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これが私の日常でした2
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ブーブー
スマホのアラームの音が遠くに聞こえる。
「……ん」
手探りでスマホを見つけて停止ボタンを押した。
まだ重たい瞼をなんとか開いて、私は絶望してしまった。
なんで、外明るいの!?
いつもは6時に起きているから、今日もその通りなら外は暗いはず。
なのにカーテンの隙間からはこれでもかってくらい明るい光が差し込んでいる。
嫌な予感がして、私はスマホに表示されている数字に目を向けた。
7時、10分!?
やばい!
このままだと遅刻する!
さっきまでの眠気はどこへやら、私は慌てて飛び起きる。
昨日早く寝たのに。
今日は早めに出なきゃいけなかったのに。
私っていっつもこうだ。
普段は失敗を恐れて慎重になりすぎるのに、その結果ミスしちゃうんだ。
なんてぼやいている場合じゃない!
パタパタと洗面台に向かって顔を洗い、昨日準備しておいた制服の袖に手を通す。
リビングに向かって朝ごはんを食べようか迷った後、取り敢えずおにぎりを作って持って行くことに決めた。
だって、食べる時間なんてなかったから。
こういう時、中学と違って食べ物の持ち込みがOKなの有難いよなぁ。
そんなことを思いながら少し小走りで家を後にする。
しばらく歩いていると、信号が目の前で赤になってしまい、仕方なく足を止めた。
どうしよう。
このままだと電車間に合わないかも。
この時間逃したらいよいよギリギリゾーンになる。
渡っちゃう?
そんな考えが頭をよぎったけど、私に信号無視をする勇気なんて無い。
全く、無駄に正義感が強いんだよなぁ。
そのせいでどれだけ損をして来たことか。
いやだめだ。
ネガティブになってる。
良い方向に考えなくちゃ。
そうだ!この時間を使って英単語をやろう。
うん、信号にかかったおかげで勉強ができたって思うことにしよう。
スマホの英単語アプリを開いて、今日の範囲の英単語を見ていく。
あー、この単語何回やっても覚えられないんだよね。
チェック入れとこ。
そんな風に集中してしまっていたからだろう。
私は周りのザワザワとした声に気付きさえしなかった。
…ひかれるっ!
そう思った時には車が目の前に迫っていて、避けることさえできなかった。
衝撃と共に視界が歪む。
あっこれ、ダメなやつだ。
瞬時に悟ってしまった。
私、このまま死んじゃうのかな。
まだやりたいことあったんだけどな。
ゲームだって、オープニング見ただけだよ?
……死に際に思うことが親孝行じゃなくてゲームって。
私、実は今世に未練ない?
……いやいや、そんなわけな……
そこで意識が途切れてしまったから、はっきり思い出せるのはここまで。
そして次に目を覚ました時には、私は見たこともない豪華なベットの上で横になっていたんだ。
スマホのアラームの音が遠くに聞こえる。
「……ん」
手探りでスマホを見つけて停止ボタンを押した。
まだ重たい瞼をなんとか開いて、私は絶望してしまった。
なんで、外明るいの!?
いつもは6時に起きているから、今日もその通りなら外は暗いはず。
なのにカーテンの隙間からはこれでもかってくらい明るい光が差し込んでいる。
嫌な予感がして、私はスマホに表示されている数字に目を向けた。
7時、10分!?
やばい!
このままだと遅刻する!
さっきまでの眠気はどこへやら、私は慌てて飛び起きる。
昨日早く寝たのに。
今日は早めに出なきゃいけなかったのに。
私っていっつもこうだ。
普段は失敗を恐れて慎重になりすぎるのに、その結果ミスしちゃうんだ。
なんてぼやいている場合じゃない!
パタパタと洗面台に向かって顔を洗い、昨日準備しておいた制服の袖に手を通す。
リビングに向かって朝ごはんを食べようか迷った後、取り敢えずおにぎりを作って持って行くことに決めた。
だって、食べる時間なんてなかったから。
こういう時、中学と違って食べ物の持ち込みがOKなの有難いよなぁ。
そんなことを思いながら少し小走りで家を後にする。
しばらく歩いていると、信号が目の前で赤になってしまい、仕方なく足を止めた。
どうしよう。
このままだと電車間に合わないかも。
この時間逃したらいよいよギリギリゾーンになる。
渡っちゃう?
そんな考えが頭をよぎったけど、私に信号無視をする勇気なんて無い。
全く、無駄に正義感が強いんだよなぁ。
そのせいでどれだけ損をして来たことか。
いやだめだ。
ネガティブになってる。
良い方向に考えなくちゃ。
そうだ!この時間を使って英単語をやろう。
うん、信号にかかったおかげで勉強ができたって思うことにしよう。
スマホの英単語アプリを開いて、今日の範囲の英単語を見ていく。
あー、この単語何回やっても覚えられないんだよね。
チェック入れとこ。
そんな風に集中してしまっていたからだろう。
私は周りのザワザワとした声に気付きさえしなかった。
…ひかれるっ!
そう思った時には車が目の前に迫っていて、避けることさえできなかった。
衝撃と共に視界が歪む。
あっこれ、ダメなやつだ。
瞬時に悟ってしまった。
私、このまま死んじゃうのかな。
まだやりたいことあったんだけどな。
ゲームだって、オープニング見ただけだよ?
……死に際に思うことが親孝行じゃなくてゲームって。
私、実は今世に未練ない?
……いやいや、そんなわけな……
そこで意識が途切れてしまったから、はっきり思い出せるのはここまで。
そして次に目を覚ました時には、私は見たこともない豪華なベットの上で横になっていたんだ。
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