異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

190 身体能力過剰強化

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 瞬間加速と深層集中の同時使用は、かなり強力な能力ってことが分かった。
 瞬間加速の消費魔力が3倍になって威力が2倍になった、みたいなイメージかな?
 今後は瞬間加速単体で使うことはないだろうし、単純に瞬間加速が強化されたようなもんだな。

 今後は常に同時発動することを踏まえて、2つ同時に発動することを『加速アクセラレイト』とでも定義して、2つのスキルの同時使用じゃなくて、2つの効果を持つスキルを使用すると考えて、脳の処理情報を減らしていこう。


 過剰強化は肉体への負担が大きいらしいので、2度目の探索から帰還する時に試すことにして、本日の探索を開始する。

 みんなスキルを3つくらい取ったけど、今回は探索が速くなるようなことは特にないな。魔力量が増えたはずだから、探索可能時間は伸びてると思うけど、速度にはあまり影響しない方向での強化だったな。

 今回の強化でやばかったのはやっぱりアクセラレイトで、加速状態でウォーハンマー使ったら衝撃が全部重なって、グランドタートルの甲羅を破壊することが出来てしまった。
 今ならハロイツァと正面からやりあっても勝てる可能性あるかもな。

 アクセラレイトが如何に強力かを目の当たりにした仲間たちは、亜人の魔物を探すことにかなり積極的になってくれた。これがあるのとないのとでは戦力に差がありすぎる。


 本日2度目にして最後の探索。荷物もいっぱいになったのであとは帰還するだけ。ということで過剰強化を試してみることに。


 身体能力過剰強化、発動!


「お、おおお……?」


 体中に魔力が巡っているのがわかる。
 魔力消費も感じるが、全身に魔装術を使っているときの2倍くらいの消費量かな?
 5分以上は維持できそう。

 肉体に負担が、という割には痛みなども特に感じない。とりあえず動いてみるか。

 ロングソードやダガーを振って試してみる。
 自分ではどの程度変わっているのか、いまいち体感できないな。
 スキルを切ってみんなに聞いてみる。

 っと、能力を切った瞬間全身に鈍い痛みが走る。
 この痛みには覚えがある。オーサンの訓練を受けた後の全身筋肉痛だ。


「っててて。肉体に負担が大きいってのはこういうことか。
 それで、周りから見てどんな感じだった?」

「かなり早く動いていたよ。瞬間加速みたいに、目に追えないって程ではなかったけど。
 ん~、僕たちに分かりやすい基準とするなら、ハロイツァくらいのスピードに感じたよ」

「だねー。普段のトーマと比べても、相当早くなってたと思うよー。
 長時間維持できるなら、瞬間加速よりも使いやすいのかもねー?
 それで、体のほうはだいじょうぶだった?」

「ああ、瞬間加速が筋力に頼らない加速なのに対して、過剰強化は筋力を限界以上に押し上げるって感じだから、怪我とかじゃなくて筋肉痛を感じてるよ。
 瞬間加速との使い分けはいいかもだけど、こっちはこっちで長時間は使えなさそうだ」

「負担は大きいようですが、それに見合った効果だと思いますね。こちらもなるべく全員で取っておきたい所です。」

「うん。一瞬しか使えないけどリスクがなくて凄く早い瞬間加速と、負担は大きいけど魔力と体力の限り使える過剰強化。
 両方使えるとかなり戦い方に影響してきそうだね」


 それに、筋肉痛が起こるって事は、トレーニングにも使える気がするんだよな。
 う~ん、危険かなぁ?
 ま、自然回復アップを取るまでは、軽はずみに使うのはやめておくべきか。


 迷宮の外に出る。
 俺は試験は受けないけれど、ストレージの中のブツを換金しなければいけないので、結局冒険者ギルドに出向く必要がある。
 ちなみにゲートの利用は商工ギルドで待ち合わせて、なんかゲート利用専用のスペースから出発するらしい。


「お前ら試験前だってのに50階層回って来てんのかよ。俺、試験する意味あんのかね?」

「不正出来ない様に立会いが要る、って言ってるのはギルド側だろがまったく。
 そんで1つ聞きたんだけど、亜人みたいな魔物って知らないかな?
 若しくは魔物に詳しい人を紹介してもらうのでも良いんだけど」

「あぁ?亜人みたいなって言われても大雑把過ぎてよく分からんな。少なくとも俺は思いつかねぇ。
 魔物に詳しいっつったら、やっぱ上位冒険者か魔物学者だろうが、どっちもクセが強ぇからあんまり関わりたくねぇんだよな……」

「魔物学者!そういうのもあるのか!
 クセが強いってことは、オーサンも会ったことあんの?」

「いや、一般論だな。実際に会った事はねぇよ。ベイクには居ないしな。
 上位冒険者は、6等級冒険者に会ってくれるとは思えないしな……。そう考えると学者の方が可能性は高そうか?」

「なるほど。もうちょっと自分で調べてみるよ。さんきゅー。
 今日は皆のこと宜しくね」

「おう。贔屓する気はないがな。ま、ハルも含めて5等級試験で落ちることはないだろ」


 オーサンとの会話を終え、仲間に声をかける。


「多分みんな大丈夫だと思うけど、落ちても別になにも困らないからな。気軽に頑張ってくれ」

「僕たちのほうは問題ないよ。危険があるわけでもないしね。トーマのほうこそ気をつけて」

「トーマ。先輩なのに一緒に行けなくてごめんねっ。ふわわっ、つららっ、トーマを頼んだよっ」


 ふわわとつららは、昇級試験なんか見てても仕方ないだろうということで、俺と一緒にミルズレンダに行くことになった。
 もし追加料金が発生するとしても問題なく払えるし。


「トーマ。学者を探すのであれば、魔力に余裕があればですけど、ヴェルトーガに行ってディオーヌ様に聞いてみてはどうですか?
 ディオーヌ様の人脈なら、学者の知り合いがいてもおかしくないでしょう」


 なるほど。確かにあの人めっちゃ有能だからな。何のアテもないんだからだめもとで行ってみるか。


「うん。私も頑張るよ。深層集中の使い方が分かったおかげで、少し心に余裕も出来たし!」


 アクセラレイト使うのはオーサンが可哀想過ぎるから止めて差し上げて?
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