異世界で目指せハーレム生活! でも仲間のほうがモテモテです

りっち

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5章 カルネジア・ハロイツァ

115 パーティ登録

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「はいはい。皆さんそれぞれの口座を開設と、トーマさんは預金だね。
 それとそっちのお嬢さんが身分証の発行もだね。ちょっと待っておくれよ」


 ポポリポさんが居たので、全部一気に処理してもらった。

 ジーンさんとリンシアさんに、行商人のときに担当のギルド員が居たんじゃないかと尋ねたが、登録抹消された時点で迷惑をかけたので、今更合わせる顔もないのだそうだ。
 結局2人の分も一緒に、ポポリポさんに対応してもらった。
 
 2人とも、もう商売はこりごりだと言っていた。無理もない。


「本当に、今まで稼いだ分のお金を分配しなくて良いのか?
 俺に気を遣ってるとかじゃなく?」

「問題無い、というかトーマこそ気を遣わないでほしいな。
 今まで僕らは3人ともトーマの奴隷だったわけだし、むしろ正当なトーマの資金でしょ」

「そうですよ。私達は不当な待遇を受けていたわけでもありません。
 それに今回の賠償金で、当面お金に困ることもありませんし」

「そうそう。それにこれからトーマには、い~っぱい稼いでもらうんだからねー。
 今までのお金くらい、気にせず貰っちゃえばいいんだよー」


 リーンセンパイは相変わらずグイグイ来ますね。


「はぁ~。トーマさんと関わるとこんなに稼げるのかい?
 まったく、羨ましいもんさねぇ」


 俺は巻き込まれただけです。声を大にして主張していきたい。
 
 商工ギルドをあとにし、次は冒険者ギルドに向かう。
 みんなの再登録をするためだ。


「お前らが10等級ってのは詐欺もいいところだよなぁ……。
 まぁ今潜ってる階層を考えれば、3人とも直ぐに昇級するだろ」


 確かに1回探索したら、9等級には昇級しそうだな。


「ちなみに6等級への昇級条件は、7等級であることと、20階層を突破することの2つだ。
 つまりトーマは間もなく6等級だな。
 他の奴らも、7等級に上がった時点で6等級になりそうだ」


 ああ、そういえば6等級ってどうやってなるのか知らなかったな。
 以前襲撃してきた先輩方も、20階層には到達してたってことなのか。
 なんか意外だな、失礼だけど。


「5等級からは専用の試験が設けられているから、試験を受けなきゃずっと6等級のままだな。
 2等級と1等級については、各ギルドからの推薦や、何らかの実績が必要になってくる。
 個人の戦闘力だけで登っていけるのは、3等級までだろうなぁ」

「そもそももう等級に興味ないからなぁ。多分試験も受けないと思うよ」

「はっ!トーマならそう言うと思ったぜ。
 つうか改めてお前ら組むんだろ?今回は正式にパーティ登録したらどうだ?」


 そういえば以前とは状況が変わったからな。
 もうお互い離れる気もないし、正式にパーティ登録するのもありか?


「っていうかパーティ登録するとなにが変わるの?しなくてもあんまり変わんなくない?」

「……そんなこと言うのはお前くらいなもんだと思うがなぁ。
 まぁ単純に、ソロ冒険者とは信用度が違う。指名されることも増えるだろうな。
 それと似たような感じで、所属している冒険者の後ろ盾にもなる。
 あとはまぁ、それほど変わりはないかもな」

「う~ん。特に必要も無さそうだし、登録しなくて「トーマ。私パーティ登録したい」


 リーンが俺の袖を掴みながら見上げてくる。


「私、トーマとパーティ登録したいな。ダメ?」

「以前とは状況が違うし、僕もトーマと正式にパーティを組んでおきたいかな」

「私もみんなと一緒に居たいので、正式な繋がりがあると嬉しいです」


 ん~、ここで反対するのは大人げないかぁ。
 別にデメリットがあるわけでもないし、みんなの意思を尊重しよう。


「いやいや、別に俺も反対してるわけじゃないから。
 つうことでオーサン。俺ら4人でパーティ登録頼むわ」

「おういいぞ。4人とも身分証を貸してくれ。
 それでパーティ名はどうするよ?すぐ決められるのか?」


 身分証を渡しつつ、みんなの意見を聞いてみる。
 俺は今までパーティ登録を考えていなかったので、完全にノープランだ。


「う~ん……。僕も突然すぎて良い案がないなぁ」

「出来ればトーマを表すパーティ名が良いよね!
 トーマと素敵なお嫁さんとか!」


 シン何処行ったんだよ。
 それに自分の名前をパーティにつけるとか、恥ずかしすぎでしょ。


「若しくは、トーマを示すような特徴でも良いですよね。
 トーマと言えば、やはり生活魔法……。それも音魔法のイメージが強いですね」


 トルネが意外とまともな意見を出す。
 俺の特徴は音魔法、と言われると悪い気はしない。


「迷宮に轟け愛の調べ!」

「轟かせねぇよ?却下」

「冷徹な旋律とかどうですか?」

「お前が俺をどう思ってるのか良くわかった。却下」

「ああでも旋律って表現は良いかもね。もう1つ何か欲しいな」

「トーマと言えば……。ちょっと変わってる。飄々としてて捉えどころか無い。ふらっとどっか行きそう、とかか?」

「オーサンも口挟むんかい。そしてそれはただの悪口だ」

「変わり者……?風変わり……?異風、とか?」

「あ、兄さんそれでいこう!『異風の旋律』!どうかな!」

「え、それ結局悪口じゃない?」

「あー……。わりとトーマのことを的確に表現できている気がしますね」


 え、みんなわりと乗り気?

 うーん、思ったよりはおとなしめの名前かな?
 ここでごねて仰々しい名前に変えられるほうが困るし、この辺で手打ちとしますかね。


「りょ-かい。それじゃオーサン。『異風の旋律』でパーティ登録頼んだ」

「はっ、これでお前らもようやく正式なパーティになるわけか。
 俺としてもなんだか、感慨深いもんがあるなぁ」


 うーん、今後は『異風の旋律のトーマです』って名乗ることになるのか。
 ちょっと恥ずかしさはあるけど、会社名を名乗るのと大差ないと思おう。

 
 これでソロ冒険者も正式に卒業だ。
 ハロイツァの一件も片付いたことだし、これからは冒険者家業に専念しよう。

 所帯持ちになるわけだし、稼がないとなぁ。
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