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9章 異邦人が生きるために
335 トーマの特殊性
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結局その後はずっと、俺の生活魔法でどういうことが出来るかをひたすら実演するだけの時間だった。
メンタムとはかなり仲良くなった気がするので、結果オーライということにしておこう。
俺のイメージしてる魔導具作りにも、積極的に協力してくれるみたいだし。
日没になったので開発局を出て、ブラクムール大図書館に向かう。図書館に到着すると、みんなもう外で待っていた。
「日没になったら、まるで箒で掃き出されるみたいに追い出されちゃったよ。
ただ面白い情報はいくつか見つけたから、今晩皆が揃ったら共有しよう」
追い出されはしたけれど、保証金は無事に戻ってきた模様。
ボールクローグにゲートを繋ぐと、リーネは既にターミナル広場で待っていた。
リーネと合流して改めてベイクに帰還する。
「そんで今日思ったんだけどさ。俺って『リンカーズ会話理解』を除いて、『免疫力強化』もチート能力も持たない状態で、音魔法を覚えたわけじゃん?
異邦人とリヴァーブ王国民で生活魔法の扱いに差が出るならまだしも、俺とハルを比べても生活魔法の扱いに差が出るのはおかしいと思うんだよ。
もし俺の生活魔法の使い方を他の人が出来ないっていうなら、違いは取得の順番だったんじゃないかと思い当たったんだよな」
これが分かったからといって特に意味はないんだけど、俺が他の人と違う要素で有利な点があるのであれば自覚しておきたい。
「う~ん。どうなんだろうねぇ……。納得出来るような気がしなくもないけど『リンカーズ会話理解』があるから、正しいとも間違ってるとも判断できないかなぁ。
こんなことなら、ハルにも初日にスクロール使ってもらえばよかったね」
「私は関係ないと思うんだよねー。トーマの特殊性で言うと、思考の分離の方がよほど特殊に感じるんだよねー。スキルや魔法を全く同列に発動するのが物凄く上手いでしょー?
あれってスキルとか能力とかじゃなくて、トーマだから出来ることだと思うんだよねー」
「私も特殊能力ではなくて、トーマの資質によるものだと思いますね。思考の分離というか、情報の切り捨て方が異常なんですよね。
必要なもの以外を全て切り捨てる。恐らく普通の人が余計なところに意識を割いてしまう所を、トーマは最高効率で魔法を使ってるんじゃないかと思いますよ」
「トーマの切り捨て方はやべぇよなぁ……。
私も師匠のせいで、ミルズレンダとひと括りにして切り捨てられかけたし……。
あの時のトーマは今でもたまに夢に見るぜ……」
「……うん。私はどっちとも言えないかな。トーマの生活魔法の扱いはやっぱり異常だと思うし、それが何らかの特殊な能力だと言われれば納得出来るし。
ただ私が祝福の儀を受けたあの日、音魔法を先に覚えていたとしても、トーマみたいな使い方が出来た自信はないかなぁ……」
「面白い話だと思うけど、トーマの場合は判断できないよね……。
なんていうか、トーマってそういう決まりごとの抜け道を探すの好きそうだし……?」
「ま、チート能力を貰った時点で検証できなくなるっすからね。うちらの炎魔法や氷魔法も識別に現れる時点でスキル扱いっすし」
「それに異邦人は比較的年齢も若いみたいだから、ハルみたいな願いをする人も少なそうよね。恐らくでしかないけど、チートスキルを持たずにこちらに来る異邦人は、本当に少ないと思うわ」
自分的には、これだ! ってくらい確信があったんだけど、みんな的には半々って感じなんだな。
余分な情報の捨て方かぁ。
情報の取捨選択って、誰でも多かれ少なかれやってるはずだよな。ここまでは間違ってないはず。
じゃあ俺の切り捨て方が異常ってのはどこから来てるんだろう?
むしろオーサンに指導を受けてからは、なるべく色んなシチュエーションを想定するよう心がけていたつもりなんだけどな?
「トーマってさー。情報の管理が上手いんじゃなくて、むしろ物凄く下手なんだと思うんだよねー。
いつもなんでもなさそうにしてるけど、本当に色んな事を考えてる。そして簡単に切り捨てられないんだよね。
取捨選択が下手だから、何でもかんでも簡単には捨てられないから、限界まで我慢してもダメだったら潔く全部放り投げちゃうんだろうね。
マーサの時もアリスの時も、トーマは1度捨てると決めた時点で絶対に拾わなくなったもんね。トーマは合理的に考えないと自分が潰れちゃうのが分かってるんだよ。だから自分が潰れないために、見捨てるんだろうねー」
「そうですねぇ。私の時と、ミルズレンダでのマーサの扱いや、城でのアリスのやり取りには差がありすぎるなとは思ってました。私が敵対した時は、私に対してなんの感情も持ち合わせていなかったから、比較的簡単に考え方を変えてくれたんでしょうね」
「――――確かにあの時の私は、真相を知っているトーマから見たら、これ以上ないほどに醜く映っていたかも知れねぇな……。迫害の元凶だった師匠を、被害者である私が庇ってたんだもんな……。
今になって思い返してみると、吐き気がするほどに歪な状況だったんだな、あの時は……」
「お城のときは、アリスは本当に何も考えてなくて、びっくりするくらい軽い気持ちで、沢山の人に迷惑をかけてきたもんね……。
本当に最後の最後まで、自分がやってきたことを、まったく理解していなかったようにしか見えなかったし……」
なんか変な方向に話が流れてしまった。
今後俺のような生活魔法の使い手が出てくる可能性があるかどうかが焦点のつもりだったんだけど。
音魔法を覚えて、その有用性に気付いて、こんな凄い魔法、他の人も研究しているに違いないと思って警戒し続けてきた。
でもどうやら生活魔法を俺みたいに扱える奴は、そんなに多くないらしいな。
情報操作してるとか、裏で研究してるとか、陰謀論者みたいなことばかり考えてしまっていた覚えがある。
今思い返すと中々の黒歴史だ。
真実はいつだって単純で味気ないもんなんだ。
深読みしすぎも良くない。戒めねば。
メンタムとはかなり仲良くなった気がするので、結果オーライということにしておこう。
俺のイメージしてる魔導具作りにも、積極的に協力してくれるみたいだし。
日没になったので開発局を出て、ブラクムール大図書館に向かう。図書館に到着すると、みんなもう外で待っていた。
「日没になったら、まるで箒で掃き出されるみたいに追い出されちゃったよ。
ただ面白い情報はいくつか見つけたから、今晩皆が揃ったら共有しよう」
追い出されはしたけれど、保証金は無事に戻ってきた模様。
ボールクローグにゲートを繋ぐと、リーネは既にターミナル広場で待っていた。
リーネと合流して改めてベイクに帰還する。
「そんで今日思ったんだけどさ。俺って『リンカーズ会話理解』を除いて、『免疫力強化』もチート能力も持たない状態で、音魔法を覚えたわけじゃん?
異邦人とリヴァーブ王国民で生活魔法の扱いに差が出るならまだしも、俺とハルを比べても生活魔法の扱いに差が出るのはおかしいと思うんだよ。
もし俺の生活魔法の使い方を他の人が出来ないっていうなら、違いは取得の順番だったんじゃないかと思い当たったんだよな」
これが分かったからといって特に意味はないんだけど、俺が他の人と違う要素で有利な点があるのであれば自覚しておきたい。
「う~ん。どうなんだろうねぇ……。納得出来るような気がしなくもないけど『リンカーズ会話理解』があるから、正しいとも間違ってるとも判断できないかなぁ。
こんなことなら、ハルにも初日にスクロール使ってもらえばよかったね」
「私は関係ないと思うんだよねー。トーマの特殊性で言うと、思考の分離の方がよほど特殊に感じるんだよねー。スキルや魔法を全く同列に発動するのが物凄く上手いでしょー?
あれってスキルとか能力とかじゃなくて、トーマだから出来ることだと思うんだよねー」
「私も特殊能力ではなくて、トーマの資質によるものだと思いますね。思考の分離というか、情報の切り捨て方が異常なんですよね。
必要なもの以外を全て切り捨てる。恐らく普通の人が余計なところに意識を割いてしまう所を、トーマは最高効率で魔法を使ってるんじゃないかと思いますよ」
「トーマの切り捨て方はやべぇよなぁ……。
私も師匠のせいで、ミルズレンダとひと括りにして切り捨てられかけたし……。
あの時のトーマは今でもたまに夢に見るぜ……」
「……うん。私はどっちとも言えないかな。トーマの生活魔法の扱いはやっぱり異常だと思うし、それが何らかの特殊な能力だと言われれば納得出来るし。
ただ私が祝福の儀を受けたあの日、音魔法を先に覚えていたとしても、トーマみたいな使い方が出来た自信はないかなぁ……」
「面白い話だと思うけど、トーマの場合は判断できないよね……。
なんていうか、トーマってそういう決まりごとの抜け道を探すの好きそうだし……?」
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「それに異邦人は比較的年齢も若いみたいだから、ハルみたいな願いをする人も少なそうよね。恐らくでしかないけど、チートスキルを持たずにこちらに来る異邦人は、本当に少ないと思うわ」
自分的には、これだ! ってくらい確信があったんだけど、みんな的には半々って感じなんだな。
余分な情報の捨て方かぁ。
情報の取捨選択って、誰でも多かれ少なかれやってるはずだよな。ここまでは間違ってないはず。
じゃあ俺の切り捨て方が異常ってのはどこから来てるんだろう?
むしろオーサンに指導を受けてからは、なるべく色んなシチュエーションを想定するよう心がけていたつもりなんだけどな?
「トーマってさー。情報の管理が上手いんじゃなくて、むしろ物凄く下手なんだと思うんだよねー。
いつもなんでもなさそうにしてるけど、本当に色んな事を考えてる。そして簡単に切り捨てられないんだよね。
取捨選択が下手だから、何でもかんでも簡単には捨てられないから、限界まで我慢してもダメだったら潔く全部放り投げちゃうんだろうね。
マーサの時もアリスの時も、トーマは1度捨てると決めた時点で絶対に拾わなくなったもんね。トーマは合理的に考えないと自分が潰れちゃうのが分かってるんだよ。だから自分が潰れないために、見捨てるんだろうねー」
「そうですねぇ。私の時と、ミルズレンダでのマーサの扱いや、城でのアリスのやり取りには差がありすぎるなとは思ってました。私が敵対した時は、私に対してなんの感情も持ち合わせていなかったから、比較的簡単に考え方を変えてくれたんでしょうね」
「――――確かにあの時の私は、真相を知っているトーマから見たら、これ以上ないほどに醜く映っていたかも知れねぇな……。迫害の元凶だった師匠を、被害者である私が庇ってたんだもんな……。
今になって思い返してみると、吐き気がするほどに歪な状況だったんだな、あの時は……」
「お城のときは、アリスは本当に何も考えてなくて、びっくりするくらい軽い気持ちで、沢山の人に迷惑をかけてきたもんね……。
本当に最後の最後まで、自分がやってきたことを、まったく理解していなかったようにしか見えなかったし……」
なんか変な方向に話が流れてしまった。
今後俺のような生活魔法の使い手が出てくる可能性があるかどうかが焦点のつもりだったんだけど。
音魔法を覚えて、その有用性に気付いて、こんな凄い魔法、他の人も研究しているに違いないと思って警戒し続けてきた。
でもどうやら生活魔法を俺みたいに扱える奴は、そんなに多くないらしいな。
情報操作してるとか、裏で研究してるとか、陰謀論者みたいなことばかり考えてしまっていた覚えがある。
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