異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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3章 回り始める物語1 スポットの奥で

160 獣化 (改)

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 突然ニーナに生えたケモミミと尻尾。そんな自身の変化に、ニーナ本人も驚いているようだ。


「あっ……! これってもしかして、私、獣化したのっ……!?」


 戸惑うニーナを宥めてやりたいけど、俺自身興奮の極みにある。
 
 ニーナの茶髪の先に、黒く少し尖ったケモミミがぴょこぴょこと揺れている。ズボンを押し退けて外に解放された尻尾はモフモフのフサフサで、茶色に軽く黒がかかったような色合いをしており、その先端は真っ白だ。

 な、なんだこれ……? 猫でも犬でもなさそうだぞ?  鳥じゃないのは間違いないし、兎の特徴とも合致しない。


 ニーナは戸惑いながらも喜びを抑えきれないといった感じで、モフモフしっぽをブンブンと横に振っている。

 って魔物さん邪魔! 今ちょっと急がしいんだってば! ドラゴンズネストをプレゼントフォーユー!


「ダンーっ! 見て見てっ! 私、獣化したよーっ!」


 嬉しそうに俺に手を振るニーナ。

 見て見てって、あまりの可愛さにさっきから一瞬たりとも目を離していませんけどぉ!?


 そしてニーナが俺を見てくれた事で気付く。ニーナの茶色の瞳が明るくなって、吸い込まれそうなほどに美しい金色の瞳に変化している事に。

 そのあまりに美しさに、ニーナが胸に飛び込んでくるまで、ニーナの瞳に囚われてしまっていた。


「ダン? どうしたの? 獣化、あんまり嬉しくなかった……?」


 俺に抱きついたままで胸の中から見上げてくるニーナ。まだ全然見慣れないその美しい黄金の瞳で、不安そうに上目遣いで俺の様子を窺ってくる。

 その美しさに心を奪われながら、無意識にニーナを抱きしめ返していた。


「……ニーナ、逆だよ逆。嬉しすぎて放心しちゃったんだよ」

「ほんとっ!? ほんとに嬉しいのっ!?」

「嬉しいに決まってるでしょ? ニーナの茶色の瞳が、本当に綺麗な金色に変わっていてね。心の準備が出来てなかったから思わず見蕩れちゃってたんだ」

「えへーっ。ダンが綺麗って言ってくれて嬉しいなぁっ」


 俺の腕の中で嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねて喜びを爆発させるニーナ。

 な、なんだかいつもより幼いというか素直というか……。いつも以上に可愛くなってない?


「ねぇねぇダン。私も自分の瞳の色を確認してみたいの。だから私の目をじーっと見ててくれる?」

「俺の瞳を鏡代わりにするってことだね? 勿論良いよ。こんな綺麗な瞳ならずっと見続けられちゃうよ」


 ニーナを少し抱っこして目線の高さを合わせる。

 俺の顔を両手でがっちり固定したニーナは、正面から俺の瞳を覗き込んでくる。


 綺麗だ。本当に綺麗な黄金の瞳だ。

 別に普段の茶色の瞳が悪いといっているわけじゃない。普段見慣れない瞳の色をニーナがしているのが新鮮なんだ。

 じーっとニーナの瞳を見る。本当に吸い込まれそうだ。というか実際近づいてきてない? っていうかニーナ、目を閉じちゃったら意味無いよ……?


 そのままの流れでニーナに唇を重ねられる。

 ちゅうちゅうと強く俺の口を吸いながらも、待ちきれないといった様子で俺の唇を強引に押し開け、すぐに舌も侵入してくる。


 俺はニーナを抱き上げているから両手は塞がっていて、顔はニーナにがっちりと固定されている。

 そんなほとんど抵抗を禁じられた状態で、ニーナのキスの感触と、大きく振られる尻尾の動きだけが伝わってくる。


 普段からキスが大好きなニーナ。おかげで俺もキスが大好きにされてしまった。

 キス大好きなニーナが、全身全霊をもってキスしてくれている。俺の歯の1本1本までを丁寧に舐め取り、舌の先から根元、裏側に至るまでを丹念にしゃぶり、唇も口の中も全部に直接唾液を塗りたくるように舐めまわしてくる。

 そのあまりの気持ちよさに、ニーナの両手が震えている事に暫く気付かなかった。


 俺がニーナの異変に気付き、閉じていた瞼を開けると、ニーナは真っ青な顔で脂汗を滲ませていた。

 まずいっ! これ魔力枯渇かっ!


 魔力枯渇の辛さは身を持って体験している。だから獣化を解いてもらおうと伝えたいんだけど、魔力枯渇の苦しみの中でも決してキスだけはやめようとしないニーナ。

 獣化の影響なのか、極限まで弱っているはずなのに俺の力では振りほどけない。


 だめだ。あの苦しみの中で、更にニーナに力を使わせるわけにはいかない。離してくれないなら、せめてニーナの負担を軽くしてやらないと……!


 ニーナを上にして地面に横になり、ニーナの背中を擦りながら頭を抱き寄せ、ニーナが殆ど力を使わなくても良いようにする。舌も俺の方から絡めてあげて、極力ニーナには安静にしてもらう。

 今のニーナじゃ、無理矢理離れたって獣化を解いてくれるとは思えない。ならせめて、魔力枯渇の負担を少しでも軽減させてやるべきだろう。


 やがて獣化が解け、魔力枯渇の地獄の苦しみの中、それでもニーナは俺の口を離そうとはしなかった。

 ニーナの気持ちが落ち着くまで、他の3人に魔物狩りを頑張ってもらう羽目になってしまったよぉ。何かで埋め合わせしてあげなきゃなぁ。

 地味に鼓舞を活用してしまったぜ。詠唱要らないスキルって便利ね。


「キスしながらスキル使ったり魔物の襲来を教えてくれるダンも大概だけど……」


 ドロップアイテムの回収を終えたティムルが、俺に呆れつつもニーナの状態に慄いている。


「普段は冷静なニーナちゃんが魔力枯渇も魔物も無視してダンに縋りつくなんて、確かに獣化って危なそうねぇ。熱視は本当に視力的な変化しかないから、ニーナちゃんの変わり様にびっくりしちゃったわ……」


 ティムルが言う様に、積極的になってくれるだけなら大歓迎なんだけどねぇ。魔力枯渇の苦しみすら無視してしまうようじゃ、可哀想すぎて寝室で使ってもらうわけにはいかないな。


「多分竜化した妾も同じことをしてしまうのじゃろうなぁ。苦しくても辛くても、それ以上にダンのことが大好きで止まれなくなってしまうのじゃ」


 竜化フラッタを寝室に連れ込むのも厳しそうだなぁ。

 魔力回復や魔力消費軽減スキルがあっても、魔力枯渇まで無視されては意味がない。何かいい方法はないものかねぇ?


「ま、魔力枯渇を無視するって凄まじいね……。何度経験したって、あれだけは味わいたくないって思うのに……」


 おお、リーチェも魔力枯渇の経験はあったのね。エルフはズルいとか言っちゃってごめん。


 みんなの言葉を聞いていると、次第にニーナの息遣いも穏やかになってきたので、もう大丈夫かなと静かに口を離す。

 ようやく落ち着いてくれたのか、今度はニーナも抵抗してこなかった。


「ニーナ大丈夫? 無理させてごめんね。ゆっくり休んで」

「ううん……。ごめんダン。みんなもごめん……。迷惑かけちゃったよぅ」

「初めてのことだったし気にしないで。みんなだってニーナに迷惑をかけられたとは思ってないさ。じゃあこのまま少し休んでいてね」


 地面に絨毯を敷いて、その上にニーナを寝かせてあげる。

 魔力枯渇は結構長時間体調不良が続く、重めのバッドステータスだ。本来なら最深部の外で休ませるべきだろうけど、キスしてても大丈夫な場所から出る必要などないわっ。


「ん~。ニーナちゃんは気にしなくていいけど、ダンには気にしてもらおうかしら?」


 媚びるような声色で、ティムルは俺に抱きついてくる。


「ねぇダン。ニーナちゃんとの熱烈な接吻を見せ付けられてぇ、お姉さんすっごく羨ましかったんだけどぉ?」

「ふ、不可抗力だったんですけどぉ……? お、お姉さんは何が言いたいのかなぁ?」

「ダン。これから1人ずつ、キスをしたまま魔物を撃退してもらえる? 魔法詠唱の時は放してあげるから……、ね?」


 な、なにそれぇっ!? とうとう魔物狩りにまでエロ要素を導入してきたぞ、このエロ参謀!?

 そして言い終わるなりキスを開始しないでぇっ!? 異論は許さないってことですかーっ!? ちゅうちゅうれろれろ。


「戦うのはダン1人だけなのじゃ。1人はキス、2人はニーナの護衛をするのじゃ。ダン1人で戦う方が戦闘もキスも長引くしのぅ」


 こ、好色家妹ーーっ! お前真面目なのかエロいのかどっちかにしろよぉっ! なんで打ち合わせも無しに直ぐにエロ参謀の提案に完璧に乗ってくるんだよお前はーっ!


「どうしても手が足りない時はぼくが弓で援護するよ。でも今のダンなら、そのくらいのハンデがあるほうが訓練になっていいんじゃないかなぁ。あ、アイテム回収はぼくらでやるから、ダンはキスと戦闘に集中すること」


 エ、エロ神リーチェが真面目なことしか言わないだとぉっ!? でも一見真面目なだけで、結局エロを堪能する為の提案だこれぇっ!


 反論したいのに、エロ教官が俺の舌の自由を奪って反論を許してくれないんだけどっ!?

 そしてキスをしながら熱視を発動し碧眼で微笑むティムルに、俺の反対の意思は完全に鎮圧されてしまった。

 ちくしょうっ! やってやんよぉっ!


 キスしたままのティムルをお姫様抱っこすると、俺の頭よりもティムルの頭の方が高い位置になる。


 って、上から覆い被さるようにキスしてくるティムルのせいで、最早視界さえゼロなんだけど!?

 えぇいっ! 視界がゼロなら目を開けておく必要もないわっ! 視覚を閉じてティムルとのキスに集中してやるぅ。


 魔物が現れてもティムルは体勢を変えてくれず、俺も瞳を閉じたままで魔物察知の情報だけを頼りに魔法を放つ。

 魔法詠唱をしたいと思う度に俺の思考を鋭敏にキャッチして、唇が触れ合うくらいの距離までは離れてくれるティムル。

 ってこれ、全然離れてないじゃんかぁっ! ヘイルストームやサンダースパークを詠唱する度に唇同士が擦れあって、なんか逆にエロいんですけどぉっ!?


 魔物を殲滅し、フラッタとリーチェがドロップアイテムを回収している間にひたすらティムルとキスを続け、回収が終わったら選手交代だ。

 やばいなぁ。目を閉じてキスしながらでも、スポットの最深部で普通に戦えちゃったよぉ……。


「かっこよかったわよダン。ダンの呪文詠唱、気持ちよかったぁ……」

「攻撃魔法詠唱をエロに利用すると、ティムルはエロの革命児なの? 碧眼のティムルとキスできて嬉しかったよ。ちゅっ」


 ティムルと唇を重ねたままでティムルを下ろすと、待ってましたと言わんばかりにフラッタが飛び込んできた。


「さぁダンよっ! 次は妾の番なのじゃーっ! 妾ともいっぱいキスするのじゃーっ!」


 元気いっぱいにエロい発言するんじゃありませんっ! 名実共に好色家姉妹になりつつあるじゃないかよぉっ!


 フラッタもお姫様抱っこをする。フラッタのプレートメイルは着たままだ。

 行商人と荷運び人を両方浸透させてある俺に、プレートメイルの重さなんて羽毛みたいなものだ。装備品は体のサイズに勝手に合わさるので、小さいフラッタのプレートメイルは、さほど邪魔にも感じない。

 フラッタの体の感触が伝わってこないことだけが不満だけど、舌の感触には影響しないので良しとする。


 しかし俺は見縊ってしまっていたのだ。好色家姉妹の妹たる、フラッタという美少女のことをっ……!


 魔物の接近を察知し、魔物との戦闘が始まる直前、フラッタに少し痛みを感じるくらいに唇を噛まれる。

 何かと思ってフラッタを見ると、フラッタの燃えるような赤い瞳が俺の見ている間にどんどんと変化し、まるでアメジストのような美しい紫色の瞳に変化していった。

 って、竜化っ!? これ絶対竜化だよね!? なに竜化してんだこのアホーーっ!!


 竜化した途端に強くなる吸い付き。激しくなる舌の動き。そして抱きつく力も強まり、どう考えても呪文詠唱を許してくれそうもない。

 いくらフラッタが小顔でも、腰まで伸ばしてある銀髪のせいもあって、キスしてたら視界はゼロだよっ! っていうか銀髪にも少し青みがかかっててめちゃくちゃ綺麗だなっ! 全体像見たいよぉっ!


 しがみ付いてキスするフラッタを片手で抱いて、視界はゼロで動きにも制限を受けたままで、右手のロングソードで魔物を殺し続けていく。

 魔物察知の情報も極限まで詳細に手繰り寄せて、スキルだけで魔物の動作まで把握して、竜化フラッタを抱きしめたままで剣舞を披露し、魔物を殺していく。

 竜化フラッタも獣化ニーナお姉ちゃんと同じで、魔力枯渇が起きても絶対放してくれないだろうから、せめて魔力枯渇が起きる前に魔物を全部殺しておかないとっ……!


 段々フラッタの息が荒くなる。白い肌に脂汗が滲んでいる。魔力枯渇の兆候が出始めているけど、やはりフラッタは絶対に俺を解放する気はなさそうだ。

 可能な限りフラッタに伝える振動を抑える。無駄な動きを極力排し、加速と停止を可能な限り滑らかにして、流れるように動作と動作を繋いでいく。

 慣性に逆らわず、出来るだけ反動を殺し、全ての動きを連動させて剣閃を走らせる。


 獣化と比べて竜化の消費が激しいというのは本当らしく、竜珠の護りに魔力消費軽減+スキルがついているのに、ニーナの獣化よりも全然短い時間で竜化が解けてしまった。

 魔力枯渇で死にそうなくらい苦しいくせに、それでもキスをやめないフラッタのために、全力で全ての魔物を狩りとった。


 戦闘が終わって生体察知で確認すると、ドロップアイテムの回収はニーナも参加していた。どうやらニーナも動けるくらいには回復してくれたみたいだ。

 フラッタを先ほどまでニーナが寝ていた場所に寝かせ、静かに口を放した。


「ダン~……。大好きぃ……。大好きなのじゃぁ……」

「俺も大好きだよ、このアホフラッタ。いきなり何てことするんだよまったく」


 叱り飛ばしてやりたいけど、青い顔をしながらも大好きと言ってくれるフラッタを叱ることなんて俺には出来ないよ。まったく、これだからフラッタはぁ……。


「大好きなフラッタに無理されるのは少し辛いよ。ニーナお姉ちゃんと一緒にゆっくり休んでてね」


 よしよしなでなでしながら、フラッタの額に口付けする。

 アイテムを回収し終えたニーナが戻ってきたら、フラッタのよしよしなでなでを交代してもらう。


 魔物が訪れる前に最後まで待たせてしまったリーチェをお姫様抱っこする。

 全身に伝わる、むにゅううっとしながらも反発力の強い極上の感触。こいつほんと抱き心地良過ぎるわぁ。


「なんかダンって、えっちなことをするほど強くなっていくから、戦場で変なこと始められても怒りにくいんだよねぇ……」


 戦場でエロいこと始めるのは、大体みんなが発端じゃないかなぁ? 俺は割と止める立場じゃないですかねぇ?

 すぐ流されて受け入れて、誰よりも全力で楽しんでるのは否定しませんけどぉ。


 リーチェのほんのり甘い唾液を味わいながら、先ほどフラッタとキスをしながら掴んだ感覚をおさらいしていく。舌の感触の話ではありません。
 
 無駄な動きを一切排除し、流れるように自然な動きで動作全てを繋いでいく。

 無駄な動きが少しでもあると、リーチェのド迫力生意気おっぱいが大きくぶるんっと揺れてくれるので、失敗判定が分かりやすい。魔物が近くにいない時にわざとゆっさゆっさ揺らしてしまったけれど悪気はないんだ。エロ気しかない。

 リーチェには竜化も獣化もないので攻撃魔法は解禁されているんだけど、せっかくの機会なので剣の訓練を続けていく。

 決してリーチェとのキスを長引かせるのが目的では……、いやそれも目当てだったかもしれない。


 リーチェの高反発で生意気な感触を堪能しながら、仄かに甘い唾液に脳を痺れさせながらも、一方ではスキルで得られた情報を詳細に解析し、数秒先まで視野に入れてリーチェのおっぱいを揺らさないように剣を振るう。

 そして近くに魔物がいなくなる度に、ゆっさゆっさぶるんぶるんを楽しんで、また魔物と対峙する。


 そうして全ての魔物を殺しきった頃には、魔力枯渇も起こしてないくせにリーチェはぐったりしていた。


「攻撃魔法も剣術も、ダンほどの使い手はそうそういないよ……。ぼくたちを好きだって気持ちだけで、君はこんなに強くなってくれたんだねぇ……」

「みんなを好きだって気持ちと、みんなを好きにしたいって気持ちのおかげだな」


 お姫様抱っこしてキスしてただけなのにぐったりするほど気持ち良くなってくれたリーチェのエロボディに、好き放題したくて仕方ないんだよ。


「リーチェ。待たせて悪いけど、ちゃんとお前のことも余さず好き勝手にしてやるからね」


 そしてまたリーチェとキスをする。

 みんながドロップアイテムを回収してくれている中で、キスバトル……、いやバトルキス? ともかく突発的に始まったキス戦闘の終わりを惜しみながら、リーチェと互いの舌を吸い続けた。
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