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とある爺さんの死後のぐだぐだ
管理神はポンコツ揃い 1
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「昔々……といってもちょっと前の昔なんですが」
「どっちだよ」
「言葉のアヤってもんです。とりあえず黙って聞いてください」
「あ、はい…」
中原のとある王国に一人の<勇者>が降り立ちました。
当時大陸では只人至上主義が蔓延り、他の人間種族との間に戦争寸前の不穏な空気が漂っていました。それをいいことに、次元の狭間から他次元の魔人…通称魔神がこちらの世界への介入をしようと狙っています。人間種族との争いに辟易して、一旦は奥地に引き籠っていた竜なんかも平原への再進出を目論むなど、世界の天秤が一気に無茶苦茶になりそうな状態だったのです。勇者は、それを正すために送り込まれたのでした。
「……あぁ、神様は地上に直接手出しができない、とか制限が?」
「そうですね。「管理神」と言いながら、実体は貴方方の世界でいう、「ゲームプレイヤー」に近いんです。やる気ならなんでもできるんですが、やったら管理神としては負けって事になります。基本的には代理を送り込んで、その代理人も「操る」ことはできません、「導く」だけです。その代理人が<勇者>ってことです」
「…いや、なんの勝負なの、それ?」
「勝負というよりはまぁ、矜持の問題といいますか…。想像はついてるでしょうが、私達は『至高神』という訳ではありません」
「じゃあ『究極神』とかか。いつも至高に負けるという…」
「……判って言ってますよね?」
「Exactly(そのとおりでございます)」
「うっわ、腹立つ…」
「あ、上司が居るんだったら、苦情申し立てすれば聞いて貰らえますかね?本人の意思を無視して無理矢理拉致されそうになってるとか…」
「私達、地上への干渉は制限されていますが<魂>に対しては割と権限強いんですよ?」
「うぇ、ひでぇ…人権無視かよ」
「死人に人権関係ありませんし……話が進まないので続けますね」
「へいへい…」
世界の危機だと言う事で、勇者には制限一杯のチート能力が与えられました。勇者はその期待に応え、たった一人で、大陸中の国々に根を張っていた教団を壊滅させ、魔神を彼らの次元に追い返し、我が物顔で飛び交い始めた竜を再度辺境に追いやり、どうにか世界の危機を払う事に成功しました。その役目の過程であちこちの王家に貸しを作った勇者は、ついでに只人の国家の紛争にも首を突っ込み、只人至上主義のせいで起きていた他の人間種族との間のゴタゴタをどうにか引っ込めさせるのに成功しました。「貸しのある勇者が王家に無理強いしたって事にしとけ」って事にしたんですが、只人至上主義者の主導のゴタゴタでしたから損切りをしたい王家としても渡りに船でしたし、勇者は開拓の手伝いしたり災害救助したり巨大魔獣退治したりと、お人良しかよってほど熱心に働いていたものですから勇者に恨みが積もる事もなく、すっかり<中原の勇者>として定着していました。
役目を終えた勇者は、自分に政の才が無いことは承知していましたので、様々な国が出した騎士団長だの、侯爵位だの、王女の婿だのの勧誘を全部断って、最初に世話になった国で<王家の相談役>というお飾りの役職と屋敷だけを貰うと、元女剣士だった妻と二人で気ままな暮らしをしていました。
「ハレム無しか、スク〇ニ的というかなんというか…ヒカセン?」
「そうなんですよ、勇者としては稀に見る逸材でした…」
そんな勇者を悲劇が襲いました。妻が娘を残して儚くなってしまったのです。悲しんだ勇者でしたが、愛する妻の残した子を育てようと奮起します。勇者は再婚する気は無く、何から何まで初めての経験ではありましたが、いろいろ善行を積んでいた勇者には協力してくれる知り合いも多く、どうにか男手一つで娘を育てる事ができました。娘は、普通の只人をちょっと上回る身体能力で、ちょっとだけ寿命が長い事が判りましたが、別に英雄になる気もなく、普通の娘として成長します。勇者も「子供の世話があるから」と言って、日帰りできる仕事以外はやらなくなりました。父子二人の家族でしたが、平穏な日々が過ぎていきました。
年頃に成長した娘は、なんだか権力欲ギラギラの目をした大貴族の求婚者を全部袖にして、「そんなものより明日の天気が大事だ」というド田舎の貴族に嫁ぎました。娘は自分が嫁ぎ先と父親との縁を繋ぐ存在だと言う事は十分に承知していましたらから、まかり間違っても虎の威を借るような貴族に嫁ぐ気は無かったのです。単にドロドロの王宮が面倒くさかっただけかもしれませんが。
彼らは、自分達に父のような力は無いと、栄達やらからは一切無縁で地方の領地をつつましやかに治めていました。夫となった貴族は、人知の及ばない出来事でもおきない限り義父に頼ろうなどとは考えない人で、勇者も婿殿の事は大変信頼していました。何しろ勇者が「一度でいい 奪っていく君を殴らせろ」と言ったら(ちなみにトロルを素手で撲殺できます)、「死なない程度にお願いします」と返したクソ真面目でしたから。
そんな平和な日が続き、勇者には孫もできました。前半生で教会、魔神、竜と闘っていた勇者はかなりの晩婚で、その頃には齢100は超えていたのですが、相変わらず若々しく元気なままでした。相手が魔神だろうと、竜だろうと、隣国だろうと、盗賊団だろうと、隣の家の迷惑親父だろうと、勇者が揉め事に首を突っ込んで来る事は知れ渡っていましたから、何処の国も目立つ争いは避けるようになっています。世情が安定すれば要らぬ人死にも無くなり、庶民はそれを歓迎します。勇者はただ在るだけで中原の安定に寄与していたのでした。
「奥さんは残念だったけど、概ねハッピーエンド路線スね…ここから鬱展開な訳ですか?」
「はい…と言っても、ありきたりな話です。王家のお家騒動に巻き込まれて、娘と孫が亡くなってしまいます」
「ありゃま。……念のため、そこんところもう少し詳しく…」
「あんまり楽しい話じゃ無いですよ…」
しばらく平和な時代が続いた中原でしたが、王国の王が崩御すると雲行きが怪しくなりました。勇者が活躍していた時代から数十年が過ぎて王も貴族も代替わりしていましたし、勇者もだいぶ活動が減っていましたからそんなデタラメな人間が睨みを利かせているという事が忘れられ始めていたんですね。
新王は、まだ少年と言っていい年頃でした。上に2人の王子が居たのですが、疫病で亡くなってしまっていたのです。急造…と言っちゃ失礼ですが、王の晩年に生まれてまだ年若く後を継いだ王を見て公爵…前王の弟の子。新王の従兄になります…が邪な心を持ってしまったようです。
実は疫病が流行った時に、先代の公爵は勇者に縋ったようなんですが、勇者は断ってるんですよ。怪我なら一瞬でどうにかできるチート魔法も病気に対応するのは困難でしたらから。ただ、そのせいで長男を失った先代は常々恨み言を口にしていたようで、それが後継ぎの次男を蝕んでいたんでしょうね。おまけに、王子二人も亡くなって自分に王座が転がり込んで来ると思ったら、3人目が誕生して王位が手をすり抜けてしまいましたから、公爵は玉座を得て勇者を追放しようとか考えたようです。何食わぬ顔で王に諸侯への行幸を勧めて、それを襲撃させました。同時に有力貴族には根回しをして、とにもかくにも足止めさせることに成功します。実際、この公爵は中々の傑物でしたし、まだ足場固めも済んでいない少年王には抗う術も無いかと思われました。
多くの貴族が日和見を決め込む中、見かねて手を差し伸べたのは勇者の娘とその夫でした。勇者の血を受け継いだのでしょう、領地の目の前で即位したばかりの王が臣下に襲撃されるという事態を、黙って見過すなどできない性分だったようです。
彼女は父に急使を送ると、館を捨てて大河の畔に建てられた灯台代わりの古砦に立て籠もりました。娘は武装して家臣たちの先頭に立って公爵軍を迎え撃ち、武には一切縁の無いような婿殿は、砦を十重二十重に囲まれても全く怯むことなく、『義父殿がかけつける僅かの時間を凌げば勝ちだ』と、配下の兵を鼓舞し続けていました。
急報を受けた勇者は走りに走ります。100歳を超えてなお、馬を乗り継ぐより速いのです。重傷でも虫の息でも勇者のチート魔法なら回復可能です。死んでさえいなければ。
…けれども、勇者が砦にたどり着いたとき、娘夫婦は最後の門で手を握り合ったまま事切れていました。涙を堪えて「間に合え」と走る勇者が見たのは、王の座す広間へ続く廊下で愛する孫の頭が戦斧で割られる瞬間でした。
勇者の手は…ほんの一歩間に合いませんでした……
怒りと悲しみの絶叫を上げて孫の仇を虐殺した勇者を前に、公爵軍は恐慌状態となっていました。集められた兵はそれだけで散り散りになってしまいます。勇者が未だ健在だったこと。公爵がその勇者を敵に回したこと。この二つで日和見を決め込んでいた貴族が、こぞって王の前に参集すると公爵を攻め始めます。
……たとえ当の勇者が、抜け殻のようにただ立っていることしかできなくとも。
主だった貴族を敵に回した事を知った公爵は、敗北を悟ると毒を呷りました。
数年後、勇者は王が有力で、少なくとも邪悪ではない後ろ盾を得たのを見届けると、すべての職を辞して隠居料代わりに貰った荒れ地に引きこもりました……。
「……と、ここまでが前フリになります」
「どっちだよ」
「言葉のアヤってもんです。とりあえず黙って聞いてください」
「あ、はい…」
中原のとある王国に一人の<勇者>が降り立ちました。
当時大陸では只人至上主義が蔓延り、他の人間種族との間に戦争寸前の不穏な空気が漂っていました。それをいいことに、次元の狭間から他次元の魔人…通称魔神がこちらの世界への介入をしようと狙っています。人間種族との争いに辟易して、一旦は奥地に引き籠っていた竜なんかも平原への再進出を目論むなど、世界の天秤が一気に無茶苦茶になりそうな状態だったのです。勇者は、それを正すために送り込まれたのでした。
「……あぁ、神様は地上に直接手出しができない、とか制限が?」
「そうですね。「管理神」と言いながら、実体は貴方方の世界でいう、「ゲームプレイヤー」に近いんです。やる気ならなんでもできるんですが、やったら管理神としては負けって事になります。基本的には代理を送り込んで、その代理人も「操る」ことはできません、「導く」だけです。その代理人が<勇者>ってことです」
「…いや、なんの勝負なの、それ?」
「勝負というよりはまぁ、矜持の問題といいますか…。想像はついてるでしょうが、私達は『至高神』という訳ではありません」
「じゃあ『究極神』とかか。いつも至高に負けるという…」
「……判って言ってますよね?」
「Exactly(そのとおりでございます)」
「うっわ、腹立つ…」
「あ、上司が居るんだったら、苦情申し立てすれば聞いて貰らえますかね?本人の意思を無視して無理矢理拉致されそうになってるとか…」
「私達、地上への干渉は制限されていますが<魂>に対しては割と権限強いんですよ?」
「うぇ、ひでぇ…人権無視かよ」
「死人に人権関係ありませんし……話が進まないので続けますね」
「へいへい…」
世界の危機だと言う事で、勇者には制限一杯のチート能力が与えられました。勇者はその期待に応え、たった一人で、大陸中の国々に根を張っていた教団を壊滅させ、魔神を彼らの次元に追い返し、我が物顔で飛び交い始めた竜を再度辺境に追いやり、どうにか世界の危機を払う事に成功しました。その役目の過程であちこちの王家に貸しを作った勇者は、ついでに只人の国家の紛争にも首を突っ込み、只人至上主義のせいで起きていた他の人間種族との間のゴタゴタをどうにか引っ込めさせるのに成功しました。「貸しのある勇者が王家に無理強いしたって事にしとけ」って事にしたんですが、只人至上主義者の主導のゴタゴタでしたから損切りをしたい王家としても渡りに船でしたし、勇者は開拓の手伝いしたり災害救助したり巨大魔獣退治したりと、お人良しかよってほど熱心に働いていたものですから勇者に恨みが積もる事もなく、すっかり<中原の勇者>として定着していました。
役目を終えた勇者は、自分に政の才が無いことは承知していましたので、様々な国が出した騎士団長だの、侯爵位だの、王女の婿だのの勧誘を全部断って、最初に世話になった国で<王家の相談役>というお飾りの役職と屋敷だけを貰うと、元女剣士だった妻と二人で気ままな暮らしをしていました。
「ハレム無しか、スク〇ニ的というかなんというか…ヒカセン?」
「そうなんですよ、勇者としては稀に見る逸材でした…」
そんな勇者を悲劇が襲いました。妻が娘を残して儚くなってしまったのです。悲しんだ勇者でしたが、愛する妻の残した子を育てようと奮起します。勇者は再婚する気は無く、何から何まで初めての経験ではありましたが、いろいろ善行を積んでいた勇者には協力してくれる知り合いも多く、どうにか男手一つで娘を育てる事ができました。娘は、普通の只人をちょっと上回る身体能力で、ちょっとだけ寿命が長い事が判りましたが、別に英雄になる気もなく、普通の娘として成長します。勇者も「子供の世話があるから」と言って、日帰りできる仕事以外はやらなくなりました。父子二人の家族でしたが、平穏な日々が過ぎていきました。
年頃に成長した娘は、なんだか権力欲ギラギラの目をした大貴族の求婚者を全部袖にして、「そんなものより明日の天気が大事だ」というド田舎の貴族に嫁ぎました。娘は自分が嫁ぎ先と父親との縁を繋ぐ存在だと言う事は十分に承知していましたらから、まかり間違っても虎の威を借るような貴族に嫁ぐ気は無かったのです。単にドロドロの王宮が面倒くさかっただけかもしれませんが。
彼らは、自分達に父のような力は無いと、栄達やらからは一切無縁で地方の領地をつつましやかに治めていました。夫となった貴族は、人知の及ばない出来事でもおきない限り義父に頼ろうなどとは考えない人で、勇者も婿殿の事は大変信頼していました。何しろ勇者が「一度でいい 奪っていく君を殴らせろ」と言ったら(ちなみにトロルを素手で撲殺できます)、「死なない程度にお願いします」と返したクソ真面目でしたから。
そんな平和な日が続き、勇者には孫もできました。前半生で教会、魔神、竜と闘っていた勇者はかなりの晩婚で、その頃には齢100は超えていたのですが、相変わらず若々しく元気なままでした。相手が魔神だろうと、竜だろうと、隣国だろうと、盗賊団だろうと、隣の家の迷惑親父だろうと、勇者が揉め事に首を突っ込んで来る事は知れ渡っていましたから、何処の国も目立つ争いは避けるようになっています。世情が安定すれば要らぬ人死にも無くなり、庶民はそれを歓迎します。勇者はただ在るだけで中原の安定に寄与していたのでした。
「奥さんは残念だったけど、概ねハッピーエンド路線スね…ここから鬱展開な訳ですか?」
「はい…と言っても、ありきたりな話です。王家のお家騒動に巻き込まれて、娘と孫が亡くなってしまいます」
「ありゃま。……念のため、そこんところもう少し詳しく…」
「あんまり楽しい話じゃ無いですよ…」
しばらく平和な時代が続いた中原でしたが、王国の王が崩御すると雲行きが怪しくなりました。勇者が活躍していた時代から数十年が過ぎて王も貴族も代替わりしていましたし、勇者もだいぶ活動が減っていましたからそんなデタラメな人間が睨みを利かせているという事が忘れられ始めていたんですね。
新王は、まだ少年と言っていい年頃でした。上に2人の王子が居たのですが、疫病で亡くなってしまっていたのです。急造…と言っちゃ失礼ですが、王の晩年に生まれてまだ年若く後を継いだ王を見て公爵…前王の弟の子。新王の従兄になります…が邪な心を持ってしまったようです。
実は疫病が流行った時に、先代の公爵は勇者に縋ったようなんですが、勇者は断ってるんですよ。怪我なら一瞬でどうにかできるチート魔法も病気に対応するのは困難でしたらから。ただ、そのせいで長男を失った先代は常々恨み言を口にしていたようで、それが後継ぎの次男を蝕んでいたんでしょうね。おまけに、王子二人も亡くなって自分に王座が転がり込んで来ると思ったら、3人目が誕生して王位が手をすり抜けてしまいましたから、公爵は玉座を得て勇者を追放しようとか考えたようです。何食わぬ顔で王に諸侯への行幸を勧めて、それを襲撃させました。同時に有力貴族には根回しをして、とにもかくにも足止めさせることに成功します。実際、この公爵は中々の傑物でしたし、まだ足場固めも済んでいない少年王には抗う術も無いかと思われました。
多くの貴族が日和見を決め込む中、見かねて手を差し伸べたのは勇者の娘とその夫でした。勇者の血を受け継いだのでしょう、領地の目の前で即位したばかりの王が臣下に襲撃されるという事態を、黙って見過すなどできない性分だったようです。
彼女は父に急使を送ると、館を捨てて大河の畔に建てられた灯台代わりの古砦に立て籠もりました。娘は武装して家臣たちの先頭に立って公爵軍を迎え撃ち、武には一切縁の無いような婿殿は、砦を十重二十重に囲まれても全く怯むことなく、『義父殿がかけつける僅かの時間を凌げば勝ちだ』と、配下の兵を鼓舞し続けていました。
急報を受けた勇者は走りに走ります。100歳を超えてなお、馬を乗り継ぐより速いのです。重傷でも虫の息でも勇者のチート魔法なら回復可能です。死んでさえいなければ。
…けれども、勇者が砦にたどり着いたとき、娘夫婦は最後の門で手を握り合ったまま事切れていました。涙を堪えて「間に合え」と走る勇者が見たのは、王の座す広間へ続く廊下で愛する孫の頭が戦斧で割られる瞬間でした。
勇者の手は…ほんの一歩間に合いませんでした……
怒りと悲しみの絶叫を上げて孫の仇を虐殺した勇者を前に、公爵軍は恐慌状態となっていました。集められた兵はそれだけで散り散りになってしまいます。勇者が未だ健在だったこと。公爵がその勇者を敵に回したこと。この二つで日和見を決め込んでいた貴族が、こぞって王の前に参集すると公爵を攻め始めます。
……たとえ当の勇者が、抜け殻のようにただ立っていることしかできなくとも。
主だった貴族を敵に回した事を知った公爵は、敗北を悟ると毒を呷りました。
数年後、勇者は王が有力で、少なくとも邪悪ではない後ろ盾を得たのを見届けると、すべての職を辞して隠居料代わりに貰った荒れ地に引きこもりました……。
「……と、ここまでが前フリになります」
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