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8章 異風の旋律
246 討伐ボーナス
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「なーんでトーマ1人で3つも迷宮落としてるのよーーーっ!!
それになんかリーネと良い雰囲気なんですけどーっ!?」
リーンセンパイ声でかいっす。
リーネもそこで赤面しない!俺も照れるだろ!
日没に合わせてボールクローグの前で合流する。
今日の結果は俺が3つと他の2組が2つずつ、合計7つの迷宮を討伐することが出来た。
心核は既に回収してストレージに収納してある。
「トーマはちょっと頭おかしい。1人で迷宮に入るのだって珍しいのに」
クリーヌに酷いレッテルを貼られてしまった。
3つの迷宮を殺してきたわけだけど、道さえ分かってたら4つ目もいける気がするんだよなぁ。
実際3つ目の迷宮を落として帰ってきても、日没までには結構時間があったからな。
その時間でクリーヌに少し御者の指導を受けることが出来たので後悔はないんだけど。
「いえ、私はトーマのほうが早いのはなんとなく想像ついてましたよ。
いつか8階層で競争した時、ソロのトーマの方が圧倒的に早かったですからね」
「そんなこともあったね。
トーマはパーティ戦闘が苦手ってわけじゃないみたいだけど、ソロで探索するほうが性分に合ってるのかもしれないね」
ん~、そこはどっちが好きとかじゃなくて、どっちも好きって感じなんだよな。
ソロが得意に見えるのは、単純にソロ探索への慣れの問題だと思う。
「うん。別に連携が下手なわけではないよね。
私は迷宮に1人ではいるなんて絶対に嫌だけど、トーマは結構長いこと1人で潜ってたんだよね?」
「んーどうだっけ?もうみんなといる方が自然だからあんまり覚えてないわ。
ソロ探索自体は毎日やってるから、それはそれで自然ではあるだけどさ」
ソロ探索に関しては、パーティの誰よりも慣れている自信はあるけどね。
脱ぼっちまで結構長かったような気がするもんなぁ。
夕食の前に狩人ギルドに寄って、本日の討伐結果をエルハに報告する。
なんか頭を抱えて唸っていたけど頭痛でもしてるんだろうか。
「と、とにかく……!異風の旋律の協力のおかげで、迷宮の根絶の可能性が出てきたのはありがたいわ。
迷宮が増えるほどに魔力枯渇の可能性が高まるけれど、逆に迷宮討伐による魔力還元が起これば、魔力枯渇の危険性はどんどん下がってくれるはず。
皆さんに頼り切りで申し訳ないけど、引き続きこの調子でお願いね」
なんとか赤字を食い止めることには成功したってことかな?
流石に1日に7つも迷宮は生み出せないってことか。
狩人ギルドを出て宿に戻って夕食にする。
流石にクリーヌの家に連日お邪魔する気はない。
彼女たちには今日の分の報酬は渡してあるし、待ち時間にも色々採集したらしく、上機嫌で帰っていった。
ここの宿の食事も結構美味しい。
周りが大森林で、クリーヌみたいに食物採集をしている狩人も多いのか、他の街と比べて果実が多い。
迷宮産の食材とはかなり違っていてそれなりに楽しめた。
騒動が終わっても、クリーヌたちに採集を依頼してもいいかもしれないな。
ウチで食べる分くらいならストレージで運べるだろうし。
「あれ?なんでだ?」
先に夕食を食べ終えたので、暇潰しにステータスチェックをしたところ、所持SPが30000ちょっと増えている。
今回は一切戦っていない。ガーディアンと迷宮神像を除いて、だけど。
「ハル悪い。今日1日でSPどのくらい増えてる?」
「うん。ちょっと待ってね。
……あれ?なんで?20000SPちょっと獲得してるみたい?」
……あれ?
俺が30000だったから、てっきりハルはシンと2分割して10000SPなのかなと思ってたんだけど。
「計算が合わないな?俺は今日1人で3つ迷宮を殺して3万SPを獲得してるんだよな。
ハルはシンと2人で2つ迷宮を殺してるから、1万SPを獲得してるんだと思ったんだけど」
「うん。トーマは今日、最深部以外では一切魔物を殺してないんだよね?
だとするなら獲得したSPは最深部で得られたとしか考えられないはず……。
トーマが6万SPを獲得しているか、私が1万SPしか獲得出来ていないかじゃないと、合わないよね?」
「……もしかしたら」
俺とハルの話を黙って聞いていたシンが口を開いた。
「迷宮神像ダンゲルスヌーマの神話にはね。人々に仇為す迷宮を止めた者には、ダンゲルスヌーマからの祝福が得られる、っていう話があるんだ。
僕はこれは心核の事を指しているんだと思っていたんだけど、祝福って考えてみたらスキルに関係する言葉だよね?迷宮を殺した者には、ダンゲルスヌーマからスキルが得られるような報酬を受け取ることが出来る、とも言えなくもない。
……ちょっとこじ付けっぽくなっちゃうけど」
迷宮を殺した者に与えられる報酬……。討伐ボーナスみたいなもの?
迷宮を殺すと、固定報酬でメンバー全員に1万SPが付与される……?
もしこれが本当だとするなら、少人数で迷宮を殺すのはSP的に勿体無いってことになるな……。
いや、しょうがないのか。
SP稼ぎのために迷宮を殺してるわけじゃなくて、魔力枯渇からの魔物の氾濫を未然に防ぐためにやってることだもんな。
SPはちょっと勿体無いけど、副産物くらいに思うべきだ。
「本当のところは俺らにもわかんないけどさ。とりあえずSP稼ぎ的にも迷宮殺しは悪くないってことが分かっただけでも収穫だな」
「そうだね。この騒動が終わるまではスキルの取得は少し諦めていたんだけど、これは少し希望が持てそうだよ」
この騒動が終わるまでにどれくらいの迷宮を殺すことになるのかは不明だけど、いまだ生み出され続けていることを考えると、それぞれ20個くらいは殺さないといけなくなるかもしれないからな。
それにしてもダンゲルスヌーマ様は凄い。
迷宮資源とSPを無限に獲得できる場所を用意しただけでなく、迷宮を殺した際に固定SP報酬までつけてくれるなんて、まさに至れり尽くせりって感じだわ。
俺も冒険者として、どれほど感謝しても足りないかもしれないな。
それになんかリーネと良い雰囲気なんですけどーっ!?」
リーンセンパイ声でかいっす。
リーネもそこで赤面しない!俺も照れるだろ!
日没に合わせてボールクローグの前で合流する。
今日の結果は俺が3つと他の2組が2つずつ、合計7つの迷宮を討伐することが出来た。
心核は既に回収してストレージに収納してある。
「トーマはちょっと頭おかしい。1人で迷宮に入るのだって珍しいのに」
クリーヌに酷いレッテルを貼られてしまった。
3つの迷宮を殺してきたわけだけど、道さえ分かってたら4つ目もいける気がするんだよなぁ。
実際3つ目の迷宮を落として帰ってきても、日没までには結構時間があったからな。
その時間でクリーヌに少し御者の指導を受けることが出来たので後悔はないんだけど。
「いえ、私はトーマのほうが早いのはなんとなく想像ついてましたよ。
いつか8階層で競争した時、ソロのトーマの方が圧倒的に早かったですからね」
「そんなこともあったね。
トーマはパーティ戦闘が苦手ってわけじゃないみたいだけど、ソロで探索するほうが性分に合ってるのかもしれないね」
ん~、そこはどっちが好きとかじゃなくて、どっちも好きって感じなんだよな。
ソロが得意に見えるのは、単純にソロ探索への慣れの問題だと思う。
「うん。別に連携が下手なわけではないよね。
私は迷宮に1人ではいるなんて絶対に嫌だけど、トーマは結構長いこと1人で潜ってたんだよね?」
「んーどうだっけ?もうみんなといる方が自然だからあんまり覚えてないわ。
ソロ探索自体は毎日やってるから、それはそれで自然ではあるだけどさ」
ソロ探索に関しては、パーティの誰よりも慣れている自信はあるけどね。
脱ぼっちまで結構長かったような気がするもんなぁ。
夕食の前に狩人ギルドに寄って、本日の討伐結果をエルハに報告する。
なんか頭を抱えて唸っていたけど頭痛でもしてるんだろうか。
「と、とにかく……!異風の旋律の協力のおかげで、迷宮の根絶の可能性が出てきたのはありがたいわ。
迷宮が増えるほどに魔力枯渇の可能性が高まるけれど、逆に迷宮討伐による魔力還元が起これば、魔力枯渇の危険性はどんどん下がってくれるはず。
皆さんに頼り切りで申し訳ないけど、引き続きこの調子でお願いね」
なんとか赤字を食い止めることには成功したってことかな?
流石に1日に7つも迷宮は生み出せないってことか。
狩人ギルドを出て宿に戻って夕食にする。
流石にクリーヌの家に連日お邪魔する気はない。
彼女たちには今日の分の報酬は渡してあるし、待ち時間にも色々採集したらしく、上機嫌で帰っていった。
ここの宿の食事も結構美味しい。
周りが大森林で、クリーヌみたいに食物採集をしている狩人も多いのか、他の街と比べて果実が多い。
迷宮産の食材とはかなり違っていてそれなりに楽しめた。
騒動が終わっても、クリーヌたちに採集を依頼してもいいかもしれないな。
ウチで食べる分くらいならストレージで運べるだろうし。
「あれ?なんでだ?」
先に夕食を食べ終えたので、暇潰しにステータスチェックをしたところ、所持SPが30000ちょっと増えている。
今回は一切戦っていない。ガーディアンと迷宮神像を除いて、だけど。
「ハル悪い。今日1日でSPどのくらい増えてる?」
「うん。ちょっと待ってね。
……あれ?なんで?20000SPちょっと獲得してるみたい?」
……あれ?
俺が30000だったから、てっきりハルはシンと2分割して10000SPなのかなと思ってたんだけど。
「計算が合わないな?俺は今日1人で3つ迷宮を殺して3万SPを獲得してるんだよな。
ハルはシンと2人で2つ迷宮を殺してるから、1万SPを獲得してるんだと思ったんだけど」
「うん。トーマは今日、最深部以外では一切魔物を殺してないんだよね?
だとするなら獲得したSPは最深部で得られたとしか考えられないはず……。
トーマが6万SPを獲得しているか、私が1万SPしか獲得出来ていないかじゃないと、合わないよね?」
「……もしかしたら」
俺とハルの話を黙って聞いていたシンが口を開いた。
「迷宮神像ダンゲルスヌーマの神話にはね。人々に仇為す迷宮を止めた者には、ダンゲルスヌーマからの祝福が得られる、っていう話があるんだ。
僕はこれは心核の事を指しているんだと思っていたんだけど、祝福って考えてみたらスキルに関係する言葉だよね?迷宮を殺した者には、ダンゲルスヌーマからスキルが得られるような報酬を受け取ることが出来る、とも言えなくもない。
……ちょっとこじ付けっぽくなっちゃうけど」
迷宮を殺した者に与えられる報酬……。討伐ボーナスみたいなもの?
迷宮を殺すと、固定報酬でメンバー全員に1万SPが付与される……?
もしこれが本当だとするなら、少人数で迷宮を殺すのはSP的に勿体無いってことになるな……。
いや、しょうがないのか。
SP稼ぎのために迷宮を殺してるわけじゃなくて、魔力枯渇からの魔物の氾濫を未然に防ぐためにやってることだもんな。
SPはちょっと勿体無いけど、副産物くらいに思うべきだ。
「本当のところは俺らにもわかんないけどさ。とりあえずSP稼ぎ的にも迷宮殺しは悪くないってことが分かっただけでも収穫だな」
「そうだね。この騒動が終わるまではスキルの取得は少し諦めていたんだけど、これは少し希望が持てそうだよ」
この騒動が終わるまでにどれくらいの迷宮を殺すことになるのかは不明だけど、いまだ生み出され続けていることを考えると、それぞれ20個くらいは殺さないといけなくなるかもしれないからな。
それにしてもダンゲルスヌーマ様は凄い。
迷宮資源とSPを無限に獲得できる場所を用意しただけでなく、迷宮を殺した際に固定SP報酬までつけてくれるなんて、まさに至れり尽くせりって感じだわ。
俺も冒険者として、どれほど感謝しても足りないかもしれないな。
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