330 / 580
8章 異風の旋律
閑話027 新しい時代④ ※マーサルシリル視点
しおりを挟む
私はまず、トーマとハルの弓から作ることにした。
この2人の弓だけ、明らかに品質が劣っているからな。
全体の戦力強化を考えれば、弓から手をつけるのがいいと思った。
まさか私が、グリーンドラゴンの素材を扱える日が来るなんてな……!
あいつらが歩む新しい時代に相応しい、最高の武器を作り出してやるぜっ!
ジーンさんに言われたように最高の設備も整えた。最早トレポール工房以上の設備と言っても過言じゃねぇ。
まだまだ全体の増築は終わってないが、製作には何の支障もねぇ!
異風の旋律はしばらく違う都市で活動することになったらしい。
5日後にベイクに顔を出すと言われた。
だったらその日までに、この弓は完成させてやらぁ!
私の全身全霊をかけて、私の最高傑作と呼んでも差し支えない、美しい緑色の弓が完成した。
自分で見ても惚れ惚れするような美しい弓だった。
これなら異風の旋律に使ってもらっても恥ずかしくない出来だろうぜ!
……って思ってたのによぉ!!!
「ふざけんなよお前ええええええ!!!
たった今最高傑作の装備品を作ったつもりだったってのに、あっさりそれ以上の素材を持ち込みやがってえええええ!!!
バカなのか!!?お前バカなんだろトーマァッ!!!」
こいつらの事は、すげぇすげぇと思っちゃいたけどよ。まさか心核を持ち込むとは思って無かったぜ……!
しかも心核を使って武器を作れと言いやがる……!
心核を使った装備品なんて、歴史上に何点か存在するってくらいの、伝説級の装備だってのによぉ……!
「俺からの要望はただ1つ。マーサが心核を使って作りたい装備を作ってみて欲しい。
生きるミルズレンダと言われたマーサに出来る、最高の一品を作ってくれ」
心核を使った装備品を作る。それがどんな意味を持つのか、多分トーマは分かってねぇ。
心核装備を作れって事は、リヴァーブ王国の歴史に挑めってこと、神々の時代に生み出された装備品を作れと言っているのと変わらないんだぜ……!
失敗しても咎めない? 馬鹿を言うんじゃねぇよ。
ここまでの条件で失敗しちまうようなら、私が自分で両腕を切り落としてやりたくなるだろうぜ……!
心核武器を使って、私に作れる最高の装備品を。
そう言われて私が真っ先に思いついたのは、やはり剣だった。
最も使用者が多く、それ故に常に最高品質を追求される武器。
何のクセもなく、ただ最高品質のひと振り。私が求めたのはそんな剣だ。
正直トーマには似合わないな。アイツ普通の武器を使ってるところが想像できねぇし。
誰用の武器でも構わないと言われた。
ならこれは、基本に忠実で真っ当な剣士であるシンが使う事を想定しよう。
工房に篭っている私に、リンシアさんが夕食を運んできてくれる。
その時に聞いた。これから異風の旋律は、迷宮の氾濫に立ち向かおうとしていると。
アイツ……! さっき来た時にはそんなこと、一言も言わなかったじゃねぇか……!
冒険者が力を必要としている時に、職人が力になってやれなくてどうすんだ!
心核武器、絶対に間に合わせてみせらぁっ!
一心不乱に鎚を振るい続け、魔力が切れたら眠り、起きたらまた鍛冶を再開する。
時間の感覚がない。一刻も早く、最高の武器を届けねぇと……!
そして出来上がったのは、透き通るような緑色の刃をした、美しさすら感じる剣だった。
これを私が作り上げたなんて、信じられないくらいだぜ……。
急いで工房を出ると、もうすぐ日没になろうという時間だった。
氾濫が起こるのは夜とは聞いているが、渡せなかったら意味がねぇ……!
1度自宅に寄って、ボールクローグに行ってくることをジーンさんたちに伝える。
するとなんとリンシアさんが、ゲートの予約をしていてくれたらしい。
恐らくマーサちゃんならそうするんじゃないかって思った、だってさ。やっぱりベイクの人たちにゃあ敵わねぇなぁ……。
ボールクローグで運良くトーマたちと合流出来て、心緑の流刃を渡すことが出来た。
これで異風の旋律の鍛冶師としての仕事は一旦終了だ。ここまで来たからには、ボールクローグ防衛戦の手伝いをしないとな!
そして、魔物の氾濫が始まった。
ボールクローグから見ていても分かるほどの量の魔物が、最前線の冒険者達に襲い掛かっているのが見えた。
私は迷宮で戦った経験すらないから、遠くの戦いの気配にすら恐怖を感じてしまう。
あらゆる人がスキルを覚えるために、嫌でも魔物と闘わなければならないこの世界で、魔物と戦わずに必要なスキルを取得してしまった私は、やはりズルをしていると言われても仕方ないと思う。
戦いを知らない私を、偽物だと罵ったミルズレンダの職人達の気持ちが、少しだけ理解出来た気がする。
どれ程の時間が経ったのか分からねぇが、魔物の波が途切れた。
氾濫を乗り切ったのか?
それとも、まだ何か起こるのか……?
信じられねぇことに、ここまで死亡者が1人も居ないらしい。
万を超える魔物に襲われて、死者が出ないなんて、あり得るのか……?
また1つ、私の常識というものが覆されていくのを感じる。
終わったのか、そう思い始めた時に異変が起こる。
5つの氾濫が融合して、1体の途轍もねぇ化け物が出現しやがった……!
リヴァーブ王国の歴史を学んだことがあれば、誰もが知るであろう伝説の魔物、白の竜王ランドビカミウリが出てきやがった……。
全ての戦士が帰還し、街の入り口が閉ざされる。
当然だ。あんなバケモノに対抗する手段なんてない……。
どれくらいの時間が経ったのか、ずっと同じ場所に留まっていたランドビカミウリが、ある一点に急降下していった。
そして一瞬空中で止まったかと思った次の瞬間、地面に墜落していった。
……いったい、何が起こったんだ?
ボールクローグからでは何が起こっているのかはっきりとはわからねぇけど、どうやら誰かがランドビカミウリと交戦しているようだった。
そして、ランドビカミウリがこちらに向かって来ていないということは、まだ戦いが続いているということだ。
伝説上の竜王相手に、戦える奴なんて存在するのかよ……!?
気付くと城壁の上には凄い人数がいた。
みんな、戦いの様子を固唾を呑んで見守っている……。
突如、夜の闇に緑の閃光が走る。
あの緑には見覚えがある。私が打ったんだから間違いねぇ。あれは心緑の流刃の光だ。
……つまり、ランドビカミウリと戦っていたのは、異風の旋律だったってことか!?
そう思い当たった瞬間、街からでもはっきり見えるほど巨大な光の帯が、天に昇っていくのが見えた。
「あれは……! あれは迷宮を殺した時に起こる、魔力還元現象だ! 間違いねぇ!
つまり、つまり勝ったんだ!! 迷宮の氾濫は終わったんだよぉ!!!」
どこかで冒険者が叫んでいるのが聞こえた。
勝った……? 氾濫は終わった……?
神々がその身を投じて封じたと言われる神代の魔物、白の竜王ランドビカミウリを、倒しちまったってのか……?
少しずつ、まるで波紋が広がるように、街は歓声で包まれていった。
生き残ったんだ! 助かったんだ! 勝ったんだ!
街のあらゆる所から喜びの声が聞こえてくる。
私はなんだか現実感がなくて、ただ呆けて光の帯を見続けるだけだった。
爆発するような歓声がして我に帰る。
黒い巨大な猫に引かれた馬車が、ボールクローグに帰還してきた。
つまり、アレに乗っている奴等が、ランドビカミウリを殺した奴等だってことか……!
街に近付いてくるにつれて、荷台のような馬車に乗っている奴等の姿も見えてくる。
ああ、そんな予感はしてた。
あの緑の閃光を見たときから分かっちゃいたんだけどよぉ!
異風の旋律、お前らどんだけ私の想像を超えてくるパーティなんだよ……!!
その時城壁の上からは、ちょうど朝日が昇ってきて、長い長い夜の終わりが告げられた。
夜明けを見たボールクローグの住人は、耳が潰れそうなほどの喜びの声をあげた。
万雷の喝采を浴びながら、朝日に照らされている異風の旋律を見て、私は時代が変わる瞬間に立ち会っていると確信した。
歴史上最強とも言われる、ランドビカミウリすら退けてしまう。
今までの常識は、木っ端微塵に粉砕されてしまった。
爆発するような歓声が、まるで新しい時代の産声のように思えた。
この2人の弓だけ、明らかに品質が劣っているからな。
全体の戦力強化を考えれば、弓から手をつけるのがいいと思った。
まさか私が、グリーンドラゴンの素材を扱える日が来るなんてな……!
あいつらが歩む新しい時代に相応しい、最高の武器を作り出してやるぜっ!
ジーンさんに言われたように最高の設備も整えた。最早トレポール工房以上の設備と言っても過言じゃねぇ。
まだまだ全体の増築は終わってないが、製作には何の支障もねぇ!
異風の旋律はしばらく違う都市で活動することになったらしい。
5日後にベイクに顔を出すと言われた。
だったらその日までに、この弓は完成させてやらぁ!
私の全身全霊をかけて、私の最高傑作と呼んでも差し支えない、美しい緑色の弓が完成した。
自分で見ても惚れ惚れするような美しい弓だった。
これなら異風の旋律に使ってもらっても恥ずかしくない出来だろうぜ!
……って思ってたのによぉ!!!
「ふざけんなよお前ええええええ!!!
たった今最高傑作の装備品を作ったつもりだったってのに、あっさりそれ以上の素材を持ち込みやがってえええええ!!!
バカなのか!!?お前バカなんだろトーマァッ!!!」
こいつらの事は、すげぇすげぇと思っちゃいたけどよ。まさか心核を持ち込むとは思って無かったぜ……!
しかも心核を使って武器を作れと言いやがる……!
心核を使った装備品なんて、歴史上に何点か存在するってくらいの、伝説級の装備だってのによぉ……!
「俺からの要望はただ1つ。マーサが心核を使って作りたい装備を作ってみて欲しい。
生きるミルズレンダと言われたマーサに出来る、最高の一品を作ってくれ」
心核を使った装備品を作る。それがどんな意味を持つのか、多分トーマは分かってねぇ。
心核装備を作れって事は、リヴァーブ王国の歴史に挑めってこと、神々の時代に生み出された装備品を作れと言っているのと変わらないんだぜ……!
失敗しても咎めない? 馬鹿を言うんじゃねぇよ。
ここまでの条件で失敗しちまうようなら、私が自分で両腕を切り落としてやりたくなるだろうぜ……!
心核武器を使って、私に作れる最高の装備品を。
そう言われて私が真っ先に思いついたのは、やはり剣だった。
最も使用者が多く、それ故に常に最高品質を追求される武器。
何のクセもなく、ただ最高品質のひと振り。私が求めたのはそんな剣だ。
正直トーマには似合わないな。アイツ普通の武器を使ってるところが想像できねぇし。
誰用の武器でも構わないと言われた。
ならこれは、基本に忠実で真っ当な剣士であるシンが使う事を想定しよう。
工房に篭っている私に、リンシアさんが夕食を運んできてくれる。
その時に聞いた。これから異風の旋律は、迷宮の氾濫に立ち向かおうとしていると。
アイツ……! さっき来た時にはそんなこと、一言も言わなかったじゃねぇか……!
冒険者が力を必要としている時に、職人が力になってやれなくてどうすんだ!
心核武器、絶対に間に合わせてみせらぁっ!
一心不乱に鎚を振るい続け、魔力が切れたら眠り、起きたらまた鍛冶を再開する。
時間の感覚がない。一刻も早く、最高の武器を届けねぇと……!
そして出来上がったのは、透き通るような緑色の刃をした、美しさすら感じる剣だった。
これを私が作り上げたなんて、信じられないくらいだぜ……。
急いで工房を出ると、もうすぐ日没になろうという時間だった。
氾濫が起こるのは夜とは聞いているが、渡せなかったら意味がねぇ……!
1度自宅に寄って、ボールクローグに行ってくることをジーンさんたちに伝える。
するとなんとリンシアさんが、ゲートの予約をしていてくれたらしい。
恐らくマーサちゃんならそうするんじゃないかって思った、だってさ。やっぱりベイクの人たちにゃあ敵わねぇなぁ……。
ボールクローグで運良くトーマたちと合流出来て、心緑の流刃を渡すことが出来た。
これで異風の旋律の鍛冶師としての仕事は一旦終了だ。ここまで来たからには、ボールクローグ防衛戦の手伝いをしないとな!
そして、魔物の氾濫が始まった。
ボールクローグから見ていても分かるほどの量の魔物が、最前線の冒険者達に襲い掛かっているのが見えた。
私は迷宮で戦った経験すらないから、遠くの戦いの気配にすら恐怖を感じてしまう。
あらゆる人がスキルを覚えるために、嫌でも魔物と闘わなければならないこの世界で、魔物と戦わずに必要なスキルを取得してしまった私は、やはりズルをしていると言われても仕方ないと思う。
戦いを知らない私を、偽物だと罵ったミルズレンダの職人達の気持ちが、少しだけ理解出来た気がする。
どれ程の時間が経ったのか分からねぇが、魔物の波が途切れた。
氾濫を乗り切ったのか?
それとも、まだ何か起こるのか……?
信じられねぇことに、ここまで死亡者が1人も居ないらしい。
万を超える魔物に襲われて、死者が出ないなんて、あり得るのか……?
また1つ、私の常識というものが覆されていくのを感じる。
終わったのか、そう思い始めた時に異変が起こる。
5つの氾濫が融合して、1体の途轍もねぇ化け物が出現しやがった……!
リヴァーブ王国の歴史を学んだことがあれば、誰もが知るであろう伝説の魔物、白の竜王ランドビカミウリが出てきやがった……。
全ての戦士が帰還し、街の入り口が閉ざされる。
当然だ。あんなバケモノに対抗する手段なんてない……。
どれくらいの時間が経ったのか、ずっと同じ場所に留まっていたランドビカミウリが、ある一点に急降下していった。
そして一瞬空中で止まったかと思った次の瞬間、地面に墜落していった。
……いったい、何が起こったんだ?
ボールクローグからでは何が起こっているのかはっきりとはわからねぇけど、どうやら誰かがランドビカミウリと交戦しているようだった。
そして、ランドビカミウリがこちらに向かって来ていないということは、まだ戦いが続いているということだ。
伝説上の竜王相手に、戦える奴なんて存在するのかよ……!?
気付くと城壁の上には凄い人数がいた。
みんな、戦いの様子を固唾を呑んで見守っている……。
突如、夜の闇に緑の閃光が走る。
あの緑には見覚えがある。私が打ったんだから間違いねぇ。あれは心緑の流刃の光だ。
……つまり、ランドビカミウリと戦っていたのは、異風の旋律だったってことか!?
そう思い当たった瞬間、街からでもはっきり見えるほど巨大な光の帯が、天に昇っていくのが見えた。
「あれは……! あれは迷宮を殺した時に起こる、魔力還元現象だ! 間違いねぇ!
つまり、つまり勝ったんだ!! 迷宮の氾濫は終わったんだよぉ!!!」
どこかで冒険者が叫んでいるのが聞こえた。
勝った……? 氾濫は終わった……?
神々がその身を投じて封じたと言われる神代の魔物、白の竜王ランドビカミウリを、倒しちまったってのか……?
少しずつ、まるで波紋が広がるように、街は歓声で包まれていった。
生き残ったんだ! 助かったんだ! 勝ったんだ!
街のあらゆる所から喜びの声が聞こえてくる。
私はなんだか現実感がなくて、ただ呆けて光の帯を見続けるだけだった。
爆発するような歓声がして我に帰る。
黒い巨大な猫に引かれた馬車が、ボールクローグに帰還してきた。
つまり、アレに乗っている奴等が、ランドビカミウリを殺した奴等だってことか……!
街に近付いてくるにつれて、荷台のような馬車に乗っている奴等の姿も見えてくる。
ああ、そんな予感はしてた。
あの緑の閃光を見たときから分かっちゃいたんだけどよぉ!
異風の旋律、お前らどんだけ私の想像を超えてくるパーティなんだよ……!!
その時城壁の上からは、ちょうど朝日が昇ってきて、長い長い夜の終わりが告げられた。
夜明けを見たボールクローグの住人は、耳が潰れそうなほどの喜びの声をあげた。
万雷の喝采を浴びながら、朝日に照らされている異風の旋律を見て、私は時代が変わる瞬間に立ち会っていると確信した。
歴史上最強とも言われる、ランドビカミウリすら退けてしまう。
今までの常識は、木っ端微塵に粉砕されてしまった。
爆発するような歓声が、まるで新しい時代の産声のように思えた。
0
お気に入りに追加
394
あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。


Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる