異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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8章 異風の旋律

271 獅子身中

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「エルハ。その異邦人はどこにいる? 案内してほしい」

「え? 彼はまだ意識が戻ってないわ。会っても仕方ないと思うけど」


 いやいや、それ以前の問題なんだよ。
 毎日発生する迷宮の調査が行われていたっていうのに、5つの迷宮が見つからなかったのはどうしてだと思ってるんだ。


「エルハ。詳しい説明は後でする。ことは一刻を争うんだ。今すぐそいつの元に案内しろ」

「え、なんで??
 ……案内するのはいいけど、手荒な真似は止してちょうだい。彼は重要な参考人なんだから」

「分かったから急げ。のんびりしてると、その重要な参考人が殺されるかもしれないからな」

「は、はぁっ!? な、なんで……!? あ、まずは案内だったわね!」


 エルハを先頭に移動する。
 
 エルハに案内されたのは狩人ギルドだった。
 まぁエルハにとっては一番信頼できる場所なんだろうな。


「素材倉庫の奥に職員用の休憩室があってね。とりあえずそこにおいて見張らせているのよ」


 先ほどまでごった返していたロビーも、ある程度人が減っている。
 それでも普段と比べるとかなり混雑しているが。

 ロビーを突っ切り、素材倉庫まで移動する。
 流石に現在素材倉庫で働いている職員はいなかった。

 奥のほうに扉があるな。あれが休憩室か?


「あれ? どうして誰もいないのかしら?」


 エルハがなんとも思わず口にした疑問で、複合センサーを起動。ダガーを抜いて一気に休憩室まで走る。

 休憩室の扉は施錠されておらず、駆け寄った勢いそのままに中に入ると、センサーが3人分の熱源を感知。なんとか間に合ったようだ。

 トランスを発動し、相手の顔も行動も確認する前に転移ジャンプで近付き、それぞれの鳩尾に一撃ずつダガーの柄をめり込ませて行動不能にしておく。


「サ、サルトリ!? ヨーダム!? トーマさん、貴方いったいなにをしたの!?」


 俺に続いて入ってきたエルハが食って掛かってくる。
 ってかサルトリってどこかで聞いた覚えがあるなぁと思って改めて顔を確認したら、初めてボールクローグに来た時にチェンジした豚獣人さんじゃないですか。


「なにしたのじゃねぇよ。エルハ、まだ分からないのか?
 こいつらはたった今、タケルを連れ去ろうとしていたんだぞ?」

「な、なんで!? なんで2人がそんなことするって言うのよ!! 言いがかりでしょう!!」

「言いがかりってんならこれから改めて証明しろ。
 シン。2人を拘束してタケルから引き剥がしてくれ。
 エルハ。サルトリは面識があるが、このヨーダムってのは誰だ? 狩人ギルドの職員?」


 仲間が2人を拘束して部屋の隅に移動させているのを横目で確認しつつ、エルハに2人の素性を確認する。


「ヨーダムは最近狩人になったばかりで4等級に上がった、優秀な狩人よ!
 まだ狩猟団には加入していないけれど、その実力は本物よ!
 今回の件でも、迷宮の調査に尽力してくれていたんだから! すぐに拘束を解きなさい!」

「エルハ。ヨーダムが調査を担当していた地域って、今回氾濫迷宮が見つかった場所じゃねぇのか?」

「……そ、れは……!!」

「答えろ。ボールクローグ狩人ギルドマスターのエルハ。
 今回氾濫迷宮が見つかった地域の調査を担当していたのは、そこに転がってるヨーダムって狩人で間違いないな?」


 エルハはどっちなんだろうなぁ?
 この2人と同じ勢力なのか、ただ底抜けにお人好しなだけなのか。


「……そ、そうよ! でもだからどうしたっていうのよ!? 優秀な人だって、失敗くらいするものでしょう! 現に彼は沢山の新しい迷宮を報告してくれていたわ! その中で見落としがあっても仕方ないじゃない!」

「そういうこと、なの?トーマ……」


 俺とエルハの話を聞いていたクリーヌが割り込んできた。
 俺が説明するよりも、クリーヌが話してくれたほうがエルハには響くかな?

 クリーヌに頷きを返して、クリーヌの見解を支持する。


「そういうことってなによクリーヌ!? いったいなんのことなのよ!?」

「……エルハ。トーマはこう言ってる。サルトリとヨーダムは敵だって。
 ヨーダムが5箇所の迷宮を隠すために嘘を報告し、街全体が混乱している今を狙って、重要参考人の彼を連れ去ろうとした。トーマはそう言ってる」

「はぁ!? なんで2人がボールクローグを破滅させるようなことに協力してるって言うのよ!? なんの根拠があってそんなこと言ってるワケ!?」

「エルハ。お前こそ何の根拠があってその2人を信じるんだ? 何の根拠も示せないようだったら、お前もその2人と同じ勢力に属していると判断して拘束するぞ。
 ってことで、冷静に落ち着いて考えてみろよ。なんで今まで5つの迷宮が見つからなかった? なんでこの状況で2人は警備を放棄して部屋の中に2人でいたんだ? 根拠を示せるなら示してみろ」

「そ、それは…! えと、ちょっと、ちょっと待って! 今考えるからちょっと待って!」


 付き合いきれないけど、なんとなく敵ではない感じはするかな?
 まぁエルハを待つ義理はないし、今回の騒動を起こした奴に遠慮する必要もない。

 両手で水を生成し、転がってる2人の顔にぶっ掛ける。


「ぶはっ!? な、なにしやがる!?」

「とっくに起きてるくせにタヌキ寝入り決め込んでる奴が悪い。
 そんじゃ時間がないから簡単に説明するぞ。
 俺は今からお前ら2人を交互に殴り続ける。何か話したいことがあったら聞いてやるかもしれないから、遠慮なく話してくれ。俺も遠慮なく2人を殴るからな。
 悪いが全く時間がないから早速始めさせてもらう、ぞ!」


 サルトリとヨーダムの顔面を1発ずつ殴りつける。


「な、なにしやがるんだテメェ……!?」

「俺が聞きたいのは、今回の騒動を起こした勢力の情報だ。それ以外の情報では手を止めないから、組織に義理立てするなら頑張って我慢するんだぞ? リペア」


 2人にリペアをかけて自然治癒力を強化しておく。
 流石にトランスを使う気はないけど、遠慮する意味もないよな。
 こいつらのせいでボールクローグの住人全員が脅かされているんだから。
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