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ミスリルの剣
97 復元魔法 (改)
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ミシェルとパメラが自室に戻った後も、俺はなんだか眠れずにいた。
怪我が治ったらなにをしよう。
このままミシェルと別れてしまって、本当にいいのだろうか。
なら何をどうすれば、俺とミシェルは一緒にいられるのか。
色々なことが頭に浮かんでは消えていき、結局悩みの答えさえ見つけることが出来ず、一睡も出来ないままで朝を迎えてしまった。
朝になってから、案内のためにパメラが俺の部屋を訪れた。
「いくぞソイル。ああ見えてハルフース様はご多忙なのだ。あまりお待たせするのは良くない」
「ん、分かってる。こっちは治療をお願いしてる立場だからな。急ごう」
パメラに案内されて、建物の中を暫く歩く。
数分ほど歩き続けて辿り着いた広い空間には沢山の人が集まっており、その中央付近にはひと際大きな魔力の持ち主が2人ほど立っていた。
「おはようソイルっ。いよいよだねっ」
「おはようソイルさん。準備は整っているよ。直ぐに治療を始めようか」
部屋の中央に居たのは、ミシェルと教皇ハルフースだったようだ。
治療を受ける立場である自分が1番最後に顔を出してしまった事に気付き2人に謝罪すると、どうやらハルフースは昨晩のうちから準備を始めていたようで、ミシェルは早朝から最終的な準備にだけ参加していたようだ。
「昨夜から準備してたって……。そんなに大変なものなんですね、復元魔法って……」
「大変だよー? 使用する魔力があまりにも膨大すぎて、こうやって事前準備しないと使用者である私の方が逆に潰れてしまうからね。今回はミシェル様がいたから、普段より大分楽をさせてもらったけど」
「ふっふーん! 私の魔力もソイルの治療に役立てて良かったっ!」
上機嫌なミシェルに手を引かれ、広い空間の中央に立たされる。
目が見えないので確認できないけれど、どうやらこの空間は大聖堂の礼拝堂で、俺とハルフースを中心に巨大な魔法陣が展開されているそうだ。
部屋の周囲に居る人々はハルフースに魔力を送り込むための人員で、地面に描かれた魔法陣を通してハルフースに魔力が集められ、その膨大な魔力を使って俺の欠損部位を復元していくというのが治療の流れらしい。
ハルフースが俺に1歩歩み寄り、右手を俺の左腕に、左手を俺の両目に当ててくる。
「これからソイルさんの中に膨大な魔力が注ぎこまれる。そうなると体内から焼き殺されてしまうんじゃないかって心配になるらしいけど、その魔力こそが治療行為だからね。決して慌てずに魔力に身を委ねるんだよ?」
「分かりま……ぐっ!?」
俺の返事を待たずに、ハルフースの両手から魔力が送り込まれてくる。
俺に送り込まれた魔力は動かなくなった左腕と欠損した両目から絶え間なく注ぎ込まれ、注ぎこまれた魔力は体の中心にどんどん溜まって熱を帯びてくる。
く……! こりゃあ事前に忠告されるわけだ……!
何も知らずにいたら攻撃されてるようにしか感じられねぇぞ……!
肉体の芯に注ぎ込まれた魔力はどこまでも熱さを増していき、まるで体の中心で火を焚かれているかのようだ。
「く……! くぅぅ……!」
次第に体の奥に宿った熱は体全体に広がって行き、左腕と両目でひと際強く燃え上がる。
そのあまりの痛みと熱さに、失ったはずの感覚が呼び戻されていくかのようだった。
「さぁここからが本番だよ。その調子で頑張って欲しい」
「なっ……!? ここから、って……」
「リジェネレイト」
ハルフースが魔法を唱えると体内に注ぎ込まれた魔力が逆流し、奔流となって欠損した部位に流れ込む。
その痛みと熱は想像を絶し、まるで体の中心で溶かされた金属を、血管を通して欠損部位に流し込まれてるみたいだっ……!
「ぐぁぁぁぁっ!?」
「耐えなさい。ここで意識を失うと、せっかくの魔力の流れが断ち切られてしまうよ」
地獄の苦しみのせいで遠退きかけた意識に、妙に透き通って聞こえるハルフースの声。
こんな苦しみがまだ続くのか……!?
だが、この苦しみが無駄になってしまうのだって馬鹿馬鹿しすぎる……!
体中を駆け巡る痛みと熱さに必死に耐えながら、治療が終わるのを待ち望んだ。
しかしその時、痛苦だけしか考えられず逆に単純化した俺の思考が、ハルフースの言葉に引っ掛かりを覚えた。
魔力の流れだって……?
この地獄の苦しみは、魔力の流れを良くすれば終わってくれるのか……!?
俺の脳裏によぎったのは覚えたばかりの新技術、閃迅魔法フラッシュオーバー。
全身の魔力を極限まで1ヵ所に凝縮し、擬似的な魔力枯渇を起こした体内に一気に魔力を走らせる技術。
考えるよりも先に己の魔力を右手に集中させ、突如体内に現れた太陽と熱した鉄のような魔力の流れから遠ざける。
その瞬間、どくんっと俺の魂が鳴動したかと思うと、溶岩の濁流が欠損部位に雪崩れ込んだ。
「なっ、これはっ……!? ソイルさん、貴方いったいなにを……!?」
ハルフースが驚愕の声をあげる頃には俺の体内に発生した太陽は跡形もなく消滅していて、そこから生まれた熱の余韻が俺の両目と左腕に残っているだけだった。
「ぐ……ぅぅ……!」
地獄の責め苦から解放された俺は、苦しみから解放されたことで逆に気が抜けてしまい、地面に膝をついてしまう。
「ソ、ソイルっ!? 大丈夫!?」
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」
体内に残った熱を冷ますように、俺の体が新鮮な空気を求めている。
送り込まれた灼熱から一気に解放された俺の体は寒さに震え、俺は震える自分の体を両手で抱き締める。
今の俺に、不安げなミシェルの声に応える余裕なんて無かった。
「ハルフース様! ソイルは、ソイルは大丈夫なん……」
「は、はは……。はははははっ! どうやったのかは知らないけど、大したものだねソイルさん!」
必死なミッシェルの声を遮って、ハルフースの笑い声が響き渡る。
「まさか復元魔法を自分の意思で加速させるなんて、そんなことが可能であることすら知らなかったよ! パメラ、よくやってくれたね! 確かにソイルさんをあのまま失うわけにはいかなかったよ!」
「加速……。という事は復元魔法は……」
「ミシェル・ダイン様。ソイルさん。聖教会は君達2人を心から歓迎するよ。共にモンスターの脅威から人々を守っていこうじゃないか!」
未だ火照る思考の中で、ハルフースの放った言葉が正確に理解できない。
今コイツはなんて言った? 今のは聞き逃していい言葉じゃなかったはず……!
「ソイルさん。まだ熱があるように感じるかい?」
「あ、ああ……! 特に、目と左腕が……!」
「その熱は熱じゃない、魔力なんだ。恐らくソイルさんなら自分の意思で打ち消せるんじゃないかな? 復元魔法はもう終了しているから遠慮は要らないよ」
この熱は魔力……? 俺の意思で打ち消せる……?
いつの間にか中断してしまっていたフラッシュオーバーを再開し、全身の魔力を体の中心に集中させる。
するとその瞬間、欠損部位を灼いていた熱の余韻は一瞬で取り払われてしまった。
「熱の余韻は消えたかい? ならばゆっくり、ゆっくりとその瞼を開いてみせなさい」
ハルフースの穏やかな声に従って瞼を持ち上げる。
すると暗かった世界が光に満たされ、俺の目の前には汗だくで青い顔をした初老の男が満面の笑みを浮かべて立っていた。
「どうやら見えているようだね? ならこれで治療は無事に終了だ」
俺の両目が久しぶりの光に驚いているように思えた。
ってそう言えば、左腕も普通に動くようになっているな。俺の体にはもう、欠損なんて何処にもないようだ。
「私が教皇ハルフースさ。改めて、これからよろしくねソイルさん」
「よ、よろしくお願いします……。けど、これからって……?」
「ん? ソイルさんもミシェル様と一緒に聖教会に所属するんでしょ? パメラとミシェル様からそう聞いてるけど?」
「……………………へ?」
まだ魔力の余韻に浮かされている俺の頭が、ハルフースの言っている言葉の意味を理解してくれない。
俺が聖教会に所属する? パメラとミシェルにはそう聞いていたぁ……!?
開けた視界で慌ててミシェルの顔を見ると、彼女はしてやったりというイジワルな笑顔を浮かべて俺に親指を立てて見せていた。
怪我が治ったらなにをしよう。
このままミシェルと別れてしまって、本当にいいのだろうか。
なら何をどうすれば、俺とミシェルは一緒にいられるのか。
色々なことが頭に浮かんでは消えていき、結局悩みの答えさえ見つけることが出来ず、一睡も出来ないままで朝を迎えてしまった。
朝になってから、案内のためにパメラが俺の部屋を訪れた。
「いくぞソイル。ああ見えてハルフース様はご多忙なのだ。あまりお待たせするのは良くない」
「ん、分かってる。こっちは治療をお願いしてる立場だからな。急ごう」
パメラに案内されて、建物の中を暫く歩く。
数分ほど歩き続けて辿り着いた広い空間には沢山の人が集まっており、その中央付近にはひと際大きな魔力の持ち主が2人ほど立っていた。
「おはようソイルっ。いよいよだねっ」
「おはようソイルさん。準備は整っているよ。直ぐに治療を始めようか」
部屋の中央に居たのは、ミシェルと教皇ハルフースだったようだ。
治療を受ける立場である自分が1番最後に顔を出してしまった事に気付き2人に謝罪すると、どうやらハルフースは昨晩のうちから準備を始めていたようで、ミシェルは早朝から最終的な準備にだけ参加していたようだ。
「昨夜から準備してたって……。そんなに大変なものなんですね、復元魔法って……」
「大変だよー? 使用する魔力があまりにも膨大すぎて、こうやって事前準備しないと使用者である私の方が逆に潰れてしまうからね。今回はミシェル様がいたから、普段より大分楽をさせてもらったけど」
「ふっふーん! 私の魔力もソイルの治療に役立てて良かったっ!」
上機嫌なミシェルに手を引かれ、広い空間の中央に立たされる。
目が見えないので確認できないけれど、どうやらこの空間は大聖堂の礼拝堂で、俺とハルフースを中心に巨大な魔法陣が展開されているそうだ。
部屋の周囲に居る人々はハルフースに魔力を送り込むための人員で、地面に描かれた魔法陣を通してハルフースに魔力が集められ、その膨大な魔力を使って俺の欠損部位を復元していくというのが治療の流れらしい。
ハルフースが俺に1歩歩み寄り、右手を俺の左腕に、左手を俺の両目に当ててくる。
「これからソイルさんの中に膨大な魔力が注ぎこまれる。そうなると体内から焼き殺されてしまうんじゃないかって心配になるらしいけど、その魔力こそが治療行為だからね。決して慌てずに魔力に身を委ねるんだよ?」
「分かりま……ぐっ!?」
俺の返事を待たずに、ハルフースの両手から魔力が送り込まれてくる。
俺に送り込まれた魔力は動かなくなった左腕と欠損した両目から絶え間なく注ぎ込まれ、注ぎこまれた魔力は体の中心にどんどん溜まって熱を帯びてくる。
く……! こりゃあ事前に忠告されるわけだ……!
何も知らずにいたら攻撃されてるようにしか感じられねぇぞ……!
肉体の芯に注ぎ込まれた魔力はどこまでも熱さを増していき、まるで体の中心で火を焚かれているかのようだ。
「く……! くぅぅ……!」
次第に体の奥に宿った熱は体全体に広がって行き、左腕と両目でひと際強く燃え上がる。
そのあまりの痛みと熱さに、失ったはずの感覚が呼び戻されていくかのようだった。
「さぁここからが本番だよ。その調子で頑張って欲しい」
「なっ……!? ここから、って……」
「リジェネレイト」
ハルフースが魔法を唱えると体内に注ぎ込まれた魔力が逆流し、奔流となって欠損した部位に流れ込む。
その痛みと熱は想像を絶し、まるで体の中心で溶かされた金属を、血管を通して欠損部位に流し込まれてるみたいだっ……!
「ぐぁぁぁぁっ!?」
「耐えなさい。ここで意識を失うと、せっかくの魔力の流れが断ち切られてしまうよ」
地獄の苦しみのせいで遠退きかけた意識に、妙に透き通って聞こえるハルフースの声。
こんな苦しみがまだ続くのか……!?
だが、この苦しみが無駄になってしまうのだって馬鹿馬鹿しすぎる……!
体中を駆け巡る痛みと熱さに必死に耐えながら、治療が終わるのを待ち望んだ。
しかしその時、痛苦だけしか考えられず逆に単純化した俺の思考が、ハルフースの言葉に引っ掛かりを覚えた。
魔力の流れだって……?
この地獄の苦しみは、魔力の流れを良くすれば終わってくれるのか……!?
俺の脳裏によぎったのは覚えたばかりの新技術、閃迅魔法フラッシュオーバー。
全身の魔力を極限まで1ヵ所に凝縮し、擬似的な魔力枯渇を起こした体内に一気に魔力を走らせる技術。
考えるよりも先に己の魔力を右手に集中させ、突如体内に現れた太陽と熱した鉄のような魔力の流れから遠ざける。
その瞬間、どくんっと俺の魂が鳴動したかと思うと、溶岩の濁流が欠損部位に雪崩れ込んだ。
「なっ、これはっ……!? ソイルさん、貴方いったいなにを……!?」
ハルフースが驚愕の声をあげる頃には俺の体内に発生した太陽は跡形もなく消滅していて、そこから生まれた熱の余韻が俺の両目と左腕に残っているだけだった。
「ぐ……ぅぅ……!」
地獄の責め苦から解放された俺は、苦しみから解放されたことで逆に気が抜けてしまい、地面に膝をついてしまう。
「ソ、ソイルっ!? 大丈夫!?」
「はぁっ……はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」
体内に残った熱を冷ますように、俺の体が新鮮な空気を求めている。
送り込まれた灼熱から一気に解放された俺の体は寒さに震え、俺は震える自分の体を両手で抱き締める。
今の俺に、不安げなミシェルの声に応える余裕なんて無かった。
「ハルフース様! ソイルは、ソイルは大丈夫なん……」
「は、はは……。はははははっ! どうやったのかは知らないけど、大したものだねソイルさん!」
必死なミッシェルの声を遮って、ハルフースの笑い声が響き渡る。
「まさか復元魔法を自分の意思で加速させるなんて、そんなことが可能であることすら知らなかったよ! パメラ、よくやってくれたね! 確かにソイルさんをあのまま失うわけにはいかなかったよ!」
「加速……。という事は復元魔法は……」
「ミシェル・ダイン様。ソイルさん。聖教会は君達2人を心から歓迎するよ。共にモンスターの脅威から人々を守っていこうじゃないか!」
未だ火照る思考の中で、ハルフースの放った言葉が正確に理解できない。
今コイツはなんて言った? 今のは聞き逃していい言葉じゃなかったはず……!
「ソイルさん。まだ熱があるように感じるかい?」
「あ、ああ……! 特に、目と左腕が……!」
「その熱は熱じゃない、魔力なんだ。恐らくソイルさんなら自分の意思で打ち消せるんじゃないかな? 復元魔法はもう終了しているから遠慮は要らないよ」
この熱は魔力……? 俺の意思で打ち消せる……?
いつの間にか中断してしまっていたフラッシュオーバーを再開し、全身の魔力を体の中心に集中させる。
するとその瞬間、欠損部位を灼いていた熱の余韻は一瞬で取り払われてしまった。
「熱の余韻は消えたかい? ならばゆっくり、ゆっくりとその瞼を開いてみせなさい」
ハルフースの穏やかな声に従って瞼を持ち上げる。
すると暗かった世界が光に満たされ、俺の目の前には汗だくで青い顔をした初老の男が満面の笑みを浮かべて立っていた。
「どうやら見えているようだね? ならこれで治療は無事に終了だ」
俺の両目が久しぶりの光に驚いているように思えた。
ってそう言えば、左腕も普通に動くようになっているな。俺の体にはもう、欠損なんて何処にもないようだ。
「私が教皇ハルフースさ。改めて、これからよろしくねソイルさん」
「よ、よろしくお願いします……。けど、これからって……?」
「ん? ソイルさんもミシェル様と一緒に聖教会に所属するんでしょ? パメラとミシェル様からそう聞いてるけど?」
「……………………へ?」
まだ魔力の余韻に浮かされている俺の頭が、ハルフースの言っている言葉の意味を理解してくれない。
俺が聖教会に所属する? パメラとミシェルにはそう聞いていたぁ……!?
開けた視界で慌ててミシェルの顔を見ると、彼女はしてやったりというイジワルな笑顔を浮かべて俺に親指を立てて見せていた。
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