異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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2章 強さを求めて2 新たに2人

097 キスの3連撃 (改)

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 フラッタと共に夢のような時間を過ごし、いつの間にか明るくなった寝室。

 そして巨大なベッドの中央で抱き合う俺とフラッタ。


 昨晩の余韻に浸りながら、愛しいフラッタに声をかける。


「初めてだったのに無理させてごめんね。フラッタが可愛すぎて止まれなかったんだ」

「構わぬ、構わぬのじゃ。妾の中にダンが染み渡っていくのは、何度しても嬉しかったのじゃ……。ダンの愛を受け止めることが出来て、妾は誇らしいのじゃ……」


 ぎゅーっと俺を抱きしめてくれるフラッタ。

 誇らしいはこっちのセリフだよ。フラッタに愛されるなんて、この世にこれ以上の栄誉は無いよ。


「夜が明けちゃったけどどうする? 俺は起きるつもりだけど、フラッタはこのまま寝る?」

「妾も起きるのじゃ。お腹も減ったしのぅ。それにやっぱり、みんなとも一緒に過ごしたいのじゃっ」


 俺に抱かれたばかりだっていうのに、俺の女のことも大好きだと笑ってくれるフラッタ。

 そのセリフは俺にとって都合良すぎるってばぁ。まったく、これだからフラッタはさぁ。


 まぁいいや。都合が良くて困ることなど何も無いのだから。


「それじゃフラッタ。起きるつもりならおはようのキスをしようね」


 ひと晩中キスをして、終わった後もキスをする。


 この家の朝の始まりはキスからだから。

 夜は夜。朝は朝で、それぞれ別の意味がある。別腹ともいう。


 キスを終えた俺たちは、身支度を整えたフラッタと手を繋いで寝室を出る。

 これが出来る事が嬉しくて、でもさせてあげられない2人のことを思って、ほんの少しだけ胸が疼いた。


 食堂には当然、既に3人の姿があった。

 でも珍しいことに、3人は既に食事を終えているみたいだな?


「おはようございますご主人様。フラッタ。とても楽しまれたようで良かったです。フラッタ。どうでしたか?」

「最高に幸せだったのじゃっ!」

「ふふ。それは良かったです」


 ニーナがフラッタに俺に抱かれた感想を聞いて、それを嬉しそうにニーナに報告するフラッタ。

 この感覚の違いだけはどうしても慣れなくて、居心地が悪く感じてしまうなぁ。


「ニーナ! ティムル! リーチェも! 昨夜はダンを譲ってくれてありがとうなのじゃっ」

「どういたしまして。それじゃフラッタ。朝食は準備してありますから沢山食べてくださいね」


 うんっ! と元気良く返事して、たたたーっと椅子に座るフラッタ。

 っていうかフラッタだけ? 俺の分の朝食は無いの? ニーナが怒ってるようにも見えないんだけど。


「ご主人様は朝食の前に、私たちにおはようのキスをしてもらいますからね?」


 うえぇっ!? しょっ、食堂でっ!?

 予想外のニーナの言葉に、ついしどろもどろになってしまう。


「今まで寝室の外でそんなことしたことないじゃんっ? なんで今日に限って? い、嫌なわけじゃないよっ? ただ恥ずかしいと言うか、驚いたと言うか……?」

「この場にいるのは全員ご主人様の女です。今更誰の目を気にする必要もないでしょう?」


 そ、そりゃそうかもしれないけどぉっ!

 でもこんなに明るい時間に……、ってフラッタは普通に朝食食べてんじゃないっての!


「それに、やっぱりこれがないと1日が始まった気がしませんし、ね?」


 椅子に座った俺の膝の上にしなだれかかるように横に座り、首に腕を巻きつけてキスをしてくるニーナ。

 寝室ではない為かいつもの激しいキスではなく、情欲たっぷりにお互いの快楽を優先したような、ねっとりとしたいやらしい動きをしてくるニーナの舌。


 いつものキスとは違った気持ち良さがあって、全身の力を絞りつくした直後の俺には到底太刀打ちできず、ただ無抵抗のままでニーナの愛情を受け止めた。

 てか長い。めちゃくちゃ長いんですけど?


 長い長いおはようのキスを終えたニーナは、そのまま俺の頭を上向きに動かす。

 すると椅子の背後に立ったティムルから、キスの爆撃が開始される。


 上向きに固定された顔の上から覆い被さるようなティムルのキス。下になった俺の口に、ティムルの唾液がいつも以上に流れ込んでくる。

 このままでは溺れてしまうと、流し込まれた唾液を飲み続ける喉から聞こえるゴクリゴクリとした音が、なんだか耳に残る。


 まるでティムルは俺に唾液を飲ませるのが目的であるかのように、キスの間ずっと俺の口に唾液を流しこんできた。


 ティムルが口を放したと思った直後、俺の膝に重く柔らかい感触。

 その正体を確かめる暇もなく顔を前に抱き寄せられて、リーチェのキスが開始される。


 昨夜のように俺の膝の上に跨って、昨日と完全に同じ体勢で正面からの抱きつきキス。

 既に残弾は残ってないので誤射の心配はないけれど、全身を俺に押し付けてくる感触だけでエロ過ぎる。


 ……この人ガチの王族じゃなかったっけ? 存在自体がエロの塊なんですけど?


 キスの3連撃、キスのジェットストリームアタックを受けて、俺は朝から満身創痍だ。


 ニーナ、ティムル、リーチェ。ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!

 いや俺の立ち位置は誰なんだよ。

 ていうかその3人のジェットストリームアタックの標的は間違いなく俺なんだよ。自殺かな?


「し、寝室の外でこんなのされたら死んじゃうよぉ。脳が溶かされちゃうよぉ」


 キス自体の気持ちよさも勿論なんだけど、普段食事している食堂で、明るい時間帯に、フラッタが横で普通に食事している状況という日常感で、俺の脳がバグったように興奮してしまった。


「さぁご主人様も朝食を召し上がってくださいね。今日は忙しいですから」


 お疲れ様とでも言うように俺の頬に軽くキスをして、朝食を配膳してくれるニーナ。


「装備品のメンテナンス。食材の買出し、ドロップアイテムの売却。それが終わったら夕食までは私とティムルを相手してもらわないといけませんし」

「明日は礼拝日。今夜はリーチェの日ですからね。相手できないとは言わせませんっ」


 朝食を取っている俺の前で、ニーナとティムルが美人秘書のように今日明日の予定を羅列する。寝室事情も完全にスケジュールに組み込まれている模様。


「大丈夫ですよご主人様。私達が、とぉっても気持ちよくしてあげますからねー……?」


 楽しみなような怖いような、複雑な気持ちで朝食を食べている俺の耳元で甘く囁かれるティムルの言葉。


 おお、凄いなぁ。俺今日、生き延びられるんだろうか?

 フラッタに体中の欲望全てを吐き出したつもりだったのに、用事を済ませたあとがもう楽しみになってきてしまう。


「それじゃちょっと休憩時間を取る為に、用事を済ませたらみんなの服を買いに行こうか。上下1着ずつね」


 好色家のおかげか体に疲労は感じられない。けどこれって多分、フラッタが初めてだったからだよな?

 歴戦の勇士であるニーナとティムルを相手取るには、もう少し体力を回復しておきたいのだよ。


「ニーナにも買ったしティムルにも買ったし、フラッタとリーチェにも買ってあげたいんだ。安物で悪いけどね」

「いいですね。その程度でしたらさほど時間もかかりませんし」


 多分俺の考えなんか筒抜けだろうけど、それは名案だと賛成してくれるニーナ。

 お金にも余裕が出てきたしね。可愛いお嫁さんとちょっとデートするくらいは許してもらえたようだ。


「フラッタもリーチェも服はあるかと思いますけど、今後はずっとこの家に住むんです。荷物になっても気にする必要はないでしょう。一緒に買いにいきましょうね」

「あー。私もご主人様に服を買ってもらったの、凄く嬉しかったですからねぇ。フラッタちゃんやリーチェにとっては安物になってしまいますけど、そんなの関係なくなりますよ」


 笑顔でニーナとティムルに促され、フラッタとリーチェもワクワクした顔をしてくれる。


 今後マグエルを出て旅をすることになれば、着替えはあまり持ち歩けない。だけどこの家はもう手放す気はないし、ポータルがあれば荷物の運搬は非常に簡単だ。

 ニーナの事を考えるとあまりポータルを多用したくないところだけど、逆に遠慮するほうがニーナは悲しむでしょ。使える物は使っていこう。


 しっかし目の前の4人全員が俺の女。俺の恋人。俺の婚約者。俺のお嫁さんなのかぁ。

 4人とも俺には勿体無いくらいの美貌と性根の美しい女性達なんだけど、ちょっと全員エロすぎて不安にはなるね。


 以前、確かティムルを購入して連れ帰った日だったっけ? リーチェという居候の存在が歯止めとなってこの家の風紀は守られる、みたいな事を考えた気がする。

 だが今の状況はどうだ? 歯止めだったリーチェまで家族に迎えてしまったぞ?

 1人1人が俺にとっては傾国の美女。その全員が俺の女で、この家の中には俺の嫁しかいない状況。しかも大体皆エロい。

 エロい分には大歓迎なんだけど、というかもしかしたら1番エロいのは俺なのかもしれないけれど、とにかく今後のこの家の風紀の乱れが心配だ。


 今後の生活に一抹の不安と巨大な期待を抱きながら朝食を済ませた。



 5人で家を出て、まずは冒険者ギルドでドロップアイテムを売却する。報酬額は9万リーフ弱だった。

 前回5万リーフ半ばじゃなかったっけ? めちゃくちゃ増えてるな。ドロップアイテムだけで、ダガー2本分近い報酬だ。

 ステイルークで貰った支援金に近い額を1度の遠征で稼いでしまった模様。


 あ、そうだ。ダガーと言えば。


「ねぇティムル。フォーベアで査定してもらったブルーメタルダガーだけどさ、あれって12万リーフは安すぎるよね?」

「……そうなんですか? ならきっと査定した職人が間違えちゃったんですねっ。うちの商会では装備品を扱ってませんでしたから、私自身に目利きは出来ませんし?」


 一瞬驚いた顔をしたけど、直ぐに笑顔になってすっとぼけるティムル。やっぱわざとか、敵わないなぁ。


「ティムルがそう言うならそういうことにしておくよ。でもありがとう。助かったよ。これはあの時のお礼ね」


 感謝の気持ちを込めてティムルに口付けする。

 奴隷となった後に家の外でキスをするのはこれが初めてだ。だから特別に感じてくれたら嬉しいな。


 俺がキスする横で、ありがとうございますとお礼を言いながら、ニーナがティムルを抱きしめていた。




 ドロップアイテムだけで充分な報酬を得られたので、今回光った魔玉8つは売却せずにキープすることにした。


 うちのパーティは俺の種族特性のおかげなのか、全員のレベルアップが早まっている疑惑がある。
 となるともしかしたら、普通のパーティよりも魔玉の発光スピードも早いのかもしれない。

 その上で豪商が2名もいるんだから、俺たちよりも恵まれたパーティは少なそうだ。


 というか、4人全員戦えなかったとしても、その容姿だけで全然お釣りが来るレベルの美女ばかりだ。恵まれてるなんてもんじゃないね。



 装備品をメンテに出した後は服屋に行き、全員上下1着ずつ服を購入する。


 ニーナとティムルもまだまだ服は少ないし、リーチェも拠点が無かった為にあまり服を持っていないらしい。

 んー、ある程度買い揃えるまでは、遠征から帰還する度に1着ずつ購入してもいいかもなぁ。


 思いついた事はすぐに相談する。


「2階の寝室じゃないほうの部屋って、今は使ってないでしょ? だからみんなの衣装をそこに収納するのはどうかと思ってさ。衣装部屋ってやつ?」

「ひ、1部屋丸々埋まるくらいに服を買う予定なのですか……? 私は今の数でも十分過ぎるくらいですよ?」


 反対というわけではなく、びっくりして恐縮している様子のニーナ。

 そりゃあニーナは今まで隠れ住んでたわけだしね。自由に買い物できる環境じゃなかったのだから想像できないのも無理はない。


「奴隷に衣装部屋を用意しようなんて聞いたことないですよ?」


 呆れたような口調ながらも、ニコニコとご機嫌な様子のティムル。

 いいんだよ。将来的にはニーナもティムルも奴隷じゃなくなるんだからさっ。


「ただ、そうですね。将来的には私たちはお嫁さんにしてもらえるわけですし、5人で1部屋だとすればそこまで変ではないかも知れませんね。ただご主人様の場合、もっとお嫁さん増えそうなのが……」


 ……ティムルの懸念を真っ向から否定出来ない自分が嫌になるな。

 未だにニーナの呪いの解き方も、フラッタの兄の行方も、リーチェの事情すら分かってないのに、色んな女性に手を出しすぎなんだよねぇ……。


「服だけを置く部屋なんて、随分と贅沢な話なのじゃ。妾の家では装備を保管する専用の部屋はあったがのう。衣装部屋は無かったのじゃ」


 フラッタが衣裳部屋の提案に呆れている。


 脳筋貴族乙でーす。っていうか貴族家なのに衣裳部屋が無いとか、脳筋すぎでしょ竜爵家。

 それなのに装備専用部屋があるとか、ルーナ竜爵家マジ脳筋疑惑。


「衣装部屋……。ダンに買ってもらった部屋で埋まる部屋……?」


 赤面しながら両手で頬を押さえてにやけるリーチェ。

 リーチェさんはさぁ。最年長なのに夢見る乙女みたいなリアクションするのやめてくれませんかねぇ?
 道行く男があまりの美貌に見蕩れてるんですけどぉ?


 衣装部屋の話は、前向きに検討するけど今日のところは保留、となった。もし実現する場合は大規模な改装が必要になってきそうだもんね。



 服屋を出た俺達は、市場で半月分はありそうな食糧を買い込み、そしてそのあとは真っ直ぐ帰宅する。

 家に帰ってきた俺はニーナとティムルに引き摺られ、容赦なくお楽しみタイムが再開される。


 締め出されるフラッタとリーチェには少し申し訳ない気がしたけど、ニーナの「明日からはみんな一緒ですよ」という言葉で気にしないことにした。

 気になるのは明日以降のことだけだねっ!


 フラッタに全弾注入して燃料不足が懸念されていたけど、好色家の育成が進んでいる為か、最低限の回復が行われていたようだ。

 え、好色家やばくね? 浸透したらマジで何日でも全員と……?

 ……い、いや、今は目の前の2人に集中だっ!


 最近2人は良く俺を甘やかしたがる気がする。

 俺も2人を甘やかしたいので、きっと主人に似てしまったんだろうね。なら仕方ない。


 まだフラッタやリーチェには甘えられないけれど、2人にはもう全力で甘えてしまう。

 甘えちゃダメだと思っても、甘やかされているうちにめろめろにされて、結局甘えてしまう。


 今だって貪るように肌を重ねるのかと思いきや、優しいキスと優しい動き、片方がキスをすればもう1人は耳元で愛を囁くという、何度受けても慣れない愛の飽和攻撃が続く。

 甘い快楽に心も体も痺れきって、今キスをしているのがどっちなのか、今肌を重ねているのがどっちなのかすら曖昧だ。

 俺の常識だと、これって2人に対して凄く失礼なことだと思うんだけど、この2人の場合、狙ってやってる節があるんだよねぇ。


 俺の常識を溶かすために、俺が変に迷ったり悩んだりしないように、あえて2人の個性を曖昧にして甘やかしてくれている、そんな気がする。


「ん~……。ニーナぁ。ティムルぅ。好き。大好き。2人とも大好きぃ……」


 どろどろに甘やかされたあとは、ニーナとティムルの間に挟まれて、2人のおっぱいに包まれて、2人の胸に抱かれている。

 2人の甘い匂いと柔らかい感触、そしてその奥から確かに伝わる鼓動に、なんだか酷く安心する。


 ニーナとティムルの事が大好きだ。それ以外に何も考えられない。


「うん。私たちもダンの事が大好きだよ。いっぱい甘やかしてあげるから、いっぱいいっぱい甘えてね……」

「今回もお疲れ様。いつも愛してくれてありがとね。今はこのまま眠って、ゆっくり休んでいいのよ……」


 優しい2人の声が耳と心に心地いい。

 そう言えば俺、遠征から帰ってきてから寝てなかったんだっけ……。


 2人の胸に抱かれながら、俺の意識は安らかに落ちていった。
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