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10章 壁外世界
374 vsユリバファルゴア③ 能力の探り合い
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エリアキーパー、ユリバファルゴア。
先制攻撃が完璧に決まったのは良いが、かえってその異常なまでの耐久力を見せ付けられる結果となってしまった。
仮に弱点があるとして、探せるのか……?
未だに尻尾の先は、霞んで見えてないってのに。
もしかしたら、根元に本体があったりする可能性もあるか?
これ以上近付かれる前に、『遠目』を使って尻尾の先を確認する。
うん。ただの尻尾だった。どのくらい離れてるのかは全く分からなかったけど。
特に目を引くような部位はなく、尻尾の先はフッサフサの牛の尻尾のようだった。
お前マジでなんなんだよ。蛇神の自覚あんの?
ユリバファルゴアは急速に接近してきて、俺達に向かって噛み付いてくる、ように見せかけて、俺たちの数十メートル上で、体を倒して静止した。
あ~、お前の巨体を考えれば、シンプルな攻撃方法こそが1番強力って話か。なるほど、間違っちゃいないな。
俺とシンが、無限射程斬撃を持っていなければの話だけどなぁ!?
高速で振ってくる長大な体。ユリバファルゴアの巨体を最大限に活かしたボディプレス。
そして同時に2つの剣閃。
俺とシンの間の胴体が両断され吹き飛ぶ。
落下してくる体を避けて、空いた空間に全力で回避!
「うおおおおお!?」
砂漠の上に落下したとはいえ、山脈が自由落下なんて目じゃないほどの速度で落ちてきたようなもんだ。
凄まじい振動と共に、大量の砂塵が舞う。
だが俺とシンの攻撃で、胴体部分は3等分にされたはず!
これで斬り飛ばされたところも再生されるのかどうか、確認しないと。
少なくとも死んではいない。魔力探知によると、砂煙の中で動きまくってるのが分かるから。
数秒遅れて軽めの振動。今回切り離された部分も落ちてきた模様。
なるべく広範囲を空間洗浄で払いのけながら、切り離した部分の確認に向かう。
砂煙で全長は確認できないが、切り離された部分だけでも100メートル以上はありそうだ。切断面を確認すると、肉厚も半端じゃないが、100メートルはなさそうだ。胴体の中は殆ど空洞らしい。
ギュラララララララ!!
ユリバファルゴアの咆哮で、視界を覆っていた砂煙が吹き飛ばされる。
どうやら随分お怒りのご様子。
晴れた視界で確認すると、切り離した部分は砂漠に落ちたままで、ユリバファルゴアの本体の方には切断面が残っていない。
ちっ、砂煙で確認できなかったのは残念だな。そのまま100%再生したのか、両端を繋げたのか分からない。
ダメージ100%再生とかだったら嫌になるが、長い部分同士を繋げ合わせただけならば、ダルマ落とし方式で胴体を切り離し続ければ、最終的には短くなりそうだ。
現時点ではまだ胴体が長すぎて、胴体が縮まっているのかは確認できない。
ちっ、試しに胴体を切り離しまくってみたいところだが、もしも再生能力だったら手がつけられないからな。いちかばちかの判断はまだ早すぎる。
人以上の知能を持つ魔物なんていくらでもいるってオーサンも言ってたからな。わざと胴体を放置して、俺達に魔力を消費させようと思っている可能性はある。
ギュルルルルアアアアア!!
咆哮と共に、頭の上に生えているトサカみたいな部分を鞭のように振るってくる。
ちっ、鞭っていってもコイツの巨体で振るわれたら、超高速でビルが倒壊してくるようなもんだ!
「閃空!」
向かってくるトサカの、根元付近を狙って切り裂く!
ちっ、まだそこまででもねぇけど、このペースで魔力を使い続けるのはあまり良くないな。
数秒遅れて後方に振動。斬り飛ばしたトサカが落ちたか。
一応注視しているが、トサカは再生される気配はない。
再生される部分とされない部分があるのか? それともなんらかの条件がある?
ギュバアアアアアア!!
「――――!?
ざっけんなよテメェ!?」
この野郎、口から高速で砂を吐き出しやがった!
魔法攻撃じゃないから、魔力探知で反応できない!
「うおおおおおお!!」
ガントレットに魔力を込めて足元を全力で殴る!
爆発のような衝撃と共に足音が吹っ飛び、クレーターの中に落下した。
凄まじい勢いで頭上を砂が通過していくのが感じられる。
開けた穴にも砂は流れ込んでくるが、砂は土魔法で操作可能なのは検証済みだ。生き埋めになる心配はない。
心配なのはシンだ。今の攻撃は、シンとは相性が悪そうだったが大丈夫か?
いや、このためにジャンプを覚えてきたんだ。
短距離転移とはいえ、砂の届かない高さまで転移出来る筈だ。
土魔法で砂の奔流が止まった事を確認。土魔法でスペースを作り、頭上の砂をもう1度ぶん殴る!
爆発のような衝撃で砂が吹っ飛び夜空が見える。素早く這い出て砂から脱出。
特撮ヒーローじゃないんだから。爆発をバックに、俺、参上!
ランドビカミウリは多彩な魔法を放ってきたが、ユリバファルゴアは殆ど魔力を使った攻撃をしてこない。
その異常なまでの巨体を最大限に活かして、魔力に頼らない物理攻撃全開で攻めてくる。
魔力探知で初動を捉えられないのは、はっきり言って厄介すぎるぜ!
魔力でもなく技術でもなく筋力や運動神経でもない。
ただその純粋な大きさだけでこの世界の最強に上り詰めた存在、ユリバファルゴアか。
ある意味、物理キャラの究極系か。
小細工なしの巨体キャラ。真っ向勝負で切り崩すしかないってか。
緑の閃光が煌いているのが見える。どうやらシンも無事のようだ。
さて、こいつをどうやって倒せばいいもんかな?
先制攻撃が完璧に決まったのは良いが、かえってその異常なまでの耐久力を見せ付けられる結果となってしまった。
仮に弱点があるとして、探せるのか……?
未だに尻尾の先は、霞んで見えてないってのに。
もしかしたら、根元に本体があったりする可能性もあるか?
これ以上近付かれる前に、『遠目』を使って尻尾の先を確認する。
うん。ただの尻尾だった。どのくらい離れてるのかは全く分からなかったけど。
特に目を引くような部位はなく、尻尾の先はフッサフサの牛の尻尾のようだった。
お前マジでなんなんだよ。蛇神の自覚あんの?
ユリバファルゴアは急速に接近してきて、俺達に向かって噛み付いてくる、ように見せかけて、俺たちの数十メートル上で、体を倒して静止した。
あ~、お前の巨体を考えれば、シンプルな攻撃方法こそが1番強力って話か。なるほど、間違っちゃいないな。
俺とシンが、無限射程斬撃を持っていなければの話だけどなぁ!?
高速で振ってくる長大な体。ユリバファルゴアの巨体を最大限に活かしたボディプレス。
そして同時に2つの剣閃。
俺とシンの間の胴体が両断され吹き飛ぶ。
落下してくる体を避けて、空いた空間に全力で回避!
「うおおおおお!?」
砂漠の上に落下したとはいえ、山脈が自由落下なんて目じゃないほどの速度で落ちてきたようなもんだ。
凄まじい振動と共に、大量の砂塵が舞う。
だが俺とシンの攻撃で、胴体部分は3等分にされたはず!
これで斬り飛ばされたところも再生されるのかどうか、確認しないと。
少なくとも死んではいない。魔力探知によると、砂煙の中で動きまくってるのが分かるから。
数秒遅れて軽めの振動。今回切り離された部分も落ちてきた模様。
なるべく広範囲を空間洗浄で払いのけながら、切り離した部分の確認に向かう。
砂煙で全長は確認できないが、切り離された部分だけでも100メートル以上はありそうだ。切断面を確認すると、肉厚も半端じゃないが、100メートルはなさそうだ。胴体の中は殆ど空洞らしい。
ギュラララララララ!!
ユリバファルゴアの咆哮で、視界を覆っていた砂煙が吹き飛ばされる。
どうやら随分お怒りのご様子。
晴れた視界で確認すると、切り離した部分は砂漠に落ちたままで、ユリバファルゴアの本体の方には切断面が残っていない。
ちっ、砂煙で確認できなかったのは残念だな。そのまま100%再生したのか、両端を繋げたのか分からない。
ダメージ100%再生とかだったら嫌になるが、長い部分同士を繋げ合わせただけならば、ダルマ落とし方式で胴体を切り離し続ければ、最終的には短くなりそうだ。
現時点ではまだ胴体が長すぎて、胴体が縮まっているのかは確認できない。
ちっ、試しに胴体を切り離しまくってみたいところだが、もしも再生能力だったら手がつけられないからな。いちかばちかの判断はまだ早すぎる。
人以上の知能を持つ魔物なんていくらでもいるってオーサンも言ってたからな。わざと胴体を放置して、俺達に魔力を消費させようと思っている可能性はある。
ギュルルルルアアアアア!!
咆哮と共に、頭の上に生えているトサカみたいな部分を鞭のように振るってくる。
ちっ、鞭っていってもコイツの巨体で振るわれたら、超高速でビルが倒壊してくるようなもんだ!
「閃空!」
向かってくるトサカの、根元付近を狙って切り裂く!
ちっ、まだそこまででもねぇけど、このペースで魔力を使い続けるのはあまり良くないな。
数秒遅れて後方に振動。斬り飛ばしたトサカが落ちたか。
一応注視しているが、トサカは再生される気配はない。
再生される部分とされない部分があるのか? それともなんらかの条件がある?
ギュバアアアアアア!!
「――――!?
ざっけんなよテメェ!?」
この野郎、口から高速で砂を吐き出しやがった!
魔法攻撃じゃないから、魔力探知で反応できない!
「うおおおおおお!!」
ガントレットに魔力を込めて足元を全力で殴る!
爆発のような衝撃と共に足音が吹っ飛び、クレーターの中に落下した。
凄まじい勢いで頭上を砂が通過していくのが感じられる。
開けた穴にも砂は流れ込んでくるが、砂は土魔法で操作可能なのは検証済みだ。生き埋めになる心配はない。
心配なのはシンだ。今の攻撃は、シンとは相性が悪そうだったが大丈夫か?
いや、このためにジャンプを覚えてきたんだ。
短距離転移とはいえ、砂の届かない高さまで転移出来る筈だ。
土魔法で砂の奔流が止まった事を確認。土魔法でスペースを作り、頭上の砂をもう1度ぶん殴る!
爆発のような衝撃で砂が吹っ飛び夜空が見える。素早く這い出て砂から脱出。
特撮ヒーローじゃないんだから。爆発をバックに、俺、参上!
ランドビカミウリは多彩な魔法を放ってきたが、ユリバファルゴアは殆ど魔力を使った攻撃をしてこない。
その異常なまでの巨体を最大限に活かして、魔力に頼らない物理攻撃全開で攻めてくる。
魔力探知で初動を捉えられないのは、はっきり言って厄介すぎるぜ!
魔力でもなく技術でもなく筋力や運動神経でもない。
ただその純粋な大きさだけでこの世界の最強に上り詰めた存在、ユリバファルゴアか。
ある意味、物理キャラの究極系か。
小細工なしの巨体キャラ。真っ向勝負で切り崩すしかないってか。
緑の閃光が煌いているのが見える。どうやらシンも無事のようだ。
さて、こいつをどうやって倒せばいいもんかな?
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