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6章 波乱のヴェルトーガ
140 小細工をしよう
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探索を行わない分、訓練は早めに切り上げる。
ハルは初めての魔装術で、魔力切れを体験。
武器だけに集中するなら、5分くらいなら維持できそうだ。
あとはON・OFFの切り替えに慣らしつつ、魔力の総量を増やしていければ問題ない。
日没前に冒険者ギルドを出て、人に道を尋ねながら、衣料品店や食料品売り場で、香りの強さを優先して、香料、香草、香辛料を適当に買い漁る。
そしてあんまり買いたくなかったけど、ハル用に音魔法のスクロールも購入。
どうせ買ったあとは、すぐドロップするんだろうなぁ。物欲センサーめぇ。
香辛料は迷宮からドロップしてくれるのだが、香草や、花から抽出した香料などは、めちゃくちゃ高い。
香料に至っては、金貨数枚のものすらあった。
基本的に、一般層が購入する物ではないんだろうな。
リーンもトルネもつけてないし。
「俺って全く知識ないんだけどさ。
ハルはあっちで、香水とか良く使うほうだった?」
夕食を済ませ、部屋に戻ったタイミングで切り出す。
「ううん。 私もあまり、ファッションには気を使わない方だったから。
異世界で、シャンプーや香水を広めて荒稼ぎ!は私にはちょっと無理かな~」
「金儲けの話じゃないっての。
どうやらこっちの人は、あまり香水とかつけないみたいだからさ。
事件解決までの間、誘拐対策に、異風の旋律メンバーは、特定の香りでもつけようかなって」
「ああ、仮に連れ去られた場合に、捜索しやすくするためってことか。
でも空間転移させられたら、匂いも途切れちゃうんじゃない?」
だろうなぁ。ほんと転移って敵に使われると厄介だわ。
「途切れるだろうなぁ。 それでも何もしないよりは、って感じかな。
シン、確認なんだけど。犬の亜人ってさ、人種よりも鼻が利いたりする?」
「人種がどの程度鼻が利くか分からないけど、一般的には犬の亜人のほうが、嗅覚は鋭いと言われているね。
でも、僕が特定の香りを辿って捜査するのは無理だよ?
人種よりも多少優れている程度で、獣人には及ばないし。
犬の獣人ですら、実際の犬には全く及ばないみたいだしね」
動物、獣人、亜人、人種の順に、身体能力や五感は優れていると。
「正直、俺はあまり実感ないんだけどさ。
シンとリーンは身体能力強化覚えて、鼻や耳が良くなったって実感はある?」
「ああそういうことか。 ……う~ん、どうかな?
良くなっているかも知れないけど、意識したことも実感したこともないや」
「ん~。 私も良くわからないかなー?」
うーん、これはアテが外れたかな?
「いやさ、身体能力強化で耳や鼻が良くなるなら、結構有効な手段だと思ったんだよね。
うちのふわわとつららは、2匹とも身体強化持ってるからさ。
俺らの居た世界では、犬の嗅覚は人の100万倍以上の性能を持つと言われてて、猫の聴覚は人の10倍以上の性能を持つと言われてるんだよ」
「トーマたちの世界では、そんなに具体的な数字を、どうやって導き出したんですか?」
「いやぁ残念ながら浅学でね。 詳しく説明は出来ないよ。
俺たちの居た世界では、犬は匂いを辿って人を探したりもしていたし、猫は人には聞こえない音も拾えるって言われてた。
なので俺たちは特定の匂いとか、人の耳では捉えられない音を出すことが出来れば、仮に誘拐されても、多少発見がしやすくなるんじゃないかなって。
ふわわとつらら頼みの作戦になるけどさ」
この2匹は俺たちの中で、一番索敵能力にも優れているし、結構馬鹿に出来ないと思うんだよな。
「正にトーマお得意の小細工だねー!
あんまりキツい匂いじゃないなら、私は別にいいよー」
「そうですね。 音魔法に関しても、発生系の使い方なら私達でもなんとか覚えれる……、と思いたいです」
「うん。 ふわわちゃんもつららちゃんも、私よりスキルいっぱい持ってるんだね……。
もし私が連れて行かれちゃったら、頼りにさせてねーうりうり」
ハルもすっかり2匹の魅力にメロメロだな。いい事だ!
「っていうかさ……。 あ、トーマの案はトーマの案でいいとしてね?
つららの鼻がそんなに良いならさ。 あの男の匂い、追跡できるんじゃないの?
僕たち、あの男の腕を切り落として、証拠として提出したわけだし」
…………………………………………せやな。
「あ~……。 悪い。完全に失念してたわ。
……あーっと、それじゃアレだな。 警備隊と協力して、捜索にも加わった方がいいかもな。
あーもう! 人になんだかんだ言いながら、俺自身も転移能力に目を向けすぎてしまってたかぁ~。 かっこわりー!」
転移されてるから単純な追跡は出来ないと思うけど、それでも香水云々考えるよりは、相手の匂い探す方が先だよなぁ。うわダッセェ。
「サンキューシン。 おかげで今後の動きが変わってくるな。
俺ちょっとベンベムさんのとこ行って、明日からの犯人捜索に協力したいと伝えてくるわ。 みんなはこのまま休んでてくれ。
出来ればハルに、音魔法の練習をさせておいて欲しい。
ってこと話になったけど。 ふわわ、つらら。 明日から頑張ってもらえるかな?」
「みゃー」「わんっ」
言葉は分からないけど、嫌そうにはしてないよな?
つららもめっちゃ尻尾振ってるし、了解の返事だと信じよう。
「みんな、なんかブレブレになって申し訳無い。
待ちは今日まで。 明日からは積極的に警備隊と連携していこう。
捜索範囲も、既にある程度絞られてるかも知れないし」
「トーマ、単独行動で大丈夫?っ ……いや、時間的にはまだそこまで遅くもないし、相手の狙いはハル、若しくは若い女性。 報復を考えるとしたら、右腕を斬った僕、か。
ふむ。 単独行動自体避けた方がいいけど、一番危険度が低そうなのはトーマか」
多分転移使いは、俺の事なんて覚えてすらいないだろうな。
多少楽観入ってるけど、気軽に女を攫いに来たヤツが、男なんて見てるとは思わない。
さて、警備隊の詰め所ってどこか分からないな。適当に人に聞くか。
明日からは迷宮に入る余裕はなさそうだなぁ。
さっさとこの騒動終らせないと。
ハルは初めての魔装術で、魔力切れを体験。
武器だけに集中するなら、5分くらいなら維持できそうだ。
あとはON・OFFの切り替えに慣らしつつ、魔力の総量を増やしていければ問題ない。
日没前に冒険者ギルドを出て、人に道を尋ねながら、衣料品店や食料品売り場で、香りの強さを優先して、香料、香草、香辛料を適当に買い漁る。
そしてあんまり買いたくなかったけど、ハル用に音魔法のスクロールも購入。
どうせ買ったあとは、すぐドロップするんだろうなぁ。物欲センサーめぇ。
香辛料は迷宮からドロップしてくれるのだが、香草や、花から抽出した香料などは、めちゃくちゃ高い。
香料に至っては、金貨数枚のものすらあった。
基本的に、一般層が購入する物ではないんだろうな。
リーンもトルネもつけてないし。
「俺って全く知識ないんだけどさ。
ハルはあっちで、香水とか良く使うほうだった?」
夕食を済ませ、部屋に戻ったタイミングで切り出す。
「ううん。 私もあまり、ファッションには気を使わない方だったから。
異世界で、シャンプーや香水を広めて荒稼ぎ!は私にはちょっと無理かな~」
「金儲けの話じゃないっての。
どうやらこっちの人は、あまり香水とかつけないみたいだからさ。
事件解決までの間、誘拐対策に、異風の旋律メンバーは、特定の香りでもつけようかなって」
「ああ、仮に連れ去られた場合に、捜索しやすくするためってことか。
でも空間転移させられたら、匂いも途切れちゃうんじゃない?」
だろうなぁ。ほんと転移って敵に使われると厄介だわ。
「途切れるだろうなぁ。 それでも何もしないよりは、って感じかな。
シン、確認なんだけど。犬の亜人ってさ、人種よりも鼻が利いたりする?」
「人種がどの程度鼻が利くか分からないけど、一般的には犬の亜人のほうが、嗅覚は鋭いと言われているね。
でも、僕が特定の香りを辿って捜査するのは無理だよ?
人種よりも多少優れている程度で、獣人には及ばないし。
犬の獣人ですら、実際の犬には全く及ばないみたいだしね」
動物、獣人、亜人、人種の順に、身体能力や五感は優れていると。
「正直、俺はあまり実感ないんだけどさ。
シンとリーンは身体能力強化覚えて、鼻や耳が良くなったって実感はある?」
「ああそういうことか。 ……う~ん、どうかな?
良くなっているかも知れないけど、意識したことも実感したこともないや」
「ん~。 私も良くわからないかなー?」
うーん、これはアテが外れたかな?
「いやさ、身体能力強化で耳や鼻が良くなるなら、結構有効な手段だと思ったんだよね。
うちのふわわとつららは、2匹とも身体強化持ってるからさ。
俺らの居た世界では、犬の嗅覚は人の100万倍以上の性能を持つと言われてて、猫の聴覚は人の10倍以上の性能を持つと言われてるんだよ」
「トーマたちの世界では、そんなに具体的な数字を、どうやって導き出したんですか?」
「いやぁ残念ながら浅学でね。 詳しく説明は出来ないよ。
俺たちの居た世界では、犬は匂いを辿って人を探したりもしていたし、猫は人には聞こえない音も拾えるって言われてた。
なので俺たちは特定の匂いとか、人の耳では捉えられない音を出すことが出来れば、仮に誘拐されても、多少発見がしやすくなるんじゃないかなって。
ふわわとつらら頼みの作戦になるけどさ」
この2匹は俺たちの中で、一番索敵能力にも優れているし、結構馬鹿に出来ないと思うんだよな。
「正にトーマお得意の小細工だねー!
あんまりキツい匂いじゃないなら、私は別にいいよー」
「そうですね。 音魔法に関しても、発生系の使い方なら私達でもなんとか覚えれる……、と思いたいです」
「うん。 ふわわちゃんもつららちゃんも、私よりスキルいっぱい持ってるんだね……。
もし私が連れて行かれちゃったら、頼りにさせてねーうりうり」
ハルもすっかり2匹の魅力にメロメロだな。いい事だ!
「っていうかさ……。 あ、トーマの案はトーマの案でいいとしてね?
つららの鼻がそんなに良いならさ。 あの男の匂い、追跡できるんじゃないの?
僕たち、あの男の腕を切り落として、証拠として提出したわけだし」
…………………………………………せやな。
「あ~……。 悪い。完全に失念してたわ。
……あーっと、それじゃアレだな。 警備隊と協力して、捜索にも加わった方がいいかもな。
あーもう! 人になんだかんだ言いながら、俺自身も転移能力に目を向けすぎてしまってたかぁ~。 かっこわりー!」
転移されてるから単純な追跡は出来ないと思うけど、それでも香水云々考えるよりは、相手の匂い探す方が先だよなぁ。うわダッセェ。
「サンキューシン。 おかげで今後の動きが変わってくるな。
俺ちょっとベンベムさんのとこ行って、明日からの犯人捜索に協力したいと伝えてくるわ。 みんなはこのまま休んでてくれ。
出来ればハルに、音魔法の練習をさせておいて欲しい。
ってこと話になったけど。 ふわわ、つらら。 明日から頑張ってもらえるかな?」
「みゃー」「わんっ」
言葉は分からないけど、嫌そうにはしてないよな?
つららもめっちゃ尻尾振ってるし、了解の返事だと信じよう。
「みんな、なんかブレブレになって申し訳無い。
待ちは今日まで。 明日からは積極的に警備隊と連携していこう。
捜索範囲も、既にある程度絞られてるかも知れないし」
「トーマ、単独行動で大丈夫?っ ……いや、時間的にはまだそこまで遅くもないし、相手の狙いはハル、若しくは若い女性。 報復を考えるとしたら、右腕を斬った僕、か。
ふむ。 単独行動自体避けた方がいいけど、一番危険度が低そうなのはトーマか」
多分転移使いは、俺の事なんて覚えてすらいないだろうな。
多少楽観入ってるけど、気軽に女を攫いに来たヤツが、男なんて見てるとは思わない。
さて、警備隊の詰め所ってどこか分からないな。適当に人に聞くか。
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さっさとこの騒動終らせないと。
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