異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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7章 更なる強さを求めて

173 いざ50階層へ

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 スキップで46階層に到着する。とりあえず50階層までいけたら充分だ。深階層域に進むのは装備を更新してからにしたい。


 46階層の魔物は、またしても幽霊系統の『不可視の死霊ポルターガイスト』。
 名前の通り肉眼では見ることが出来ず、物理攻撃透過。触れることなく相手を拘束したり衝撃を飛ばしてくる。念動力って感じ?まさにポルターガイストだな。
 今までの魔法体と同じく、魔装術でぶった切ることは可能。魔術感知で居場所の特定も簡単。念動力も結局は魔法スキルなので、魔力感知で回避可能。居場所さえ分かれば耐久力も低く、大した強さではない。

 ドロップアイテムは属性石の中品質品。ブレスエレメントが落とす物と全く同じアイテムで、250リーフなのも変わらない。


 47階層。重装甲で全身をガッチガチに固めた『装甲戦鬼アーマーオーガ』が登場。30階層で出てきたオーガの上位種だ。オーガは軽装で格闘を仕掛けてきたが、アーマーオーガは重装甲に重装備。両手剣や戦斧、長槍などの武器に、でかい盾を持っているものもいる。
 優れた筋力で重装備を物ともせずに振り回し、元々優れた硬度を誇る肉体の上に全身鎧まで装着していて、とにかく防御力が高い。盾役に1体欲しいくらいだ。

 トルネの槍以外では一撃で倒すことが出来ないくらいの硬さで、盾に至ってはトルネですら貫けなかった。装備で誤魔化してきたけれど、俺たち自身の能力の方が足を引っ張り始めてるな。

 ドロップ品は、黒くて硬度に優れた金属『ブラックメタル』。シルバーライトの素材の1つだ。硬度に優れているが、かなりの重量で、そのままだと扱いにくい。お値段280リーフ。


 48階層に到着。ここでまさかのヒーラー登場。『癒しの精霊ヒーリングエレメント』。直径50センチくらいの白い光の球で、オーブとか人魂とかに近い印象。
 ヒーリングエレメントには戦闘能力はないのだが、コイツの厄介さは言うまでもなく回復能力だ。コイツが場にいるだけで周囲の魔物全てに回復促進効果が発生するという、周囲自然回復能力を持っていて、任意の対象に回復能力を集中することで、単体回復も行えるというかなり優秀な回復役だ。

 ブレスエレメントと一緒に出ると凶悪さが倍増する。支援、妨害系の能力って、敵に使われるとこんなに厄介なもんなんだな……!

 ドロップアイテムは33階層のスクリーマーと同じく、中品質の魔法石で300リーフ。比較的回復魔法のスクロールが出やすいという説があるらしい。説かよ!


 49階層。金属製の巨大な体躯を持つ『魔鉄巨人アイアンゴーレム』。4メートルくらいの大きさで、金属の体を持っているから防御力が極めて高い。流石に今の俺たちの武器が負ける事はなかったけど、それでも一撃で切り裂く事は出来なかった。
 このあたりの階層まで来ると、今覚えている攻撃魔法では全くの火力不足で、もはや遠距離攻撃をしたいとき以外に出番がなくなってしまった。魔法威力上昇なんてスキルがあるわけだよ。

 ドロップアイテムは『水銀』。地球の物と同じ物質なのかは俺には判断できない。あらゆる高位金属の触媒になるらしい。お値段320リーフ。


 現在のゴール設定である50階層に到着する。出てくる魔物はトルネの槍の素材でもある『地竜グランドドラゴン』さんです。
 いやぁもう見た瞬間に帰りたくなったね。10メートルオーバーのドラゴンとか、現実に対峙する機会があるとは……。流石にグランドタートルよりは小さいけど、他は全て比べ物にならないほどグランドドラゴンのほうが強力だ。
 単純に大きい分耐久力が高い。皮膚はアイアンゴーレムを超える硬度を誇り、土属性の攻撃魔法を操る。しかもストーンバレットだけではなくロックフォールという範囲魔法まで放ってくる。ロックフォールは広範囲に岩を降らせるヤベー魔法なので、出来るだけ発動を阻止したい。

 そこで面倒になってくるのが支援タイプの魔物で、ブレスエレメントにヒーリングエレメントが残っていると、グランドドラゴンを倒しきる前に回復されてしまうし、グリムリーパーを残しておくと魔力がどんどん削られていく。かといってグランドドラゴンを放置するとロックフォールで壊滅の危機という、正直言ってやってられない難易度だ。
 っていうか普通ドラゴン種ってボス扱いでしょ!?なんで普通に雑魚として群れの中に混じって出てくんだよ!素の能力も高いクセしやがって、支援なんか受け取ってんじゃねええええ!


「シンはそのままハルの護衛!リーンとトルネでグランドドラゴンの注意を引いて、なるべく魔法を阻止してくれ!他の魔物は全部俺が片付ける!」

 まずは一撃で倒せる魔物と、生かしておくとめんどくさい魔物に絞って数を減らす。エリアドレインのグリムリーパーは最優先。次にレイジードッグ、ヒーリングエレメント、ブレスエレメントと続ける。

 バフ、デバフ要員を全排除。レイジードッグが居なくなると開放感があるな。
 次に倒すはアサルトドラゴン、レッサーデビル、レッサーワイバーン。攻撃魔法持ちとブレス持ちだ。とにかくハルへの負担を減らしておきたい。
 シン1人でも問題なく対処できるであろう魔物はとりあえず無視!パーティ全体にとって危険度の高い魔物から優先して落としていく。

 アサルトドラゴンで厄介なのは、その機動力と広範囲ブレスだ。出し惜しみなしで瞬間加速。ウォーハンマーで喉を潰す。これで機動力とブレスを封じる。
 ブレスを封じたアサルトドラゴンは一旦無視して、レッサーデビルとレッサーワイバーンを弓で落す。流石にレッサーデビルは弓で倒しきることは出来なかったが、注意を引くのは充分だ。

 レッサーワイバーンを落としきったことを確認して、レッサーデビルも殲滅する。レッサーデビルまで殺し切ったら、アサルトドラゴンの喉に瞬間加速でもう一発ウォーハンマー。殺しきれなかったのでもう一撃。ようやく死んでくれた。こいつ複数出られたらきついな。

 先ほどからうっとおしかったキラーソーサーを殺しきって、ポルターガイストを作業の如く処理。アイアンゴーレムの頭を瞬間加速したロングソードで一気に斬り捨てる。
 まだ射程距離に入っていないレインディアも弓で殺しきって、シンとが対応していたダークナイトとアーマーオーガの殲滅作業。最後まで放置していたグランドタートルの頭をウォーハンマーですり身にして、ようやくグランドドラゴン退治に参加する。

 リーンとトルネのおかげで範囲攻撃魔法を撃たれずに済んだ。2人の武器はグランドドラゴンにも通用しているが、でかいくせに皮膚も硬く、耐久力が半端じゃない。

 まだ俺を脅威とみなしていないであろうグランドドラゴンに、音と匂いを消して近付き、懐に飛び込んで首筋を瞬間加速を使ってロングソードで一閃。勿論仕留め切れないが、喉を思い切り切り裂いてやる。
 返り血を浴びる前に一旦離脱。いくら異世界の生物だとはいえ陸上生物なのだから、喉を切り裂けば呼吸を阻害できるはず。

 ゴアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

 グランドドラゴンの咆哮。切り裂かれた喉でようやるわ。
 突然喉を切り裂いた俺に対して凄まじい殺意を放ってきたが、そのタイミングでトルネが懐に飛び込む。


「はあああああ!!」


 喉の傷に腕を突っ込む勢いで、瞬間加速で槍の一突きを放つ。後頭部から槍の穂先が突き出す。が、まだ死なねぇのか。


「トルネ下がって!」


 間一髪、トルネは後方に飛び退き、トルネを捕まえようとしたグランドドラゴンの右手が空を切る。リーンセンパイ流石です。
 トルネと入れ替わりで懐に飛び込み傷口に向けてもう一度ウォーハンマー!
 複合センサーで相手の動きを捉えながら、ひたすらウォーハンマーで殴りつける。
 君が!死ぬまで!殴るのを!やめない!

 8回くらい殴って、ようやくグランドドラゴンが地面に倒れた。うおおすっげぇ。地面が揺れた。しかし倒れただけでまだ死んでない模様。殴れ殴れ!

 何発殴ったか数えてなかったが、ようやくグランドドラゴンが地面に融け始めた。戦闘終了か。複数体出られるとかなりきっついなこれは。

 全身の返り血を洗浄しつつドロップアイテムを回収する。
 グランドドラゴンのドロップアイテムは食用肉(竜)だ。つまりはファンタジーお馴染みの、ドラゴンステーキって奴が食べられるわけですな!
 竜肉だけあって、流石のお値段500リーフ。リヴァーブ王国の平均年収が15~20万リーフだと考えると、やばいくらい高級な肉だな。しかも購入額は買い取り額よりもずっと高くなるだろうし。


「流石50階層ってところか。グランドドラゴン1体混ざるだけで、難易度が跳ね上がってるな」

「うん。っていうか血塗れでグランドドラゴン殴り続けるトーマのほうが怖かったかな?トーマってほんとに日本人だったのって思うんだけど?」

「まぁ味方だから頼もしいと思っておこうよ。これだけ巨大な魔物ばかりになってくると、今の装備だと単純に火力不足だね。トーマのウォーハンマー、リーンのスネークソード、トルネの槍がなかったら、下手したら負けてた可能性もありそうだ」

「んもー!最大射程のスネークソードだと、グランドドラゴンは切り裂けなかったんだよー!くやしー!」

「私の槍もグランドドラゴン相手には、普通の槍と同じ程度の損傷しか与えられませんでしたね。流石は深階層域の手前といったところです」


 それでも被弾はしてなかったから、損害もなく完勝できたわけなんだけど、49階層と比べても難易度が段違いだ。主にグランドドラゴンが強すぎませんかねぇ?

 しかし、格上相手の戦闘経験を積むという意味合いでなら、50階層の攻略は大きな意味を持ちそうだ。
 見極めに失敗して命を危険に晒すわけには行かないが、逃げてばかりもいられない。

 しかし、ハロイツァって1人で深階層域に潜ってたとか言ってたけどホントかよ?
 恵まれた体格に2メートル近い両手剣、そこにアイツの身体能力なら行けるもんなの?
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