真面目令嬢は無意識のうちに溺愛ルートに入ってしまったようです！

これが私の日常でした1

「……今日も頑張った、私。」

学校から帰って自室に引きこもった後、ようやく一息をついた。
ブーブー
だけどすぐにアラームがなって、はぁとため息がもれる。
勉強、やらなきゃな。
私が通っている高校は進学校…ってほどではないけど、そこそこレベルの高い学校。
予習復習を怠ると、すぐに授業についていけなくなってしまうんだ。
だけど勉強なんてなかなかやる気にならない。
先生が時間を決めて取り敢えず机に向かうようにしなさいって言ってたから、今はそれを実践中なんだ。
でも、モチベもない状態で始めても集中力持たないんだよね。
なんて心の中で文句を言いながら机へと向かう。
なんだかんだ言って、これが1番習慣になってたりする。
私は別に勉強が好きなわけでも得意なわけでもないけど、勉強は必要なことだから。
やらなきゃいけないのが辛いよなぁ。
それでいて、やっても明確に将来こうなりますって具体性がないのも虚しい。
だって、すっごく勉強できる人って限られてて、その枠からもれちゃったら意味ないんだもの。
少なくとも、私の親は許してくれないと思う。
……って、こんな他人のせいにしてばっかりじゃダメだよね。
さ、勉強勉強。
ふと時計を見てみると8時を回っていた。
頭であーだこーだ考えてる間も手は動いていたから今日のノルマは達成済み。
時間もあるし、友達から勧められたゲームでもやってみようかな？
確か恋愛シミュレーションゲームだったよね。
スマホを開いてアプリを検索してみる。
あっ、あった。
イラストが可愛くて覚えてたんだ。
うん、やっぱりこの子かわいいなぁ。
黒髪ロングで品があって、美人って感じ。
でも笑ったら絶対可愛い！そんな感じの子。
インストールスタート！
ポチッとボタンを押して、私はわくわくしながら起動するのを待った。
友達によると、金髪の人が私の好みっぽいんだって。
確かに見た目はめちゃくちゃ好み！
第一王子っぽいなぁ。
なんて思ってたら画面が開いた！
わわ！オープニングすご！
歌まであるんだ。
あ、可愛い子だ！……ん？
待って、まさかの悪役！？
なんと、私が気に入ってた子が悪人顔で何かを言ってるシーンが目に入ってしまった。
で、さっきの第一王子くんは……あー、やっぱり悪役令嬢の婚約者なんだ。
なんか、ショック。
画面が変わってキラキラとした雰囲気の中に金髪の女の子が現れた。
……ヒロインは、この子か！
こっちも可愛い！！
このイラストレーターさん神！
他にも作品出してないかな？
後で調べよ。
ん、チュートリアル始まった。
『祝福の花束を君に』
へー、花がテーマになってるゲームなんだ。
あっ、人物紹介！
本当だ。全員花がモチーフになってる！
じゃあ、それを元にゲームクリアを目指すのかな？
なんだか楽しそう！
でも、明日早いから今日はここまでにしとこうかな。
……この時の私はまだ知る由もなかった。やっておけばよかったなんて後悔する日がそう遠くない未来にやってくることを。