異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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10章 壁外世界

364 各都市の状況

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 シンとのペア探索。
 気付いたらSPが150万を突破している。スキル取得だけで見ればもうすぐ準備は完了だ。
 後は装備の完成と、シンのジャンプ習得、この2点は必須事項だ。

 治療魔法が出やすい迷宮というのは存在しないらしい。
 もしかしたら出やすくなっている迷宮はあるのかも知れないけど、検証が成立するほど数が出回っていない。
 特に即時治療が可能なヒールはその殆どを国が管理し、魔法治療院の増員に当てているので、一般に出回る事はありえないらしい。欲しければ自力で掘るしかない。

 鈴音の音斬りと瞬間極大拡張も練習中ではあるが、まだまだ満足に使いこなせているとは言えない。
 このどちらもが巨大なエリアキーパー戦の切り札になり得る技術だという確信があるので、優先的に訓練しているつもりなのだが、今のところ何かしっくりきていない。
 なにかピースがずれているような、必要なものが足りていないような。

 鈴音の声に耳を傾けながら、全身系を集中して魔物を屠っていく。


 朝食の後、いつものようにリーネをウィルスレイアに送る。
 昨日迎えに行ったときに知ったんだけど、リーネは今ちょっとした有名人になりつつあるらしい。

 スナネコを従えて大量の魔物素材を持ち込むソロ狩人として注目を集めだしたみたいだ。
 なにより冒険者等級が10等級のままというのも話題性に事欠かない。
 狩人を始める基準が5等級冒険者からって言われてる世界だからなぁ。

 でもブルガーゾのスキル取得状況を考えると、俺たちの中ではあまり戦っている印象のないリーネですら、今までの1等級冒険者並のスキルを取得できているんだよなぁ。
 8匹のスナネコもそれぞれスキル持ちだし、リーネと魔物を狩ることで、更に取得スキルを増やせるかもしれないし、良いことしかない。


 一方ベイクでは最近、6等級冒険者ラッシュが始まりつつあるらしい。
 旋律の運び手参加者達は、今までの常識で考えると異常と言えるペースで探索しているので、みんなドンドン強くなっていく。
 栄光の運び手を始めとした何名かが20階層に到達し始めているため、6等級冒険者が激増し始めたのだ。
 
 今まで入り口で詰まっていた駆け出し冒険者がいなくなったことで、新しく転移して来た異邦人も問題なく稼げているようで、能力によってはどんどん先に進んでいる異邦人パーティもあるみたいだ。
 タケルとアリスも、新しく来た人たちと20名ほどのパーティを結成して、毎日ベイクの迷宮に潜っているそうだ。タケルって何気にリーダー気質なんじゃないかなぁ? アリス受け入れる度量もあるし。

 笑えるのが、オーサンも空き時間を見つけて迷宮に潜り始めたことだ。
 スキップがないので日帰りだと碌に探索が行えないが、ドロップ品を無視してスキルを取得するつもりらしい。
 この先も戦闘指導を担当するために、腕を磨き続けるそうだ。


 ベイクと違って一気にスキル取得者が増えたボールクローグでは、新人狩人と新人冒険者で溢れかえっている。
 カルネジア家主導の戦闘訓練も好評で、カルネジア家の戦力増強も順調なようだ。
 カルネジア家もだが、今回氾濫に立ち向かった全ての人たちが、戦う力の重要性に改めて気付いて、自主的に訓練を行うようになっているらしい。

 銀の乙女は現在迷宮に篭って、スキルの取得を優先しているらしい。
 スキルだけで見れば既にブルガーゾと同水準だと思うけど、ペルのためにボールクローグから遠く離れた場所でも活動できるように、本気で腕を磨いている。


 シャンダリアは生活困窮者が消え、冒険者が爆増したことで経営が健全化。迷宮資源も潤沢になり、ちょっと前のベイクのような状態になっている。
 馬車サービスのおかげで周辺地域からの困窮者も迷宮に入り始め、人が集まりお金が湧いてくるような状態みたいだ。


 ヴェルトーガはディオーヌ様が早い段階で冒険者支援を始めたことで、王国内でも屈指の賑わいを見せている。
 俺が個人でやっていた事を、ディオーヌ様は領主という立場で行ったんだ。信用度も出来ることの範囲も全く違う。
 昨日ヴェルトーガの迷宮に入った時も、8階層くらいまでは明らかに冒険者の数が多かった。
 恐らくベイク以上に、冒険者達の強化が進んでいるように思える。

 景気も良くなり困窮者達も救われ、ディオーヌ様の人気はうなぎのぼりになっていて、わざわざ不幸な少年を探さずとも、ディオーヌ様の親衛隊が増え続けているらしい。
 本人たちが志願してる以上、俺が口を出すことではない。ディオーヌ様は実際美人だしな。趣味さえなければ完璧超人だ。その趣味に自分で飛び込んでいくのなら、完全無欠の完璧超人にしか見えないだろうな……。


 ミルズレンダや王都ネヴァルドなどの、カンパニーが手を引いた都市では、王家や精霊家が主導して馬車システムの構築や冒険者の育成などを手がけているらしい。
 王都で勝手に活動するのは、どっちみち微妙なラインだったよな。やはり王国主導で発展してもらいたいとこだ。

 ミルズレンダではメーデクェイタ家はお取り潰しだけは免れたが、今まで居たメーデクェイタ家の重鎮は全員犯罪奴隷になり、10歳の子供が暫定的に当主となった。王家がサポートして統治していくらしい。
 マーサの迫害に加担していた職人達は職人等級を降格処分。主犯はメーデクェイタ家という事にして甘めの処分で済ませたそうだ。というのも、関わっていた職人が多すぎたため、下手に処分するとミルズレンダが滅びるからだ。

 他の精霊家は好景気に沸いているので、積極的にミルズレンダに支援しているらしい。
 ゼルポーナスが居なくなったおかげで、精霊家同士の協力関係も強化されてくれたんだったら幸いだな。


 しかし、各都市の生活困窮者や村落の住人を支援していたら、カンパニー参加者が凄まじい人数になってしまってきている。
 その殆どがまだ銅板1枚の参加費しか払っていないのだが、カンパニー口座に入るお金が莫大になりつつあって、ジーンさんは最近悟りの境地に達してしまった。


 お金、かなり使ってるはずなんだけどなぁ。

 というか、今まで潜在的にどれ程の人口を無駄にしていたんだよ……?
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