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7章 更なる強さを求めて
205 拷問
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さっさと話せとは言ったけど、こんな店先で話もないか。
店の中で話を聞こうと、全員で改めて店内に入る。
ジジイは手足を縛って拘束しておいた。治療もさせない。
「じゃあまずは順序立てて聞いていこうかな。
とりあえずマーサ。ミルズレンダを出る準備は出来てんのか?」
「ひゃい!出来てる!出来てます!
等級の返上も済ませてありますからいつでもいけます!」
「あん?別に普通に話せよ。
そんじゃ準備出来てるならさっさと行くか。俺この街嫌いなんだよね。長居する気無いわ」
あー、そうは言ってもまだゲートの魔力が回復してないかもなぁ。
「と思ったけど、まだゲート使えるほどの魔力回復してねぇわ。
暇潰しに今回の顛末聞いてやるよ。そこの転がってるクソジジイ。説明しろ」
なんか俺と顔を合わせないようにそっぽ向いてんな。
左手でジジイの髪を掴んで、右手で鼻と口を覆って水魔法っと。
「んんんん!?んんんんん!!ん~ん~!!」
生活魔法ってほんと使い方色々だよね。せっかくだから実験しちゃおうか。
「げほげほ!!げっほげっほ!!っはー!っはー!っはー!」
「お前まだ自分の立場分かってねぇの?
次に一瞬でも俺に反抗的な態度取ってみろよ。楽に死ねないかもしれないぜ?」
ん?くっせぇと思ったらコイツ漏らしやがった。洗浄先生お願いします。
「今の洗浄はサービスにしておいてやるよ。俺も臭ぇのは嫌だからな。
シモが緩いのも年のせいってことで、今回は見逃してやるよ。次はねぇけど」
もう一度髪を掴んで無理矢理顔を合わせさせる。
「お爺ちゃん。遺言にならないように気をつけてね?
まずは俺を襲ってきた理由をどうぞ?」
「………………」
喋らないな。何なんだコイツ?
「さっきので喉の調子悪くなっちゃった?じゃあちょっと喉の通しを良くしてあげよっか」
空いてる手で顎を掴んで口を開かせ、開いた口に風魔法で空気を強制的に送り込む。
「~~!!~~~!!~~~!!」
まぁ生活魔法って攻撃魔法では無いからね。肺が破裂するような空気は送り込めないはずだから。
安心して新鮮な空気を吸うといいよ。
「げぼぉぉぉぉ!!っは!っは!っは!」
「喉の通りは良くなった?まだまだ色んなネタを用意してるから、頑張ってくれると嬉しいなぁ」
「トーマ!もうやめて!もうやめてくれよおおおお!!そんなんでも家族なんだ!!クソジイイだけど私の家族なんだよ!!もうやめてくれよぉぉぉぉ……!」
……なんかめんどくさくなってきたなぁ。
「うん。じゃあ俺がやめる代わりにマーサも鍛冶を諦めるんだな?それでこの話はおしまいだ」
「…………は?
な、んで、私が鍛冶を諦めるって話になるんだよ……?
それに、トーマたちの装備だって、更新できなくなるじゃねぇかっ……!」
「ああ、職人は別に見つけるからいいよ。最悪見つからなくても現状の装備に不満があるわけでもないし。
んで?マーサは鍛冶を諦めるんだな?じゃあもう帰るわ。あとは勝手に頑張って」
超無駄足だったな。迷宮に篭った方がマシだったわ。帰ろ帰ろ。
「待て、待て待て待って、待ってよ!なんでそうなるんだよ!?なんでジジイを助けたら私が鍛冶を諦めるって話になるんだよっ!?」
「だってそいつが元凶なんだろ。マーサの冷遇の。なのに助けるんだったら鍛冶を諦めるってことだろ?
んで、鍛冶をしないならマーサなんて引き受ける義理も無いし。ってことでこの話は終わるわけよ。
もう帰るんだから手を離してよ。あとは身内で勝手にやってりゃいいじゃんか」
マーサが手を離してくれないなぁ。鍛冶をしないなら多少手荒に振りほどいてもいいか?でも敵対してるわけじゃないしちょっと可哀想かな?
「……な、なんでジジイが、師匠が私を冷遇するんだ……?なんでトーマは、そう思ったんだ……?
頼む、教えてくれ……!」
「ああもう痛いから手を離してくんない?冷遇の理由なんて知らないよ。そこに転がってるゴミにでも聞けばいいじゃん。
なんでそう思ったかなんて簡単だろ?この職人都市で最高峰のシルバーライト級職人を冷遇するなんて、普通ありえない。
マーサ1人を敵に回すのならまだしも、マーサの家ってこの都市でも伝統のあるでかい工房なんだろ?そんな場所の令嬢にちょっかい出して、工房全体を敵に回すなんて、このミルズレンダだからこそありえねぇだろう。
なのにマーサは数年単位で冷遇され続けているのに、なんのお咎めも無しって事は、マーサの身内と話がついてるからしかありえないでしょ。
じゃあ説明したし帰っていいよね。手離して」
「待って!お願いだから待ってよトーマ!話が全然見えないよ!
なんで私が師匠に鍛冶をやめさせられなきゃなんないんだよ!?」
「だからさぁ~?それを聞こうとしてたのにお前が止めたんだろうがよぉ?
もうさっきの自分の行動忘れたの?記憶力皆無かお前?
ジジイを庇うって事は鍛冶を諦めるって言った意味が分かったな?じゃ後はお好きにどうぞ」
瞬間加速を発動して無理矢理手を外す。
「えっ!?な、なんで!?いや、いやいや待って!邪魔しない!!邪魔しないから!!邪魔しないから私にも聞かせてよ!!なんで私がこんな扱いを受けなきゃいけなかったのか、理由くらい教えてくれよぉぉぉ!!」
「ふ~ん?」
ほんと嫌いなんだよねこういう話。
被害者が加害者を庇う展開って、胸糞だからホントは関わりたくないんだが。
ゴミみたいに床に転がったままの妖怪ハンマー爺にもう一度近付く。
「だってさおじいちゃん。この場の唯一の味方も居なくなっちゃったね?
ジジイさぁ。俺を殺しても、ミルズレンダだったらどうとでも揉み消すつもりだったんだろ?6等級冒険者だってことはアルから聞いてたんだろ?たかが6等級冒険者如き、殺せなくて残念だったね。
ねぇねぇ良く考えてもみてよ。今この場には俺たちしかいないんだよ?ここは間違いなくミルズレンダなのに、おじいちゃんの味方は1人もいないんだ。
さ、飽きてきたから次で終わりね?
これからおじいちゃんの両手切り落として傷口焼いてあげるから。鍛冶が出来ない孫の気持ちになって余生を過ごせばいいよ」
マーサが息を飲む音が聞こえた。職人にとってその両腕は命そのもの。
その両手を失ってなお生きるのは、職人としては耐え難い苦行だろうな。知ったこっちゃないが。
「待ってくれええええ!!話す!!何でも話す!!だから腕だけは!!腕だけはあああああ!!」
「あれ?俺ってそんなこと聞いた覚えないんだけど。遺言はそれでいいの?」
「許せなかった!許せなかったんだああああ!!その歳でミルズレンダの業を全て修め、シルバーライト級になってなお、いまだ満足せず向上心と若さを持ち続けるマーサルシリルが、どうしても許せなかったんだああああ!!」
「うわダッサ。自分がそう育てたくせに。くっだらねぇ。そんなんだから孫に置いてかれんだよバーカ」
取り残された職人の成れの果てか。いやぁ思った以上にくだらなかったな。
自分でマーサを迷宮に連れ回しておきながら、いざマーサが鍛冶師として成功したら嫉妬とか。
アルもどうせ裏事情全部知った上でのあの態度だったんだろうなぁ。
なんつうクソみたいな街だよ。
店の中で話を聞こうと、全員で改めて店内に入る。
ジジイは手足を縛って拘束しておいた。治療もさせない。
「じゃあまずは順序立てて聞いていこうかな。
とりあえずマーサ。ミルズレンダを出る準備は出来てんのか?」
「ひゃい!出来てる!出来てます!
等級の返上も済ませてありますからいつでもいけます!」
「あん?別に普通に話せよ。
そんじゃ準備出来てるならさっさと行くか。俺この街嫌いなんだよね。長居する気無いわ」
あー、そうは言ってもまだゲートの魔力が回復してないかもなぁ。
「と思ったけど、まだゲート使えるほどの魔力回復してねぇわ。
暇潰しに今回の顛末聞いてやるよ。そこの転がってるクソジジイ。説明しろ」
なんか俺と顔を合わせないようにそっぽ向いてんな。
左手でジジイの髪を掴んで、右手で鼻と口を覆って水魔法っと。
「んんんん!?んんんんん!!ん~ん~!!」
生活魔法ってほんと使い方色々だよね。せっかくだから実験しちゃおうか。
「げほげほ!!げっほげっほ!!っはー!っはー!っはー!」
「お前まだ自分の立場分かってねぇの?
次に一瞬でも俺に反抗的な態度取ってみろよ。楽に死ねないかもしれないぜ?」
ん?くっせぇと思ったらコイツ漏らしやがった。洗浄先生お願いします。
「今の洗浄はサービスにしておいてやるよ。俺も臭ぇのは嫌だからな。
シモが緩いのも年のせいってことで、今回は見逃してやるよ。次はねぇけど」
もう一度髪を掴んで無理矢理顔を合わせさせる。
「お爺ちゃん。遺言にならないように気をつけてね?
まずは俺を襲ってきた理由をどうぞ?」
「………………」
喋らないな。何なんだコイツ?
「さっきので喉の調子悪くなっちゃった?じゃあちょっと喉の通しを良くしてあげよっか」
空いてる手で顎を掴んで口を開かせ、開いた口に風魔法で空気を強制的に送り込む。
「~~!!~~~!!~~~!!」
まぁ生活魔法って攻撃魔法では無いからね。肺が破裂するような空気は送り込めないはずだから。
安心して新鮮な空気を吸うといいよ。
「げぼぉぉぉぉ!!っは!っは!っは!」
「喉の通りは良くなった?まだまだ色んなネタを用意してるから、頑張ってくれると嬉しいなぁ」
「トーマ!もうやめて!もうやめてくれよおおおお!!そんなんでも家族なんだ!!クソジイイだけど私の家族なんだよ!!もうやめてくれよぉぉぉぉ……!」
……なんかめんどくさくなってきたなぁ。
「うん。じゃあ俺がやめる代わりにマーサも鍛冶を諦めるんだな?それでこの話はおしまいだ」
「…………は?
な、んで、私が鍛冶を諦めるって話になるんだよ……?
それに、トーマたちの装備だって、更新できなくなるじゃねぇかっ……!」
「ああ、職人は別に見つけるからいいよ。最悪見つからなくても現状の装備に不満があるわけでもないし。
んで?マーサは鍛冶を諦めるんだな?じゃあもう帰るわ。あとは勝手に頑張って」
超無駄足だったな。迷宮に篭った方がマシだったわ。帰ろ帰ろ。
「待て、待て待て待って、待ってよ!なんでそうなるんだよ!?なんでジジイを助けたら私が鍛冶を諦めるって話になるんだよっ!?」
「だってそいつが元凶なんだろ。マーサの冷遇の。なのに助けるんだったら鍛冶を諦めるってことだろ?
んで、鍛冶をしないならマーサなんて引き受ける義理も無いし。ってことでこの話は終わるわけよ。
もう帰るんだから手を離してよ。あとは身内で勝手にやってりゃいいじゃんか」
マーサが手を離してくれないなぁ。鍛冶をしないなら多少手荒に振りほどいてもいいか?でも敵対してるわけじゃないしちょっと可哀想かな?
「……な、なんでジジイが、師匠が私を冷遇するんだ……?なんでトーマは、そう思ったんだ……?
頼む、教えてくれ……!」
「ああもう痛いから手を離してくんない?冷遇の理由なんて知らないよ。そこに転がってるゴミにでも聞けばいいじゃん。
なんでそう思ったかなんて簡単だろ?この職人都市で最高峰のシルバーライト級職人を冷遇するなんて、普通ありえない。
マーサ1人を敵に回すのならまだしも、マーサの家ってこの都市でも伝統のあるでかい工房なんだろ?そんな場所の令嬢にちょっかい出して、工房全体を敵に回すなんて、このミルズレンダだからこそありえねぇだろう。
なのにマーサは数年単位で冷遇され続けているのに、なんのお咎めも無しって事は、マーサの身内と話がついてるからしかありえないでしょ。
じゃあ説明したし帰っていいよね。手離して」
「待って!お願いだから待ってよトーマ!話が全然見えないよ!
なんで私が師匠に鍛冶をやめさせられなきゃなんないんだよ!?」
「だからさぁ~?それを聞こうとしてたのにお前が止めたんだろうがよぉ?
もうさっきの自分の行動忘れたの?記憶力皆無かお前?
ジジイを庇うって事は鍛冶を諦めるって言った意味が分かったな?じゃ後はお好きにどうぞ」
瞬間加速を発動して無理矢理手を外す。
「えっ!?な、なんで!?いや、いやいや待って!邪魔しない!!邪魔しないから!!邪魔しないから私にも聞かせてよ!!なんで私がこんな扱いを受けなきゃいけなかったのか、理由くらい教えてくれよぉぉぉ!!」
「ふ~ん?」
ほんと嫌いなんだよねこういう話。
被害者が加害者を庇う展開って、胸糞だからホントは関わりたくないんだが。
ゴミみたいに床に転がったままの妖怪ハンマー爺にもう一度近付く。
「だってさおじいちゃん。この場の唯一の味方も居なくなっちゃったね?
ジジイさぁ。俺を殺しても、ミルズレンダだったらどうとでも揉み消すつもりだったんだろ?6等級冒険者だってことはアルから聞いてたんだろ?たかが6等級冒険者如き、殺せなくて残念だったね。
ねぇねぇ良く考えてもみてよ。今この場には俺たちしかいないんだよ?ここは間違いなくミルズレンダなのに、おじいちゃんの味方は1人もいないんだ。
さ、飽きてきたから次で終わりね?
これからおじいちゃんの両手切り落として傷口焼いてあげるから。鍛冶が出来ない孫の気持ちになって余生を過ごせばいいよ」
マーサが息を飲む音が聞こえた。職人にとってその両腕は命そのもの。
その両手を失ってなお生きるのは、職人としては耐え難い苦行だろうな。知ったこっちゃないが。
「待ってくれええええ!!話す!!何でも話す!!だから腕だけは!!腕だけはあああああ!!」
「あれ?俺ってそんなこと聞いた覚えないんだけど。遺言はそれでいいの?」
「許せなかった!許せなかったんだああああ!!その歳でミルズレンダの業を全て修め、シルバーライト級になってなお、いまだ満足せず向上心と若さを持ち続けるマーサルシリルが、どうしても許せなかったんだああああ!!」
「うわダッサ。自分がそう育てたくせに。くっだらねぇ。そんなんだから孫に置いてかれんだよバーカ」
取り残された職人の成れの果てか。いやぁ思った以上にくだらなかったな。
自分でマーサを迷宮に連れ回しておきながら、いざマーサが鍛冶師として成功したら嫉妬とか。
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