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3章 回り始める物語1 スポットの奥で
156 好色家姉妹 (改)
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「ニーナぁっ! フラッタぁっ! 紳商の浸透が終わったよぉっ!」
ウッキウキで2人に声をかけてしまう。
事前に確認はしてあるから、問答無用で好色家にしてもいいんだけどさぁっ! やっぱり本人の意思で転職してもらわないとねぇっ!?
「あはははっ! ダン、ワクワクしすぎだからっ! そんなに私を好色家にしたかったの?」
勿論です! もうその為だけに魔物狩ってました! ぶっちゃけ精神異常耐性のスキルジュエルよりも優先順位高かったですっ!
「私は勿論好色家でいいけど、フラッタは別のじゃなくていいの?」
ノー! ニーナサン、ナンテコトイウノヨーッ!
2人を好色家にするためだけに、この3日間頑張ってきたのにぃぃぃぃっ!
「ダンが凄まじい形相で睨んでくるのが気になって仕方ないのじゃが、妾も好色家から艶福家に進むルートで構わないのじゃ」
イエス! フラッタ、よく言ってくれたぁぁぁぁっ!
ああ、世界が薔薇色に染まっていくようだ……。え、これって艶色って言うんですか?
「ダンはえっちなことしか考えておらぬようじゃが、短命種の妾には病気耐性が、自力移動しか出来ないニーナには持久力補正があるとありがたいのじゃ」
ななななな、なんて真面目な理由なんだよフラッタぁっ! 好色家の話なのに滅茶苦茶真面目な理由を語りやがってぇ!
これだから! これだからフラッタはぁっ!
「うん。じゃあ私もフラッタも問題ないから、転職させてくれる? フラッター。またお揃いだよーっ」
「うむっ。ニーナとお揃いは嬉しいのじゃーっ」
ちょちょちょっ! お揃いの好色家で喜ぶ美人姉妹ってぇっ……!
く、2人の間にエロス感は全くないのに、俺が勝手にエロく感じてしまうぅぅっ!
くそぅ! そんなことより職業設定だっ!
好色家LV1
補正 持久力上昇+ 持久力上昇 持久力上昇-
スキル 精力増進 病気耐性-
ニーナとフラッタ、間違いなく好色家だぁぁぁぁっ!
16歳のお姉ちゃんと13歳の妹の好色家姉妹って何っ!? エロすぎない!?
うおおおおっ! 間もなく18日目が終わるけど、19日目までは探索期間だ!
20日目を迎えるまでに、2人とも浸透させてやるからなぁぁぁぁぁぁっ!
遠征19日目。修羅となった俺は、延々と魔物を狩り続ける。
全てはニーナとフラッタの為。全ては2人の好色家を浸透させる為。
あわよくば2人とも艶福家にして、20日目を迎えるんだぁぁぁっ!
なーんて意気込んでたら、攻撃魔法士LV40で新たな魔法を覚えたようだ。
「青き災害。秘色の脅威。白群の恐怖。碧落より招くは氷塊。汝、乱れ穿つ者よ。ヘイルストーム」
俺の背後に背丈ほどの魔法陣が浮き上がり、そこから雹の弾丸が扇状の範囲に高速射出される。
雹のマシンガンで超広範囲を滅多撃ちにするヘイルストームは、瞬間火力の低めな氷魔法にしては範囲、威力ともに凄まじすぎる。
もう目の前の魔物、穴だらけになっちゃってるし……。HPを一瞬で削りきって、ドロップアイテムに変化する前に穴だらけにされちゃってるよぅ。
そして何がやばいって、これ1度発動させてしまえば別の魔法と併用することも出来そうなんだよぅ。
いやほんと、パーティメンバーには攻撃魔法の影響が無い世界で良かったよ……。同士討ちありの世界だったら、危なすぎて使えないってば、こんなの……。
そしてあっさりとLV50で浸透してくれる攻撃魔法士。新たな上級職が現れたから、間違いなく浸透してくれたはずだ。
魔導師LV1
補正 魔力上昇+ 魔力上昇 魔法攻撃力上昇+ 魔法攻撃力上昇
スキル 上級攻撃魔法 詠唱速度上昇
ほ、補正が一点特化すぎる……!
そして詠唱短縮じゃなくて、速度上昇かぁ。残念。詠唱短縮はスキルジュエルで付与するしかなかったりして?
さてどうするかな。これって魔法使い系の上位職だし、恐らくLV100まであるよなぁ。
でもまぁ他の2つが侠客と狩人で物理寄りだし、このまま魔導師を上げていくことにするかぁ。俺の戦闘スタイルにはかなり恩恵の大きい補正とスキルだしね。
なんて転職してみたものの、上級攻撃魔法はLV1から使用することは出来ないのかぁ。これまた残念だ。
そして次も俺の浸透が終わって、狩人がLV50に到達。
生体察知はレベルアップと共に効果範囲が拡張し、最終的な効果範囲は300メートルくらいまで広がった気がするね。
そして狩人を浸透させたことで新たに出現した上位職はこれだった。
斥候LV1
補正 体力上昇 魔力上昇 持久力上昇+ 敏捷性上昇+
身体操作性上昇+ 幸運上昇 装備品強度上昇
スキル 魔物察知
狩人の上位職が斥候って、違和感があるなぁ……。
でも補正もスキルも完全に狩人の発展系だ。細かいこと気にせず上げときましょうかねぇ。
そして次に浸透が終わったのも俺だ。
もう! ちょっとは自重しろよ俺っ! ありがたいんだけどさぁっ!
侠客がLV50になって、現れた職業は……、これ職業か? いや今更か。
英雄LV1
補正 物理攻撃力上昇+ 物理防御力上昇+ 体力上昇+ 魔力上昇+
持久力上昇+ 敏捷性上昇+ 幸運上昇+ 五感上昇+
身体操作性上昇+ 装備品強度上昇+
スキル 鼓舞
補正が凄まじいけど、個人で完結してる感じだなぁ。
かなり強力な職業だから直ぐにでも育成したいけど、これってLV100までありそうだ。別のから上げようかな?
荷運び人LV1
補正 持久力上昇+
スキル インベントリ 所持アイテム重量軽減+
ということで荷運び人を上げてきましょうかね。
……なんか俺、いっつも持久力上げてるな?
ティムルの付与術士は現在LV22。全然上がらない。俺も苦労したもんなぁ。
ニーナとフラッタの紳商も大分時間がかかったし、LV100の職業をばんばん浸透させてる俺がアホなんだろうなぁ。
だけど、だけどようやくこの瞬間が訪れましたよぉぉぉぉっ! ニーナとフラッタ、2人同時に好色家がLV30に到達しましたーーーっ!
くっ……! もう、問答無用で艶福家にしてやりたいけどそういうワケにもいかないか……! ちゃんと2人の意思で、艶福家になってもらわなきゃねぇぇぇぇっ!
「ニーナぁ! フラッタぁ! おめでとう! 2人とも、好色家の浸透終わったよぉぉっ!」
あまりに嬉しくて、ついつい2人を抱きしめてしまう。ぎゅー。よしよしなでなで。
「あははっ。ダンったら、どれだけ楽しみにしてるの? あんなにいっぱいしてるのに、まだし足りないの?」
全然足りてます! 足りてますけどもっともっとしたいんですぅ!
「まったく、ダンはえっちに一直線すぎるのじゃ。それで? 妾達は艶福家になれば良いのかのぅ?」
さっすがフラッタ! 分かってるぅ!
そうそう! 2人とも艶福家になって、エロエロでドロドロの日々を過ごそうよぉっ!
「いいよぉダン。私もフラッタも艶福家にしちゃって? だから、帰ったらいーっぱい相手してね?」
あったりまえじゃん! もう帰る前からいっぱい相手してもらいたいくらいだよぉっ!
まぁまずは職業設定で、2人を艶福家にしてあげないとねーっ! 艶福家、艶福家っと。
……あ、あれ?
え、艶福家大先生が、見当たらないぞぉ~?
ちょちょちょ、先生ってば隠れてないで出ておいでってば。ここは1秒でも無駄にせずに、一瞬でも早く浸透を始めるべき場面ですよー……?
ニーナの職業設定にもフラッタの職業設定にも、何度探しても艶福家の文字が見つからないぞぉ……?
「え、ええええええええっ!?」
「きゃっ!?」
「うわわわっ!? なんじゃ!? なんなのじゃぁっ!?」
想定外の事態に、思わずニーナとフラッタと抱きしめたまま叫び声を上げてしまった。近距離で突然叫ばれた2人も俺の声に驚きの声をあげてしまう。
ウッソだろおい!? なんで艶福家が2人には無いの!?
好色家を得たのはニーナとティムルも同じタイミングだった……。とするならば、艶福家だって俺と同じ条件で得ていてもおかしくないはずだろ……!?
なんでだ!? なんで2人は艶福家を得られていないんだっっっ!?!?!?
「ちょっと落ち着きなさいよダン。いったいどうしたの?」
「無いんだっ! 無いんだよティムルぅ! ニーナとフラッタに、艶福家が出てないんだぁ!」
「「「「……えっ?」」」」
なんでみんな、何言ってんだこいつ、みたいな顔してるんだよぉっ!
艶福家だよっ!? あの超チート職業だよっ!? 主にエロい方面でだけどっ!
好色家は得られてるのに、なんで艶福家は得られないのさっ!
こんなの何かの間違いだ! バグだバグ! 不具合に決まってる! 詫び石寄越せぇっ!
「お、落ち着いてダン。私とフラッタ、好色家はちゃんと浸透してるの?」
「浸透してるはずだよぉ。俺と同じレベルなんだもん。なのになんでか、2人には艶福家が出てないんだよぉ……」
嘘だろぉ……? こんなことってないよぉ……。勿論好色家先生を蔑ろにする気はないけどさぁ。
これは、これはあんまりだよぉ……!
「うおおっ!? ダンよっ、ガチ泣きするでないっ! おぬし、妾たちとどれだけえっちなことがしたかったのじゃっ!?」
「えぇ? そんなの決まってるよぉ。みんな持久補正もめちゃくちゃついてるんだから、数日間寝室にこもりっぱなしで、ずーっとずーっと、エロいことだけして過ごすつもりだったんだよぉ……。それなのに、これは酷すぎるでしょおぉぉ?」
俺、ずっと神様には感謝してたけど、今この瞬間から神を呪ってしまいそうだよぉ。
「え、ええ……。ひと晩とか半日でも死にそうなのに、五感上昇をつけられて、数日間ずっと……? だ、ダメだよダンっ! 死んじゃう! ぼく、絶対に死んじゃうよぅ……!」
ダメと言いながらもモジモジしてるリーチェとも、エロエロで爛れた数日間を送りたかったのにぃぃぃ。
「んー? 好色家を得たのは同じタイミングなのに、ダンは艶福家を得られて、ニーナちゃんとフラッタちゃんは得られていない? 2人が得られていないとすると、私もリーチェも艶福家にはなれない可能性が高いわねぇ……」
1人冷静なティムルとも、溶け合うくらいに濃密な時間を過ごしたかったのにぃぃぃ。
「私たちとダンの違い? 回数? いや、それはないわね。艶福家って、確か異性にモテる人のこと、を……」
「へ……? ティルム、何か分かったのぉ……?」
何か思い当たったらしいティムルは、ぷるぷると震えながら目を大きく見開いている。
「あーーーーっ! もしかして、そういうことーっ!?」
ちょちょちょ! 大声出しすぎ! 魔物集まってきたからぁっ!
クッソお前らぁ! 今お前らに構ってる暇ないんだよぉ! ヘイルストームでも食らってろぉっ!
「ティティ、ティムルっ! なにか、何か分かったのっ!?」
「ダンっ! 艶福家って、女にモテる男性のことを言うのよっ。でも今回の話は職業だから、多分性別は関係ないと思うのっ」
「うんうん」
「多分だけどね? 艶福家って、複数の異性と心から愛し合うことが条件だと思うのっ。つまり、私たちが艶福家を得ることは、多分無理なんじゃないかしら……?」
複数の異性と、心から……? 複数の異性、異性と……? それってつまり……。
「あーっ! それは結構納得いっちゃうかもっ。確かに艶福家、あまりにも強力すぎると思ったんだよっ! 1つのグループで1人にしかなれないと考えるなら、まだ納得がいくよっ」
確かに、リーチェの言う通り、強力すぎるとは思ったよ?
でも、1つのグループでは、1人しか、なれ、ない……?
「なるほどのぅ。だからこその凄まじい全体補正の嵐じゃったか。妾たちがダン以外の男を愛するなんて無理なのじゃ。ダンよ、諦めるが良いのじゃ」
フラッタ、それって愛の告白すぎるからね?
ええ、でも艶福家を諦め、えええ……。
って、ああもうウザイなぁ! もう1回ヘイルストーム食らっとけ!
「あははははっ! ダンってばがっかりしすぎだよぉ。そんなダンの気持ちは嬉しいけど、ダンってば1つ忘れてないかなぁ?」
え、なになにニーナ? 俺って何を忘れてるの?
「艶福家にはなれなくても、私とフラッタ、好色家を浸透させたんだよ? ねぇダン。私とフラッタ、前よりずぅっと、えっちな体になっちゃったんだよぉ……?」
はっ!? た、確かに、艶福家にはなれなくても、前回のご休憩日よりも、ニーナもフラッタも格段にエロくなっている!?
ななな、なんってことだぁぁぁぁっ!
俺はいったい何を落ち込んでいたというのだっ! 馬鹿じゃないのか!? いやもう普通にずっと馬鹿な話しかしてないけどぉっ!
2人とも間違いなく好色家は浸透しているんだっ。精力増進が女性にどんな効果を齎すのか、2人の体を徹底的に調査しなければいけないじゃないかぁぁっ!
うおおおお待ちきれない! 待ちきれないよぉ!
ちょっとそこの魔物さんや。俺の欲求不満解消に付き合ってくれんかね? なぁに、ちょっとだけ俺に殺されてくれればいいんだよ。
誰にでも出来る仕事です。だから怖がらないで、ね?
「さ、流石ニーナちゃんね……。泣いてたダンがもう暴れてるわ……」
「なんだか最深部から出るほうが身の危険を感じるのぅ……」
「あーもうっ、ぼくも好色家をあげたいよぅ! 1度フォアーク神殿、行ってみようかなぁ……?」
くっそ、ヘイルストームは超優秀な攻撃魔法だけど、優秀すぎて八つ当たりに向いてない! 高威力広範囲で、魔物を一気に殲滅しすぎてしまう!
くっそ、こんな時こそ魔物察知だ! こっちから出向いて全部殺してやるぅ!
ウッキウキで2人に声をかけてしまう。
事前に確認はしてあるから、問答無用で好色家にしてもいいんだけどさぁっ! やっぱり本人の意思で転職してもらわないとねぇっ!?
「あはははっ! ダン、ワクワクしすぎだからっ! そんなに私を好色家にしたかったの?」
勿論です! もうその為だけに魔物狩ってました! ぶっちゃけ精神異常耐性のスキルジュエルよりも優先順位高かったですっ!
「私は勿論好色家でいいけど、フラッタは別のじゃなくていいの?」
ノー! ニーナサン、ナンテコトイウノヨーッ!
2人を好色家にするためだけに、この3日間頑張ってきたのにぃぃぃぃっ!
「ダンが凄まじい形相で睨んでくるのが気になって仕方ないのじゃが、妾も好色家から艶福家に進むルートで構わないのじゃ」
イエス! フラッタ、よく言ってくれたぁぁぁぁっ!
ああ、世界が薔薇色に染まっていくようだ……。え、これって艶色って言うんですか?
「ダンはえっちなことしか考えておらぬようじゃが、短命種の妾には病気耐性が、自力移動しか出来ないニーナには持久力補正があるとありがたいのじゃ」
ななななな、なんて真面目な理由なんだよフラッタぁっ! 好色家の話なのに滅茶苦茶真面目な理由を語りやがってぇ!
これだから! これだからフラッタはぁっ!
「うん。じゃあ私もフラッタも問題ないから、転職させてくれる? フラッター。またお揃いだよーっ」
「うむっ。ニーナとお揃いは嬉しいのじゃーっ」
ちょちょちょっ! お揃いの好色家で喜ぶ美人姉妹ってぇっ……!
く、2人の間にエロス感は全くないのに、俺が勝手にエロく感じてしまうぅぅっ!
くそぅ! そんなことより職業設定だっ!
好色家LV1
補正 持久力上昇+ 持久力上昇 持久力上昇-
スキル 精力増進 病気耐性-
ニーナとフラッタ、間違いなく好色家だぁぁぁぁっ!
16歳のお姉ちゃんと13歳の妹の好色家姉妹って何っ!? エロすぎない!?
うおおおおっ! 間もなく18日目が終わるけど、19日目までは探索期間だ!
20日目を迎えるまでに、2人とも浸透させてやるからなぁぁぁぁぁぁっ!
遠征19日目。修羅となった俺は、延々と魔物を狩り続ける。
全てはニーナとフラッタの為。全ては2人の好色家を浸透させる為。
あわよくば2人とも艶福家にして、20日目を迎えるんだぁぁぁっ!
なーんて意気込んでたら、攻撃魔法士LV40で新たな魔法を覚えたようだ。
「青き災害。秘色の脅威。白群の恐怖。碧落より招くは氷塊。汝、乱れ穿つ者よ。ヘイルストーム」
俺の背後に背丈ほどの魔法陣が浮き上がり、そこから雹の弾丸が扇状の範囲に高速射出される。
雹のマシンガンで超広範囲を滅多撃ちにするヘイルストームは、瞬間火力の低めな氷魔法にしては範囲、威力ともに凄まじすぎる。
もう目の前の魔物、穴だらけになっちゃってるし……。HPを一瞬で削りきって、ドロップアイテムに変化する前に穴だらけにされちゃってるよぅ。
そして何がやばいって、これ1度発動させてしまえば別の魔法と併用することも出来そうなんだよぅ。
いやほんと、パーティメンバーには攻撃魔法の影響が無い世界で良かったよ……。同士討ちありの世界だったら、危なすぎて使えないってば、こんなの……。
そしてあっさりとLV50で浸透してくれる攻撃魔法士。新たな上級職が現れたから、間違いなく浸透してくれたはずだ。
魔導師LV1
補正 魔力上昇+ 魔力上昇 魔法攻撃力上昇+ 魔法攻撃力上昇
スキル 上級攻撃魔法 詠唱速度上昇
ほ、補正が一点特化すぎる……!
そして詠唱短縮じゃなくて、速度上昇かぁ。残念。詠唱短縮はスキルジュエルで付与するしかなかったりして?
さてどうするかな。これって魔法使い系の上位職だし、恐らくLV100まであるよなぁ。
でもまぁ他の2つが侠客と狩人で物理寄りだし、このまま魔導師を上げていくことにするかぁ。俺の戦闘スタイルにはかなり恩恵の大きい補正とスキルだしね。
なんて転職してみたものの、上級攻撃魔法はLV1から使用することは出来ないのかぁ。これまた残念だ。
そして次も俺の浸透が終わって、狩人がLV50に到達。
生体察知はレベルアップと共に効果範囲が拡張し、最終的な効果範囲は300メートルくらいまで広がった気がするね。
そして狩人を浸透させたことで新たに出現した上位職はこれだった。
斥候LV1
補正 体力上昇 魔力上昇 持久力上昇+ 敏捷性上昇+
身体操作性上昇+ 幸運上昇 装備品強度上昇
スキル 魔物察知
狩人の上位職が斥候って、違和感があるなぁ……。
でも補正もスキルも完全に狩人の発展系だ。細かいこと気にせず上げときましょうかねぇ。
そして次に浸透が終わったのも俺だ。
もう! ちょっとは自重しろよ俺っ! ありがたいんだけどさぁっ!
侠客がLV50になって、現れた職業は……、これ職業か? いや今更か。
英雄LV1
補正 物理攻撃力上昇+ 物理防御力上昇+ 体力上昇+ 魔力上昇+
持久力上昇+ 敏捷性上昇+ 幸運上昇+ 五感上昇+
身体操作性上昇+ 装備品強度上昇+
スキル 鼓舞
補正が凄まじいけど、個人で完結してる感じだなぁ。
かなり強力な職業だから直ぐにでも育成したいけど、これってLV100までありそうだ。別のから上げようかな?
荷運び人LV1
補正 持久力上昇+
スキル インベントリ 所持アイテム重量軽減+
ということで荷運び人を上げてきましょうかね。
……なんか俺、いっつも持久力上げてるな?
ティムルの付与術士は現在LV22。全然上がらない。俺も苦労したもんなぁ。
ニーナとフラッタの紳商も大分時間がかかったし、LV100の職業をばんばん浸透させてる俺がアホなんだろうなぁ。
だけど、だけどようやくこの瞬間が訪れましたよぉぉぉぉっ! ニーナとフラッタ、2人同時に好色家がLV30に到達しましたーーーっ!
くっ……! もう、問答無用で艶福家にしてやりたいけどそういうワケにもいかないか……! ちゃんと2人の意思で、艶福家になってもらわなきゃねぇぇぇぇっ!
「ニーナぁ! フラッタぁ! おめでとう! 2人とも、好色家の浸透終わったよぉぉっ!」
あまりに嬉しくて、ついつい2人を抱きしめてしまう。ぎゅー。よしよしなでなで。
「あははっ。ダンったら、どれだけ楽しみにしてるの? あんなにいっぱいしてるのに、まだし足りないの?」
全然足りてます! 足りてますけどもっともっとしたいんですぅ!
「まったく、ダンはえっちに一直線すぎるのじゃ。それで? 妾達は艶福家になれば良いのかのぅ?」
さっすがフラッタ! 分かってるぅ!
そうそう! 2人とも艶福家になって、エロエロでドロドロの日々を過ごそうよぉっ!
「いいよぉダン。私もフラッタも艶福家にしちゃって? だから、帰ったらいーっぱい相手してね?」
あったりまえじゃん! もう帰る前からいっぱい相手してもらいたいくらいだよぉっ!
まぁまずは職業設定で、2人を艶福家にしてあげないとねーっ! 艶福家、艶福家っと。
……あ、あれ?
え、艶福家大先生が、見当たらないぞぉ~?
ちょちょちょ、先生ってば隠れてないで出ておいでってば。ここは1秒でも無駄にせずに、一瞬でも早く浸透を始めるべき場面ですよー……?
ニーナの職業設定にもフラッタの職業設定にも、何度探しても艶福家の文字が見つからないぞぉ……?
「え、ええええええええっ!?」
「きゃっ!?」
「うわわわっ!? なんじゃ!? なんなのじゃぁっ!?」
想定外の事態に、思わずニーナとフラッタと抱きしめたまま叫び声を上げてしまった。近距離で突然叫ばれた2人も俺の声に驚きの声をあげてしまう。
ウッソだろおい!? なんで艶福家が2人には無いの!?
好色家を得たのはニーナとティムルも同じタイミングだった……。とするならば、艶福家だって俺と同じ条件で得ていてもおかしくないはずだろ……!?
なんでだ!? なんで2人は艶福家を得られていないんだっっっ!?!?!?
「ちょっと落ち着きなさいよダン。いったいどうしたの?」
「無いんだっ! 無いんだよティムルぅ! ニーナとフラッタに、艶福家が出てないんだぁ!」
「「「「……えっ?」」」」
なんでみんな、何言ってんだこいつ、みたいな顔してるんだよぉっ!
艶福家だよっ!? あの超チート職業だよっ!? 主にエロい方面でだけどっ!
好色家は得られてるのに、なんで艶福家は得られないのさっ!
こんなの何かの間違いだ! バグだバグ! 不具合に決まってる! 詫び石寄越せぇっ!
「お、落ち着いてダン。私とフラッタ、好色家はちゃんと浸透してるの?」
「浸透してるはずだよぉ。俺と同じレベルなんだもん。なのになんでか、2人には艶福家が出てないんだよぉ……」
嘘だろぉ……? こんなことってないよぉ……。勿論好色家先生を蔑ろにする気はないけどさぁ。
これは、これはあんまりだよぉ……!
「うおおっ!? ダンよっ、ガチ泣きするでないっ! おぬし、妾たちとどれだけえっちなことがしたかったのじゃっ!?」
「えぇ? そんなの決まってるよぉ。みんな持久補正もめちゃくちゃついてるんだから、数日間寝室にこもりっぱなしで、ずーっとずーっと、エロいことだけして過ごすつもりだったんだよぉ……。それなのに、これは酷すぎるでしょおぉぉ?」
俺、ずっと神様には感謝してたけど、今この瞬間から神を呪ってしまいそうだよぉ。
「え、ええ……。ひと晩とか半日でも死にそうなのに、五感上昇をつけられて、数日間ずっと……? だ、ダメだよダンっ! 死んじゃう! ぼく、絶対に死んじゃうよぅ……!」
ダメと言いながらもモジモジしてるリーチェとも、エロエロで爛れた数日間を送りたかったのにぃぃぃ。
「んー? 好色家を得たのは同じタイミングなのに、ダンは艶福家を得られて、ニーナちゃんとフラッタちゃんは得られていない? 2人が得られていないとすると、私もリーチェも艶福家にはなれない可能性が高いわねぇ……」
1人冷静なティムルとも、溶け合うくらいに濃密な時間を過ごしたかったのにぃぃぃ。
「私たちとダンの違い? 回数? いや、それはないわね。艶福家って、確か異性にモテる人のこと、を……」
「へ……? ティルム、何か分かったのぉ……?」
何か思い当たったらしいティムルは、ぷるぷると震えながら目を大きく見開いている。
「あーーーーっ! もしかして、そういうことーっ!?」
ちょちょちょ! 大声出しすぎ! 魔物集まってきたからぁっ!
クッソお前らぁ! 今お前らに構ってる暇ないんだよぉ! ヘイルストームでも食らってろぉっ!
「ティティ、ティムルっ! なにか、何か分かったのっ!?」
「ダンっ! 艶福家って、女にモテる男性のことを言うのよっ。でも今回の話は職業だから、多分性別は関係ないと思うのっ」
「うんうん」
「多分だけどね? 艶福家って、複数の異性と心から愛し合うことが条件だと思うのっ。つまり、私たちが艶福家を得ることは、多分無理なんじゃないかしら……?」
複数の異性と、心から……? 複数の異性、異性と……? それってつまり……。
「あーっ! それは結構納得いっちゃうかもっ。確かに艶福家、あまりにも強力すぎると思ったんだよっ! 1つのグループで1人にしかなれないと考えるなら、まだ納得がいくよっ」
確かに、リーチェの言う通り、強力すぎるとは思ったよ?
でも、1つのグループでは、1人しか、なれ、ない……?
「なるほどのぅ。だからこその凄まじい全体補正の嵐じゃったか。妾たちがダン以外の男を愛するなんて無理なのじゃ。ダンよ、諦めるが良いのじゃ」
フラッタ、それって愛の告白すぎるからね?
ええ、でも艶福家を諦め、えええ……。
って、ああもうウザイなぁ! もう1回ヘイルストーム食らっとけ!
「あははははっ! ダンってばがっかりしすぎだよぉ。そんなダンの気持ちは嬉しいけど、ダンってば1つ忘れてないかなぁ?」
え、なになにニーナ? 俺って何を忘れてるの?
「艶福家にはなれなくても、私とフラッタ、好色家を浸透させたんだよ? ねぇダン。私とフラッタ、前よりずぅっと、えっちな体になっちゃったんだよぉ……?」
はっ!? た、確かに、艶福家にはなれなくても、前回のご休憩日よりも、ニーナもフラッタも格段にエロくなっている!?
ななな、なんってことだぁぁぁぁっ!
俺はいったい何を落ち込んでいたというのだっ! 馬鹿じゃないのか!? いやもう普通にずっと馬鹿な話しかしてないけどぉっ!
2人とも間違いなく好色家は浸透しているんだっ。精力増進が女性にどんな効果を齎すのか、2人の体を徹底的に調査しなければいけないじゃないかぁぁっ!
うおおおお待ちきれない! 待ちきれないよぉ!
ちょっとそこの魔物さんや。俺の欲求不満解消に付き合ってくれんかね? なぁに、ちょっとだけ俺に殺されてくれればいいんだよ。
誰にでも出来る仕事です。だから怖がらないで、ね?
「さ、流石ニーナちゃんね……。泣いてたダンがもう暴れてるわ……」
「なんだか最深部から出るほうが身の危険を感じるのぅ……」
「あーもうっ、ぼくも好色家をあげたいよぅ! 1度フォアーク神殿、行ってみようかなぁ……?」
くっそ、ヘイルストームは超優秀な攻撃魔法だけど、優秀すぎて八つ当たりに向いてない! 高威力広範囲で、魔物を一気に殲滅しすぎてしまう!
くっそ、こんな時こそ魔物察知だ! こっちから出向いて全部殺してやるぅ!
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