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第178話 忘れてた、その設定。
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第178話 忘れてた、その設定。
俺たちは無事次の階へ降りると、辺りを見渡す。
「んー、ボス部屋抜けたらいなくなるかな?って思ったんだけど、やっぱりまだ結構人いるねー。」
「あぁ、まだ1回目のボスだしな。だが、多分10階層くらいになればかなり数は減るんじゃないか? そもそもそこまでの道を知らないだろうし。」
そうそう。言っていなかったが、ダンジョンの外も人が大勢いたが、中の方ももちろん人でいっぱいだ。
……まぁ別にそこまでぎゅうぎゅうって訳でもないがな。
辺りを見渡すと他の冒険者が7~8人視界に入ってくるってくらいの人数だ。普通に動くスペースもあるし軽い戦闘くらいなら余裕でできる。実際に戦ってる冒険者達もいるみたいだしな。
「兄上ー、こちらにも魔物がよってきたのじゃー。」
あ、ちなみにハクは周りに人がいるってことで俺のことを兄上と呼んでいる。・・・その設定、まだ生きてたのね。
・・・あれ? でもたしかダンジョン前辺りで俺のことを主殿って呼んでなかった?
え? なになに? 普通に忘れてた? あぁ、まぁ確かにその設定あんまり使ってなかったからなぁ。
・・・え? ああ、そういや学園では兄妹設定使ってたな。
「うむ。じゃからの、もしクラスメイトに偶然遭遇してしまった時に、我が主殿を兄上呼びしておらんと、少しおかしいと思ったのじゃ。」
・・・たしかに、このダンジョンに俺の生徒もいるかもしれないしな。……俺も妹に自分のことを主殿呼びさせてる変態って思われたくないし、いいアイディアだな。
「そうだな。ふむ、じゃあライムも俺のことをそう呼んでくれ。」
「はい、マs……お兄ちゃんっ!」
おぉ、ライムはお兄ちゃんって言うのか。・・・なんか、これはこれで破壊力あるな。……可愛いので撫でる。
なんか目を細めて嬉しそうにしてくれた。・・・うん、なんか猫みたいで可愛いな。っと思ってたら頭の上から引っ掻き攻撃が来た。
……そういや頭にティア乗せてたの忘れてたわ。ご機嫌取りにティアの頭も撫で……にくいから(頭上なので)首を撫でる。
そして、ダンジョン内とは思えないゆるゆるな空気が流れたところでユウが話しかけてきた。
「ゼロー! 魔物倒してきたよー!」
・・・あ、ハクからの報告忘れてた。ありがとう、ユウ。
「おう、お疲れさん。それで、この階層の魔物ってなんだったんだ?」
さっきのボスがフェアリーだったし、もしかしてフェアリーの進化系かな?
「うんとねー、この赤い毛の魔獣だったー。名前はレッドカーバンクルって言うらしいよー? それとこれ見つけて倒したら他の冒険者さんが羨ましそーにしてたー。」
ユウに言われて他の冒険者を見ると、確かに羨ましそうにしていた。
聞こえにくいが、小声でなんか言ってるみたいだったからちょっと集中して聞いてみたところ『ちくしょー! 希少種取られちまったかー!』って言ってるみたいだな。
・・・希少種?
「なぁ、それ以外にはなんかいたか?」
「うん! なんか同じ姿の黄色いやつが沢山いたっ! ついでにそれも狩ってきたよー?」
と、今度は4匹の黄色いカーバンクルを出してきた。・・・多分、そっちが通常種か。
んー、見た感じ、通常種よりも希少種の方が毛並みが綺麗に見えるな。
ふむ、なるほど。
つまりこのダンジョンには通常種に紛れてたまに希少種が出てくる、と。んで、その希少種は見た感じ、通常種よりも高く売れるってことかな?
ってかこの階層の魔物、カーバンクルなのね。フェアリーはどこいったし。・・・まぁ確かに幻獣の理想郷って名前だったしフェアリーだけとは限らないか。
「ま、運が良かったってことか。よし、出る魔物もわかったし、早いとこ先進むか。」
「うんー! じゃあ進むねー!」
「ん。」
ユウが少し進んだところでハクが話しかけてきた。多分、頃合いを見てたのかな?
「兄上。そういえばなのじゃが、カーバンクルの希少種はレッドカーバンクルだけなのじゃろうか?」
「んー、どうなんだろーな? 名前的にはブルーとかグリーンとかいそうだけ「ゼロー! なんか青いカーバンクル見つけたー!」……うん、なんか見つけちゃったみたいだわ。」
「・・・その様じゃのう。」
ユウはまた俺の方に走ってきて青い毛並みのカーバンクルを前に出す。そしてそれを他の冒険者が羨ましそうに眺める。
ユウはそれを気にもとめず、見せた後にまたどこかへ飛んでいく。
「・・・希少種だから普通はあんまり出ないと思うんだがな。……まぁ偶然二匹とも捕まえるってのもありえない話じゃな──「ゼロー! 見てみてー!! 今度は緑の見つけたー!」おめぇ、ちょっとこっち来い。」
──その後、ハク達も入れて話し合い、希少種カーバンクルは襲ってきたやつ以外は倒さないと決め、ダンジョンを進んだ。
・・・なお、その後に希少種カーバンクルが、何故か異様に襲ってくるという事件が起こったがそれはまた別のお話だ。
・・・どうでもいいんだが、ユウの幸運率やばくない? ……今度は戦闘系ステータスだけじゃなく、運気も抑えるようにさせなきゃダメだな。
俺たちは無事次の階へ降りると、辺りを見渡す。
「んー、ボス部屋抜けたらいなくなるかな?って思ったんだけど、やっぱりまだ結構人いるねー。」
「あぁ、まだ1回目のボスだしな。だが、多分10階層くらいになればかなり数は減るんじゃないか? そもそもそこまでの道を知らないだろうし。」
そうそう。言っていなかったが、ダンジョンの外も人が大勢いたが、中の方ももちろん人でいっぱいだ。
……まぁ別にそこまでぎゅうぎゅうって訳でもないがな。
辺りを見渡すと他の冒険者が7~8人視界に入ってくるってくらいの人数だ。普通に動くスペースもあるし軽い戦闘くらいなら余裕でできる。実際に戦ってる冒険者達もいるみたいだしな。
「兄上ー、こちらにも魔物がよってきたのじゃー。」
あ、ちなみにハクは周りに人がいるってことで俺のことを兄上と呼んでいる。・・・その設定、まだ生きてたのね。
・・・あれ? でもたしかダンジョン前辺りで俺のことを主殿って呼んでなかった?
え? なになに? 普通に忘れてた? あぁ、まぁ確かにその設定あんまり使ってなかったからなぁ。
・・・え? ああ、そういや学園では兄妹設定使ってたな。
「うむ。じゃからの、もしクラスメイトに偶然遭遇してしまった時に、我が主殿を兄上呼びしておらんと、少しおかしいと思ったのじゃ。」
・・・たしかに、このダンジョンに俺の生徒もいるかもしれないしな。……俺も妹に自分のことを主殿呼びさせてる変態って思われたくないし、いいアイディアだな。
「そうだな。ふむ、じゃあライムも俺のことをそう呼んでくれ。」
「はい、マs……お兄ちゃんっ!」
おぉ、ライムはお兄ちゃんって言うのか。・・・なんか、これはこれで破壊力あるな。……可愛いので撫でる。
なんか目を細めて嬉しそうにしてくれた。・・・うん、なんか猫みたいで可愛いな。っと思ってたら頭の上から引っ掻き攻撃が来た。
……そういや頭にティア乗せてたの忘れてたわ。ご機嫌取りにティアの頭も撫で……にくいから(頭上なので)首を撫でる。
そして、ダンジョン内とは思えないゆるゆるな空気が流れたところでユウが話しかけてきた。
「ゼロー! 魔物倒してきたよー!」
・・・あ、ハクからの報告忘れてた。ありがとう、ユウ。
「おう、お疲れさん。それで、この階層の魔物ってなんだったんだ?」
さっきのボスがフェアリーだったし、もしかしてフェアリーの進化系かな?
「うんとねー、この赤い毛の魔獣だったー。名前はレッドカーバンクルって言うらしいよー? それとこれ見つけて倒したら他の冒険者さんが羨ましそーにしてたー。」
ユウに言われて他の冒険者を見ると、確かに羨ましそうにしていた。
聞こえにくいが、小声でなんか言ってるみたいだったからちょっと集中して聞いてみたところ『ちくしょー! 希少種取られちまったかー!』って言ってるみたいだな。
・・・希少種?
「なぁ、それ以外にはなんかいたか?」
「うん! なんか同じ姿の黄色いやつが沢山いたっ! ついでにそれも狩ってきたよー?」
と、今度は4匹の黄色いカーバンクルを出してきた。・・・多分、そっちが通常種か。
んー、見た感じ、通常種よりも希少種の方が毛並みが綺麗に見えるな。
ふむ、なるほど。
つまりこのダンジョンには通常種に紛れてたまに希少種が出てくる、と。んで、その希少種は見た感じ、通常種よりも高く売れるってことかな?
ってかこの階層の魔物、カーバンクルなのね。フェアリーはどこいったし。・・・まぁ確かに幻獣の理想郷って名前だったしフェアリーだけとは限らないか。
「ま、運が良かったってことか。よし、出る魔物もわかったし、早いとこ先進むか。」
「うんー! じゃあ進むねー!」
「ん。」
ユウが少し進んだところでハクが話しかけてきた。多分、頃合いを見てたのかな?
「兄上。そういえばなのじゃが、カーバンクルの希少種はレッドカーバンクルだけなのじゃろうか?」
「んー、どうなんだろーな? 名前的にはブルーとかグリーンとかいそうだけ「ゼロー! なんか青いカーバンクル見つけたー!」……うん、なんか見つけちゃったみたいだわ。」
「・・・その様じゃのう。」
ユウはまた俺の方に走ってきて青い毛並みのカーバンクルを前に出す。そしてそれを他の冒険者が羨ましそうに眺める。
ユウはそれを気にもとめず、見せた後にまたどこかへ飛んでいく。
「・・・希少種だから普通はあんまり出ないと思うんだがな。……まぁ偶然二匹とも捕まえるってのもありえない話じゃな──「ゼロー! 見てみてー!! 今度は緑の見つけたー!」おめぇ、ちょっとこっち来い。」
──その後、ハク達も入れて話し合い、希少種カーバンクルは襲ってきたやつ以外は倒さないと決め、ダンジョンを進んだ。
・・・なお、その後に希少種カーバンクルが、何故か異様に襲ってくるという事件が起こったがそれはまた別のお話だ。
・・・どうでもいいんだが、ユウの幸運率やばくない? ……今度は戦闘系ステータスだけじゃなく、運気も抑えるようにさせなきゃダメだな。
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