異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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8章 異風の旋律

263 事態急転

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「なんだ!?」


 宿の中も騒がしくなっている。
 こちとら地震大国日本から来た異邦人、地震自体には慣れているけれど、迷宮を狩り尽くしたと思われるタイミングでの地震発生は、関連性がない方が不自然だ。

 仲間と共に宿の外に出るが、外の人たちも不安そうにオロオロするばかりで、事態を把握している人が居るようには見えない。


「タイミング的には迷宮討伐に関連してると思うけど、どうするトーマ?
 事態の把握なら、冒険者ギルドか狩人ギルドに行くべきだと思う」
 

 シンはまず事態の把握が重要だという意見だな。
 全く持って正しいと思うけど、今すぐギルドに行っても情報が得られるとは考えにくいな。
 

「いや、俺たちは先にスキル神殿に行こう。
 なにが起こってるのかは不明だけど、今すぐギルドに行っても、恐らく混乱した人が溢れかえってるだけだと思う。
 祝福の儀を受けてからギルドに向かっても大差無いと思うんだ。
 それに事態によっては、迷宮討伐を成功させた冒険団、狩猟団で込み合う可能性がある」

「ん……、それもアリだね。でも事態が急を要する場合は、ギルドに顔を出さないのも危険だよね……。
 ごめんリーネ。1人で狩猟ギルドに顔を出して様子を見てきてくれないかな?
 もし一刻を争うような事態に見えたら、僕たちを呼びに来て欲しいんだ」

「は、はいっ。わかりましたっ……!
 狩猟ギルドなら知り合いもいるかも知れないし、スキル神殿の場所も分かってるし、大丈夫……!」


 なるほど。今回リーネは祝福の儀を受ける意味がないからな。
 流石シン。ファインプレーだ。


「では早速動きましょう。情報がありませんが、なるべく早くギルドに向かった方がいいことには変わりありません」

「だね。あ、ふわわとつららもリーネに付いてってあげてー!
 2人とも、リーネの事を守ってあげてね!」


 そっか。今回は2匹もほぼ迷宮に入ってないもんな。
 それに多少スキルの取得が可能だったとしても、2匹を戦力に数えることは出来ないし。
 
 2匹がフードから飛び降りてリーネに寄り添う。


「うん。それじゃ行こう。
 直接的に攻撃されてる感じじゃないけど、嫌な予感がするし」


 ハルの言葉を最後に、二手に分かれて動き出す。


「ハル。今SPはどのくらい貯まってる?」


 スキル神殿に向かって走る途中でハルに確認する。
 因みに俺のSPはギリギリ25万に届いたくらいだ。


「うん、ちょっと待って……。えっと、22万にちょっと足りないくらいかな」


 えっと、俺が持っててみんなが持ってないスキルってなんだっけ……。
 確か……、『魔力自然回復強化』だったはず。

 『魔力自然回復強化』が5万SP、『五感精度上昇』が8万。これは俺も含めて確定で取るべきスキルだ。
 遠見が戦闘スキルだとは思えないから、今回みんなは除外すべきか。

 く、ツリーの先が見えないってのは不便で仕方ねぇな!

 魔法の『発射速度上昇』が2万、『威力上昇』が5万、『発動速度上昇』が3万か……。
 みんなが全部を取るのはコストオーバーだとすると、優先すべきはどれだ?


「よし。今回みんなに取って欲しい戦闘向けスキルは4つ。
 『魔力自然回復強化』、『五感精度上昇』、『魔法威力上昇:中』、『魔法発動速度上昇:中』だ。
 恐らくみんな取れるはず」


 攻撃魔法の敵への着弾時間に今のところ不満はない。
 今回期待したいのは、威力の強化と発動時間の短縮による、緊急時の防御魔法の底上げだ。
 この2つは任意切り替え型なので、防御魔法に適用されるのは検証済みだ。

 ブレス1発で3人が魔力切れを起こすような事態を防止したい。
 全員が防御魔法覚えてるわけだしな。リーネ以外だけど。

 ち、魔力の多いリーネに防御魔法を覚えさせていないのがちょっと悔やまれるな。


 俺はそれらに加えて、『遠見』と『発射速度上昇:中』を取得することにする。
 もう持っている魔力回復の分浮いた5万SPを遠見につぎ込んで、魔法系スキルのコンプリートを目指す。
 恐らくは魔法系の『効果:大』スキルが開示されると思うんだが、どうかな?


 スキル神殿に到着。即手続きをして祝福の儀を始めてもらう。
 こんな時に!?みたいな顔をされたけど、こんな時もなにも、現状なにが起こってるかわからないからな。戦力を強化するほうが建設的だ。


 祝福の儀が始まって、いつも通りステータスが強制開示される。
 パパっと予定のスキルを一括取得。

 これで消費が23万SPとなり、ほとんどのスキルが取れなくなった。仕方ないね。

 無事NEW表示されたのでちょっと安心。
 何気にこの瞬間が一番緊張するな。



◆◆◆◆◆◆

『魔法範囲拡張:大』 (必要SP200000)
魔法の効果範囲を最大限拡張する。
任意切り替え型。

取得条件
全ての魔法影響効果:中のスキルを取得すること。



『魔法発射速度上昇:大』 (必要SP200000)
魔法を発動させた時、自身の魔力が対象に影響するまでの時間を最大限短縮する。
任意切り替え型。

取得条件
全ての魔法影響効果:中のスキルを取得すること。



『魔法威力上昇:大』 (必要SP350000)
魔法の威力を最大限強化する。
任意切り替え型。

取得条件
全ての魔法影響効果:中のスキルを取得すること。



『魔法発動速度上昇:大』 (必要SP500000)
魔法の行使速度を最大限短縮する。
任意切り替え型。

取得条件
全ての魔法影響効果:中のスキルを取得すること。



『身体能力強化:大』 (必要SP500000)
体内に魔力を同調させ、身体能力を最大限向上する。

取得条件
自然治癒力強化、魔力自然回復強化、五感精度上昇の3つを取得すること。



『魔力量増加:大』 (必要SP500000)
自身の保有できる魔力の量が最大限増加する。

取得条件
全ての魔法影響効果:中のスキルを取得すること。

◆◆◆◆◆◆



 えっぐ!えぐいわぁ!!
 必要SPが全部6桁突破してるのもえぐいけど、取得条件も大分えぐい。
 ミルズレンダでの襲撃や、今回の迷宮虐殺があっても届かない必要SPって……。

 まぁ効果が『最大限』って表記されてるから、これらって多分最上位スキル扱いなんだろう。
 全部取る事を想定されてない、好きなの取ってお好みのキャラメイクを!的な扱いなのかもしれない。

 よし、とりあえず戦力の強化は出来た。
 スキルツリーの果ても見えてきたかもしれない。

 識別で、全員が予定していたスキルを取得できた事を確認し、リーネと2匹が待つ狩人ギルドに急いだ。
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