異世界イチャラブ冒険譚

りっち

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2章 強さを求めて2 新たに2人

088 予約 (改)

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 職業設定の実演も終えたところで今夜は解散。
 さぁ寝るかといったところで、フラッタの扱いにちょっと困っている。


「フラッタ。貴方は今晩リーチェの事をお願いできますか?」

「えー、妾もみんなと一緒に寝たいのじゃあ。ダメぇ? ニーナぁ……」


 諭すように語り掛けるニーナに、俺に抱きついたままイヤイヤと首を振るフラッタ。

 まぁフラッタならそう言うだろうけど、流石にいきなり複数人の中で相手してやるわけにはいかないでしょ。


「ぐっ……、かっ、可愛い……!」


 我が侭を言うフラッタに篭絡されながらも、ここは退けないとなんとか踏み止まるニーナ。


「ご、御覧なさいフラッタ。リーチェを今夜1人にするのは心配なんです。フラッタはリーチェと一緒に寝た事もあるでしょう? お願いできませんか?」

「むぅ? リーチェはどうしてしまったのじゃ? ダンの方を見てボーっとしておるのじゃ」


 リーチェは職業設定を見せた後はずーっと上の空で、俺を無言で見続けてくる。

 正直言えばリーチェくらい美人に見られるのは悪い気はしない。


 ただし、この場に3人も俺の嫁がいなければの話だけどぉ。


「今日のフラッタと同じです。ご主人様が大好きな気持ちを抑えきれなくなったんです。今日フラッタは大変だったでしょう? だから今度はフラッタが、リーチェを助けてあげてくれませんか?」


 俺のことを好きすぎて心配って、言葉にすると凄まじいな。出来れば俺のいる前では言って欲しくないわぁ。

 そんなこと言われて、俺はどんな顔すればいいのさぁ……?


「ひと晩中2人でご主人様のお話をしてもいいですよ。きっととても盛り上がるでしょう」

「今日の妾と同じか……。それは確かに放ってはおけぬのぅ……」


 あ、今日の自分が放っておけない状態だった自覚はあるのね。

 フラッタは危うく俺を殺しかけたからね? 可愛いフラッタにはそんなこと絶対に言えませんけどぉ。


「遠征から帰ってきたら、ひと晩2人っきりにしてあげますから、ね?」

「ふ、2人っきり……? ダンと、2人っきりなのじゃ……?」

「そうですよ。ご主人様とひと晩中、2人っきり、です……」


 …………ニーナがフラッタに、俺との一夜を囁いている光景。

 ちょっと目に毒過ぎますね。まだフラッタに手を出すわけにはいかないのに、色々と我慢出来なくなっちゃうんだけど?


「それじゃご主人様。2人を送ってあげてください。私とティムルは寝室でお待ちしておりますので」


 フラッタの耳元で囁いた後、ティムルと一緒にさっさと寝室に行ってしまったニーナ。


 え、えええええ? た、焚き付けるだけ焚き付けて、押し付けやがったっ……!

 恋する乙女100%状態の2人と放置される身にもなってよっ。手が出せるならまだしもさぁっ。


 くっ……、これは早く送っていって、寝室でたっぷりねっとりと仕返しをせねばならぬっ。


「そ、それじゃ2人とも、送っていくよ。1つ屋根の下だけど。フラッタ。リーチェ。手を出して」

「う、うむっ!」

「……はぃ」


 3人で手を繋いで地下室へ。リーチェがしおらし過ぎてヤバい。

 なんでコイツら、たった1日でこんなに豹変すんのさっ!? こっちの心の準備が出来ないんだってばっ!


 1分とかからず地下室に到着する。

 夜に地下室に来たのは初めてだ。元々人が住む用途の部屋じゃないから、狭くて暗くて2人に少し申し訳なくなるなぁ。


「それじゃ2人ともおやすみ。また明日ね?」


 そう言って去ろうとするも、2人とも手を離してくれない。

 フラッタはともかく、リーチェはいったい何があったんだってば。っていうかそう言えばフラッタも今日1日で激変しすぎなんだってば。


 2人の潤んだ眼差しに射抜かれて、このまま地下室を去るわけにはいかないことを悟る俺。

 ……ふぅ。よし、覚悟は決めた。

 2人が好意を抱いてくれたなら、俺はその気持ちにちゃんと応えるのみだ。


「フラッタ。お前は俺のお嫁さんになったんだよな?」

「うんっ。妾はダンのお嫁さんなのじゃっ」

「リーチェ。お前は俺のこと、ずっと待っててくれるって言ったよな?」

「……はぃ。ずっと、貴方を待ってます……」

「うん。分かった。2人の気持ちは嬉しいよ。だから俺も2人の気持ちにちゃんと応えようと思う。2人とも、1度手を離してくれるかな?」


 素直に手を離してくれるフラッタと、名残惜しそうに手を離してくれるリーチェ。


「それじゃまずはお嫁さんになったフラッタからね。リーチェはちょっとだけ待ってて」


 片膝をついてフラッタを抱きしめ、その唇にキスをする。


「ん!? んんんん!?」


 突然のキスに驚き戸惑うフラッタの唇に舌を潜らせ、強引に口の中に侵入。

 恐らく初めてのキスだと思うけどそんなことには構うことなく、どうしたらいいのか分からず無防備な舌を一気に絡めとり、自分の舌で抱きしめるように愛撫する。


「ん、んふぅ……。むぅ……、んん……」


 どうしたらいいか分からずされるがまま、だけど両手で必死にしがみ付いてくるフラッタの舌を、優しく優しく抱きしめるように絡め続ける。


 だんだんフラッタの両手の力が弱まってくる。

 更に口の中全体を味わうように舌を動かす。フラッタの両手がだらりと下がる。


 その状態から更に数分、フラッタの口の味を堪能した。


「俺の可愛いフラッタ。遠征から戻ったらこの続きをしてあげるからね」


 完全に脱力しきったフラッタを抱き上げベッドに寝かせる。

 蕩けきった表情のフラッタを軽く撫でてから、今度はリーチェに向き直る。


「リーチェ。とりあえず予約って事で同じことをしたいんだけど……。してもいいかな?」


 小さく頷いたリーチェと正面から抱き合い、お互い無言でキスをする。


「ちゅ……。ふぅ。んん、ちゅうう……」


 フラッタと違って積極的にキスに応じてくるリーチェ。

 俺の舌に舌を絡め、積極的に舐めてしゃぶる。舌で口の中全体をかき回してくる。俺の舌の動きを待つのすら惜しいとでもいうような、まるでニーナを思わせる必死なキスだ。

 俺がリーチェの口の中に舌を差し込むと、舌を巻きつかせながら必死に舌を吸い上げて、俺の唾液を啜りはじめる。

 まるで今まで抑えていた想いが決壊したかのように、俺の首に腕を回して、押し付けるように密着したキス。


 リーチェの頭を撫でながら、彼女が満足するまでキスを続けた。


「これでリーチェは俺の女だ。この続きも必ず、必ずしてやるからな」


 口が離れた隙にそう伝えて、今度はこちらからキスをし、そのままベッドに押し倒す。

 そのまま数分間舌を繋げたあと、体を起こして地下室を出た。


 ……これ以上あの場に留まっていたら、俺はもうきっと最後までしてしまったに違いない。2人は受け入れてくれたかもしれないけれど、だからこそ俺が自重しないと。


 真っ暗な家の中を1人で歩き寝室に入ると、ニーナとティムルは既に準備万端で、臨戦態勢だった。


「遅かったねダン。口の回りがべちょべちょになってるけど、2人ともキスしたの?」

「うん。フラッタにもリーチェにもしてきたよ。遅くなってごめんね」

「夕方は心配したけど、どうやらフラッタちゃんにあてられて立ち直れたみたいね。良かったわ」


 複数の女性を愛する俺は、せめてもの誠意のつもりで他の女性を愛した事を隠すことだけはしたくない。

 だけど報告されたニーナもティムルもにっこりと微笑んでくれて、俺が元気になったことを素直に喜んでくれる。


「それじゃあダン。今度は私たちともキスしてくれる? それともあんな美人たちのあとじゃ、嫌かしらぁ?」


 ちろちろと舌を見せ付けてくるティムル。ゾクリと戦慄を覚えるほどの期待感。

 また死ぬほど気持ち良くされちゃいそうだ。きっと今夜、寝れないだろうなぁ。


「ダン。ここにおいで」


 ニーナに案内されたのは2人の間。
 ごくりと生唾を飲んで、指定された場所に仰向けに横たわる。

 2人は俺を押さえつけるように、俺の体の上に乗ってきた。


「ね? フラッタも勝手にダンを好きになってたでしょ? ダンを好きになるようになんて誘導されてなかったでしょ?」


 ちゅっと額にキスしてくれるニーナ。

 ……何にも言ってないはずなのになぁ。ニーナには俺の心の中が全部見えてしまうみたいだ。


「私の時なんかそうだったけど、むしろダンは女に踏み込ませないようにしてるじゃないの。それが何でフラッタちゃんを追い詰めたことになるわけ? 貴方のおかげで救われたって、フラッタちゃん言ってたじゃない」


 ちゅっと瞼にキスしてくれるティムル。

 ティムルにも何も言ってないんだよなぁ。2人で夕食を準備してくれている時にニーナと話したのかもしれない。


「ダンはいっつも私達の事を、ダンにとって都合が良すぎる女だって言うけどさ。逆なんだよ? 私たちにとってダンが都合の良い男なの。ダンみたいな人、他に居ないよ?」


 ちゅっと鼻にキスされる。


「ダンがいなかったらニーナちゃんは死んでいて、私は野盗に売られてたわ。フラッタちゃんはスポットで死んでいたし、リーチェは両親からの贈り物を失うところだった。私達は全員、ダンに助けてもらってるのよ?」


 ちゅっと頬にキスされる。


 ちゅっ。ちゅっ。ちゅっ。ちゅっ。ちゅっ。ちゅっ。

 肯定の言葉と共に、優しく押し当てられる2人の唇。でも決して口にはキスしてくれないのでもどかしい。


 もどかしくて心地良い、愛情に満ちたキスの雨。


「浮気性だなんて言いながら、フラッタとリーチェとキスしてきたなんて報告する人いないよ? ダンはちゃんと私たち全員、見てくれてるよ」


 ちゅっ。


「どっちか選べないー、なんて優柔不断なことしてるわけじゃないじゃない。ちゃんとみんなダンのことが好きで、ダンのことが好きなお互いのことも好きなの」


 ちゅっ。


「貴方がちゃんと全員を手放さずに抱きしめてくれるから、あとから来た人も遠慮なくダンのことを好きになれるの。みんなのダンを好きな気持ち、否定しちゃダメだよ」


 ちゅっ。


「フラッタちゃんが泣いたのだって、結局フラッタちゃんの事ばかり考えてイラついてたんだから笑っちゃうわ。ダンは本当に私達のこと好きすぎよ」


 ちゅっ。


「私いっつも、私の全部を捧げてダンを愛してるつもりなのに、ダンは本当に自然に、なんでもないことみたいに、あっさりと何処までも愛してくれるの。私も好き。貴方の事を魂全部で愛しています」


 ちゅっ。


「ここに来てから毎日幸せ。ダンの女になって本当に幸せなの。だからダンが幸せじゃないのは悲しいわ。みんなみんな幸せなのに、貴方だけが幸せじゃないなんて、そんなの許せる訳ないじゃない」


 ちゅっ。


 2人に心を丸裸にされる。
 俺の悩み、俺の想いを1つ1つ口にしては否定していく。

 貴方はこう思っているけど、実はこうなんだよ。本当はこうなんだよ。

 1つ1つ言葉にして、優しい雨で染み込ませてくる。


 私達がダンを好きなのは間違っている?

 私達の想いを勝手に決め付けるな。
 私達が貴方を好きなのは、私達の意志なのだと、優しく強く俺を否定してくる。


 そりゃそうだ。俺なんかが何をしたところで、こんなに愛をくれるほど惚れさせる事が出来るとは思えない。

 フラッタが向ける純粋な好意を、俺なんかがコントロールできるわけがないよなぁ。


 俺を好きになるように仕向ける? 笑わせるよなぁ。自惚れだよなぁ。

 あのフラッタを、俺如きがどうこうできるわけがないのにさぁ。


「まったく、卑屈で自虐なくせに、変なところで傲慢なんだからっ。私もティムルもフラッタもリーチェも、自分からダンを好きになったんですよーだ。貴方なんかにこの想い、絶対に否定させないんだからねっ」


 ちゅーーっ。

 いきなり口の中に感じるニーナの舌の感触。

 弛緩しきったところにいきなり送り込まれた強い快感で、脳が軽いパニックを起こしてしまう。


「私達は皆、貴方がいなかったらもう死んでたのよ。そんな私達が貴方を好きになるなんて当たり前でしょう? フラッタちゃんが泣いたのは追い詰められたからじゃない。貴方が好きだからよ。馬鹿も休み休みにしなさいっ」


 ちゅーーっ。

 ニーナと交代で入ってくるティムルの舌の感触。

 ニーナとはわざと動きを変えて、脳が快楽に慣れるのを邪魔される。


「明日からまた遠征なんだから、今日は寝られるなんて思わないでよっ。ギリギリのギリギリまで相手してもらうんだからねっ」

「それに今回は結構見せ付けられちゃったからねぇ? いくら貴方の女同士とはいえ、私達が取り立ててもいいわよねぇ?」


 余計なこと考えようとしても、考える余裕がない。


 ニーナが俺を求めている。ティムルが俺を求めている。余計なことなどどうでもいい。呆けている場合じゃないっ。

 朝まで? ぎりぎりまでっ? 今回見せ付けちゃった分、全部取り立てに来るってぇっ!


 燃えろっ俺の魂っ! 俺の魂に現在設定されている好色家よっ! 限界を超える時は今だっ!

 全身に力が巡る。全身の血が沸騰する。立ち上がれぇっ! 俺の魂っ! ってなんかこれ隠語みたいじゃないっ!? 隠語だとしても状況は変わらないけどっ!


 ニーナ! ティムル! いつもいつも本当にありがとう。

 この感謝の念を全て込め! まぁどこに込めているかは置いておいて! ありったけの感謝の念を、今2人に注ぎ込むんだぁぁぁぁっ!


「2人ともっ、大好きいいいいっ!」

「「きゃーっ」」


 今夜は寝かせないぞぉと言いたいところだけど、多分寝られないぞぉの間違いだね、うん。
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