異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

文字の大きさ
上 下
235 / 580
7章 更なる強さを求めて

205 拷問

しおりを挟む
 さっさと話せとは言ったけど、こんな店先で話もないか。
 店の中で話を聞こうと、全員で改めて店内に入る。

 ジジイは手足を縛って拘束しておいた。治療もさせない。


「じゃあまずは順序立てて聞いていこうかな。
 とりあえずマーサ。ミルズレンダを出る準備は出来てんのか?」

「ひゃい!出来てる!出来てます!
 等級の返上も済ませてありますからいつでもいけます!」

「あん?別に普通に話せよ。
 そんじゃ準備出来てるならさっさと行くか。俺この街嫌いなんだよね。長居する気無いわ」


 あー、そうは言ってもまだゲートの魔力が回復してないかもなぁ。


「と思ったけど、まだゲート使えるほどの魔力回復してねぇわ。
 暇潰しに今回の顛末聞いてやるよ。そこの転がってるクソジジイ。説明しろ」


 なんか俺と顔を合わせないようにそっぽ向いてんな。

 左手でジジイの髪を掴んで、右手で鼻と口を覆って水魔法っと。


「んんんん!?んんんんん!!ん~ん~!!」


 生活魔法ってほんと使い方色々だよね。せっかくだから実験しちゃおうか。


「げほげほ!!げっほげっほ!!っはー!っはー!っはー!」

「お前まだ自分の立場分かってねぇの?
 次に一瞬でも俺に反抗的な態度取ってみろよ。楽に死ねないかもしれないぜ?」


 ん?くっせぇと思ったらコイツ漏らしやがった。洗浄先生お願いします。


「今の洗浄はサービスにしておいてやるよ。俺も臭ぇのは嫌だからな。
 シモが緩いのも年のせいってことで、今回は見逃してやるよ。次はねぇけど」


 もう一度髪を掴んで無理矢理顔を合わせさせる。


「お爺ちゃん。遺言にならないように気をつけてね?
 まずは俺を襲ってきた理由をどうぞ?」

「………………」


 喋らないな。何なんだコイツ?


「さっきので喉の調子悪くなっちゃった?じゃあちょっと喉の通しを良くしてあげよっか」


 空いてる手で顎を掴んで口を開かせ、開いた口に風魔法で空気を強制的に送り込む。


「~~!!~~~!!~~~!!」


 まぁ生活魔法って攻撃魔法では無いからね。肺が破裂するような空気は送り込めないはずだから。
 安心して新鮮な空気を吸うといいよ。


「げぼぉぉぉぉ!!っは!っは!っは!」

「喉の通りは良くなった?まだまだ色んなネタを用意してるから、頑張ってくれると嬉しいなぁ」

「トーマ!もうやめて!もうやめてくれよおおおお!!そんなんでも家族なんだ!!クソジイイだけど私の家族なんだよ!!もうやめてくれよぉぉぉぉ……!」


 ……なんかめんどくさくなってきたなぁ。


「うん。じゃあ俺がやめる代わりにマーサも鍛冶を諦めるんだな?それでこの話はおしまいだ」

「…………は?
 な、んで、私が鍛冶を諦めるって話になるんだよ……?
 それに、トーマたちの装備だって、更新できなくなるじゃねぇかっ……!」

「ああ、職人は別に見つけるからいいよ。最悪見つからなくても現状の装備に不満があるわけでもないし。
 んで?マーサは鍛冶を諦めるんだな?じゃあもう帰るわ。あとは勝手に頑張って」


 超無駄足だったな。迷宮に篭った方がマシだったわ。帰ろ帰ろ。


「待て、待て待て待って、待ってよ!なんでそうなるんだよ!?なんでジジイを助けたら私が鍛冶を諦めるって話になるんだよっ!?」

「だってそいつが元凶なんだろ。マーサの冷遇の。なのに助けるんだったら鍛冶を諦めるってことだろ?
 んで、鍛冶をしないならマーサなんて引き受ける義理も無いし。ってことでこの話は終わるわけよ。
 もう帰るんだから手を離してよ。あとは身内で勝手にやってりゃいいじゃんか」


 マーサが手を離してくれないなぁ。鍛冶をしないなら多少手荒に振りほどいてもいいか?でも敵対してるわけじゃないしちょっと可哀想かな?


「……な、なんでジジイが、師匠が私を冷遇するんだ……?なんでトーマは、そう思ったんだ……?
 頼む、教えてくれ……!」

「ああもう痛いから手を離してくんない?冷遇の理由なんて知らないよ。そこに転がってるゴミにでも聞けばいいじゃん。
 なんでそう思ったかなんて簡単だろ?この職人都市で最高峰のシルバーライト級職人を冷遇するなんて、普通ありえない。
 マーサ1人を敵に回すのならまだしも、マーサの家ってこの都市でも伝統のあるでかい工房なんだろ?そんな場所の令嬢にちょっかい出して、工房全体を敵に回すなんて、このミルズレンダだからこそありえねぇだろう。
 なのにマーサは数年単位で冷遇され続けているのに、なんのお咎めも無しって事は、マーサの身内と話がついてるからしかありえないでしょ。
 じゃあ説明したし帰っていいよね。手離して」

「待って!お願いだから待ってよトーマ!話が全然見えないよ!
 なんで私が師匠に鍛冶をやめさせられなきゃなんないんだよ!?」

「だからさぁ~?それを聞こうとしてたのにお前が止めたんだろうがよぉ?
 もうさっきの自分の行動忘れたの?記憶力皆無かお前?
 ジジイを庇うって事は鍛冶を諦めるって言った意味が分かったな?じゃ後はお好きにどうぞ」


 瞬間加速を発動して無理矢理手を外す。


「えっ!?な、なんで!?いや、いやいや待って!邪魔しない!!邪魔しないから!!邪魔しないから私にも聞かせてよ!!なんで私がこんな扱いを受けなきゃいけなかったのか、理由くらい教えてくれよぉぉぉ!!」

「ふ~ん?」


 ほんと嫌いなんだよねこういう話。
 
 って、胸糞だからホントは関わりたくないんだが。

 ゴミみたいに床に転がったままの妖怪ハンマー爺にもう一度近付く。


「だってさおじいちゃん。この場の唯一の味方も居なくなっちゃったね?
 ジジイさぁ。俺を殺しても、ミルズレンダだったらどうとでも揉み消すつもりだったんだろ?6等級冒険者だってことはアルから聞いてたんだろ?たかが6等級冒険者如き、殺せなくて残念だったね。
 ねぇねぇ良く考えてもみてよ。今この場には俺たちしかいないんだよ?ここは間違いなくミルズレンダなのに、おじいちゃんの味方は1人もいないんだ。
 さ、飽きてきたから次で終わりね?
 これからおじいちゃんの両手切り落として傷口焼いてあげるから。鍛冶が出来ない孫の気持ちになって余生を過ごせばいいよ」


 マーサが息を飲む音が聞こえた。職人にとってその両腕は命そのもの。
 その両手を失ってなお生きるのは、職人としては耐え難い苦行だろうな。知ったこっちゃないが。


「待ってくれええええ!!話す!!何でも話す!!だから腕だけは!!腕だけはあああああ!!」

「あれ?俺ってそんなこと聞いた覚えないんだけど。遺言はそれでいいの?」

「許せなかった!許せなかったんだああああ!!その歳でミルズレンダの業を全て修め、シルバーライト級になってなお、いまだ満足せず向上心と若さを持ち続けるマーサルシリルが、どうしても許せなかったんだああああ!!」

「うわダッサ。自分がそう育てたくせに。くっだらねぇ。そんなんだから孫に置いてかれんだよバーカ」


 取り残された職人の成れの果てか。いやぁ思った以上にくだらなかったな。
 自分でマーサを迷宮に連れ回しておきながら、いざマーサが鍛冶師として成功したら嫉妬とか。

 アルもどうせ裏事情全部知った上でのあの態度だったんだろうなぁ。
 なんつうクソみたいな街だよ。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

処理中です...