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8章 異風の旋律
260 契約
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「お待ちくださいトーマ様。どうかお話を聞いてもらえませんか」
後はゲートに入るだけ、というタイミングで声をかけられる。
振り向いてみると、俺に声をかけてきたのはカルマさんだった。
「おはようカルマさん。聞く価値無しと判断した時点で帰るから、内容には気をつけてね?」
「……肝に銘じましょう。
まず襲撃者の行方ですが、全員を捕縛済みで、現在犯罪奴隷契約を進めております」
「はぁ!?」
エルハが素っ頓狂な声を上げているけど、むしろお前の仕事なんだよ馬鹿が。
「それで、今回の件にはカルネジア家はもちろん、狩人ギルドも関与しておりません。襲撃者に尋問を行ったところ、『大森林の風』という狩猟団の一員だということが分かりました。
動機は迷宮討伐の恩恵を長く享受するために、迷宮殺しの速度が速すぎる異風の旋律を排除したかったとのことです。
大森林の風は現在迷宮討伐に向かっておりますが、今回の件は団員全員に共有された計画であったとの自白が得られているため、街に戻り次第全員捕縛、犯罪奴隷契約を行う予定です」
「へぇ。襲撃者の身元と今後の対応まで、本当に迅速に動いてくれたみたいだね。
それで?ギルドとカルネジア家の関与がないことはどうやって証明するの?
口頭で説明されても信用に値しないんだけど」
「そう、ですよね。少々難題で御座います。
逆にトーマ様にお聞きしますが、どうしたらギルドと当家の関与がなかったと認めていただけますでしょうか?」
ん~そう来たかぁ。
改めてカルネジア家を信用するためには、どんな条件を満たせばいいんだろうな?
全く思いつかないんだけど。
「もしも今回のような問題が繰り返されたり、僕たちの命がギルドやカルネジア家によって脅かされるようなことがあったら、カルネジア・ブルガーゾ並びにカルネジア家の者全員が犯罪奴隷となるよう『限定契約』を結ぶこと。
これが飲めるなら協力してもいいよ、ねトーマ」
「……ごめん、限定契約の説明からお願い」
「えっとね、契約が効力を発揮する条件や期間を限定することで、通常の契約と比べて特殊だったり強力な契約を結ぶことが出来る方法だよ。
ハロイツァを撃退するまでトルネに絶対服従を約束させた時なんかも、実は限定契約が行われてたんだ」
へぇ。あの時は略式で済ませたとか言われた気がするけど、略式で限定契約を行った、って意味だったのか。
「つまり、今回の迷宮頻出騒動が治まるまでに問題が起きたら、カルネジアの人間全員犯罪奴隷にってわけか。
それに加えて、冒険者が問題を吹っかけてきたら冒険者ギルド全員を、商人なら商工ギルド員、狩人なら狩人ギルド員って感じで、問題を起こした人間が所属する組織の責任者も犯罪奴隷落ちするよう追加してくれ。今回みたいにギルド側に庇われたらたまったもんじゃない。
この内容の契約が今日の陽天の報せまでに結ばれるなら協力しよう。遅れるなら終了だ。時間稼ぎには応じない。
こんなところでどうかなカルマさん」
「……確実に実行いたしましょう。しかし苛烈な条件を出されますね。
これではまるで、街全体を人質に取るようなものではないですか?」
「そりゃそうだ。街全体の存亡の危機なんだからそのくらい天秤に乗せろよ。
今まで迷宮討伐を全く進めなかったカルネジア家と、俺たちに協力を要請しながらも、俺たちの安全を保証する気が全くない狩人ギルドが招いたことだ。
くれぐれも当主まで確実に契約に含めろよ。一瞬でも誠意を感じない対応を取られた時点で協力はやめる。当主だろうが赤子だろうが分家筋だろうが、トルネ以外の例外は一切認めない」
「……畏まりました。確実に取り計らいましょう」
シンに横目で確認を取る。
頷いてくれているので問題ないだろう。
「つうか契約が済まないと身動きが出来ないのも面倒だな。
俺たち契約に立ち会わなくていい?あとはカルマさん側で対応してくれない?」
「それは、構いませんが。トーマ様がそれで良いと言うのでしたら。
ですが契約が確実に行われたか、本当に立ち会わなくて宜しいので?」
「ああ、構わないよ。俺たちの会話は音魔法で可能な限り広い範囲に拡散してたから。
これだけはっきり約束したのに契約を履行しなかったら、カルネジア家の格が落ちるだけでしょ」
「そんなことをなさってたんですか……」
ゲートをキャンセルする。
発動分の魔力はちょっと勿体無かったなぁ。
「じゃあ今日の分の討伐に行くとしようか。
クリーヌたちはどうする?さっきはキャンセルっつったけど、一緒に行く?やめとく?」
「……行く。それが私の仕事」
「そっか。じゃあ今日も宜しくね。
今日は時間取っちゃったから、さっさと出発しようか」
この場に留まっても碌なことが無さそうなので、とっとと出発してしまう。
「昨日の迷宮討伐数は14。新たな出現は5つ。現在確認済みは19個」
「もう俺らが居なくても討伐間に合いそうだな。
俺たちが迷宮討伐に参加するのは明日が最後でいいんじゃないか?」
今日9つ潰して他のパーティで5つ潰せば、5個新たに生まれたとしても明日の残りは10個だよな。
よし、明日を最後にするつもりで頑張ろうか。
今日は少し出発に手間取ってしまったため、いつも通り3箇所の討伐を終えると日没近くになっていた。
迷宮の数が減ってきたため、移動に少し時間がかかってしまったのも大きい。
うん、迷宮の数が減っているのが体感できる。明日全部殺し切ってしまおう。
しかし今のところ迷宮発生の原因が全く分かってないのが困る。
迷宮を殺しきって何かが変わるんだろうか?
それとも、殺し切っても毎日新しい迷宮が生み出され続けるんだろうか?
ボールクローグに戻ってきて仲間達と合流する。
みんな何事も無かったようで一安心。
街の入り口でカルマさんが待っていて、限定契約は間違いなく結んだと報告された。
昨晩の食事代の支払いに対しても感謝を伝えられたけど、どうでもいいわそんなの。
今晩からギルドへの報告はクリーヌに任せて、朝も夜も狩人ギルドには顔を出さないことにした。
クリーヌはなにか言いたそうにしていたが、事情が事情だけに諦めてくれたようだ。
宿で夕食を済ませたあとに、みんなで作戦会議する。
「クリーヌの報告によれば、今朝の時点で迷宮が19個。迷宮の出現ペースは1日5箇所。昨日の討伐数が14らしい。
最悪の想定として、今日俺たち以外に討伐が行われなかったとしても残り10箇所。新たに6箇所に発生したとしても合計で16だ。
っつうわけで、明日中に確認済みの迷宮を全部殺してしまおう。多少日没を過ぎても、他の冒険者が回っている迷宮も全部殺すつもりで頼む」
「……今日と同じく14箇所の討伐が行われ、新規迷宮が5つの場合は10箇所か。
最悪の想定でも1組あたり2箇所追加される程度だし、それほど無茶な提案でもないね……。
わかった、それで行こう。なるべく他の冒険者の横取りはしたくないけど」
「それで何か進展があれがいいのですが……。
仮に進展がなくても、私たちが迷宮討伐に貼り付けにされなくてよくなれば、自分たちで調査の方を手伝うことも出来るようになりますか」
「うん。正直迷宮発生の原因が掴めていないから、現状の迷宮を全て潰しても、迷宮の発生は続くかもしれないけど……。
私達の行動制限がなくなるのは助かるかな」
とりあえず明日迷宮殺しは一旦終了だ。
それ以降の予定は、その後の状況次第って所だな。
50もの迷宮が乱立していたのに魔力枯渇が起きなかったのは、少し不自然に感じなくもないけど。
後はゲートに入るだけ、というタイミングで声をかけられる。
振り向いてみると、俺に声をかけてきたのはカルマさんだった。
「おはようカルマさん。聞く価値無しと判断した時点で帰るから、内容には気をつけてね?」
「……肝に銘じましょう。
まず襲撃者の行方ですが、全員を捕縛済みで、現在犯罪奴隷契約を進めております」
「はぁ!?」
エルハが素っ頓狂な声を上げているけど、むしろお前の仕事なんだよ馬鹿が。
「それで、今回の件にはカルネジア家はもちろん、狩人ギルドも関与しておりません。襲撃者に尋問を行ったところ、『大森林の風』という狩猟団の一員だということが分かりました。
動機は迷宮討伐の恩恵を長く享受するために、迷宮殺しの速度が速すぎる異風の旋律を排除したかったとのことです。
大森林の風は現在迷宮討伐に向かっておりますが、今回の件は団員全員に共有された計画であったとの自白が得られているため、街に戻り次第全員捕縛、犯罪奴隷契約を行う予定です」
「へぇ。襲撃者の身元と今後の対応まで、本当に迅速に動いてくれたみたいだね。
それで?ギルドとカルネジア家の関与がないことはどうやって証明するの?
口頭で説明されても信用に値しないんだけど」
「そう、ですよね。少々難題で御座います。
逆にトーマ様にお聞きしますが、どうしたらギルドと当家の関与がなかったと認めていただけますでしょうか?」
ん~そう来たかぁ。
改めてカルネジア家を信用するためには、どんな条件を満たせばいいんだろうな?
全く思いつかないんだけど。
「もしも今回のような問題が繰り返されたり、僕たちの命がギルドやカルネジア家によって脅かされるようなことがあったら、カルネジア・ブルガーゾ並びにカルネジア家の者全員が犯罪奴隷となるよう『限定契約』を結ぶこと。
これが飲めるなら協力してもいいよ、ねトーマ」
「……ごめん、限定契約の説明からお願い」
「えっとね、契約が効力を発揮する条件や期間を限定することで、通常の契約と比べて特殊だったり強力な契約を結ぶことが出来る方法だよ。
ハロイツァを撃退するまでトルネに絶対服従を約束させた時なんかも、実は限定契約が行われてたんだ」
へぇ。あの時は略式で済ませたとか言われた気がするけど、略式で限定契約を行った、って意味だったのか。
「つまり、今回の迷宮頻出騒動が治まるまでに問題が起きたら、カルネジアの人間全員犯罪奴隷にってわけか。
それに加えて、冒険者が問題を吹っかけてきたら冒険者ギルド全員を、商人なら商工ギルド員、狩人なら狩人ギルド員って感じで、問題を起こした人間が所属する組織の責任者も犯罪奴隷落ちするよう追加してくれ。今回みたいにギルド側に庇われたらたまったもんじゃない。
この内容の契約が今日の陽天の報せまでに結ばれるなら協力しよう。遅れるなら終了だ。時間稼ぎには応じない。
こんなところでどうかなカルマさん」
「……確実に実行いたしましょう。しかし苛烈な条件を出されますね。
これではまるで、街全体を人質に取るようなものではないですか?」
「そりゃそうだ。街全体の存亡の危機なんだからそのくらい天秤に乗せろよ。
今まで迷宮討伐を全く進めなかったカルネジア家と、俺たちに協力を要請しながらも、俺たちの安全を保証する気が全くない狩人ギルドが招いたことだ。
くれぐれも当主まで確実に契約に含めろよ。一瞬でも誠意を感じない対応を取られた時点で協力はやめる。当主だろうが赤子だろうが分家筋だろうが、トルネ以外の例外は一切認めない」
「……畏まりました。確実に取り計らいましょう」
シンに横目で確認を取る。
頷いてくれているので問題ないだろう。
「つうか契約が済まないと身動きが出来ないのも面倒だな。
俺たち契約に立ち会わなくていい?あとはカルマさん側で対応してくれない?」
「それは、構いませんが。トーマ様がそれで良いと言うのでしたら。
ですが契約が確実に行われたか、本当に立ち会わなくて宜しいので?」
「ああ、構わないよ。俺たちの会話は音魔法で可能な限り広い範囲に拡散してたから。
これだけはっきり約束したのに契約を履行しなかったら、カルネジア家の格が落ちるだけでしょ」
「そんなことをなさってたんですか……」
ゲートをキャンセルする。
発動分の魔力はちょっと勿体無かったなぁ。
「じゃあ今日の分の討伐に行くとしようか。
クリーヌたちはどうする?さっきはキャンセルっつったけど、一緒に行く?やめとく?」
「……行く。それが私の仕事」
「そっか。じゃあ今日も宜しくね。
今日は時間取っちゃったから、さっさと出発しようか」
この場に留まっても碌なことが無さそうなので、とっとと出発してしまう。
「昨日の迷宮討伐数は14。新たな出現は5つ。現在確認済みは19個」
「もう俺らが居なくても討伐間に合いそうだな。
俺たちが迷宮討伐に参加するのは明日が最後でいいんじゃないか?」
今日9つ潰して他のパーティで5つ潰せば、5個新たに生まれたとしても明日の残りは10個だよな。
よし、明日を最後にするつもりで頑張ろうか。
今日は少し出発に手間取ってしまったため、いつも通り3箇所の討伐を終えると日没近くになっていた。
迷宮の数が減ってきたため、移動に少し時間がかかってしまったのも大きい。
うん、迷宮の数が減っているのが体感できる。明日全部殺し切ってしまおう。
しかし今のところ迷宮発生の原因が全く分かってないのが困る。
迷宮を殺しきって何かが変わるんだろうか?
それとも、殺し切っても毎日新しい迷宮が生み出され続けるんだろうか?
ボールクローグに戻ってきて仲間達と合流する。
みんな何事も無かったようで一安心。
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今晩からギルドへの報告はクリーヌに任せて、朝も夜も狩人ギルドには顔を出さないことにした。
クリーヌはなにか言いたそうにしていたが、事情が事情だけに諦めてくれたようだ。
宿で夕食を済ませたあとに、みんなで作戦会議する。
「クリーヌの報告によれば、今朝の時点で迷宮が19個。迷宮の出現ペースは1日5箇所。昨日の討伐数が14らしい。
最悪の想定として、今日俺たち以外に討伐が行われなかったとしても残り10箇所。新たに6箇所に発生したとしても合計で16だ。
っつうわけで、明日中に確認済みの迷宮を全部殺してしまおう。多少日没を過ぎても、他の冒険者が回っている迷宮も全部殺すつもりで頼む」
「……今日と同じく14箇所の討伐が行われ、新規迷宮が5つの場合は10箇所か。
最悪の想定でも1組あたり2箇所追加される程度だし、それほど無茶な提案でもないね……。
わかった、それで行こう。なるべく他の冒険者の横取りはしたくないけど」
「それで何か進展があれがいいのですが……。
仮に進展がなくても、私たちが迷宮討伐に貼り付けにされなくてよくなれば、自分たちで調査の方を手伝うことも出来るようになりますか」
「うん。正直迷宮発生の原因が掴めていないから、現状の迷宮を全て潰しても、迷宮の発生は続くかもしれないけど……。
私達の行動制限がなくなるのは助かるかな」
とりあえず明日迷宮殺しは一旦終了だ。
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