異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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3章 回り始める物語1 スポットの奥で

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 スポットでニーナたちと合流した俺は、子供たちと別れて年内最後の遠征を始めた。


 遠征1日目。

 今回はとにかく、スポットの最深部になるべく早く到着することを目指す。

 普段よりも出発が遅かったしね。俺のせいで。いや俺のせいではないか。いややっぱり俺のせいか?


 前回同様にニーナはずっと走り続けているけれど、今回は俺たちもニーナに合わせて走り続ける。

 今回の遠征ではニーナの移動速度よりも足が遅い魔物は全部無視して、移動を最優先する。

 前回の遠征の復路はほぼ7日間、1週間で中心からスポットの出口にいけたので、今回も1週間で最深部まで辿り着くのが目標だ。



 遠征2日目。

 全員持久力補正も上がってきているので、殆ど休憩も取らずに移動している。


 牽引する魔物が増えすぎたらフレイムフィールドで一掃し、他の魔物狩りの迷惑にならないようにだけ気をつけながら移動し続ける。

 魔物との戦闘は普段より少なめだけれど、俺の浸透はそれでもガンガン進んでいる。現在付与術士はLV27。アイテム職人はLV18。やっぱりアイテム職人の方が浸透速度が早いようだ。


 ここで魔玉が光ったけど、もういちいち1回ずつカウントはしない。最終日に発光魔玉の数を確認して終わりにすることにした。キリがないもん。



 遠征3日目。

 戦闘が少ないので特に何も起こらない。淡々と魔物を処理し、どんどん奥に進んでいくだけだ。


 どうしてみんなこんなに急いでいるかと言えば、最深部手前の緩衝地帯で少しでも長く休憩時間を取る為である。

 俺もエロいけどみんなもエロいのだ。エロに対して我が家の家族の想いはいつだって1つだ。


 前回でスポットの中でもエロいことが可能だと分かって、もうスポットだろうがなんだろうが関係ないんだよぉっ! という空気になってしまった。

 最深部に到着するのが楽しみで仕方ないねっ。



 遠征4日目。

 明らかに前回より早いペースだ。みんなのエロへの高いモチベーションが、かなりの高速移動を実現している。

 みんながエロに積極的でほんと困っちゃうなぁっ。


 現在ティムルの武器職人がLV43。俺の付与術士がLV42。アイテム職人がLV40。移動を優先している割に、結構浸透が進んでいるなぁ。

 このペースだとティムルの武器職人よりも、俺の職業2つが浸透するほうが早そうだ。

 
 アイテム職人がLV40になったことで、恐らくはレシピ開放は終わったはず。

 戦いながらもどんなマジックアイテムがあるか、どのマジックアイテムなら作れるかを確認して、休憩中にみんなと相談して少しずつマジックアイテムを作成していく。


「聖賢。創造。発明。合成。千切れし欠片を束ねて契れ。顕現。エアコントローラー」


 スキルを詠唱して出てきたのが魔玉燃料の暖房器具だから笑えるわ。


 でもマジックアイテムだけあって温風を出して暖を取るわけではなく、空調操作の名に恥じない性能を持っている。

 なんと室内の温度を魔力で操作して、一定温度に保ってくれるらしい。

 冬でも夏でも使えるし、火を使わないので安全。1室に1つあれば部屋全体の温度が安定する。現代日本よりもハイテクだ。

 食堂、寝室、脱衣所、浴室用にまずは4つかな。客室には必要に応じて用意しよう。


 そしてドライヤーは無かったけれど、特定の対象物を除去する事の出来るリムーバーというマジックアイテムで、髪の余分な水分だったり体中の汚れだったりを除去することができそうだ。

 本来は食材の毒抜きなどに使われるマジックアイテムらしく、貴族なんかは毎食全部の料理に有毒な物質の除去を指定してリムーバーを使用しているらしい。

 魔玉燃料のマジックアイテムをお風呂用品として使うなんて馬鹿げてるんだろうが、我が家ではエロ以上に優先することなどなにも無い。積極的に活用していこう。


 そして付与術士の魔力大補正のおかげか、マジックアイテムを生産しても魔力枯渇の兆候が出ない。素晴らしいね。


 そしてアイテム職人がLV40になったことで、俺のインベントリ合計LVが270に到達した。

 27㎥のインベントリこーいっ! と意気込んだんだけど、そもそも浸透しないとダメなのを忘れていた。がっかり。



 遠征5日目。

 魔物も強くなってきてるんだけど、最深部での戦いを経験した俺たちにとっては温すぎる。

 温すぎるけど浸透は進み、まずは付与術士を抜き去ってアイテム職人が浸透した。


 お、おお、おおおおおっ!

 い、インベントリ、27㎥のインベントリが、ついに手に入ったぞぉっ!


 思えばマグエルに着く直前、ニーナの旅人レベルが11を迎えた時に、インベントリの仕様にがっかりしたんだよなぁ。

 アレから約半年。俺はとうとう27㎥のインベントリを手中に納めたんだぁっ!


 しかしこの日の衝撃はこれだけでは終わらなかった。



 複業家LV1
 補正 取得経験値上昇
 スキル 経験値自動取得


 
 なん、だと……!? なんだこの、経験値稼ぎに特化した職業は!?

 大体複業家ってなんだよ……? それを言うなら副業じゃないのぉ?


 なんにしても、アイテム職人の上位職でこれが出てきたとは考えにくい。むしろ好事家の上位職と言われたほうが……、って待てよ?


 えっと、村人、戦士、旅人、商人、行商人、剣士、短剣使い、武道家、職人、魔法使い、で10個。

 好事家、武器職人、兵士、防具職人、豪商、槍手、僧兵、宝飾職人、射手、アイテム職人、で20個、か。

 
 なるほど。職業浸透数20個で出るのが複業家というわけか……。

 もしかしたら好事家の浸透も前提条件に含まれてるかもしれないけど。


 なんにしても、こんなの浸透させないという選択肢はないよねっ! 好色家をLV21にして、複業家の浸透を開始する。



 遠征6日目。

 複業家にしたおかげか、付与術士のレベリングが捗る捗る。

 だけどここでも問題発生してしまう。


 なんと付与術士、LV51になっちゃったのだ……。


 付与術士の補正はかなり優秀だからこのまま浸透を進めるのは良いんだけど、これってちゃんと浸透するんだろうか?

 まずLV100を目指して、101を越えてくるようなら一旦転職かなぁ。


 レベル上限の無い職業の可能性は否定出来ない。もしも浸透しない職業だったら、スキルを付与したい時や、最深部でスキルジュエルを稼ぎたい時だけ設定する感じで運用していくしかないね。


 そして6日目の深夜に、漆黒の壁まで到達することが出来た。

 俺とみんなのエロへの情熱で、前回よりも更に1日早く到達してしまったことに笑いを禁じえない。


「予定より早く着いちゃったから、7日目と明日は丸1日お休みにしてしっかり体調を整えよう」

「そうですねぇ。見張り1人、休息2人、ご主人様担当を1人で回しましょうか」


 俺担当ってなに!? いや大体想像できてるけどぉっ!


「流石に明日の夜にはご主人様にも休んでもらわないといけませんから、今から4交代で1人ずつたっぷり相手してもらいましょうか」


 ちょっと待ってティムル! 今から丸1日かけて、4人を1人ずつ、たっぷりですとぉっ!?


「スポット最深部では休憩も満足に取れぬからのぅ。2、3日ごとにここに戻ってきて、長めの休憩を挟むべきなのじゃ」


 2、3日ごとに、長めのご休憩だとぉっ!?

 いや待て、フラッタのは違ったわ。


「3日間戦って1日休憩を挟めば、日程的にも悪くないね。今回は慌ただしい出発だった分、ここで取り立てておきたいところだねぇ?」


 リーチェ! フラッタはそういう意味で言ってないからね!?

 確かに俺もそういう意味に聞こえたけどさぁっ!


「ほらご主人様っ! 急いで衝立を立てて好色家をセットしてくださいっ! 1秒だって無駄に出来ないんですからっ」


 ぱんぱんっ、と手を叩いて俺を急かすニーナ。


 なんでスポットに来るとみんなこんなに積極的になるのかなぁっ!? みんなが積極的なことに文句なんかなにもないけどぉっ!

 リュックから衝立を取り出す俺の耳元に、ニーナの囁き声が届く。


「一瞬でも早く、1秒でも長くダンと繋がりたいの。最初は私だから、いっぱい愛して欲しいなぁ……」


 リーチェとの訓練よりも集中し、積み重なった敏捷性補正と身体操作性補正をフルでフルにフル動員し、一瞬で衝立の設置を終わらせた。
 
 その間にティムルが衝立の中に、絨毯とクッションを敷いてくれた。


 っておいいいっ!? なにこのめっちゃ無駄な荷物はぁぁぁっ!?


「ダンがムーリといちゃついてる間に話し合ったのよ。今回は恐らくここですることになるだろうから、せめてなにか敷く物は欲しいよねって」


 確かにねっ! 欲しいよね敷く物はっ!

 じゃないってばぁっ! もう! ありがとうございますぅ!


 1人目のはお相手はニーナで、ティムルとフラッタはお休み。リーチェが見張りだ。

 ……ってティムルとフラッタ、ここで寝るのっ!?


「情事など最早妾たちにとっては日常じゃからの。少しでもダンの近くで休みたいのじゃ。……ダメ、かのぅ?」


 ダメじゃないですっ! なんっにもダメじゃないからっ!

 ただちょーっとだけ騒がしくなっちゃうと思うんだよねぇっ!?


「ぼくが風に頼んで衝立の外には音を漏らさないようにしてるから、ダンは安心してみんなを愛してくれればいいんだよ。みんなに聞かれるのは気にしないけど、他の人に聞かれたくないし」


 なんでリーチェはエロ方面にそんなに有能なんだよぉっ! もう何も問題なく、全力でみんなを愛せるじゃないかぁっ!


 ギネス記録が狙えそうな早脱ぎで裸になって、同じ速度でニーナを裸にひん剥いた。

 両手を広げて迎えてくれるニーナに正面から抱きついて、ニーナの体を堪能する。


 キスをしながら繋がって、お互い抱きしめあって愛を確かめる。
 
 色々な方法でニーナを愛したいとは思うけれど、やっぱり正面から触れ合うのが1番好きだ。

 今回は慌ただしく出発しちゃったから、お互いに少し消化不良だったよね。スポットの中で不謹慎だと思わなくもないけど、まずは2人で1日分を取り返そう。


 お互い相手が好きなだけの衝動に任せた、快楽も好意も二の次の、ただ相手と触れ合っていたい、抱き合っていたいという想いだけで肌を重ねる。

 なんだかマグエルに来る前を思い出すな。今では家族も増えたけど、あの頃俺たちはお互いだけで完結していて、お互いだけが全てだったから。


 体中で繋がって、体中で触れ合って、くっ付いているのが自然で、離れたらもう生きていけない。

 ニーナの1番奥に愛を放つ度に、俺とニーナの境界線が曖昧になるような錯覚を覚える。

 ニーナと1つに溶け合えることが凄く嬉しくて、とても安心する。


 頭の中をニーナだけでいっぱいにして、なにも考えずにひたすら抱き合い、舌を絡め、愛を注ぎ続けた。

 激しさも快楽も必要ない。俺たちには、お互いさえいればそれだけでいいんだ。


「あは。なんだかマグエルに来る前を思い出しちゃった。あの頃と比べて、お互い随分えっちになっちゃったね?」


 1番奥まで繋がったままで、ニーナが笑いかけてくる。


「ニーナも思った? 俺もあの頃を思い出してたよ。俺がえっちなのは元々だけどね」


 舌を絡めても、脇の下を吸っても乳首を噛んでも、体中のあらゆる所に舌と手を這わせても反応を返してくれるニーナが可愛すぎて、ついついずっと続けたくなるんだよ。


 1番奥をぐりぐりと撫でると、嬉しそうに震えるニーナが可愛い。

 そのまま愛を注ぎ込まれて、気持ち良さそうに仰け反るニーナが愛しい。


「大好き。大好きだよニーナ。こんなに大好きなニーナの呪い、年内に解けなくてごめんね? 早く呪いを解いて、大好きなニーナと夫婦になりたいよぉ」

「私もダンが大好きだよ。このまま一生呪いが解けなくても幸せなくらい、ダンが大好きなのっ」


 愛しくて愛しくて堪らなくて、もう抱きしめずにはいられないみたいな表情を浮かべながら、両手両足でぎゅーっと俺にしがみ付いてくるニーナ。


「でも大好きなダンのお嫁さんになったら、今よりもっと幸せになれるんだよね? だから楽しみっ。今でも信じられないくらい幸せなのに、その先があるなんて信じられないのっ」


 呪われたままの今でも再考に幸せなのに、これ以上の幸せがあるなんて俺も信じられないよ。

 でも呪いが俺達の邪魔をしているのは間違いないから、こんな呪いは絶対に解呪してやるからね?


 隙間ほども離れたくないとお互いを強く抱きしめあったまま、ただニーナの中を愛で満たし続けるのだった。
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