機してる状態だし……」
かと言っていきなり開拓村跡地に連れて行くわけにもいかない。
あそこには魔物が出る可能性があるから、戦えないクリミナルワークスのメンバーだけでひと晩過ごさせるのは無理だ。
「あ、そうだ。あそこは使わせてもらえるかな?」
開拓村を想像したことで、ステイルークの寄り合い所のことを連想することが出来た。
早速クリミナルワークスのメンバーをステイルークに連れていって、ラスティさんに申請して寄り合い所を解放してもらい、ゴールさんにお金を払って食事と着替えの準備などを任せた。
まだ寒いし、寄り合い所にエアコントローラーを1つ設置しておこうか。
ステイルークの寄り合い所に寄付するとでもラスティさんに伝えておこう。
「マ、マジックアイテムをそんな気軽に寄付されても困るんですけどぉ……!? 高価なアイテムだと、寄り合い所に置きっぱなしってわけにもいきませんしぃ……!」
「ラスティさんは冒険者なんだからインベントリが使えるでしょ? 管理や扱いは任せるから、ステイルークの為に役立ててくれたらそれでいいよ」
エアコントローラーをラスティさんに押し付けた後は、開拓村跡地の様子を見に行くことにした。
これから開発しようって場所に、またアウターエフェクトを配置されてたりしたら堪ったもんじゃないからなぁ。
「前回来た時は気にしなかったけど……。意外と使える物が残ってるなぁ」
開発目線で村跡を見て回ってみると、生きた井戸が幾つも残っているのに気付いた。
開拓村は壊滅しちゃったけど、井戸はなんの手入れも無くそのまま使えそうだな。
おかげで食料と家さえあればすぐに生活が可能な状態だ。各地の大工さんを回って、木材を仕入れるとしよう。
「くぅぅ……! 木材はインベントリに入れられないんだった……!」
各地の材木を買い漁って開拓村跡地に送り、大丈夫だと思うけれど一応サンクチュアリを張っておく。
材木はポータルであまり運べないから、ポータルで運べたのは最低限の量だけだ。
入植予定者の住居を建てる分にはとても足りないので、ステイルークとステイーダから追加の材木を馬車で輸送してもらうように手配する。
「さて、今出来る事はこんなもんかな? あとは明日になってからだ」
入居予定者たちは今日は1日休んでもらって、明日からは馬車馬のように働いてもらおう。
だけど色んな問題から距離を取る為にやってることなのに、色々とやることが多すぎて本末転倒感がヤバいんだよなぁ。
これだけ色々頑張った以上、絶対に村の再建を失敗するわけにはいかない。
入居者達の未来も魔人族の未来も、この村の再建によって大きく影響されてしまうだろうからね。絶対に開発を成功さえなきゃな。
村の再建が終わったら、次は職業浸透を進めつつ奈落の調査をしてみる感じかな。
ゴブトゴさんがエルフの里への通行許可をもぎ取ってくれたら、話は早いんだけどねぇ。
今回の目的地には俺とニーナは行ったことがないので、俺のパーティはリーチェのポータルで、ニーナのパーティは一時的に冒険者にしたティムルのポータルで回る事になった。
旅慣れたお姉さん組の存在が頼もしいね。
「ここがハノンか。結構大きい街だな」
「ヴェルモート帝国とスペルド王国を繋ぐ道だからね。人の往来が激しい場所なんだ」
俺達を転移させてくれたリーチェが、すかさず解説を挟んでくれる。
1つ目の目的地であるこのハノンという街は王国の西側にある街で、ヴェルモート帝国との交易路にある宿場町として栄えているらしい。
けれど交易路って事で、平時でも度々野盗の被害が報告される場所なのだそうだ。
「けれど、この世界で犯罪者になるってかなりのリスクを背負うことになりそうなのに、よくやるよなぁ」
「野盗には大抵1人は犯罪職じゃない仲間がいるものなんだ。強奪した品はソイツが処分すればリスクも無いからね」
ああ、俺達が襲われた際にも1人荷運び人が参加してたもんな。ソイツが犯罪職のデメリットを回避するわけね。
他の連中は犯罪職になって人目を忍んで生きていくにしても、水源と住居さえ確保できれば生きていくには困らないってか。
「う~ん……。それでも俺にはやっぱり理解できないかなぁ。そこまでするメリットを感じないよ」
「うんうん。普通に考えれば、そこまでするなら真っ当に魔物を狩ればいいとは思うけれどね。だけど高額な装備品無しでも、人を殺すことは出来るからさ……」
あー、進退窮まった時に魔物を狩ろうにも、武器を用意できないのかぁ。
逆に野盗ならば、武器補正の乗らない刃物1つでもあれば事足りると。悪循環ここに極まれりって感じだね。
職人が増えて低品質武器だけでも安く出回るようになれば、税金の滞納者も減るのかもしれないなぁ。
さて、今回は時間が無いので観光は後回しだ。
冒険者ギルドで野盗の目撃情報を確認して、報告のあった現場に向かう。
「この辺が野盗の襲撃が行なわれた現場だね」
「んー。ちょっと範囲が広い感じですね。ここ一帯を虱潰しに調査するのは現実的じゃないです」
リーチェとムーリが現場を見渡しながら相談している。
周囲の警戒をヴァルゴに担当してもらいつつ、俺は捜索範囲の絞込みを試みる。
戦闘職になれるなら魔物を狩って稼げたはずだし、困窮して野盗になった者なら、恐らく戦闘職にはなれなかったんじゃないだろうか?
であれば魔物戦を避けて、街道の近くに潜んでるんじゃないかなぁ。
街道付近に潜んでいるのであれば、生体察知を最大範囲で展開していれば引っかかる気がする。
……それ以前に、リーチェ、ムーリ、ヴァルゴの3人を連れて街道を歩いていれば、野盗の方から引っかかってくれる気はするな。
ニーナとティムルを狙って野盗が現れた実績もあるし、リーチェとムーリのおっぱいは遠目からでも男を惹き付けて止まないはずだ。ソースは俺。
そんな感じでほぼノープランで生体察知を発動しながら街道を歩いていると、街道を外れたところに2人組の生体反応をキャッチする。
1人は俺達の後を追い始め、もう1人は別の場所に去っていったみたいだ。
リーチェとムーリとヴァルゴを見て、邪な気持ちを抱くのは良く分かるよ。ということでコイツらが野盗だな。
「なっ!? おまっ……」
「ハーイおやすみなさーい」
俺達を追ってきた方にキュアライトブローを叩き込み、サクッと無力化して拘束。幸先がいいねっ。
拘束した男を鑑定すると旅人LV18。去年成敗した盗賊にも荷運び人がいたし、盗品を売買するメンバーはインベントリを使える職業が多そうだなぁ。
そして野盗同士でパーティを組んでいれば、俺達を見張っていたこの男と他のメンバーが後から合流するのは簡単なわけか。
通話みたいなことは出来ないけど、所在確認だけでもかなり便利だねぇ。
「……戻っていった反応が他の生体反応と合流したみたいだ。恐らくアジトに到着したんじゃないかな。それじゃ襲撃しようか」
「ダ、ダン様の能力って凄まじすぎますね……! 気配を殺して包囲していた我らディロームの民が滑稽に思えてきますよ……」
ヴァルゴが察知スキルの効果を目の当たりにして慄いている。
確かにヴァルゴと出会ったとき、生体察知が無ければ窮地に陥っていたかもしれないなぁ。
拘束した男を引き摺りながら生体反応を追って、アジトを確認したらポータルで3人を迎えに行き、その場にいた全員を無力化して拘束する。
盗賊のLVは2~6。駆け出しの野盗だったようだね。
「た、頼む! 見逃してくれぇ! 俺には妻と娘がいるんだっ! 俺が、俺が金を稼がないと、家族が生きていけねぇんだよぉ!」
「見逃しません。お前らに襲われた人たちにだって家族も生活もあったんだよ」
家族の為に犯罪に手を染めざるを得なかったってのは可哀想だけどな。
お前らが出した被害で更に困窮した人たちがいるって事も忘れんじゃねぇっての。
「ま、お前らの事情には同情できる部分もあるし、人を殺したり攫ったりしてなかった点は認めてやるさ」
流石に殺人者になれる奴がいたら話は変わってくるけどね。
鑑定の結果でも被害報告でもコイツらが誰も殺めていないことは間違いないようだし、ぎりぎり情状酌量の余地ありと見なそう。
被害者に配慮? 犯人は捕まえたんだからそれで納得してもらいます。別に見逃すわけじゃないんだし。
「悪いようにはしないから、大人しく連行されてくれ」
「わ、悪いようにはしないって……?」
「お前らの犯罪奴隷化は防げないけどさ。お前らの身柄を引き取るくらいならしてやれるってことだよ」
「へ……?」
困惑する野盗をハノンの冒険者ギルドに連れていき、そのまま奴隷購入の意志を伝える。
そして冒険者ギルドに奴隷商人が来る間に、捕らえた野盗たちに簡単に事情を説明する。
「要は村作りのための人手が欲しいんだよ。それで野盗狩りをしてたってワケだ」
「ま、待ってくれ! 確かに強制労働されるよか100倍マシだけど、俺には家族が……!」
「妻や子供がいるなら同行させても構わないよ。家族まで奴隷化する気は無いし、仕事をするなら賃金も払おう」
「なっ……!? 家族も一緒に!?」
「し、仕事も世話してもらえるってのか!? で、でもウチのおっかぁは村人で……!」
「はいはい。1人1人の事情なんて聞いてられないっての。家族のことはまで強制しないから、自分達で決めりゃいいさ」
野盗だった男達5人と奴隷契約を結び、明日の正午にハノンの冒険者ギルドに集合する事を奴隷契約で命じて解散する。
犯罪奴隷は、所有者に命令に背くと問答無用で死んでしまうという非常に重いペナルティが科せられているので、仮に明日来なければ人手が少し減ってしまうだけの話だ。
家族を連れてくる場合はその時を最後のタイミングとし、その後に気が変わっても対応しないことを明言しておいた。
本人が望んでも、犯罪者と一緒に暮らすのは嫌だと思う家族もいるかもしれないしね。
「良かったですねダンさんっ。誰も殺してない野盗でっ」
「ん? そうだね。被害に遭われた人は間違いなく居たけど、犠牲者が出て居なかったのは不幸中の幸いだったよ」
「ムーリが言ってるのはそういう意味じゃないと思うけどねー?」
くすくすと笑いながら俺の両側に抱き付いてくるリーチェとムーリ。
なんだか2人が嬉しそうなのが気になるけど、両腕に押し付けられた幸せのボリュームのほうが気になってそれどころじゃないなっ。
ハノンの次に向かったダニールという街は、ネプトゥコとハノンの中間地点にある街で、ここでは7名の野盗を捕獲する事に成功した。
ここでも同じ説明をして今日は解散する。
こちとらお前らに構ってる暇は無いんだよぉっ!
まだ日は高い! 時間は充分にある! 宿は!? 宿はどこだぁっ!?
「釣りは要らない! 食事も必要無いから、チェックアウトまで一切人を通さないでくれ!」
「か、畏まりましたぁ……!」
ダニール1番の高級宿に部屋を取って、リーチェとムーリとヴァルゴをベッドの上に引きずり込む。
さぁここからご褒美タイムの始まりだよぉっ!
「今日は頑張りましたねダンさん。ご褒美に好きなだけちゅーちゅーしていいんですよー?」
「ふふ。そんなにぼくのおっぱい美味しいの? なら遠慮しないでいっぱいしゃぶってね?」
「うう……。ふ、2人に挟まれると流石に思うところがありますよぉ……」
なにも気にしなくていいんだよヴァルゴ。おっぱいに貴賎は無いんだ。
大きさも弾力も色も味も感度も、ただの個性にしか過ぎないんだからね? ヴァルゴのおっぱいだって大好きだよっ。ちゅうちゅうれろれろ。
「あっ、ねぇダン。トライラムフォロワーとは別にアライアンスを設立した方が良くないかな?」
「んー? ちゅぱちゅぱ」
3人の口と乳首にたっぷりキスをして、唾液とおっぱいの味比べをしながらムーリとヴァルゴを交互に満たして楽しんでいると、俺の頭をなでなでしてくれているリーチェから提案があった。
「村作りも人手が増えるし、今後は魔人族にも移動魔法を使ってもらう機会も増えると思うしさ。トライラムフォロワーだけじゃキャパシティが足りなくならない?」
「ん……。それは確かにそうかも……。ちゅうちゅうれろれろ」
3人の乳首をちゅぱちゅぱ吸いながら考える。
確かに村作りとトライラムフォロワーの活動は関連性が無い。
トライラムフォロワーで目指したのがトライラム教会の自立なのだから、トライラムフォロワーを俺が私的に利用しすぎるのも考えものかぁ。
アライアンスの設立はお金さえ払えば簡単に出来るはずだけど、設立に制限は無いのかな? それ以前に、複数のアライアンスに同時に参加できるのかも知りたい。
冒険者ギルドかティムル先生に確認しなきゃいけないなぁ。
「春頃までにはワンダが冒険者になって、ポータルを使えるようになりそうですからね。仕合わせの暴君に頼らなくても平気にはなりそうですかね?」
「確かにね。ワンダが冒険者になれたら俺達は抜けても良さそうだ。はむはむ」
「あーでもアライアンスに同時に登録出来なかったら、傾国の姫君はどっちに登録すればいいんでしょう?」
ヴァルゴの中をじんわり満たしながら考える。
トライラムフォロワーの代表者はムーリになってるんだから、同時登録が出来なければムーリはトライラムフォロワーにいるべきじゃないかなぁ。
ま、子供達はもう大人の庇護なんかなくても生きていけそうだけどね。
ヴァルゴの中を限界まで満たしてあげてからムーリに根元まで挿し込んで、欲しがり屋さんの吸い付きを楽しむ。
「我ら守人たちも、まだまだダン様にご負担を強いる事になってしまいそうですね。ダン様に頼るのではなく、ダン様に頼られる存在になりたいのですが……」
「あまり気にしなくて大丈夫だヴァルゴ。守人に関してはなんの心配も要らないよ。がじがじ」
いやぁ守人の人たちは戦闘技術は充分なんだから、職業浸透を進めるだけで劇的に状況が変わってくれるでしょ。
その為にも早く充分な装備を揃えてあげたいんだけどねぇ。
生産に向いているドワーフたちが食い物にされてるせいもあって、装備品が足りなすぎるんだよこの世界って。
「はぅぅ……。ダンさんのが、私の中で広がってぇ……」
最後にもう1度ムーリの中を満たしてから、マグエルへと帰還した。
「おかえりなのーっ。ダンも楽しんだみたいで何よりなのっ」
「ただいまニーナ。ニーナの提案のおかげで最高だったよーっ」
合流したニーナに感謝の気持ちを込めて、ハグとキスをプレゼントする。
ニーナたちの方も無事に野盗の捕獲は終了したそうだけれど、3件のうち1件は既に討伐された後だったようだ。
対人戦には戦闘補正が適用されないと言っても、魔物相手に戦い慣れている戦闘職の人間を出し抜くのは難しいんだろうね。
別パーティで頑張ってくれたニーナ、フラッタ、ティムルとぎゅーっと抱き会いちゅっちゅとキスをしたあと、ティムルのポータルで案内してもらって、捕獲した野盗全員と奴隷契約を結ぶ。
どうやらニーナたちが捕獲した野盗たちも、ぎりぎり殺人までは犯していなかった模様。
今日1日で19名の奴隷を所有してしまったぜ。
今後も家族と同居したければ、頑張って説得してくれよな。
奴隷契約を済ませて帰宅し、ティムルにアライアンスの事を確認する。
「アライアンスの設立は、利用料さえ払えるのならば制限なく出来るはずよ。沢山のアライアンスを設立するくらいなら、アライアンスボードを利用して1つにまとめちゃった方が楽だとは思うけどね」
「アライアンスボードまでは手を出したくないなぁ……。他のアライアンスへの同時参加は?」
「複数のアライアンスへの参加は確か可能だったはずよ。複数のアライアンスに同時に登録するメリットって、あんまりないと思うけどねー」
複数同時登録が出来るなら移動が楽でいいな。
明日犯罪奴隷とアライアンスを設立して、全員さっさと移動させてしまうかー。
「アライアンスプレートって最大30パーティ登録できるんだっけ? となると最大人数は6人30パーティで180名って感じかぁ」
この時点で魔人族用のアライアンスに足りてない気がするけど……。
まぁ全員をアライアンスに参加させる必要は無いのかな。
でも人数的に余裕が無いのは間違いない。魔人族用と犯罪奴隷用のアライアンスは分けようかな。
犯罪奴隷と一般奴隷のアライアンスも分けるとして、3つ同時設立かぁ。名前考えるのが面倒臭いなぁ。
「何はともあれ、ニーナ、ティムル、フラッタもお疲れ様。ターニアさんもお疲れ様だよー」
「あははっ。ニーナやティムルちゃんフラッタちゃんが凄すぎて、私はついていくだけだったけどねー?」
ニーナとティムルとフラッタをぎゅーっとしながら、ターニアさんと笑い合う。
そんなターニアさんも含めて、みんな問題なく賞金稼ぎと盗賊の職を手に入れることが出来たようだ。
殺人者の資格は得ていないみたいだけど……。必要に迫られない限り、こんな職業にはなって欲しくないところだよ。
殺人者を浸透させないと暗殺者にはなれないなら、その時は諦めるしかないだろうね。
さぁて。今晩は労いの意味も込めて、みんなとゆっくり愛し合うとしようかなー。
「おはようみんな。ラトリアとエマのところに行ってくるから、気にせずこのまま休んでてね」
「い、いってらっしゃいなのぉ……」
夜通し全員とたっぷり愛し合ったせいで、みんな腰砕けのヘロヘロ状態だ。
そんなみんなにおはようと行ってきますのキスをして、まずは朝イチでヴァルハールに赴く。
「も、入らないって、あぁぁっ……! い、1回抜いっ、てぇ……!」
「そ、そんなに強く吸っても、ラトリア様みたいにおっぱい出ませんからぁっ……!」
ラトリアとエマをたっぷり愛してから、休憩の間に村の開発許可が下りたかを聞かせてもらう。
「開拓村の再建は問題なく許可してもらえました。侵食の森の拡張にはゴブトゴ様も気がかりだったそうで、とても喜んでいましたよ」
「そっか。国側に反対されなくて良かったよ。ちゅうちゅうごくごく」
俺におっぱいを吸われながら、ラトリアが無事に開発許可が下りた事を報告してくれた。
更に乳首を口に含んだまま、ルーナ家に齎された告発の件を改めて聞いてみる。
「マルドック商会の商人を名乗る男が現れて、自分のところの商会が昔から竜人族を違法奴隷として売り捌いている、と言ってきたんですよ」
「男の方からルーナ家に売り込んできたってわけね」
「その男は取引に関する書類等を証拠品として提出してくれたんですけど、肝心の奴隷の監禁場所については詳しく知らなかったみたいで……。調査が少し難航したんです」
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「ちなみにその告発をした男ってどうなってるの? ちゅぱちゅぱれろれろ」
「竜爵家で匿っておりましたけど、あんなことになってしまったので現在は所在不明です。生きている可能性も低いですけれど、死んだところを見たわけでもないのでなんとも……」
んー。普通に考えれば処分されてるよなぁ。黒幕とグルでもない限り。
敵だった場合は死んでても関係ないし、もし黒幕とは無関係でも大した情報を持っていそうにないので、死んでいてもあまり影響はないか。
一応職業は商人、名はジャックというらしい。覚える価値あるかなぁ?
「2人とも最高に可愛かったよ。また来るね」
「「あんっ……!」」
俺が流し込んだ愛情をゴポゴポと溢しながらぐったりとしているラトリアとエマの乳首をべろんべろんと大きく舐め上げ、次回もまた可愛がってあげる約束をしてヴァルハールを後にする。
そしてマグエルに戻った俺は、早速冒険者ギルドに赴き新規アライアンスを3つ設立することにした。
「アライアンスの設立が完了しました。こちらがアライアンスプレートになります」
冒険者ギルドの職員から、3つのアライアンスプレートを受け取る。
1つ目のアライアンスはは犯罪奴隷用の『クリミナルワークス』だ。
犯罪奴隷は生涯解放出来ないので、消えない烙印という意味も込めて、あえてクリミナルと名付ける事にした。
2つ目のアライアンスが守人用の『ペネトレイター』。
守人たちの槍の技術はこの世界ではありえないレベルなので、彼らの槍で悪しき者全てを貫いて欲しいという願いを込めて。
そして3つ目、クリミナルワークスとペネトレイターに該当しない人用のアライアンスとして『ファミリア』を設立した。
犯罪者じゃない奴隷とか、村で働きたい人なんかを移動魔法に巻き込みたい時なんかに使う予定。
アライアンスプレートの情報にも問題は無さそうなので、インベントリに収納して冒険者ギルドを後にする。
インベントリに収納できるマジックアイテムは嵩張らないのが素晴らしいね。
無事にアライアンスを設立したら、村の建設許可が下りた事をキャリアさんに報告しに行く。
するとシュパイン商会には既に大量の奴隷と、従属魔法を行使するための奴隷商人が待機していた。
「うおぉ……。結構な人数を購入できたんだね……?」
「ここまでのポータル代は奢りにしておくわ。もっとずっと稼がせてもらえそうだしね」
どうやら、俺が渡したお金は全て奴隷購入代金に消えてしまったらしい。
これだけの人数のポータル代って結構馬鹿にならない金額だと思うけど、ここはキャリアさんの厚意に素直に甘えておこうか。
「王金貨30枚でとりあえず98名購入できたわ」
うええっ! いきなりファミリアが満員の危機だよぉっ! 犯罪奴隷の家族もファミリアに登録するつもりだったのにぃ!
いや、現地に移動さえしてしまえば無理にアライアンスに登録させる必要は無いのか。多分大丈夫だ、多分。
「所有者をダンさんに変更しちゃうから、ステータスプレートを出してちょうだい」
「はいよー宜しくねー」
キャリアさんに促されて、奴隷商人にステータスプレートを手渡す。
スレイブシンボルの例があるからずっと注意をしていたけど、特に何事も無く奴隷契約は終了した。
奴隷商人が汗だくになりながら奴隷契約を済ませてくれたあと、適当に5~6人のパーティに分かれてもらい、98名全員をファミリアに登録する。
「キャリアさん。俺はこれから犯罪奴隷を迎えに行ってくるけど、ちょっと頼んでいいかな?」
「なにかしら? あまり無茶な事は言わないで欲しいけれど?」
「この人たちをお腹いっぱいにさせて欲しい。あとは出来れば動きやすくて丈夫な服も、可能な限りでいいから揃えて貰えるかな? 人数が人数だから、可能な限りでいいよ」
キャリアさんに王金貨1枚を手渡して、奴隷たちのお世話をお願いする。
お金さえ出してもらえるなら問題ないわと、快く引き受けてくれるキャリアさん。
「あ、トーレさんやオディさんも開拓村に移動したいなら、ポータルで送ってくよー?」
「ありがとダンさん。でもシュパイン商会にも冒険者はいるから大丈夫よー」
「了解。それじゃ明日また来るから、それまでこの人たちをお願いね」
バイバイとシュパイン商会を後にして、昨日回った都市に転移し、購入した犯罪奴隷を迎えにいく。
19人の犯罪奴隷に加えて、その家族が26名、合計45人をクリミナルワークスに登録した。
「ま、まさかまた主人と一緒に暮らせるなんて……!」
「その分しっかり働いてもらうつもりだけどね。もう他人様に迷惑かけないようにちゃんと言い聞かせておきなよ?」
どうやら犯罪奴隷の家族は、全員が一緒に来る事を望んだらしい。
俺が仕事を与えられると言ったこともあるけれど、ここに残っても生活のアテがない家族が殆どのようだ。
「流石にこの人数をマグエルには連れていけないよなぁ。あっちにも98人待機してる状態だし……」
かと言っていきなり開拓村跡地に連れて行くわけにもいかない。
あそこには魔物が出る可能性があるから、戦えないクリミナルワークスのメンバーだけでひと晩過ごさせるのは無理だ。
「あ、そうだ。あそこは使わせてもらえるかな?」
開拓村を想像したことで、ステイルークの寄り合い所のことを連想することが出来た。
早速クリミナルワークスのメンバーをステイルークに連れていって、ラスティさんに申請して寄り合い所を解放してもらい、ゴールさんにお金を払って食事と着替えの準備などを任せた。
まだ寒いし、寄り合い所にエアコントローラーを1つ設置しておこうか。
ステイルークの寄り合い所に寄付するとでもラスティさんに伝えておこう。
「マ、マジックアイテムをそんな気軽に寄付されても困るんですけどぉ……!? 高価なアイテムだと、寄り合い所に置きっぱなしってわけにもいきませんしぃ……!」
「ラスティさんは冒険者なんだからインベントリが使えるでしょ? 管理や扱いは任せるから、ステイルークの為に役立ててくれたらそれでいいよ」
エアコントローラーをラスティさんに押し付けた後は、開拓村跡地の様子を見に行くことにした。
これから開発しようって場所に、またアウターエフェクトを配置されてたりしたら堪ったもんじゃないからなぁ。
「前回来た時は気にしなかったけど……。意外と使える物が残ってるなぁ」
開発目線で村跡を見て回ってみると、生きた井戸が幾つも残っているのに気付いた。
開拓村は壊滅しちゃったけど、井戸はなんの手入れも無くそのまま使えそうだな。
おかげで食料と家さえあればすぐに生活が可能な状態だ。各地の大工さんを回って、木材を仕入れるとしよう。
「くぅぅ……! 木材はインベントリに入れられないんだった……!」
各地の材木を買い漁って開拓村跡地に送り、大丈夫だと思うけれど一応サンクチュアリを張っておく。
材木はポータルであまり運べないから、ポータルで運べたのは最低限の量だけだ。
入植予定者の住居を建てる分にはとても足りないので、ステイルークとステイーダから追加の材木を馬車で輸送してもらうように手配する。
「さて、今出来る事はこんなもんかな? あとは明日になってからだ」
入居予定者たちは今日は1日休んでもらって、明日からは馬車馬のように働いてもらおう。
だけど色んな問題から距離を取る為にやってることなのに、色々とやることが多すぎて本末転倒感がヤバいんだよなぁ。
これだけ色々頑張った以上、絶対に村の再建を失敗するわけにはいかない。
入居者達の未来も魔人族の未来も、この村の再建によって大きく影響されてしまうだろうからね。絶対に開発を成功さえなきゃな。
村の再建が終わったら、次は職業浸透を進めつつ奈落の調査をしてみる感じかな。
ゴブトゴさんがエルフの里への通行許可をもぎ取ってくれたら、話は早いんだけどねぇ。
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