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7章 更なる強さを求めて
236 パーティ強化
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「……トーマはこれから職人にでもなるつもりなの?」
心底呆れた様子で、シンが聞いてきた。
ディオーヌ様との話を終えてベイクに戻り、ギルドの訓練場で皆と合流して、俺の識別の書を見せたところで先ほどのシンのセリフである。
スキル神殿に行く前に、みんなの取りたいスキル、取るべきスキルを吟味しないといけないからな。
「いやいや、流石にそこまで職人を馬鹿にしてないって。
職人用のスキルも、なんらかの戦闘系スキルの前提条件になっている可能性があるから取ってみたんだよ。
ま、今回は何にも新しいスキルは出てこなかったけどな」
「前提条件か……。今までそんなこと考えたこともなかったよ。
じゃあ僕たちが職人向けのスキルを取る必要は、今回はないんだよね?」
「そういうことだな。今のところ新しいスキルは生えてないから、みんなは取る必要はなさそうだ。
ま、将来職人になってみたいなら取ってもいいかもな。マーサに弟子入りすりゃいいワケだし」
職人向けのスキルを覚えなかったら、殆ど俺と同じスキル構成まで持っていけるんじゃないかな?
「リーネも、取るべきスキルは紙に書いておくから、祝福の儀を受ける間は意識してみてくれよ。
多分暗視は取れないと思うけど、ヴィジョンがあるから困らないだろうし」
「わ、私もホントにスキル取れるの……?一度も魔物を倒したことないのに……」
「取れると思うよ。それに今後は狩人になることも視野に入れてるんだったら、スキルの取得は重要だからな。
魔装術と攻撃範囲拡張、免疫強化と環境適応、あとは魔力量増加は取ってほしいな。
どれも狩人には必要なスキルだと思うからさ」
問題は集中が取れるかどうかだけかな?
あとはリーネが取得できないスキルはなさそうだ。
スキルの確認が終わったので、ゲートを使ってウィルスレイアに移動。
ミルズレンダはもう二度と行かないし、ボールクローグはなにか起こるかも知れないということで、消去法でウィルスレイアのスキル神殿を利用することになった。
で、実際に祝福の儀を受けたところ、きっちり『魔法薬作成』『錬金術』の2つもみんな取得してしまっていた。ただしハル以外。
「そうか……。トーマやハルと違って僕たちの場合は、スキルを取らないっていう選択肢はないんだね。気付かなかった」
「うん。これなら私も取れば良かったかな?なんだか仲間ハズレみたいになっちゃった……」
ハルはギリギリ『魔法発射速度上昇:中』を取れたそうだが、他のスキルを優先したいためにSPを温存したらしい。
この温存という選択肢があるのは異邦人だけってことなのか。
「わわ、私も、私もホントにスキル取れちゃってる……。しかも沢山……」
64000を超えるSPは、無事にリーネも取得できていた模様。
俺とみんなの違いは『魔力成型』の有無だけかな?
リーネは残念ながら『自然回復力強化』『魔法薬作成』『錬金術』も取れなかったけれど、これは今まで皆が迷宮で稼いだSPの差が出た結果なんだろうな。
……過剰強化やら『攻撃範囲拡張:中』やら、なんなんだこの10等級冒険者は。強すぎだろ。
みんなが『魔力成型』を取れなかったのは、装備品製作の経験がないから。加えてリーネはヴェルトーガでやった小細工実験に参加していないから、『魔法薬作成』『錬金術』の2つも取れなかったんだな。
ウィルスレイアの救貧院に白金貨1枚を納めベイクに戻る。
もう日没を過ぎてしまったなぁ。
以前とは事情が変わったので、明日リーネのシルバーライト製装備をホムロに注文するか。
帰る前に冒険者ギルドの訓練場で、スキルを取得後の動きを確認する。
特にリーネは、身体強化が無かった状態からいきなり中を取得してしまったこともあり、結構な違和感があるらしい。
魔法を使っていたおかげで、スキルの使用にはあまり戸惑わなくて済んだそうだが。
皆は今まで使えなかった『深層集中』と『瞬間加速』の同時使用に注目していたけど、俺が注目していたのは『攻撃範囲拡張:中』だった。
……いや、文句はないんだよ。
文句はないんだけど、あまりの効果にちょっとビビってる。
確かに取得条件に、自分より5倍でかい魔物を倒すって書いてあったけどさぁ……。まさかそのまま、攻撃範囲が5倍になるとは思わなかったっすよ……。
いや、不満なんてあるはずもない。
……不満はないけど、不安はある。
この世界で戦い続けていると、5倍拡張で足りなくなる事態が想定されてるワケ……?
ま、深く考えるのはよしておこうか。
帰宅すると、カンパニーの皆にはもう夕食を配り終わっていた。
いつもより少しだけ遅めの夕食を取りながら、みんなにディオーヌ様から言われた事を伝えておく。
「次はボールクローグで何かが起きるんだね。というかディオーヌ様の言い方だと、既に何か起こっているけど確信が持てない、っていうほうが近いのかな」
「んー。なにが起こってるのかわかんないけど、銀の乙女にはお世話になったしねー。
力になれるならなりたいかなー」
「個人的にはあまり近寄りたくない街ではあるのですけどね。銀の乙女の皆さんのおかげで、苦手意識はかなり薄れましたけど」
「うん。私はカルネジア家との一件を知らないから、ボールクローグには良い印象しかないかな。
それに異邦人が絡んでいるのなら、やっぱり見逃せないな」
「私もあの人たちにはとってもお世話になったし、これからもお世話になりたいとも思ってる……。
だから私も、出来ることがあるなら協力したい……!」
うちのメンバーの銀の乙女への印象は最高だよな。ペルも居るわけだし。
リーネも自主性が出てきたようでなによりだ。
「いつお呼びがかかるかは分からないが、少しでも力をつけておこう。
装備の更新は時間がかかるものとして、なるべく迷宮の探索をメインに活動しないとな。
外に出る用事も粗方片付いたわけだし」
大分強くなったつもりではあるんだけどなぁ。
この世界で求められる安全へのハードル高すぎませんかね?
余談ではあるが、『自然回復力強化』は夜の営みにも影響を与えてくれた。与えてくれたのだが。
リーンとトルネも取得してしまったことで、俺に優位性みたいなものは一切無かった。
結局いつも通りじゃん!
……回数はちょっと増えたかも知れないけど。
心底呆れた様子で、シンが聞いてきた。
ディオーヌ様との話を終えてベイクに戻り、ギルドの訓練場で皆と合流して、俺の識別の書を見せたところで先ほどのシンのセリフである。
スキル神殿に行く前に、みんなの取りたいスキル、取るべきスキルを吟味しないといけないからな。
「いやいや、流石にそこまで職人を馬鹿にしてないって。
職人用のスキルも、なんらかの戦闘系スキルの前提条件になっている可能性があるから取ってみたんだよ。
ま、今回は何にも新しいスキルは出てこなかったけどな」
「前提条件か……。今までそんなこと考えたこともなかったよ。
じゃあ僕たちが職人向けのスキルを取る必要は、今回はないんだよね?」
「そういうことだな。今のところ新しいスキルは生えてないから、みんなは取る必要はなさそうだ。
ま、将来職人になってみたいなら取ってもいいかもな。マーサに弟子入りすりゃいいワケだし」
職人向けのスキルを覚えなかったら、殆ど俺と同じスキル構成まで持っていけるんじゃないかな?
「リーネも、取るべきスキルは紙に書いておくから、祝福の儀を受ける間は意識してみてくれよ。
多分暗視は取れないと思うけど、ヴィジョンがあるから困らないだろうし」
「わ、私もホントにスキル取れるの……?一度も魔物を倒したことないのに……」
「取れると思うよ。それに今後は狩人になることも視野に入れてるんだったら、スキルの取得は重要だからな。
魔装術と攻撃範囲拡張、免疫強化と環境適応、あとは魔力量増加は取ってほしいな。
どれも狩人には必要なスキルだと思うからさ」
問題は集中が取れるかどうかだけかな?
あとはリーネが取得できないスキルはなさそうだ。
スキルの確認が終わったので、ゲートを使ってウィルスレイアに移動。
ミルズレンダはもう二度と行かないし、ボールクローグはなにか起こるかも知れないということで、消去法でウィルスレイアのスキル神殿を利用することになった。
で、実際に祝福の儀を受けたところ、きっちり『魔法薬作成』『錬金術』の2つもみんな取得してしまっていた。ただしハル以外。
「そうか……。トーマやハルと違って僕たちの場合は、スキルを取らないっていう選択肢はないんだね。気付かなかった」
「うん。これなら私も取れば良かったかな?なんだか仲間ハズレみたいになっちゃった……」
ハルはギリギリ『魔法発射速度上昇:中』を取れたそうだが、他のスキルを優先したいためにSPを温存したらしい。
この温存という選択肢があるのは異邦人だけってことなのか。
「わわ、私も、私もホントにスキル取れちゃってる……。しかも沢山……」
64000を超えるSPは、無事にリーネも取得できていた模様。
俺とみんなの違いは『魔力成型』の有無だけかな?
リーネは残念ながら『自然回復力強化』『魔法薬作成』『錬金術』も取れなかったけれど、これは今まで皆が迷宮で稼いだSPの差が出た結果なんだろうな。
……過剰強化やら『攻撃範囲拡張:中』やら、なんなんだこの10等級冒険者は。強すぎだろ。
みんなが『魔力成型』を取れなかったのは、装備品製作の経験がないから。加えてリーネはヴェルトーガでやった小細工実験に参加していないから、『魔法薬作成』『錬金術』の2つも取れなかったんだな。
ウィルスレイアの救貧院に白金貨1枚を納めベイクに戻る。
もう日没を過ぎてしまったなぁ。
以前とは事情が変わったので、明日リーネのシルバーライト製装備をホムロに注文するか。
帰る前に冒険者ギルドの訓練場で、スキルを取得後の動きを確認する。
特にリーネは、身体強化が無かった状態からいきなり中を取得してしまったこともあり、結構な違和感があるらしい。
魔法を使っていたおかげで、スキルの使用にはあまり戸惑わなくて済んだそうだが。
皆は今まで使えなかった『深層集中』と『瞬間加速』の同時使用に注目していたけど、俺が注目していたのは『攻撃範囲拡張:中』だった。
……いや、文句はないんだよ。
文句はないんだけど、あまりの効果にちょっとビビってる。
確かに取得条件に、自分より5倍でかい魔物を倒すって書いてあったけどさぁ……。まさかそのまま、攻撃範囲が5倍になるとは思わなかったっすよ……。
いや、不満なんてあるはずもない。
……不満はないけど、不安はある。
この世界で戦い続けていると、5倍拡張で足りなくなる事態が想定されてるワケ……?
ま、深く考えるのはよしておこうか。
帰宅すると、カンパニーの皆にはもう夕食を配り終わっていた。
いつもより少しだけ遅めの夕食を取りながら、みんなにディオーヌ様から言われた事を伝えておく。
「次はボールクローグで何かが起きるんだね。というかディオーヌ様の言い方だと、既に何か起こっているけど確信が持てない、っていうほうが近いのかな」
「んー。なにが起こってるのかわかんないけど、銀の乙女にはお世話になったしねー。
力になれるならなりたいかなー」
「個人的にはあまり近寄りたくない街ではあるのですけどね。銀の乙女の皆さんのおかげで、苦手意識はかなり薄れましたけど」
「うん。私はカルネジア家との一件を知らないから、ボールクローグには良い印象しかないかな。
それに異邦人が絡んでいるのなら、やっぱり見逃せないな」
「私もあの人たちにはとってもお世話になったし、これからもお世話になりたいとも思ってる……。
だから私も、出来ることがあるなら協力したい……!」
うちのメンバーの銀の乙女への印象は最高だよな。ペルも居るわけだし。
リーネも自主性が出てきたようでなによりだ。
「いつお呼びがかかるかは分からないが、少しでも力をつけておこう。
装備の更新は時間がかかるものとして、なるべく迷宮の探索をメインに活動しないとな。
外に出る用事も粗方片付いたわけだし」
大分強くなったつもりではあるんだけどなぁ。
この世界で求められる安全へのハードル高すぎませんかね?
余談ではあるが、『自然回復力強化』は夜の営みにも影響を与えてくれた。与えてくれたのだが。
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