異世界転移は分解で作成チート

キセル

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第175話 まだあったあの依頼。

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第175話 まだあったあの依頼。


「さて、と……。それじゃ登録ついでになんか依頼受けてみるか?」
「うん、そうだね! 何か面白そうな依頼ないかな~?」
「あー、でも今日はもう遅いし簡単に出来るやつ……を……。」

 いや、ちょっと待てよ? たしかに、今現在の時間は遅いけど明日は休みなんだし明日丸一日使うって考えんなら今からでも良くね?

 でも今ある依頼って大体採取とか討伐とかその辺なんだよなぁ。そんな丸一日使うような依頼なんて…………あ。あったわ。

「なぁユウ。お前明日も空いてるか?」
「ん~? 空いてるよ~?」
「ならさ、今日だけと言わず、今日明日まるまる使って依頼受けてみない?」
「おぉー! いいねぇ~! でもそんな丸一日使うような依頼ってあるのー?」

 俺はその返事を聞いてユウを依頼版の前まで連れて行き、先程思い出した依頼を見つけ出してユウに教える。

「あ~! なるほどね! 確かにそれなら今日明日まるまる使うのも楽しそうだね!」
「だろ? これなら進む度に周りが変化するから飽きもしないだろ?」
「いいねぇ! ……あ、でも準備とかは平気なのかな? こういうのって長時間潜るし準備いるんじゃないの?」

 ・・・ユウってこの世界をあんまり見ないのにそこら辺の知識はしっかりしてるんだな。さすが俺の元いた世界のラノベ。

「んー、必要なものはだいたい持ってるしなんなら潜った後に作ればいいんじゃない?」
「そっか、なら平気かな? うん、じゃあこれ受けようかな!」
「よっし、じゃあ決定だな! ならユウの初依頼はこの“『新ダンジョン〈幻獣の理想郷〉の攻略』”で決定だな!」

 この依頼ならちょうどストレスの発散にもなるし、暇つぶしにもなる。この前は時間が無くて選ばなかったけど、今回は時間あるしな。
 あとどうせなら最短クリアをめざしてユウの記憶に残るようなものにしたい。

「それじゃ依頼受けてくるねー!」
「おうっ! ・・・あ、ちょっと待て。ユウだけだと多分受けられないから俺のパーティに入っとけ。そうすりゃ受けられると思うから。」
「うん! わかったー!」

 そして、俺らは受付でパーティ登録し、ユウの初めての依頼、ダンジョン攻略を受けた。

 ・・・なお、パーティ登録のため俺のカードを出した時に受付の人と一悶着あったのは内緒だ。

◇◆◇◆◇

 そして、俺らはギルドを出て門に向かって歩き出した。

 あ、今日はもう帰らないって連絡入れとこう……いや、どうせならハク達も連れて行ってやろうかな? 前の時は連れて行ってあげられなかったし。
 まぁそこはユウとかハク達に聞いてから決めようか。今回はすぐ終わらせるつもりだしな。強制はしないさ。

「あっユウ。ついでにハク達も呼んでいいか? 最近、あいつらと構ってやれなかったし、どうせならみんなで攻略しようぜ!」
「んー? ハクちゃん?……あぁ! あの二人か~! いいよいいよー、呼んじゃってー! 二人だけで攻略するよりワイワイして楽しそうだねー!」

 っし。ってことでユウの許可は取れたし、二人にも確認するか。・・・あぁ、ついでに凛にもしとくか。

『あー、あー、聞こえるかー? 今から明日の夜くらいまでダンジョン行くけどみんなはどうする? 来るか?』

 俺の質問に対し、まず最初に返答があったのはハクだった。

『うむ、ナイスタイミングなのじゃ主殿! 丁度スマホでダンジョン系のラノベを見ていて行きたいと思っていたのじゃ! もちろん我はついて行くのじゃ!』
『オッケー、ハクは来るっと。ってかまたラノベ読んでたのね。・・・なんか面白そうなのあったら教えてくれや。俺も見る。』
『了解なのじゃー!』

 ハクの会話が終わったあと、次に返答が来たのはライムだった。

『マスター。私も行きたいです! 丁度今さっき新しい技を作ったのでダンジョン魔物に通用するかやってみます!』
『ライムも来る、と。新しい技……俺もどんなのか楽しみにしてるわ。あ、でもやり過ぎないようにな?』
『わかりました! 弱体化したものも作ります!』

 ・・・今の言い方的に、作った新しい技はやり過ぎたものなのね。言っといてよかった。

 そして、最後に凜から返答が来た。

『ふむ、妾は今回はパスさせてもらうのぅ。明日は龍星と冥龍帝で|弄(もてあそ)ぼ……|愚(ぐ)ろ……遊ぼうかと思っての。』
『・・・うん、何をしようとしてるか分かったわ。止めはしないけどちゃんと手加減はしてやれよ?』
『分かっておるよ。妾がそんな間抜けなことするわけなかろう。それではのぅ。』

 凛は不参加か。・・・本当に手加減してあげろよ? 可哀想だから。

「うっし、今連絡とったところ、二人共来るってさ。んー、ダンジョン前で待ち合わせでいいか?」
「いいよー! じゃあ早く行こうっ!」
「うわっ、ちょっ。そんな急いで走るなって!」

 ・・・俺はユウに腕を引っ張られ、王都の外へと出た。
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