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12章 俺が望んだ異世界生活
514 成長する為に
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今のこいつらにエリアキーパーを倒せるとはとても思えない。
だからこそ良いモデルケースになり得るかもしれない。
「アラタも迷宮探索で訓練にならないとか舐めた事言ってんじゃねぇ。そりゃお前が何の目標もなくダラダラと魔物を狩ってるのが悪いんだよ。
一息の間に何体の魔物を殺せるかとか、相手の攻撃を1度も回避せずに1日中探索するとか、攻撃範囲拡張禁止で潜るとか、やり方はいくらでもあんだろ。SP稼いでも意味なくなってんのに、無駄に魔物殺してどうすんだ?
俺に負けた時だってスキルには差がなかったのに手も足も出なかったろ? 数字しか見ないで楽ばっかしてるから成長できねぇんだよ。もっと追い込め自分を」
「……縛りプレイって奴? そんなことして本当に成長できるっていうの?」
「疑うよりまずは実行しろよ。人に意見を求めておいて、ちょっと大変そうに感じたらすぐに文句言ってきやがって。だったら始めから人に意見なんか求めてくるんじゃねぇよ」
ゲームで言うなら、レベルが上限に到達したプレイヤーが更に強くなる為の方法を模索してるようなもんだ。そんなもんプレイヤースキルを磨くしかないだろうに。
アラタはスキルに頼りすぎててプレイヤーとして未熟すぎる。
「雪エリアの開拓を進めるのはお前らにとっても悪い話じゃないだろ。王国民が自力で雪エリアを開拓していくのはかなり難しいだろうからな。雪エリアの開拓に成功したら何らかの恩赦が受けられる可能性はあるだろ。
それに王国中にもルイナスリームの住人にも嫌われてるお前らとしちゃあ、誰も知らない未開の地に逃げ場を用意しておくのも悪くないんじゃねぇの?」
「……確かに雪の厄介さってのは異邦人のほうが良く知ってるし、あえて開拓に乗り出す奴ってのは少くねぇかもな。王国民は開放型迷宮でしか雪を見たことがないらしいし、開拓が上手くいかないのは想像に難くはない」
「俺たちは全員が戦闘力に不安はないし、生産技術を磨いていけば他人に頼る必要もなくなるわけか。
エリアキーパーの打倒を諦めるつもりはないが、エリアキーパーを倒せなかった時に逃げる場所を作っておくのは良い案かもしれん」
魔物の情報が全然ないんだけど、魔物次第では雪エリアって潜伏場所に使いやすい気がするんだよな。
止まない吹雪エリアなんて、誰が好き好んで歩き回るんだって話だ。
「トーマの言う通り、私たちは雪エリアの開拓をもっと真剣に考える必要があるみたいね。それとは別に、エリアキーパーの打倒を目指す事も忘れちゃいけないけど……。
ねぇトーマ。エリアキーパーを倒す為には私たちは何をしなきゃいけないの?」
「んー。正直な話、必要なスキルはもう全部持ってるんだよお前らは。
次に必要なのがシルバーライトを超える性能の武器だ。職人が頼れないなら自作するしかないぞ。これにフラジャイルって支援魔法も加えれば、攻撃力が不足する事はないと思う。
あとはまぁ単純な戦闘能力だな。これは常に戦って磨き続けるしかない。
そして磨いた戦闘力を万全に発揮できる状況や魔導具の開発だ。俺なんか水中……、それも深海で戦闘する必要があったからな。
雪エリアで戦う為には、少なくとも視界の確保と足場の安定が不可欠だろうよ」
常に降り積もってるとはいえ一時的に足場を確保する程度だったら、雪なんか熱魔法で全部溶かしてしまうなんて方法もあるだろうけどなぁ。
視界の方はある程度割り切るしかないか?
魔物であるエリアキーパーが積極的に距離を取る事はないだろうから、ある程度の距離さえ視界が保てれば充分だと思うし……。
本気で戦うなら、場を整えた場所におびき寄せる、なんて方法もあるかもしれない。
「今タケルが新しい迷宮を作ってんだけどさ。仮にそこに強力な魔物が出るようになったって、ただ何も考えずに戦ってるようじゃ成長なんて出来ねぇよ。
逆に1階層に出る魔物を相手にしても、集中して何かを意識して戦えば成長できると思う。
対人戦が出来ないんだから魔物に強くしてもらわないといけねぇんだぞお前は。漫然と一方的な虐殺なんかしてんじゃねぇ。1戦1戦、1体1体の魔物をもっと尊重して探索しろ。
お前もう下手するとアリスにすら負ける程度の実力しかねぇだろ。誓約のおかげで雑魚バレしなくて済むけどな」
「――――なっ!? さ、流石にそれは聞き捨てならないよっ!
僕が拘束されている間にアリスが頑張っていたのは認めるけど、まだ僕の実力に追いついているとは思えないねっ!」
「一生そう思っとけよ。どうせもう証明する方法なんてねぇんだから。
戦闘技術を磨きながら、生産職としての腕も磨き、狩人としても経験を積み重ねて素材の調達も自分達で行わなきゃいけねぇ。こう思うと大変そうだけど、別に時間制限なんてないんだからやるしかねぇだろ。
グラメダワルケアの姿が誰にでも見れるようになるからこそ、エリアキーパーを倒したお前らの評判も上がるってくらいに考えるんだな。
ギルドを普通に利用できるソリスタが加わったんだ。情報面でも不安は解消された。ならもうあとは走るだけだろうが?
ごちゃごちゃ考えるのは得意だろ? アンジェ。お前が考えてアラタを動かすんだな。流石に20歳前にアラタが寿命を迎えるとも思えないし、少なくともあと5年以上は時間があるんだ。充分見込みはある案件だと思うがな」
「私が考えて、アラタを動かす、ね……。
そのせいでこんなことになったっていうのに、貴方は私にそれをもう1度やれって言うのね……」
アラタもアンジェも視野が狭いように感じるけど、考え方はアンジェのほうが柔軟だろう。
スキルがもう得られないってだけで絶望に浸ってるアラタは使い物にならない。
それにしても5年か。適当に言っちゃった年月だけど、5年もあったら王国民だけでエリアキーパーを倒せてる可能性も充分ある。
そうしたらこいつらを生かしておく価値がなくなってしまうから、王国側が急に判断を変えてくるかもしれない。
猶予はあるけど思ったよりも余裕がない。そんな感じかな?
だからこそ良いモデルケースになり得るかもしれない。
「アラタも迷宮探索で訓練にならないとか舐めた事言ってんじゃねぇ。そりゃお前が何の目標もなくダラダラと魔物を狩ってるのが悪いんだよ。
一息の間に何体の魔物を殺せるかとか、相手の攻撃を1度も回避せずに1日中探索するとか、攻撃範囲拡張禁止で潜るとか、やり方はいくらでもあんだろ。SP稼いでも意味なくなってんのに、無駄に魔物殺してどうすんだ?
俺に負けた時だってスキルには差がなかったのに手も足も出なかったろ? 数字しか見ないで楽ばっかしてるから成長できねぇんだよ。もっと追い込め自分を」
「……縛りプレイって奴? そんなことして本当に成長できるっていうの?」
「疑うよりまずは実行しろよ。人に意見を求めておいて、ちょっと大変そうに感じたらすぐに文句言ってきやがって。だったら始めから人に意見なんか求めてくるんじゃねぇよ」
ゲームで言うなら、レベルが上限に到達したプレイヤーが更に強くなる為の方法を模索してるようなもんだ。そんなもんプレイヤースキルを磨くしかないだろうに。
アラタはスキルに頼りすぎててプレイヤーとして未熟すぎる。
「雪エリアの開拓を進めるのはお前らにとっても悪い話じゃないだろ。王国民が自力で雪エリアを開拓していくのはかなり難しいだろうからな。雪エリアの開拓に成功したら何らかの恩赦が受けられる可能性はあるだろ。
それに王国中にもルイナスリームの住人にも嫌われてるお前らとしちゃあ、誰も知らない未開の地に逃げ場を用意しておくのも悪くないんじゃねぇの?」
「……確かに雪の厄介さってのは異邦人のほうが良く知ってるし、あえて開拓に乗り出す奴ってのは少くねぇかもな。王国民は開放型迷宮でしか雪を見たことがないらしいし、開拓が上手くいかないのは想像に難くはない」
「俺たちは全員が戦闘力に不安はないし、生産技術を磨いていけば他人に頼る必要もなくなるわけか。
エリアキーパーの打倒を諦めるつもりはないが、エリアキーパーを倒せなかった時に逃げる場所を作っておくのは良い案かもしれん」
魔物の情報が全然ないんだけど、魔物次第では雪エリアって潜伏場所に使いやすい気がするんだよな。
止まない吹雪エリアなんて、誰が好き好んで歩き回るんだって話だ。
「トーマの言う通り、私たちは雪エリアの開拓をもっと真剣に考える必要があるみたいね。それとは別に、エリアキーパーの打倒を目指す事も忘れちゃいけないけど……。
ねぇトーマ。エリアキーパーを倒す為には私たちは何をしなきゃいけないの?」
「んー。正直な話、必要なスキルはもう全部持ってるんだよお前らは。
次に必要なのがシルバーライトを超える性能の武器だ。職人が頼れないなら自作するしかないぞ。これにフラジャイルって支援魔法も加えれば、攻撃力が不足する事はないと思う。
あとはまぁ単純な戦闘能力だな。これは常に戦って磨き続けるしかない。
そして磨いた戦闘力を万全に発揮できる状況や魔導具の開発だ。俺なんか水中……、それも深海で戦闘する必要があったからな。
雪エリアで戦う為には、少なくとも視界の確保と足場の安定が不可欠だろうよ」
常に降り積もってるとはいえ一時的に足場を確保する程度だったら、雪なんか熱魔法で全部溶かしてしまうなんて方法もあるだろうけどなぁ。
視界の方はある程度割り切るしかないか?
魔物であるエリアキーパーが積極的に距離を取る事はないだろうから、ある程度の距離さえ視界が保てれば充分だと思うし……。
本気で戦うなら、場を整えた場所におびき寄せる、なんて方法もあるかもしれない。
「今タケルが新しい迷宮を作ってんだけどさ。仮にそこに強力な魔物が出るようになったって、ただ何も考えずに戦ってるようじゃ成長なんて出来ねぇよ。
逆に1階層に出る魔物を相手にしても、集中して何かを意識して戦えば成長できると思う。
対人戦が出来ないんだから魔物に強くしてもらわないといけねぇんだぞお前は。漫然と一方的な虐殺なんかしてんじゃねぇ。1戦1戦、1体1体の魔物をもっと尊重して探索しろ。
お前もう下手するとアリスにすら負ける程度の実力しかねぇだろ。誓約のおかげで雑魚バレしなくて済むけどな」
「――――なっ!? さ、流石にそれは聞き捨てならないよっ!
僕が拘束されている間にアリスが頑張っていたのは認めるけど、まだ僕の実力に追いついているとは思えないねっ!」
「一生そう思っとけよ。どうせもう証明する方法なんてねぇんだから。
戦闘技術を磨きながら、生産職としての腕も磨き、狩人としても経験を積み重ねて素材の調達も自分達で行わなきゃいけねぇ。こう思うと大変そうだけど、別に時間制限なんてないんだからやるしかねぇだろ。
グラメダワルケアの姿が誰にでも見れるようになるからこそ、エリアキーパーを倒したお前らの評判も上がるってくらいに考えるんだな。
ギルドを普通に利用できるソリスタが加わったんだ。情報面でも不安は解消された。ならもうあとは走るだけだろうが?
ごちゃごちゃ考えるのは得意だろ? アンジェ。お前が考えてアラタを動かすんだな。流石に20歳前にアラタが寿命を迎えるとも思えないし、少なくともあと5年以上は時間があるんだ。充分見込みはある案件だと思うがな」
「私が考えて、アラタを動かす、ね……。
そのせいでこんなことになったっていうのに、貴方は私にそれをもう1度やれって言うのね……」
アラタもアンジェも視野が狭いように感じるけど、考え方はアンジェのほうが柔軟だろう。
スキルがもう得られないってだけで絶望に浸ってるアラタは使い物にならない。
それにしても5年か。適当に言っちゃった年月だけど、5年もあったら王国民だけでエリアキーパーを倒せてる可能性も充分ある。
そうしたらこいつらを生かしておく価値がなくなってしまうから、王国側が急に判断を変えてくるかもしれない。
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