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未開の地で
81 決断 (改)
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未開地域から帰還を始めて、既に5日が経過した。
目の見えない今の俺に現在地を知る術は無いけれど、予定では今日、明日中くらいには防衛拠点に到着できるはずだ。
「ふぅぅぅぅ……」
ミシェルの回復魔法のおかげで動けるようになった俺は、馬車の中でひたすら魔力感知の訓練をし続けた。
俺の魔力感知では、魔力を含まない無機物を感知することは出来ない。
それを克服する為に、魔力の流れを掴んで周囲全体を把握する練習を繰り返した。
高クラス冒険者のように武器に魔力を込めて襲い掛かってくる相手なら問題無いんだが、魔力制御を習得していない駆け出し冒険者の攻撃こそが今の俺には危険なのだ。
こんな弱点、早い段階で克服しねぇとな。
「それじゃ今回も胸を借りるぜ、お2人さん」
「ああ。全力で来るがいいっ!」
休憩のために馬車が止まる度に、パメラやスティーブに協力してもらって手合わせをする。
膨大な魔力と繊細な魔力操作技術を持つ2人との手合わせは本当に有意義で、感知した魔力情報を元に現実ではどのような動きが行なわれているのか、それを把握する練習に最適だった。
「ふむ。手合わせの動きはかなり様になってきたのではないか?」
「サマになったかどうかは自分じゃ分からねぇが、今の状態に慣れてはきたかな?」
「片腕になった分、どうしても膂力は落ちてしまっているようだがな。それだけ動ければ魔物と戦うことも出来るだろう」
感心したように褒めてくれるスティーブ。
片手になったと言っても、腕が動かないだけで欠損したわけじゃないからな。
体幹のバランスが崩れなかったのは不幸中の幸いだった。
俺が普通に動けるようになる度に、ミシェルが安心したように息を吐く気配がしてくるんだ。
コイツにこれ以上の心労をかけないためにも、光を失っても問題ないって所を見せてやらないとな。
パメラやスティーブとの手合わせに慣れたら、魔力制御がまだ上手く出来ない低クラス冒険者たちとも手合わせをする。
「んもーっ! ぜんっぜん当たらないんだけどーっ!?」
「口ばっか動かさねぇで、もっと集中しろっての」
ポーラの攻撃にも当たらないよう、俺の攻撃もポーラに当てないように細心の注意を払って手合わせする。
武器への魔力注入が行なわれないので武器の輪郭がかなり分かりにくいけれど、肉体に流れる魔力を感知して、そこから相手の握っているはずの武器の形をイメージした。
「ソイルって本当に目が見えなくなってるのー? ぜんっぜん1本俺取れないんだけどーっ!」
「魔力制御無しでも単純に動作が素早いお前の攻撃を捌くのは骨が折れるよ。それはそれで才能の1つだろうから、大事に伸ばしていくんだな」
元気いっぱいで足が早いポーラだけど、全身しなやかで意外と武器の扱いも悪くない。
このしなやかな動きを魔力制御でサポートできれば、ポーラはもっと上を目指せるであろう逸材だ。
「だあああああっ! ふっざけんなよ!? 目が見えてたときよりも隙が無くなってんじゃねぇかっ、このクソ師匠がっ!」
「逆だ逆。俺の隙が無くなってんじゃなくて、お前の魔力制御が雑になってんだよウィル」
「ちっきしょー! 遠いなぁ! でも絶対に超えてやるからなぁ!」
始めは遠慮がちだったウィルも、今ではすっかり元通りに毎日俺に突っかかってくるようになった。
だけど返り討ちにしてやる度に、嬉しさと悔しさの混じったような叫び声を上げるようになった気がする。
「召魔獣との1件は良くやってくれたがよ、まともに戦えばお前に負ける冒険者はこの場には殆ど居ないんだぞ? 基本を思い出せ基本を」
ウィルは召魔獣の体を貫いた成功体験が鮮烈過ぎるのか、どうにも過剰に魔力を込めて立ち回りたがるようになってしまっている。
だから変な自意識をとっとと矯正してやるために、魔力が無くても戦えるってことを叩き込んでやらねぇとな。
「う~、これでもだめですかぁ……。悪くないアイディアだと思ったんですけどぉ……」
「いや、目の見えない俺に対して、魔力を込めない投擲武器で挑むアイディアは実際悪くないぜ」
動きの察知を魔力感知に頼っているという情報から、離れた場所から魔力を込めずに投擲するというアイディアを生み出したエマ。
やっぱりエマは色々試行錯誤して光るタイプのようだ。
「でも真っ直ぐに投擲された石なんざ以前だって喰らってやれねぇよ。もうちょっと工夫しな」
「発想は間違ってない。けれど作戦の練り方がまだ足りなかったんですね。なるほど……」
俺の指摘を受けて、直ぐに次の一手を考え始めるエマ。
曲撃ちみたいに軌道を曲げたりするなら有効だがな。
流石にただの投石くらい目を瞑ってても防げるっつうの。
「んー。魔力感知で行動を察知されるなら、後衛魔法使いがソイルに挑むのは無謀。姉さんみたいに離れた所から攻撃してもいなされる。難しい」
「視覚を失った分、死角からの魔法攻撃も意味をなさなくなっちゃったわよねぇ。今のソイルさんは魔法使いの天敵よ」
トリーとレオナの会話が聞こえてくるけれど、レオナのファイアストームみたいな広範囲魔法をぶっ放されたら、俺には逃げる以外に打てる手が無い。
魔法使いにとって俺が天敵であると同時に、俺にとっても魔法使いは天敵なんじゃねぇかな。
目が見えず、片腕しか動かせないのは本当に不便だけれど、少しずつ前に進めている。
みんなが協力してくれおかげで、そう実感できる日々を過ごすことが出来た。
「ソイル。ミシェル様。少々宜しいでしょうか」
その日の夜の野営中、俺とミシェルが乗っている馬車にパメラが尋ねてきた。
どうやら明日には防衛拠点に到着できる見込みらしく、真面目なパメラは律儀にそれを伝えにきてくれたらしい。
しかし当のパメラは、それだけのことでわざわざ顔を出すわけがないだろうと少々呆れ気味だ。
「ミシェル様。ご相談いただいた件ですが、私も可能であると判断しました。しかし、本当に宜しいのですか?」
「うん。もう決めたことだし問題ないよ。それに元々聖教会には出来るだけ協力するつもりだったしね」
俺を飛び越えて真面目な口調で語り合うミシェルとパメラ。
なんだろう。何か嫌な感じがする。
申し訳なさそうなパメラと決意に満ちたミシェルの声に、俺の胸騒ぎが止まらない。
「……なんの話か知らないがよ。俺に説明する気が無いなら余所で話してくれねぇか? そんな風に話されたら気になって仕方ねぇじゃねぇか」
「ううん。これはソイルにも関係がある話なの。だから私がパメラをここに呼んだんだ」
「あ? 俺に関係のある話……?」
戸惑う俺を余所に、ミシェルがパメラに向かって頷いた気配がした。
そしてパメラの口から語られる、ミシェルが下した決断。
「ミシェル様は今後、聖教会所属の戦力として協力していただけることになった。教皇ハルフースの復元魔法の使用の対価としてな」
「ミシェルが、聖教会に所属する……? 俺を復元魔法で治療する為だけに……!?」
パメラの言葉に頭が真っ白になる。
ミシェルに負担をかけたくないと腕を磨いていたのに、そんなことには何の意味も無く、俺はとうとうミシェルの未来まで奪ってしまうのか……!?
「ふっふーん。ソイルのことだからどーせまた下らないこと考えてるんでしょうけどねっ。私だってちゃあんと考えて決めたのよ?」
「……へ?」
落ち込みかけた俺の心に、楽しげなミシェルの声が沁みる。
無理に気丈に振舞っている様子は微塵も感じられない。むしろ嬉しさを滲ませる弾んだ声のように思えた。
「勝手に悩んで落ち込まないでくれるー? 心配しなくても断言してあげるわ。これこそが私の望む未来なんだってねっ」
「ミ、ミシェルの望む未来……? それっていったいどういう……」
「ダメでーすっ。まだまだソイルには教えられませーんっ」
その後詳しい話を聞こうとする俺を、ミシェルは楽しげにはぐらかし続けたのだった。
目の見えない今の俺に現在地を知る術は無いけれど、予定では今日、明日中くらいには防衛拠点に到着できるはずだ。
「ふぅぅぅぅ……」
ミシェルの回復魔法のおかげで動けるようになった俺は、馬車の中でひたすら魔力感知の訓練をし続けた。
俺の魔力感知では、魔力を含まない無機物を感知することは出来ない。
それを克服する為に、魔力の流れを掴んで周囲全体を把握する練習を繰り返した。
高クラス冒険者のように武器に魔力を込めて襲い掛かってくる相手なら問題無いんだが、魔力制御を習得していない駆け出し冒険者の攻撃こそが今の俺には危険なのだ。
こんな弱点、早い段階で克服しねぇとな。
「それじゃ今回も胸を借りるぜ、お2人さん」
「ああ。全力で来るがいいっ!」
休憩のために馬車が止まる度に、パメラやスティーブに協力してもらって手合わせをする。
膨大な魔力と繊細な魔力操作技術を持つ2人との手合わせは本当に有意義で、感知した魔力情報を元に現実ではどのような動きが行なわれているのか、それを把握する練習に最適だった。
「ふむ。手合わせの動きはかなり様になってきたのではないか?」
「サマになったかどうかは自分じゃ分からねぇが、今の状態に慣れてはきたかな?」
「片腕になった分、どうしても膂力は落ちてしまっているようだがな。それだけ動ければ魔物と戦うことも出来るだろう」
感心したように褒めてくれるスティーブ。
片手になったと言っても、腕が動かないだけで欠損したわけじゃないからな。
体幹のバランスが崩れなかったのは不幸中の幸いだった。
俺が普通に動けるようになる度に、ミシェルが安心したように息を吐く気配がしてくるんだ。
コイツにこれ以上の心労をかけないためにも、光を失っても問題ないって所を見せてやらないとな。
パメラやスティーブとの手合わせに慣れたら、魔力制御がまだ上手く出来ない低クラス冒険者たちとも手合わせをする。
「んもーっ! ぜんっぜん当たらないんだけどーっ!?」
「口ばっか動かさねぇで、もっと集中しろっての」
ポーラの攻撃にも当たらないよう、俺の攻撃もポーラに当てないように細心の注意を払って手合わせする。
武器への魔力注入が行なわれないので武器の輪郭がかなり分かりにくいけれど、肉体に流れる魔力を感知して、そこから相手の握っているはずの武器の形をイメージした。
「ソイルって本当に目が見えなくなってるのー? ぜんっぜん1本俺取れないんだけどーっ!」
「魔力制御無しでも単純に動作が素早いお前の攻撃を捌くのは骨が折れるよ。それはそれで才能の1つだろうから、大事に伸ばしていくんだな」
元気いっぱいで足が早いポーラだけど、全身しなやかで意外と武器の扱いも悪くない。
このしなやかな動きを魔力制御でサポートできれば、ポーラはもっと上を目指せるであろう逸材だ。
「だあああああっ! ふっざけんなよ!? 目が見えてたときよりも隙が無くなってんじゃねぇかっ、このクソ師匠がっ!」
「逆だ逆。俺の隙が無くなってんじゃなくて、お前の魔力制御が雑になってんだよウィル」
「ちっきしょー! 遠いなぁ! でも絶対に超えてやるからなぁ!」
始めは遠慮がちだったウィルも、今ではすっかり元通りに毎日俺に突っかかってくるようになった。
だけど返り討ちにしてやる度に、嬉しさと悔しさの混じったような叫び声を上げるようになった気がする。
「召魔獣との1件は良くやってくれたがよ、まともに戦えばお前に負ける冒険者はこの場には殆ど居ないんだぞ? 基本を思い出せ基本を」
ウィルは召魔獣の体を貫いた成功体験が鮮烈過ぎるのか、どうにも過剰に魔力を込めて立ち回りたがるようになってしまっている。
だから変な自意識をとっとと矯正してやるために、魔力が無くても戦えるってことを叩き込んでやらねぇとな。
「う~、これでもだめですかぁ……。悪くないアイディアだと思ったんですけどぉ……」
「いや、目の見えない俺に対して、魔力を込めない投擲武器で挑むアイディアは実際悪くないぜ」
動きの察知を魔力感知に頼っているという情報から、離れた場所から魔力を込めずに投擲するというアイディアを生み出したエマ。
やっぱりエマは色々試行錯誤して光るタイプのようだ。
「でも真っ直ぐに投擲された石なんざ以前だって喰らってやれねぇよ。もうちょっと工夫しな」
「発想は間違ってない。けれど作戦の練り方がまだ足りなかったんですね。なるほど……」
俺の指摘を受けて、直ぐに次の一手を考え始めるエマ。
曲撃ちみたいに軌道を曲げたりするなら有効だがな。
流石にただの投石くらい目を瞑ってても防げるっつうの。
「んー。魔力感知で行動を察知されるなら、後衛魔法使いがソイルに挑むのは無謀。姉さんみたいに離れた所から攻撃してもいなされる。難しい」
「視覚を失った分、死角からの魔法攻撃も意味をなさなくなっちゃったわよねぇ。今のソイルさんは魔法使いの天敵よ」
トリーとレオナの会話が聞こえてくるけれど、レオナのファイアストームみたいな広範囲魔法をぶっ放されたら、俺には逃げる以外に打てる手が無い。
魔法使いにとって俺が天敵であると同時に、俺にとっても魔法使いは天敵なんじゃねぇかな。
目が見えず、片腕しか動かせないのは本当に不便だけれど、少しずつ前に進めている。
みんなが協力してくれおかげで、そう実感できる日々を過ごすことが出来た。
「ソイル。ミシェル様。少々宜しいでしょうか」
その日の夜の野営中、俺とミシェルが乗っている馬車にパメラが尋ねてきた。
どうやら明日には防衛拠点に到着できる見込みらしく、真面目なパメラは律儀にそれを伝えにきてくれたらしい。
しかし当のパメラは、それだけのことでわざわざ顔を出すわけがないだろうと少々呆れ気味だ。
「ミシェル様。ご相談いただいた件ですが、私も可能であると判断しました。しかし、本当に宜しいのですか?」
「うん。もう決めたことだし問題ないよ。それに元々聖教会には出来るだけ協力するつもりだったしね」
俺を飛び越えて真面目な口調で語り合うミシェルとパメラ。
なんだろう。何か嫌な感じがする。
申し訳なさそうなパメラと決意に満ちたミシェルの声に、俺の胸騒ぎが止まらない。
「……なんの話か知らないがよ。俺に説明する気が無いなら余所で話してくれねぇか? そんな風に話されたら気になって仕方ねぇじゃねぇか」
「ううん。これはソイルにも関係がある話なの。だから私がパメラをここに呼んだんだ」
「あ? 俺に関係のある話……?」
戸惑う俺を余所に、ミシェルがパメラに向かって頷いた気配がした。
そしてパメラの口から語られる、ミシェルが下した決断。
「ミシェル様は今後、聖教会所属の戦力として協力していただけることになった。教皇ハルフースの復元魔法の使用の対価としてな」
「ミシェルが、聖教会に所属する……? 俺を復元魔法で治療する為だけに……!?」
パメラの言葉に頭が真っ白になる。
ミシェルに負担をかけたくないと腕を磨いていたのに、そんなことには何の意味も無く、俺はとうとうミシェルの未来まで奪ってしまうのか……!?
「ふっふーん。ソイルのことだからどーせまた下らないこと考えてるんでしょうけどねっ。私だってちゃあんと考えて決めたのよ?」
「……へ?」
落ち込みかけた俺の心に、楽しげなミシェルの声が沁みる。
無理に気丈に振舞っている様子は微塵も感じられない。むしろ嬉しさを滲ませる弾んだ声のように思えた。
「勝手に悩んで落ち込まないでくれるー? 心配しなくても断言してあげるわ。これこそが私の望む未来なんだってねっ」
「ミ、ミシェルの望む未来……? それっていったいどういう……」
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