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10章 壁外世界
366 パーティリング
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「ああ~、それは確かに大混乱が起こるだろうねぇ……。スキップの魔導具かぁ」
夕飯後にみんなに相談すると、殆どの皆が頭を抱えてしまった。
爛々と瞳を輝かせているのはアサヒとカンナの2人だけだ。
「うおおおおめっちゃ欲しいっす! 迷宮の往復が1番時間かかるんすよおおお!」
「ホントよね。今14階層まで進んでるけど、探索よりも移動のほうに時間を取られるのよ。
お願いトーマ。1つちょーだい?」
「2人はもう俺の嫁だし、試作が出来たらあげるけどさ。マーサ、出来ると思う?」
「――――多分、出来ると思うぜ……。
普通の魔導具のように魔力を吸っちまうと、魔力の少ない冒険者は危ないかもな。アサヒとカンナなら多分平気だろうが。というか、単純にリピートの術式付与をして、トーマが魔法付加するだけだろ? 間違いなく出来らぁな」
「ストレージの例を思い返すと、恐らく魔法付加された魔導具がスキップの使用者扱いになるはずだから、1度は自力で探索しないといけないと思うけどな。その1回さえこなせば良いんだから、やっぱり常識が変わるよなこれ」
「変わるでしょうねぇ……。というか、1等級冒険者としてふんぞり返ってるブルガーゾですけど、あと50日も待たずに、栄光の運び手の子供達に抜かされてしまいそうですねぇ。ふふ、ふふふふふ……」
「あ! いいこと考えた。マーサ、術式付与ってなんにでも出来る? 例えば指輪とか腕輪とか、どの程度の小ささまでいけるかな?」
「あ? そうだなぁ。まぁ指輪くらいなら問題なくいけるぜ。これでも私は元シルバーライト級だからな!
指輪以上に小さくされっと、ちょっと自信ねぇかな」
「指輪でいけるなら充分だ。ちょっとこれから工房に行って、魔力成型でみんなの指輪作ろうぜ。異風の旋律のパーティシンボルってことでさ。そこにリピートとスキップを付加すれば……、って指輪じゃダメなのか。魔力自動吸引式だと、常に肉体に触れてる物には使えないのかぁ……!」
「いや? そこは任意吸引型にもちゃんとできるぜ? っていうか、任意吸引型じゃないと使えない魔導具のほうが多いだろうが」
「マジか! じゃあ何の問題もないな! 今すぐ行こうぜ!
あ、デザインは俺が適当に作っちゃって良い? それとシンとハルの分も指輪作って良いのか?」
「うん。勿論いいよ。あーでもそうだなぁ。私とシンだけ色とかデザインを少しだけ変えてくれないかな?」
「ああ、それでいいんじゃないかな。夫婦同士で一緒なら分かりやすいよね」
「オッケー! じゃあ早速行こうぜ!」
全員で工房に行き、何種類か見本を作る。パーティシンボルだからな。全員で決めるべきだ。
「っていうか、これでアサヒとカンナも正式に異風の旋律に加入する形になるけど、良いのかな?」
「あー、まだ実力不足なのは認めるっすけどね? 断る理由はなにもないっすよ」
「うんうん! トーマに指輪を贈ってもらって、それで異風の旋律の一員になれるなんて、こんなに幸せなことってないわよ? 末永く宜しくね、トーマっ!」
「こちらこそ宜しくお願いします。
それと魔法付加だけど、リーネだけゲートにしようか。リーネにスキップ付加しても意味無いからな」
「ほんとっ……!? すっごく嬉しい……! これでミケーネたちや、ペルちゃんたちにも会いにいきやすくなるねっ……!
ありがとうトーマ、大好きっ……!」
「ぐぉぉ……。不意打ちの直球はやめてくれ。死んでしまうわ……!
一応言っておくけど、各都市のターミナルに指輪で触れるのを忘れるなよ?
それで、そろそろデザインは決まったかな?」
皆が選んだのは、普通の指輪に比べて少し幅広のデザインだった。適当に作ったので知らなかったが、アサヒが言うのはワイドリングっていうらしい。裁縫の時の指ぬきって言ったら殴られそうだからやめておこう。
俺たち夫婦は白、シンとハルは緑がかったカラーを希望。2人のメイン武器が緑だもんな。似合うと思う。
デザインが決まったら、全員の指に触れながら指輪を成型する。ちなみに素材はランドビカミウリの鱗と、グリーンドラゴンの鱗だ。どっちも絶対壊れないだろう。
出来上がった物からマーサに渡し、リピートの術式を刻んでいく。
「指輪の素材が硬すぎんだよ! トーマの馬鹿やろおおおおっ!」
大丈夫。世界最高の職人のお前なら出来る!
魔法付加をする前に、シンとハルが提案してきたのは、付加する魔法の自由選択。
シンとハルは、それぞれがスキップとターミナルを担当したいらしい。ああいいね、そういう分け方。
本当はジャンプを付加できれば良かったんだけど、ジャンプを付加しても転移するのは指輪だけだからな。何の意味もない。
シンとハルの話を聞いて、リーンとトルネが2人で分担、アサヒとカンナも2人で分担。リーネとマーサは迷宮に入る予定がないので2人ともゲートを付加する。
俺の指輪はどうするかなぁ。指輪で魔法を使用すると、どうやら空間魔法の長ったらしい発動待機時間を減らせるみたいだけど、みんなの指輪に付加した上に、自分が使用可能な魔法を指輪に込めるのは微妙だな。とりあえず保留でいいか。
「マーサ。リピートの術式付与だけだったら、マーサじゃなくても問題ないよな?」
「あ? そりゃあな。この大きさの物に刻める奴は、少ねぇかもしれねぇがな」
「ちなみにホムロの店でも可能?」
「問題ねぇぜ。ホムロはちゃんとミルズレンダで修行した職人だからよ。術式付与が出来ないって事はありえねぇ」
「りょーかい。それじゃホムロに頑張ってもらおうかな」
未だに余ってるアサルトドラゴンの鱗を使って、70個ほど水晶玉を作る。ディオーヌ様に見せた後、各都市に配るとしよう。
ヴェルトーガに30で、ボールクローグ、ウィルスレイア、あとは一応ネヴァルドに10個ずつだな。管理は丸投げしよっと。
あとはディオーヌ様の許可が出たら、ベイクにも10個配備したい。
完成した指輪は、シンとハルにはそのまま渡し、嫁の分は俺が直接つけてやる。勿論左手の薬指に。
「左手の薬指につける指輪は結婚指輪って言ってさ。俺たちが居た世界じゃ、夫婦間でしかつけないもんなんだ。
みんな、俺と結婚してくれてありがとう。これからも一生宜しくな」
俺たちってみんな嫁からプロポーズしてきたからな。
もう1度俺からプロポーズするつもりで、感謝を告げながら指輪をつける。
「リーンありがとう。先輩が居なかったら、俺はこんなに元気で暮らせてなかったよ。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「ふふふ。もっちろんだよー。トーマが嫌だって言っても、絶対に離してあげないからね……?」
リーンの小さな手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
改めて、リーンの年齢を実感してしまうな。
「トルネありがとう。出会いは最悪だったかもしれないけど、お前と一緒になれて幸せだよ。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「私こそ、トーマと一緒になれて幸せですよ。これからもっともっと幸せにしてくださいね」
トルネの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
この手で、ナイフを持って切りかかってきたんだよなぁ。
「リーネありがとう。俺と会うまで生きていてくれて本当に嬉しい。一緒に世界中を見て回ろうな。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「はぁ……。シスターに挨拶しに行った日が人生で1番幸せな日だったのに、毎日もっと幸せになっちゃうよ……。
トーマ。私を見つけてくれてありがとう……!」
リーネの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
ガリガリだったリーネも、今はとても健康的な体になった。
「マーサありがとう。お前の人生を大きく変えてしまったけれど、責任持って幸せにしてやるからな。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「トーマには感謝しかしてねぇよ。結局あのままじゃ、ミルズレンダにも先がなかったって、今ならわかるんだ。
私のことも、ミルズレンダのことも、解放してくれてありがとな」
マーサの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
職人の硬い手だ。戦闘は出来なくても、ずっと俺たちと一緒に戦ってきた、最高の職人だよな。
「アサヒありがとう。一緒になってまだ日は浅いけど、これからゆっくりお互いの事を知っていこうな。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「ははは……。私もこの歳で結婚するとは思ってなかったっす。でもトーマと結婚できて嬉しいっすよ。これからもよろしくっす」
アサヒの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
なんか流されて、勢いのまま貰っちゃった感が半端ないけどな。
「カンナありがとう。くっつかれるのは俺も好きだけど、人前では節度を持って接してくれると助かるよ。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「ん~、私も自分がこんなに馬鹿になるなんて、思ってなかったのよね。もうトーマが好きな気持ちが止められないの。だからトーマに全部受け止めてもらえると嬉しいな」
カンナの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
タイミングが完璧すぎたんだよなぁ。あれで完全にお互い落ちてしまったんだよ。
「うん。改めて6人ってどん引きするけど、みんな幸せならいいんじゃないかな。
で、指輪も貰ったことだし、新しい都市が出来たら結婚式もしたいかな!」
「あーいいっすね! やっぱりウェディングドレスには憧れがあるっすよ! 純白のドレス、いいっすよね~」
「結婚式ってなになにー? 詳しく教えてくれるー?」
指輪の次は結婚式か。まだまだ幸せな事は尽きないみたいだ。
今でも幸せすぎて死にそうだけど、絶対に死んでやらねぇ。
ユリバファルゴアを倒して結婚式か。うん、最高のご褒美だな。
夕飯後にみんなに相談すると、殆どの皆が頭を抱えてしまった。
爛々と瞳を輝かせているのはアサヒとカンナの2人だけだ。
「うおおおおめっちゃ欲しいっす! 迷宮の往復が1番時間かかるんすよおおお!」
「ホントよね。今14階層まで進んでるけど、探索よりも移動のほうに時間を取られるのよ。
お願いトーマ。1つちょーだい?」
「2人はもう俺の嫁だし、試作が出来たらあげるけどさ。マーサ、出来ると思う?」
「――――多分、出来ると思うぜ……。
普通の魔導具のように魔力を吸っちまうと、魔力の少ない冒険者は危ないかもな。アサヒとカンナなら多分平気だろうが。というか、単純にリピートの術式付与をして、トーマが魔法付加するだけだろ? 間違いなく出来らぁな」
「ストレージの例を思い返すと、恐らく魔法付加された魔導具がスキップの使用者扱いになるはずだから、1度は自力で探索しないといけないと思うけどな。その1回さえこなせば良いんだから、やっぱり常識が変わるよなこれ」
「変わるでしょうねぇ……。というか、1等級冒険者としてふんぞり返ってるブルガーゾですけど、あと50日も待たずに、栄光の運び手の子供達に抜かされてしまいそうですねぇ。ふふ、ふふふふふ……」
「あ! いいこと考えた。マーサ、術式付与ってなんにでも出来る? 例えば指輪とか腕輪とか、どの程度の小ささまでいけるかな?」
「あ? そうだなぁ。まぁ指輪くらいなら問題なくいけるぜ。これでも私は元シルバーライト級だからな!
指輪以上に小さくされっと、ちょっと自信ねぇかな」
「指輪でいけるなら充分だ。ちょっとこれから工房に行って、魔力成型でみんなの指輪作ろうぜ。異風の旋律のパーティシンボルってことでさ。そこにリピートとスキップを付加すれば……、って指輪じゃダメなのか。魔力自動吸引式だと、常に肉体に触れてる物には使えないのかぁ……!」
「いや? そこは任意吸引型にもちゃんとできるぜ? っていうか、任意吸引型じゃないと使えない魔導具のほうが多いだろうが」
「マジか! じゃあ何の問題もないな! 今すぐ行こうぜ!
あ、デザインは俺が適当に作っちゃって良い? それとシンとハルの分も指輪作って良いのか?」
「うん。勿論いいよ。あーでもそうだなぁ。私とシンだけ色とかデザインを少しだけ変えてくれないかな?」
「ああ、それでいいんじゃないかな。夫婦同士で一緒なら分かりやすいよね」
「オッケー! じゃあ早速行こうぜ!」
全員で工房に行き、何種類か見本を作る。パーティシンボルだからな。全員で決めるべきだ。
「っていうか、これでアサヒとカンナも正式に異風の旋律に加入する形になるけど、良いのかな?」
「あー、まだ実力不足なのは認めるっすけどね? 断る理由はなにもないっすよ」
「うんうん! トーマに指輪を贈ってもらって、それで異風の旋律の一員になれるなんて、こんなに幸せなことってないわよ? 末永く宜しくね、トーマっ!」
「こちらこそ宜しくお願いします。
それと魔法付加だけど、リーネだけゲートにしようか。リーネにスキップ付加しても意味無いからな」
「ほんとっ……!? すっごく嬉しい……! これでミケーネたちや、ペルちゃんたちにも会いにいきやすくなるねっ……!
ありがとうトーマ、大好きっ……!」
「ぐぉぉ……。不意打ちの直球はやめてくれ。死んでしまうわ……!
一応言っておくけど、各都市のターミナルに指輪で触れるのを忘れるなよ?
それで、そろそろデザインは決まったかな?」
皆が選んだのは、普通の指輪に比べて少し幅広のデザインだった。適当に作ったので知らなかったが、アサヒが言うのはワイドリングっていうらしい。裁縫の時の指ぬきって言ったら殴られそうだからやめておこう。
俺たち夫婦は白、シンとハルは緑がかったカラーを希望。2人のメイン武器が緑だもんな。似合うと思う。
デザインが決まったら、全員の指に触れながら指輪を成型する。ちなみに素材はランドビカミウリの鱗と、グリーンドラゴンの鱗だ。どっちも絶対壊れないだろう。
出来上がった物からマーサに渡し、リピートの術式を刻んでいく。
「指輪の素材が硬すぎんだよ! トーマの馬鹿やろおおおおっ!」
大丈夫。世界最高の職人のお前なら出来る!
魔法付加をする前に、シンとハルが提案してきたのは、付加する魔法の自由選択。
シンとハルは、それぞれがスキップとターミナルを担当したいらしい。ああいいね、そういう分け方。
本当はジャンプを付加できれば良かったんだけど、ジャンプを付加しても転移するのは指輪だけだからな。何の意味もない。
シンとハルの話を聞いて、リーンとトルネが2人で分担、アサヒとカンナも2人で分担。リーネとマーサは迷宮に入る予定がないので2人ともゲートを付加する。
俺の指輪はどうするかなぁ。指輪で魔法を使用すると、どうやら空間魔法の長ったらしい発動待機時間を減らせるみたいだけど、みんなの指輪に付加した上に、自分が使用可能な魔法を指輪に込めるのは微妙だな。とりあえず保留でいいか。
「マーサ。リピートの術式付与だけだったら、マーサじゃなくても問題ないよな?」
「あ? そりゃあな。この大きさの物に刻める奴は、少ねぇかもしれねぇがな」
「ちなみにホムロの店でも可能?」
「問題ねぇぜ。ホムロはちゃんとミルズレンダで修行した職人だからよ。術式付与が出来ないって事はありえねぇ」
「りょーかい。それじゃホムロに頑張ってもらおうかな」
未だに余ってるアサルトドラゴンの鱗を使って、70個ほど水晶玉を作る。ディオーヌ様に見せた後、各都市に配るとしよう。
ヴェルトーガに30で、ボールクローグ、ウィルスレイア、あとは一応ネヴァルドに10個ずつだな。管理は丸投げしよっと。
あとはディオーヌ様の許可が出たら、ベイクにも10個配備したい。
完成した指輪は、シンとハルにはそのまま渡し、嫁の分は俺が直接つけてやる。勿論左手の薬指に。
「左手の薬指につける指輪は結婚指輪って言ってさ。俺たちが居た世界じゃ、夫婦間でしかつけないもんなんだ。
みんな、俺と結婚してくれてありがとう。これからも一生宜しくな」
俺たちってみんな嫁からプロポーズしてきたからな。
もう1度俺からプロポーズするつもりで、感謝を告げながら指輪をつける。
「リーンありがとう。先輩が居なかったら、俺はこんなに元気で暮らせてなかったよ。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「ふふふ。もっちろんだよー。トーマが嫌だって言っても、絶対に離してあげないからね……?」
リーンの小さな手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
改めて、リーンの年齢を実感してしまうな。
「トルネありがとう。出会いは最悪だったかもしれないけど、お前と一緒になれて幸せだよ。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「私こそ、トーマと一緒になれて幸せですよ。これからもっともっと幸せにしてくださいね」
トルネの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
この手で、ナイフを持って切りかかってきたんだよなぁ。
「リーネありがとう。俺と会うまで生きていてくれて本当に嬉しい。一緒に世界中を見て回ろうな。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「はぁ……。シスターに挨拶しに行った日が人生で1番幸せな日だったのに、毎日もっと幸せになっちゃうよ……。
トーマ。私を見つけてくれてありがとう……!」
リーネの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
ガリガリだったリーネも、今はとても健康的な体になった。
「マーサありがとう。お前の人生を大きく変えてしまったけれど、責任持って幸せにしてやるからな。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「トーマには感謝しかしてねぇよ。結局あのままじゃ、ミルズレンダにも先がなかったって、今ならわかるんだ。
私のことも、ミルズレンダのことも、解放してくれてありがとな」
マーサの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
職人の硬い手だ。戦闘は出来なくても、ずっと俺たちと一緒に戦ってきた、最高の職人だよな。
「アサヒありがとう。一緒になってまだ日は浅いけど、これからゆっくりお互いの事を知っていこうな。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「ははは……。私もこの歳で結婚するとは思ってなかったっす。でもトーマと結婚できて嬉しいっすよ。これからもよろしくっす」
アサヒの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
なんか流されて、勢いのまま貰っちゃった感が半端ないけどな。
「カンナありがとう。くっつかれるのは俺も好きだけど、人前では節度を持って接してくれると助かるよ。
一生俺のお嫁さんで居てください。これからも宜しく」
「ん~、私も自分がこんなに馬鹿になるなんて、思ってなかったのよね。もうトーマが好きな気持ちが止められないの。だからトーマに全部受け止めてもらえると嬉しいな」
カンナの手を取って、左手の薬指に指輪をはめる。
タイミングが完璧すぎたんだよなぁ。あれで完全にお互い落ちてしまったんだよ。
「うん。改めて6人ってどん引きするけど、みんな幸せならいいんじゃないかな。
で、指輪も貰ったことだし、新しい都市が出来たら結婚式もしたいかな!」
「あーいいっすね! やっぱりウェディングドレスには憧れがあるっすよ! 純白のドレス、いいっすよね~」
「結婚式ってなになにー? 詳しく教えてくれるー?」
指輪の次は結婚式か。まだまだ幸せな事は尽きないみたいだ。
今でも幸せすぎて死にそうだけど、絶対に死んでやらねぇ。
ユリバファルゴアを倒して結婚式か。うん、最高のご褒美だな。
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