異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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11章 新たな都市の建設

447 お試し移住期間

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「トーマー! 高層型が出来てたよー! これで残りは異界型だけだねー!」


 新しく生まれた迷宮を確認しにいったリーンが、嬉しそうに報告してくれる。

 おっし、思ったより高層型を引くのが早かったな。
 タケルに頼んで成長促進かけてもらわないと。

 中央の迷宮は80階層を越えた時点で成長を止めてもらった。どうせ残す予定のない迷宮だし、成長促進の効果が思った以上に大きかったからだ。

 成長促進状態の迷宮は毎日更新を確認している。
 迷宮が成長してもスキップの階層がリセットされる事はなかったので、1度最奥まで行ってしまえば調査は簡単だ。

 迷宮神像前のガーディアンは、1度倒すと迷宮が成長しても再度現れる事はないらしい。
 もし戦いたい場合は、ガーディアンと戦っていない人を連れてくればいいだけなので問題はない。


 最低限の住居も確保できたので、栄光の旋律に参加している異邦人達に、ルイナスリームへの移住お試し期間を設けてみた。
 とりあえず10日間ほど過ごしてもらって、定住するかベイクに戻るかを決めてもらう。

 ルイナスリーム用に、スキップオーブを30個ほど用意しておいた。


「なかなか順調じゃねーか? 迷宮も既に3種類出来てるし、各種施設も揃ったみてぇだしよ。
 武器屋や魔法薬屋がねぇのが少々不便ではあるけど、それも人が増えりゃ解消される問題だろうしな!」

「ああ、タケルのおかげでかなり早いペースで建設が進んでると思うよ。
 ここにいる王国民は、基本的に異風の旋律が1度顔を合わせた人たちしか居ないから、他の都市よりは信用出来ない人は少ないと思うよ」

「ああ。異風の旋律のことは信用してるし、ルイナスリームは安心感がちげーぜ!
 っとそういやトーマ。迷宮はどこまで成長させる予定なんだ? 毎日確認はしてんだろ?」

「してるしてる。本当は100階層越えれば充分だって思ってたんだけど、出来ればカラードラゴンが出てくるまで粘りたいなって思ってさ。
 俺が戦ったのってグリーンドラゴンだったけど、アイツはエリアキーパーと戦う前の訓練に最適だからさ。
 その分危険度もかなり高いんだけど。
 開放型迷宮は、20~25階層くらいを想定してる。開放型はスキップの恩恵が得られ辛いから、あまり深くしても攻略できなくなるかもしれないから」


 出来れば25階層かなぁ……。
 そこまで来ると、1つの階層分だけで地図が100枚以上必要になってきたりして。

 迷宮の中でも使える乗り物とかあればいいのに……。
 って流石にこれは飛躍しすぎか。


「タケルさーん! 早く探索行きましょうよ! ここ初回だからスキップオーブ使えませんし、時間勿体無いですよー!」

「おー今行くわー! 悪いトーマ。メンバーに呼ばれてっからそろそろ行くわ。またなんかあったら行ってくれよ」


 タケルは他の異邦人に呼ばれて去っていった。
 う~ん。タケルって人望あるみたいだなぁ。面倒見が良いし、指導者に向いてるかもしれない。


「タケルは異邦人達に人気があるみたいですね。ルイナスリームの建設もタケルの能力あってこそですし、異風の旋律を除けば、異邦人の中では最強格の1人でもありますし。
 あまり関わりの無いトーマよりも、タケルのほうを信頼している異邦人も多いみたいですよ?」

「へぇ? つうかトルネがそんなこと知ってるのがちょっと意外だったわ。
 まぁ実際タケルはリーダーの資質充分だろうな。身を挺してアリスの助命を嘆願したりとか、俺だったら絶対出来ないわ」

「トーマの場合は本人が預かり知らぬところで無茶しそうだもんねー? 私達を買った時みたいにさー?」

「あの時はなぁ。無茶だとは思ったけど無理だとは思わなかったな。実際余裕だったし。
 スクロールも売っ払ってたら、白金貨5枚に届いたんじゃね?」

「うん。トーマの話を聞いててもため息が出るだけだからね? そろそろ討伐に行こうか」


 女性陣を見送った後、鱗の山の上にターミナルを設置する作業に入る。

 ロープで背中に縛り付けてジャンプを使用してみたけど、やっぱりターミナルは一緒に転移できなかった。
 仕方ないのでフリークライミングすっかーと思っていたところで、シンから待ったがかかった。


「いやいや。トーマ自身はジャンプで上までいけるんだからさ。上から引っ張りあげればいいじゃない。
 ストレージで長くて丈夫なロープを上まで持ち込んで、それを下まで下ろしてくれたら僕がターミナルを結ぶからさ」

「おおおマジかよ! 確かにそっちのほうがめちゃくちゃ楽だな!?
 あ、でもターミナルがロープに括りつけられたこと、どうやって把握すればいいんだ?」

「そんなの上から『遠目』を使えば見えるでしょ? もし見えなかったら、ターミナルをロープに結んだ後に、空に向かってグリーンリーパーを放ってもいいし」

「オッケイ! 何も問題なさそうだな! じゃあロープ用意してくるわ!」

「あ、ちょっと待ってトーマ。1つ気になってたんだけどいいかな?
 今日から異邦人たちがルイナスリームで活動するけど、冒険者ギルドにお金ないでしょ? 迷宮資源を買い取れないんじゃない? そこってどうなってるの?」

「ん? 俺の口座の金全部、各種ギルドに分配して寄付したよ? 俺個人で持ってるよりも、行政機関に譲ったほうがお金が回ってくれると思うし。毎朝ヴェルトーガでめっちゃ稼いでるし」


 最近は流石にドロップの回収を少し控えてるけどね。


「あーずるい! そういうことするならパーティで共有してよ! 僕らだってお金使い切れないんだからさぁ……。
 とりあえず、ルイナスリームの運営資金は当分心配ないことは分かったよ。
 それじゃロープが落ちてくるまでここで待ってるね」


 その後シンの作戦通り、上からターミナル引き上げ大作戦で、普通にターミナルを上まで運搬する事に成功した。
 そしてちょっと不安だったターミナルの有効化も問題なく可能だった。

 ルイナスリームもユリバファルゴア戦跡地も鱗の上に乗ってるから、鱗山の上でもターミナルは機能するとは思ってたけどね。
 地表から1キロメートル以上離れていてもちゃんとターミナルは機能するのに、なんで海面だと機能してくれないんだろうなぁ?

 魔法って奴はなかなか奥が深いよ。
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