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11章 新たな都市の建設
470 アラタ
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ボールクローグに現れた超新星のアラタか。
ここの迷宮は管理迷宮としては1番深いし、SP稼ぎに来たのかな?
「話題の大型新人に知っててもらって光栄だね。異風の旋律のトーマだ。
アラタも異邦人なんだろうけど、別に口調を崩しても構わないよ。冒険者ってタメ口が基本だしさ」
「オッケー! 実は敬語ってあまり得意じゃないんだよね。
ってことでお言葉に甘えて口調は崩させてもらうね」
お前の距離感0か100しかないのかよ? 一瞬で親友レベルじゃねーか。
「年齢差が気にならなければ名前も呼び捨てでいいよ。
それにしてもフットワーク軽いな? ルイナスリームの情報解禁したのって昨日だってのにさ」
「サンキュートーマ! それも採用させてもらうね!
いやぁボールクローグの迷宮を踏破したら、近場の目標がなくなっちゃってさー。次にどうしようかなって悩んでたんだよね。
そしたら昨日、114階層ある迷宮なんて情報が公開されたんだもん! そりゃ行くっきゃないでしょ!?」
「そりゃありがたい。まさにアラタみたいに、今王国にある迷宮を踏破しちゃった奴のために用意した街がここだからさ。
勿論その分難易度は上がってるけど、ソロ探索できるアラタなら問題なく突破できるだろ。存分に探索してってくれよな」
「ほんとマジで助かっちゃったよ。お言葉に甘えて堪能させてもらうつもり!
それにしてもトーマって意外と話せるんだね。噂とは印象が違うなぁ」
噂……。異風の旋律不要論のことかな?
「噂ってどんな感じなの? なんかあまり良いイメージじゃないっぽいけど」
「んー、そうだね。例えばトーマの好き嫌いと偏見で支援する都市を決めているとか、新しい都市を作って迷宮資源を独占し、王国を乗っ取る気でいるとか、女の人をいっぱい囲ってるとか、あまり良い噂じゃあないね」
「うっわひでぇなそのトーマって奴。俺も近づかないようにしておくわ」
「ぶっは! アンタのことやろー! ってか! なんだよトーマ、おもしれぇ奴じゃんか!」
「アラタも大概良いノリしてると思うぜ。そうそう、1つだけアドバイスしておくよ。
この都市は新しく作られた都市だから、実はスキップオーブが他の都市より少なめなんだ。だから朝イチで探索に来たアラタの判断は間違ってねぇぜ。明日以降も気をつけてみてくれ」
「おおう、それは意外と重要な情報だね。ありがたく受け取っておくよ。
トーマは探索しないの? ここってトーマが作った都市でしょ」
「いやいや、俺は他の探索者と時間ズラしてんだよ。あまり迷惑になりたくないからさ。
実は今、探索から帰ってきたとこなんだわ」
「あーそうだったのかー! 道理でトーマの話を聞こうにも、周りで知ってる奴があんまり居なかったわけだよ。
時間をズラすメリットってなんなのさ?」
初対面でグイグイ来るなこいつ……って思い出した! いつだったかボールクローグで俺に手を振ってくれていた少年だこいつ! あれアラタだったのかよ!
「悪い。今思い出したわ。アラタって前、ボールクローグで俺に手を振ってくれたことあるよな。あれお前だったのかよ」
「おー! 思い出してくれちゃった!? そうそう、あの時はまだ迷宮踏破も出来ていない未熟者でさ、トーマに近付くこともできなかったんだよね」
「俺の体からは斥力でも発生してんのか?
時間をズラすメリットは、買い取りカウンターの混雑を回避出来るし、迷宮で他の冒険者と遭遇する確率も下げられるからな。
別に見られて困るようなもんじゃないけどさ。単純に邪魔だろ、他の冒険者って。ゲームだったらお互いの攻撃はすり抜けてくれるんだけど、現実はそうはいかねぇからさ」
「わかるわー! 1人で探索出来るようになると、周りへの影響が逆に気になっちゃうのってあるあるだよねー。
それじゃ僕もそろそろ探索してくるよ。当分ルイナスリームで厄介になると思うから、これから宜しくねトーマ」
「おう、宜しくなアラタ。この街には現在3種類の迷宮があるからよ。アラタなら制覇も狙えんじゃねぇか? 存分に鍛えていってくれよ」
「だあああああトーマ! そういうこと言っちゃダメだろ! そんなこと言われたらコンプしたくなってくるじゃんかよー!
トーマのアホー! コンプして見返してやるぅぅっ!」
「いやそこは別に自由にしてくれよ。
うん、まぁコンプするなら応援してるぜ。気をつけてな」
アラタは積層型迷宮に向かって走っていった。
身のこなしも悪くなさそうだし、アラタは強くなりそうだな。
俺の体から斥力が出ているとしたら、アラタからは引力が出ていそうだ。放っておいても人を惹き付けるカリスマ性がある。タケルとは別のタイプのリーダーって感じだ。
「へぇトーマ。噂のアラタに会ったんだ。どんな人だったの?」
「ん~、俺たちの世界での標準的な若者って感じだったよ。人当たりも良くて美形だったし、ありゃ人気出るのも分かるわ。年もシンと同じくらいじゃねぇかな?」
「あっという間にボールクローグの迷宮を、1人で踏破しちゃった人だよね? 兄さんと同じくらい若くて人当たりも良いのに、なんでパーティ組まないんだろうね?」
「んー。ソロで迷宮を踏破出来る腕になると、付いていける仲間が見つからないのかもしれませんね。私達は一緒に強くなれましたから、とても恵まれていたと思いますよ」
「うん。殆どこの世界の人類の到達点に近い強さになっちゃったもんね。そのアラタ君みたいな冒険者がもっと増えてくれば、本当に異風の旋律は引退できるかもしれないよね」
「みんな、引退するには若すぎると思うけど……。でも、迷宮に囚われない生活っていうことなら嬉しいかなっ……」
アラタと会って、改めて次世代の育成が順調に進んでいると感じることが出来た。
あとはアラタと肩を並べられるような奴が出てきてくれれば、もうルイナスリームなんて放置しても良いんだけどなぁ。
ここの迷宮は管理迷宮としては1番深いし、SP稼ぎに来たのかな?
「話題の大型新人に知っててもらって光栄だね。異風の旋律のトーマだ。
アラタも異邦人なんだろうけど、別に口調を崩しても構わないよ。冒険者ってタメ口が基本だしさ」
「オッケー! 実は敬語ってあまり得意じゃないんだよね。
ってことでお言葉に甘えて口調は崩させてもらうね」
お前の距離感0か100しかないのかよ? 一瞬で親友レベルじゃねーか。
「年齢差が気にならなければ名前も呼び捨てでいいよ。
それにしてもフットワーク軽いな? ルイナスリームの情報解禁したのって昨日だってのにさ」
「サンキュートーマ! それも採用させてもらうね!
いやぁボールクローグの迷宮を踏破したら、近場の目標がなくなっちゃってさー。次にどうしようかなって悩んでたんだよね。
そしたら昨日、114階層ある迷宮なんて情報が公開されたんだもん! そりゃ行くっきゃないでしょ!?」
「そりゃありがたい。まさにアラタみたいに、今王国にある迷宮を踏破しちゃった奴のために用意した街がここだからさ。
勿論その分難易度は上がってるけど、ソロ探索できるアラタなら問題なく突破できるだろ。存分に探索してってくれよな」
「ほんとマジで助かっちゃったよ。お言葉に甘えて堪能させてもらうつもり!
それにしてもトーマって意外と話せるんだね。噂とは印象が違うなぁ」
噂……。異風の旋律不要論のことかな?
「噂ってどんな感じなの? なんかあまり良いイメージじゃないっぽいけど」
「んー、そうだね。例えばトーマの好き嫌いと偏見で支援する都市を決めているとか、新しい都市を作って迷宮資源を独占し、王国を乗っ取る気でいるとか、女の人をいっぱい囲ってるとか、あまり良い噂じゃあないね」
「うっわひでぇなそのトーマって奴。俺も近づかないようにしておくわ」
「ぶっは! アンタのことやろー! ってか! なんだよトーマ、おもしれぇ奴じゃんか!」
「アラタも大概良いノリしてると思うぜ。そうそう、1つだけアドバイスしておくよ。
この都市は新しく作られた都市だから、実はスキップオーブが他の都市より少なめなんだ。だから朝イチで探索に来たアラタの判断は間違ってねぇぜ。明日以降も気をつけてみてくれ」
「おおう、それは意外と重要な情報だね。ありがたく受け取っておくよ。
トーマは探索しないの? ここってトーマが作った都市でしょ」
「いやいや、俺は他の探索者と時間ズラしてんだよ。あまり迷惑になりたくないからさ。
実は今、探索から帰ってきたとこなんだわ」
「あーそうだったのかー! 道理でトーマの話を聞こうにも、周りで知ってる奴があんまり居なかったわけだよ。
時間をズラすメリットってなんなのさ?」
初対面でグイグイ来るなこいつ……って思い出した! いつだったかボールクローグで俺に手を振ってくれていた少年だこいつ! あれアラタだったのかよ!
「悪い。今思い出したわ。アラタって前、ボールクローグで俺に手を振ってくれたことあるよな。あれお前だったのかよ」
「おー! 思い出してくれちゃった!? そうそう、あの時はまだ迷宮踏破も出来ていない未熟者でさ、トーマに近付くこともできなかったんだよね」
「俺の体からは斥力でも発生してんのか?
時間をズラすメリットは、買い取りカウンターの混雑を回避出来るし、迷宮で他の冒険者と遭遇する確率も下げられるからな。
別に見られて困るようなもんじゃないけどさ。単純に邪魔だろ、他の冒険者って。ゲームだったらお互いの攻撃はすり抜けてくれるんだけど、現実はそうはいかねぇからさ」
「わかるわー! 1人で探索出来るようになると、周りへの影響が逆に気になっちゃうのってあるあるだよねー。
それじゃ僕もそろそろ探索してくるよ。当分ルイナスリームで厄介になると思うから、これから宜しくねトーマ」
「おう、宜しくなアラタ。この街には現在3種類の迷宮があるからよ。アラタなら制覇も狙えんじゃねぇか? 存分に鍛えていってくれよ」
「だあああああトーマ! そういうこと言っちゃダメだろ! そんなこと言われたらコンプしたくなってくるじゃんかよー!
トーマのアホー! コンプして見返してやるぅぅっ!」
「いやそこは別に自由にしてくれよ。
うん、まぁコンプするなら応援してるぜ。気をつけてな」
アラタは積層型迷宮に向かって走っていった。
身のこなしも悪くなさそうだし、アラタは強くなりそうだな。
俺の体から斥力が出ているとしたら、アラタからは引力が出ていそうだ。放っておいても人を惹き付けるカリスマ性がある。タケルとは別のタイプのリーダーって感じだ。
「へぇトーマ。噂のアラタに会ったんだ。どんな人だったの?」
「ん~、俺たちの世界での標準的な若者って感じだったよ。人当たりも良くて美形だったし、ありゃ人気出るのも分かるわ。年もシンと同じくらいじゃねぇかな?」
「あっという間にボールクローグの迷宮を、1人で踏破しちゃった人だよね? 兄さんと同じくらい若くて人当たりも良いのに、なんでパーティ組まないんだろうね?」
「んー。ソロで迷宮を踏破出来る腕になると、付いていける仲間が見つからないのかもしれませんね。私達は一緒に強くなれましたから、とても恵まれていたと思いますよ」
「うん。殆どこの世界の人類の到達点に近い強さになっちゃったもんね。そのアラタ君みたいな冒険者がもっと増えてくれば、本当に異風の旋律は引退できるかもしれないよね」
「みんな、引退するには若すぎると思うけど……。でも、迷宮に囚われない生活っていうことなら嬉しいかなっ……」
アラタと会って、改めて次世代の育成が順調に進んでいると感じることが出来た。
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