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それぞれの決意
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霧に包まれた黄昏の世界で、ステレは耳をふさいでうずくまっていた。
影は、誰もステレを責めたりはしない。ただ親しげに、心配げにステレの名を呼ぶだけだった。
だからこそ怖い。
その人が誰だか思い出してしまったら、その人が自分のせいで死んだと思い出してしまったら、自分は生きていられない。
以前はいつ死んでも良いと思っていた。鬼になってまで生にしがみ付いたのは、グリフを王位につけるためだ。それを果たした以上、もう生きる意味はなくなっていた。だけど今はまだ駄目だ。<夜明けの雲>との約束を果たしてからでなければ死ねない。自分の全てを出し尽くして、彼に敗れて死ぬのでなければダメだ。
なのに…霧が晴れてしまう。
思い出してしまう。
(誰か助けて)
誰でもいい、私の咎を忘れさせてください。私が死ぬまでの間で良いのです。
ステレの周りには朧気な影が浮かんでは消えていた。その中から、霧に姿をかすませたまま、一人の影が近づいてきた。
「ステレ」
影は女性の声で呼びかけてきた。
耳を塞いでも通る懐かしい声に顔を上げる。暗がりと霧の中、顔はおぼろげにしか見えない。
ステレはのろのろと立ち上がった。目の前の影はステレより少し背が低い。女性にしては長身だった。
「ステレ」
「……はい」
影はいきなりステレのみぞおちに拳を叩き込んできた。
「ぶっ」
情けない声をだして身体をくの字に折ったステレの顔面に、四方八方から拳が叩き込まれた。
「ぐ、ぼ、ば、べ、きっ」
トドメとばかりに眉間に拳が叩き込まれる。ステレは声もなく仰向けに倒れた。
だが、すぐさま、何事も無かったかのように上半身を起こすと、涙目で叫んだ。
「いきなり何をなさるんですっ」
今しがた、顔面の急所に打撃を入れられたばかりなのに、全く堪えたように見えない。
「何ヌルい事言ってるのよ。身体はそんなに頑丈なのに、中身はジュレみたいな軟弱メンタルになっちゃって。あなたはもう少し強情だったはずよ?」
影が、呆れ果てたような声音で言った。
「大方、自分に引きずられて皆死んだとでも思ってるんでしょ?バカ言わないの。私も皆も、好きなことを好きなだけやって死んだのよ」
「まぁまぁ」
苦笑するような男の声が響く
「ステレ、ちゃんと周りを見なさい。ちゃんと耳を方向けなさい。そうしなければ何も分からないよ」
言われてステレは周りを見渡した。
相変わらず、霧に包まれた暗がりからステレを呼ぶ声が聞こえる。
姿は見えない…
だが、よく聞けば、忘れていない声があることが判る。皆知っている人たちだ。
「お嬢」
親身にしてくれた、モンドやチェシャ、商会の皆だ。
「ステレ様」
ドルトンと森に来る気のいい獣人たち。
「ぃよう」
へらへら笑うコイツは<夜明けの雲>。
「ステレ」
放浪の旅で共に王を守った5人の侯爵たち。オーウェン、イーヒロイス、ソルメトロ、デルンシェ、メイガー。
「ステレ嬢」
共に旅した兵たち。一人ひとりの顔が思い出せる。
「ステレ」
…愛する我が王。
皆、自分に様々なものをくれた人たち。
まだ生ある人たちだ。
「大丈夫、皆が支えてくれるよ、だから頼りなさい。ステレは精一杯やったんだ、もう少し甘えても良いと思うけどね」
霧の中からもう一人影が近づいて来た。
座り込んだままのステレの近くまで来ると、しゃがんでステレの顔をじっと見ている。
ぼやけて表情はまったく見えないのに、何故かステレにはそれが誰だか判る。
「……なぁステレ。今度は俺に支えさせてくれ。俺の隣に居てくれ」
夢の中か現実か、曖昧な世界で聞いたオーウェンの声だ。
オーウェンは旅の途中、ステレが甘えられる只一人の人間だった。彼は何でも引き受けてくれた、彼はいつでも助けてくれた。
(彼は……私の代わりに泣いてくれた)
甘えすぎて、彼の想いに気付くことができなかった。
でも、今はもう、鬼の自分が彼の想いに応えることはできない、それはオーウェンに全てを捨てさせることになる。
オーウェンの影から視線を逸らすステレに、女性の影が言った。
「私の陛下は、私が爵位も持たない夫を選んだことを、笑って許してくれたわよ。あなたの陛下は、その度量に及ばないのかしら?」
「そんなこと無いっ」
思わず声に出して叫んでしまった。
グリフ王は家臣のために涙を流し、家臣に頭を下げて詫びることを厭わない王だった。女の自分に、剣士としての居場所を作ってくれた王なのだ。
(あぁ…そうだ。皆が私を遠ざけたのではない、私が皆を遠ざけていたのだ…私の周りには『死』しか無いと思っていたから。それが間違っていると、ドルトンや商会の皆が、そしてオーウェンが教えてくれた)
長く俯いたままだったステレは、やがて顔を上げて立ち上がると、影を正面から見た。
「……できるか判らないけど、皆のことを思い出せるように…自分を許せるように、もう少し頑張ってみます」
そこまで言って、ステレは躊躇した。口にするのが怖い。
…でも、言わなければ駄目だ。言わなければ自分は前に進めない。
だから、決意を込めて言った。
「……ありがとう……、父様、母様……」
黄昏の世界が、不意に明るく真っ白になり、何も見えなくなった。
ドルトンはオーウェンと共に彼の書斎に入った。
オーウェンは用意されていた薄切りのパンやチーズ、燻製肉が盛られた皿を勧めると、錫のゴブレットに自分で二人分のワインを注ぐ。長く放浪をしただけあって、礼儀やら形式には全く拘りが無いようだった。
「すまんな、この部屋にはしばらく誰も近づかないように言ってある。呑みたい分は自分で頼む」
言いながら一方の杯をドルトンに押しやった。
「恐れ入ります」
受け取ってドルトンはワインに口を付ける。銘柄までは判らないが、かなり上物のようだ。
そのまましばらく、二人で黙々と食事を取っていたが、やがて頃合いを見てドルトンが切り出す。
「ステレ様が意識を取り戻したとして、閣下はステレ様をどうなさるおつもりですか」
「言った通りだ。私の隣に居て欲しい、それだけだ。ステレが来てくれないというなら私が行くさ」
何事もなく言うオーウェンに、ドルトンの声が高くなる。
「魔の森に入るおつもりですか?。爵位すら捨てると?」
只人の国で生きて行くために、ドルトンは只人以上に只人の価値観を承知している。地位にどれほど固執するか。貴族がどれほど格式と血縁を重視しているかドルトンは知っていた。貴族の婚姻は、家の力関係に直結する。当主であるオーウェンが望んだとしても、貴族でもない、只人ですらないステレを妻にするなど、一族一門が認めるはずもない。
「いや、捨てるつもりはない」
言い切るオーウェンを、ドルトンが訝し気に見る。
只人の貴族が鬼人を妻にすることが、そう簡単に認められる可能性があるのだろうか?
「きちんと然るべき者に引き継がねばならん。だからもう少し時間が要る。本当は王都を出たステレをすぐにでも追いたかったのだが、地位が高いとままならんものだ」
オーウェンは真面目くさった顔で言った。
そういう意味ではないのだが……とドルトンは口にはしなかった。オーウェンはどこまでも生真面目の堅物だった。なんというか…ステレと似たもの同士のように思えた。
若い貴族には、自由恋愛での結婚を夢見る者もいるという。だが結局は現実を受け入れるしか無いと知るのだ。貴族は、屋敷から出て一人で生きて行くなど出来ない生き物なのだから。
だからこそオーウェンの決意を、現実を知らぬ貴族の夢物語……と切り捨てることはできない。何より、オーウェンには魔の森に飲まれず生きて行けるだけの実力があるのだ。
そして、ドルトンは改めて気付いた。他の4人の侯爵はみな妻を娶っているのに、オーウェンは未だ独身のままだ。王国で一二を争う優良物件と言われ、持ち込まれる縁談は引きも切らないが、どんな良縁もやんわりと断っているという。とうとう『ロイツェル侯は放浪の旅で男色に目覚めたに違いない』などと噂されるまでになっている。
その理由が判った。
オーウェンが自分の妻にと望むのは、最初からただ一人だけだったのだ。
獣人のドルトンからすれば、爵位などは楽に生きるための道具のようなものに過ぎない。例え侯爵位を捨ててもオーウェンはオーウェンだ。何より大事なことは、ステレをきちんと女性として愛している、数少ない人物だということに尽きる。それがステレのためになるならば、商会を上げて支援してもいいのでは。
そこまで考えて、ドルトンは苦笑しそうになった。<夜明けの雲>の言う通り、これではまるで保護者ではないか。
「いずれにしろ、ステレ様が目を覚ましてからですな」
そう言って、思考を落ち着かせようと傍らの杯を取る。
オーウェンも杯を取ると、盃のワインに写る自分の顔を見た。『好きな女を追うこともできなかった情けない男の顔』がワインの水面に揺れている。それをしばらく見つめていたオーウォンは、杯を置くとドルトンに頭を下げた。
「ステレが今も生きているのは、ドルトンのおかげだ。礼を言わせてくれ」
「そんな、頭を上げてください」
獣人の商人に真顔で頭を下げる侯爵に慌てながら、(……もしもの場合は、自分がステレ様を妻にしようと思っていたことは、秘密にしておいた方が良いな)ドルトンはそう決意したのだった。
影は、誰もステレを責めたりはしない。ただ親しげに、心配げにステレの名を呼ぶだけだった。
だからこそ怖い。
その人が誰だか思い出してしまったら、その人が自分のせいで死んだと思い出してしまったら、自分は生きていられない。
以前はいつ死んでも良いと思っていた。鬼になってまで生にしがみ付いたのは、グリフを王位につけるためだ。それを果たした以上、もう生きる意味はなくなっていた。だけど今はまだ駄目だ。<夜明けの雲>との約束を果たしてからでなければ死ねない。自分の全てを出し尽くして、彼に敗れて死ぬのでなければダメだ。
なのに…霧が晴れてしまう。
思い出してしまう。
(誰か助けて)
誰でもいい、私の咎を忘れさせてください。私が死ぬまでの間で良いのです。
ステレの周りには朧気な影が浮かんでは消えていた。その中から、霧に姿をかすませたまま、一人の影が近づいてきた。
「ステレ」
影は女性の声で呼びかけてきた。
耳を塞いでも通る懐かしい声に顔を上げる。暗がりと霧の中、顔はおぼろげにしか見えない。
ステレはのろのろと立ち上がった。目の前の影はステレより少し背が低い。女性にしては長身だった。
「ステレ」
「……はい」
影はいきなりステレのみぞおちに拳を叩き込んできた。
「ぶっ」
情けない声をだして身体をくの字に折ったステレの顔面に、四方八方から拳が叩き込まれた。
「ぐ、ぼ、ば、べ、きっ」
トドメとばかりに眉間に拳が叩き込まれる。ステレは声もなく仰向けに倒れた。
だが、すぐさま、何事も無かったかのように上半身を起こすと、涙目で叫んだ。
「いきなり何をなさるんですっ」
今しがた、顔面の急所に打撃を入れられたばかりなのに、全く堪えたように見えない。
「何ヌルい事言ってるのよ。身体はそんなに頑丈なのに、中身はジュレみたいな軟弱メンタルになっちゃって。あなたはもう少し強情だったはずよ?」
影が、呆れ果てたような声音で言った。
「大方、自分に引きずられて皆死んだとでも思ってるんでしょ?バカ言わないの。私も皆も、好きなことを好きなだけやって死んだのよ」
「まぁまぁ」
苦笑するような男の声が響く
「ステレ、ちゃんと周りを見なさい。ちゃんと耳を方向けなさい。そうしなければ何も分からないよ」
言われてステレは周りを見渡した。
相変わらず、霧に包まれた暗がりからステレを呼ぶ声が聞こえる。
姿は見えない…
だが、よく聞けば、忘れていない声があることが判る。皆知っている人たちだ。
「お嬢」
親身にしてくれた、モンドやチェシャ、商会の皆だ。
「ステレ様」
ドルトンと森に来る気のいい獣人たち。
「ぃよう」
へらへら笑うコイツは<夜明けの雲>。
「ステレ」
放浪の旅で共に王を守った5人の侯爵たち。オーウェン、イーヒロイス、ソルメトロ、デルンシェ、メイガー。
「ステレ嬢」
共に旅した兵たち。一人ひとりの顔が思い出せる。
「ステレ」
…愛する我が王。
皆、自分に様々なものをくれた人たち。
まだ生ある人たちだ。
「大丈夫、皆が支えてくれるよ、だから頼りなさい。ステレは精一杯やったんだ、もう少し甘えても良いと思うけどね」
霧の中からもう一人影が近づいて来た。
座り込んだままのステレの近くまで来ると、しゃがんでステレの顔をじっと見ている。
ぼやけて表情はまったく見えないのに、何故かステレにはそれが誰だか判る。
「……なぁステレ。今度は俺に支えさせてくれ。俺の隣に居てくれ」
夢の中か現実か、曖昧な世界で聞いたオーウェンの声だ。
オーウェンは旅の途中、ステレが甘えられる只一人の人間だった。彼は何でも引き受けてくれた、彼はいつでも助けてくれた。
(彼は……私の代わりに泣いてくれた)
甘えすぎて、彼の想いに気付くことができなかった。
でも、今はもう、鬼の自分が彼の想いに応えることはできない、それはオーウェンに全てを捨てさせることになる。
オーウェンの影から視線を逸らすステレに、女性の影が言った。
「私の陛下は、私が爵位も持たない夫を選んだことを、笑って許してくれたわよ。あなたの陛下は、その度量に及ばないのかしら?」
「そんなこと無いっ」
思わず声に出して叫んでしまった。
グリフ王は家臣のために涙を流し、家臣に頭を下げて詫びることを厭わない王だった。女の自分に、剣士としての居場所を作ってくれた王なのだ。
(あぁ…そうだ。皆が私を遠ざけたのではない、私が皆を遠ざけていたのだ…私の周りには『死』しか無いと思っていたから。それが間違っていると、ドルトンや商会の皆が、そしてオーウェンが教えてくれた)
長く俯いたままだったステレは、やがて顔を上げて立ち上がると、影を正面から見た。
「……できるか判らないけど、皆のことを思い出せるように…自分を許せるように、もう少し頑張ってみます」
そこまで言って、ステレは躊躇した。口にするのが怖い。
…でも、言わなければ駄目だ。言わなければ自分は前に進めない。
だから、決意を込めて言った。
「……ありがとう……、父様、母様……」
黄昏の世界が、不意に明るく真っ白になり、何も見えなくなった。
ドルトンはオーウェンと共に彼の書斎に入った。
オーウェンは用意されていた薄切りのパンやチーズ、燻製肉が盛られた皿を勧めると、錫のゴブレットに自分で二人分のワインを注ぐ。長く放浪をしただけあって、礼儀やら形式には全く拘りが無いようだった。
「すまんな、この部屋にはしばらく誰も近づかないように言ってある。呑みたい分は自分で頼む」
言いながら一方の杯をドルトンに押しやった。
「恐れ入ります」
受け取ってドルトンはワインに口を付ける。銘柄までは判らないが、かなり上物のようだ。
そのまましばらく、二人で黙々と食事を取っていたが、やがて頃合いを見てドルトンが切り出す。
「ステレ様が意識を取り戻したとして、閣下はステレ様をどうなさるおつもりですか」
「言った通りだ。私の隣に居て欲しい、それだけだ。ステレが来てくれないというなら私が行くさ」
何事もなく言うオーウェンに、ドルトンの声が高くなる。
「魔の森に入るおつもりですか?。爵位すら捨てると?」
只人の国で生きて行くために、ドルトンは只人以上に只人の価値観を承知している。地位にどれほど固執するか。貴族がどれほど格式と血縁を重視しているかドルトンは知っていた。貴族の婚姻は、家の力関係に直結する。当主であるオーウェンが望んだとしても、貴族でもない、只人ですらないステレを妻にするなど、一族一門が認めるはずもない。
「いや、捨てるつもりはない」
言い切るオーウェンを、ドルトンが訝し気に見る。
只人の貴族が鬼人を妻にすることが、そう簡単に認められる可能性があるのだろうか?
「きちんと然るべき者に引き継がねばならん。だからもう少し時間が要る。本当は王都を出たステレをすぐにでも追いたかったのだが、地位が高いとままならんものだ」
オーウェンは真面目くさった顔で言った。
そういう意味ではないのだが……とドルトンは口にはしなかった。オーウェンはどこまでも生真面目の堅物だった。なんというか…ステレと似たもの同士のように思えた。
若い貴族には、自由恋愛での結婚を夢見る者もいるという。だが結局は現実を受け入れるしか無いと知るのだ。貴族は、屋敷から出て一人で生きて行くなど出来ない生き物なのだから。
だからこそオーウェンの決意を、現実を知らぬ貴族の夢物語……と切り捨てることはできない。何より、オーウェンには魔の森に飲まれず生きて行けるだけの実力があるのだ。
そして、ドルトンは改めて気付いた。他の4人の侯爵はみな妻を娶っているのに、オーウェンは未だ独身のままだ。王国で一二を争う優良物件と言われ、持ち込まれる縁談は引きも切らないが、どんな良縁もやんわりと断っているという。とうとう『ロイツェル侯は放浪の旅で男色に目覚めたに違いない』などと噂されるまでになっている。
その理由が判った。
オーウェンが自分の妻にと望むのは、最初からただ一人だけだったのだ。
獣人のドルトンからすれば、爵位などは楽に生きるための道具のようなものに過ぎない。例え侯爵位を捨ててもオーウェンはオーウェンだ。何より大事なことは、ステレをきちんと女性として愛している、数少ない人物だということに尽きる。それがステレのためになるならば、商会を上げて支援してもいいのでは。
そこまで考えて、ドルトンは苦笑しそうになった。<夜明けの雲>の言う通り、これではまるで保護者ではないか。
「いずれにしろ、ステレ様が目を覚ましてからですな」
そう言って、思考を落ち着かせようと傍らの杯を取る。
オーウェンも杯を取ると、盃のワインに写る自分の顔を見た。『好きな女を追うこともできなかった情けない男の顔』がワインの水面に揺れている。それをしばらく見つめていたオーウォンは、杯を置くとドルトンに頭を下げた。
「ステレが今も生きているのは、ドルトンのおかげだ。礼を言わせてくれ」
「そんな、頭を上げてください」
獣人の商人に真顔で頭を下げる侯爵に慌てながら、(……もしもの場合は、自分がステレ様を妻にしようと思っていたことは、秘密にしておいた方が良いな)ドルトンはそう決意したのだった。
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