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第179話 ゼロの予感。
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第179話 ゼロの予感。
~幻獣の理想郷・7F~
あの後、ユウの幸運値を大幅に下げて進んでみた所、先程みたいに希少種カーバンクルが大量に出てくることはなくなった。
・・・いや、と言っても8回に1回は希少種カーバンクルが出てくるんだがな。さっきよりはマシになったってことだ。
「……ん? なんか魔物の数減ってきてないか?」
俺は襲ってきた魔物を倒しながらそう言った。
「む? そうじゃろうか? ・・・ふむ。言われてみれば先程より数は減ったみたいなのじゃ。」
「他の人が倒したんですかね? でも見たところこの階層には他に冒険者さんはいないみたいですが……。」
今、俺らの周りには冒険者がいない。どうやら他の冒険者達は5~6階層あたりで迷っているのが大多数のようだ。
あと5階層からはダミーの階段が多く存在しているため、そこで迷ってる冒険者も多くいる。
え? 俺たちは迷わないのかって? ははは☆ 化け物相手に何を今更。
「んー、ライムの可能性もなくはない。というか大幅それであってると思うぞ。あと人がいねぇのは先の階層にいってんだろう。」
「へぇー! ここまで迷わずに来れる冒険者って誰なんだろうっ? ゼロわかるっ?」
あー、大方予想はついてる。でも確定ではないしな。・・・いや、まぁ調べれば確定にすることは出来るが、それはつまんないし。
「さぁ? だけどここまで迷わず進めるのは迷宮の空気とかを理解してるやつくらいじゃねぇか?」
「迷宮の空気?」
「ああ、迷宮を踏破したりいくつかの迷宮を攻略したりすると、なんとなく迷宮の最短ルートがわかるってやつだ。簡単に言うと慣れだな。」
まぁあくまでなんとなくだから間違える可能性もあるがな。
「へー! ってことはこの先を進んでる人は迷宮の空気をしっかりと理解してる人なんだねー!」
「ああ、つまりはそういうことだな。……っと。」
会話を続けながら魔物を倒す。
さっきも言ったが、少なからず魔物もいるにはいるからな。・・・多分、先に進んだやつが付近の魔物を倒した後に出現したやつだろう。
「あーっ! ずるーい!! 次は僕が倒そうと思ってたのにー!!」
「ははは、すまんすまん。んじゃ次の魔物はユウに譲る。」
俺がそういうと今度はカーバンクル(希少種)が飛び出す。
ああ、ほら。丁度運が回ってきたみたいだ。・・・一応、これでも抑えさせてる方なんだけどねぇ。やっぱりユウの運が高ぇんだな。
……まぁ出現率的に今のが丁度希少種だったってだけなんだがな。前に出たのが丁度八匹前だったし。
「えいっ! あ、避けられた! むむむっ、えいっ! むぅっ、まだ倒れない! それっ! やったー! 倒せたっ!」
あ、ちなみにユウのステータスはカーバンクル(通常種)とギリ渡り合えるくらいのステータスになってる。
だからやや苦戦してたが、最終的に技術力にものを言わせて勝ったみたいだ。
「ゼロー! 見てみてー!」
いや、そんなに叫ばなくても普通に見てたしちゃんと聞こえてるわ。
「ああ、おめっとさん。んじゃそのまま次の階層まで進もうか。」
「うんーっ!!」
◇◆◇◆◇
~幻獣の理想郷・8F~
「んー、また魔物の数が大幅に減ったな。まぁなんとなく想像はついてたが。」
先程まではちょいちょい魔物との戦闘はあったが、ここまで来ると魔物と会うことも無くなってきた。
まぁ先に行ったやつが倒しても再出現するっつっても、その再出現にも時間がかかるしな。そりゃ毎度の如くポンポン湧きでるわきゃねぇわ。
「魔物いないのつまんなーい! もっと魔物倒したーい!」
ユウが魔物欠乏症(いわゆる戦闘狂)になってるわ。
・・・もうちょい先行って先人(先行ってる人)達を追い越せれば魔物と戦えると思うし、もう少しの辛抱だ。頑張れ、ユウ。
そして、ユウを|宥(なだ)めながら進むこと、はや数分。
「──ッ! ───!」
先の方から戦闘音が聞こえてきた。
「!! やったー!! 敵だァっ!」
「あっ! おい、ちょっ!」
ユウは戦闘音が聞こえると、俺の静止を聞かずに突っ走っていった。俺達は急いでユウの後を追いかける。
そして、そこに居たのは──
「なっなんですかっ!? あの人!?」
「あーあ。俺の静止も聞かないで突っ走っちゃって。」
「え、誰で……ってゼロ先生っ!?」
──勇者たち御一行だった。
はぁーあ。こっちの予感も的中ってか。
~幻獣の理想郷・7F~
あの後、ユウの幸運値を大幅に下げて進んでみた所、先程みたいに希少種カーバンクルが大量に出てくることはなくなった。
・・・いや、と言っても8回に1回は希少種カーバンクルが出てくるんだがな。さっきよりはマシになったってことだ。
「……ん? なんか魔物の数減ってきてないか?」
俺は襲ってきた魔物を倒しながらそう言った。
「む? そうじゃろうか? ・・・ふむ。言われてみれば先程より数は減ったみたいなのじゃ。」
「他の人が倒したんですかね? でも見たところこの階層には他に冒険者さんはいないみたいですが……。」
今、俺らの周りには冒険者がいない。どうやら他の冒険者達は5~6階層あたりで迷っているのが大多数のようだ。
あと5階層からはダミーの階段が多く存在しているため、そこで迷ってる冒険者も多くいる。
え? 俺たちは迷わないのかって? ははは☆ 化け物相手に何を今更。
「んー、ライムの可能性もなくはない。というか大幅それであってると思うぞ。あと人がいねぇのは先の階層にいってんだろう。」
「へぇー! ここまで迷わずに来れる冒険者って誰なんだろうっ? ゼロわかるっ?」
あー、大方予想はついてる。でも確定ではないしな。・・・いや、まぁ調べれば確定にすることは出来るが、それはつまんないし。
「さぁ? だけどここまで迷わず進めるのは迷宮の空気とかを理解してるやつくらいじゃねぇか?」
「迷宮の空気?」
「ああ、迷宮を踏破したりいくつかの迷宮を攻略したりすると、なんとなく迷宮の最短ルートがわかるってやつだ。簡単に言うと慣れだな。」
まぁあくまでなんとなくだから間違える可能性もあるがな。
「へー! ってことはこの先を進んでる人は迷宮の空気をしっかりと理解してる人なんだねー!」
「ああ、つまりはそういうことだな。……っと。」
会話を続けながら魔物を倒す。
さっきも言ったが、少なからず魔物もいるにはいるからな。・・・多分、先に進んだやつが付近の魔物を倒した後に出現したやつだろう。
「あーっ! ずるーい!! 次は僕が倒そうと思ってたのにー!!」
「ははは、すまんすまん。んじゃ次の魔物はユウに譲る。」
俺がそういうと今度はカーバンクル(希少種)が飛び出す。
ああ、ほら。丁度運が回ってきたみたいだ。・・・一応、これでも抑えさせてる方なんだけどねぇ。やっぱりユウの運が高ぇんだな。
……まぁ出現率的に今のが丁度希少種だったってだけなんだがな。前に出たのが丁度八匹前だったし。
「えいっ! あ、避けられた! むむむっ、えいっ! むぅっ、まだ倒れない! それっ! やったー! 倒せたっ!」
あ、ちなみにユウのステータスはカーバンクル(通常種)とギリ渡り合えるくらいのステータスになってる。
だからやや苦戦してたが、最終的に技術力にものを言わせて勝ったみたいだ。
「ゼロー! 見てみてー!」
いや、そんなに叫ばなくても普通に見てたしちゃんと聞こえてるわ。
「ああ、おめっとさん。んじゃそのまま次の階層まで進もうか。」
「うんーっ!!」
◇◆◇◆◇
~幻獣の理想郷・8F~
「んー、また魔物の数が大幅に減ったな。まぁなんとなく想像はついてたが。」
先程まではちょいちょい魔物との戦闘はあったが、ここまで来ると魔物と会うことも無くなってきた。
まぁ先に行ったやつが倒しても再出現するっつっても、その再出現にも時間がかかるしな。そりゃ毎度の如くポンポン湧きでるわきゃねぇわ。
「魔物いないのつまんなーい! もっと魔物倒したーい!」
ユウが魔物欠乏症(いわゆる戦闘狂)になってるわ。
・・・もうちょい先行って先人(先行ってる人)達を追い越せれば魔物と戦えると思うし、もう少しの辛抱だ。頑張れ、ユウ。
そして、ユウを|宥(なだ)めながら進むこと、はや数分。
「──ッ! ───!」
先の方から戦闘音が聞こえてきた。
「!! やったー!! 敵だァっ!」
「あっ! おい、ちょっ!」
ユウは戦闘音が聞こえると、俺の静止を聞かずに突っ走っていった。俺達は急いでユウの後を追いかける。
そして、そこに居たのは──
「なっなんですかっ!? あの人!?」
「あーあ。俺の静止も聞かないで突っ走っちゃって。」
「え、誰で……ってゼロ先生っ!?」
──勇者たち御一行だった。
はぁーあ。こっちの予感も的中ってか。
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