異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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10章 壁外世界

420 ボールクローグの拠点作り

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 今は黒猫たちとボールクローグに帰還している真っ最中。
 速度的に追いつけない大きさの子は、素直に馬車に一緒に乗ってくれている。


「サリサリ。悪いけど何日間かは銀の乙女の拠点で預かってくれる?
 こんなあっさり見つかるとは思ってなかったから、拠点建設がまだなんだよな。
 10日で白金板3枚でどう?」

「おうおう相変わらずの金払いだねぇ! ま、食事と寝泊りくらい世話すりゃ、こいつらは放っといても問題ないくらい頭がいいだろうからね。楽な依頼だよ。
 うちの団員も既にメロメロみたいだし、嫌がる奴ぁ居ないさ。
 あ、でも冒険者ギルドと狩人ギルドにはちゃんと紹介しておくべきかもしれないね」

「なるほどね。じゃあその通りにさせてもらうよ。
 一応ペル以外は異風の旋律預かりで大丈夫? 銀の乙女も引き取りたいとかある?」

「いやぁ? トーマたちがいない時は私達で面倒みんだろ? というかみんな面倒見たがってるからね。所属は異風の旋律でも構わないさ。
 今後子供が生まれることがあれば、そん時ゃ相談って感じかねぇ」


 そうだなぁ。子供が生まれれば引き取りたいって思うかもしれないしな。
 そして繁殖に成功したら、他の狩猟団も欲しがるかもしれない。
 なんといっても有能すぎるもんな、ペルたちって。

 魔物との戦闘を無視して走り続け、夜明け前には銀の乙女の拠点に到着する。
 黒猫達は一旦銀の乙女の拠点に預かってもらって、俺とシンはソロ探索へ、女性陣は新しい黒猫達を、ボールクローグの各ギルドに紹介しにいった。

 ヴェルトーガの迷宮で探索するの、ちょっと控えたほうがいいかなぁ?
 この前ディオーヌ様にちょっと不振がられてたし……。

 誰ともすれ違わないし、広くて刃紋と相性がいいし、稼ぐの楽なんだよなぁここ。


 ベイクでシンを拾ってからボールクローグに戻ると、狩人ギルドで女性陣と一緒にクリーヌがいたので、一緒に朝食を取る事になった。


「ん。1食分浮いて助かった。トーマたちは何も言わなくても勝手に払ってくれるから楽」

「俺らは金が余ってる状態だからなぁ。とりあえず久しぶりクリーヌ。黒猫たちには会った?」

「会った。あんなペルみたいなのが他にも居たなんて驚いた。ちっちゃい子も居たし」


 あれはびっくりするよなぁ。
 ふわわと大して変わらないサイズから、最終的には5メートルオーバーまで到達するんだもんよ。
 同じ種族とは思えないわ。


「あ、スキップオーブを作ったのもトーマたちなんだってね。あれは助かった。おかげでスキル取得も楽」

「ああ、クリーヌも使ってるのな。役に立てたようで何よりだよ」

「スキップオーブが作れたってことは、ゲートの魔導具も作れる? 何で作らない?」

「ゲートの魔導具はスキップと違って、いい影響だけが起こるとは限らないからね。慎重に判断する事にしたんだよ。
 必要となったら、王様や精霊家の人たちが広めてくれるさ」

「そっか。王国中にリス獣人探しに行こうかと思ってたけど、まぁいい。
 都市間馬車サービスのおかげで、かなり旅はしやすくなったし」


 あーリスの獣人探しなぁ。
 もし見かけたら絶対忘れない可愛さなんだけど、見た覚えがないって事は、かなり少ないのかもしれないよなぁ。


 朝食を食べたらクリーヌとは別れ、異風の旋律ボールクローグ拠点の建設予定地を見繕っておく。
 
 銀の乙女の拠点から出発して、ボールクローグとは反対方向に進み、500~1000メートル程度離れた辺りに決める。
 土魔法を使って外周をちょっとだけ盛り上げて、大体の土地と、家屋の面積を決めておく。

 最終的な拠点作りは、ボールクローグの職人さんたちに丸投げする予定だ。
 黒猫たちさえ快適に過ごせればそれでいいのだ!


 そのままいつも通りの生活を2日ほど過ごし、ボールクローグの拠点作りの依頼が開始した。

 職人と護衛たちの運搬は、ペルと同じサイズの黒猫『ガルム』が引き受けてくれるので、移動や物資の運搬時間をそのまま作業時間に充てられるのは大きい。因みに命名はリーネだ。


「人が住むスペースよりも猫が住むスペースのがでけぇんだけど、これ間違いじゃねぇのか?」

「間違ってないのでそのまま宜しく」


 正直な話、俺たちはあまり利用しない可能性も高いからなぁ。
 はっきり言って黒猫たちのほうがメインなんだよな。

 ここは別荘じゃなくて拠点だし、建設に対してそこまでやる気が出ないのは仕方ない。


 家の周りは4メートルくらいの高さの壁で覆っている。
 一応城壁外なので、家の周りには外壁がないと安全面が不安だ。

 負ける事はないけど、久々に拠点に来たら魔物の巣窟になっていたー、なんて事態は避けたい。

 居住スペースは20人くらいまでがゆっくり過ごせる程度の規模の家を建ててもらう。
 建物に対しての要望は女性陣ですら特になかった。 
 すっかり別荘の魅力に取り付かれてしまったようだな!

 猫達用の家屋は、ペルでも余裕では入れる高さにして、成長によってサイズが変わっても使いやすいように、猫が収まれる小部屋を、サイズごとにいくつか用意。

 猫用の遊具とかも用意したいんだけどなー。サイズと強度がなー。

 あとはペルが引いているサイズの馬車と、それより小さい馬車を3サイズ用意した。
 街への移動には巨大馬車要らない。

 しかしこいつらも出番あるかなぁ? エリアキーパーと戦う気なんてないし。
 ボールクローグの冒険者がレイメルカミウリを倒したら、森林エリアの冒険に使ってもいいかも?


 拠点が完成したので、ガルム一家を引き取りにお隣さんの銀の乙女の拠点に向かう。
 サリサリも興味があると言う事で、一緒に異風の旋律の拠点に付いてきた。


「あっはっは! トーマらしいね! 動物の入る家のほうが快適そうじゃないかい!」

「多分ペルとかガルムは塀を飛び越えられるだろうから、自由に出入りしていいぞ。
 サリサリたちも、俺たちがいない時はガルムたちを狩りに同行させても構わない。ここの馬車使ってもいいしな。
 使い終わったら手入れと施錠さえ忘れなければ、割と自由にしてもらっていいよ。これがここの鍵」

「へぇ? 有り難く預からせてもらおうじゃないかい。
 ペル、ガルム。もうちょい待ってくれよな。私らも1度、ボールクローグの迷宮を踏破しておきたいのさ。狩人として、更に成長するためにね。
 そうしたらうちらとみんな一緒に狩りに行こうかい。それまでは自由にしてもらってて構わないからさ」


 よし、黒猫の話も片付いたし、ようやくルイナスリームの建設を本格化できるな!

 と思ったら、翌日ネヴァルドに呼ばれてしまった。
 エリアキーパーの情報の取り扱いについてぇ?

 そんなん王国民で勝手に決めてくれればいいのに~。
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