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第166話 突然の来訪者、ゼロ。

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第166話 突然の来訪者、ゼロ。


「んぁっ……っ。」

 起きたなう。・・・あんど眠いなう。・・・ふわぁーあ。

 ……あーっと……今何時だ? ってかいつ帰ってきたっけ?
 たしか……ああ、思い出した。生徒たちを弄んで疲れたから家帰って……そのまま寝た……の、かな?

 んーと、ここは……俺の部屋か。ってことはそのまま寝たって考えて間違いないな。

「む、主殿? 起きたのじゃ?」

 俺が身動ぎしたことで横にいたハクが声をかけてきた。

「ん、ハクか。」
「あ、マスター! おはよう……ございます?」

 ライムも俺の事に気づいて声をかけてきた。それとまだ日が昇っていないのでおはようかどうか、悩んだみたいだな。

「ああ、ライムもいたのか。・・・2人ともまだ起きてたのか?」

 俺が今の時間も気になってふと時計を見ると、夜中の一時半少し過ぎくらいだった。

「うむ。今日もそうなのじゃが、最近は2時くらいに寝ていることが多いのじゃ。」
「はい、私もそれくらいです。」

 んーってことは、一昨日も俺が起きる少し前に寝てたってことか。

「そうか……ってか少し寝るつもりがぐっすり寝ちまってたのか。・・・飯食いそびれたわ。」

 まぁ別に食わなくても平気だけどな。・・・ってか最近は一日一食くらいしか食うことがなくなったな。
 ・・・俺のエネルギーの燃費、というか体、どうなってんだろ? ……まぁ今更か。

「くぅぅ、くぅっ……ふぅにゃ?」

 あ、ティアも起きてきた。……ってかティアも寝てたのか。・・・おい、夜行性。

「にゃーう。」
「むっ。ティアも起きたようじゃな。」
「あ、ティアちゃんもおはよう。」

 ・・・今更だけどこの二人、ティアと地味に仲がいいんだよなぁ。……俺のペット仲間って思ってるのかな?


「んー……。」

 さて、何をしよう? 起きたはいいけどこんな早くだとやることがない。もう一度寝ようにも眠気が覚めて眠くない。
 この2人ハクとライムも見た感じ、そろそろ寝る所みたいだし一緒に遊ぶことも出来ないしなぁ。

 ・・・んん、遊ぶ? 遊ぶ……あぁ、そうだ。久しぶりにユウの所に遊びに行こうかね?
 ・・・いや、なんで遊ぶでユウを思い出したんだろ? もしや、アイツが俺に念を……っ!?
 ・・・な、訳ないな。アイツならそんな面倒くさい事せず『ゼロー! 遊ぼ戦おうっー!』って感じに言いに来るよな。

「ってことでユウの所に遊び行ってくる。」
「「いや、どういうことですなのじゃ!?」」
「にゃっ、にゃうー?」

 おおっ、息ピッタリ! さすっがー! そしてティアはティアでいつも通り可愛い。

 んで、2人に理由を聞かれたからちゃんと事細かに『ただ意味はなく、なんとなく』ということを五分くらい掛けて熱心に伝えた。

 結果……。

「ってことで行ってくる。」
「「長い、内容が薄い、そして長い」」

 2人とも語尾を忘れるくらいに疲れきった。あと長いって2回も言った。
 それと2人の頭がユラユラしてる。・・・どうやら眠さの限界が来たようだ。

「もうお前ら眠さが限界だろ。・・・起こしてて悪かったな。眠いなら早く寝ときな。」
「はいです……。おやすみなさい……です……。」
「そうする……のじゃ……。お休み……なのじゃ……。」

 あ、語尾が帰ってきた。

「あぁ、おやすみ。」
「にゃぁん。」

 あ、ティアも眠気が覚めたみたいなので連れていきます☆

◇◆◇

「ってことで来ました神界。」
「ようこそいらっしゃいました。零神主様とその使い魔様。」×10名

 そして到着を待っていた神勢。
 見た感じ、というかこの流れ的にユウの配下の神達だろう。

「まぁ、何となく分かってはいたかな。・・・あ、ユウは……いや、大神主はいるかな?」

 取り敢えず、目の前にいる神達に尋ねると、その内の一人が前に出て答える。

「只今、主様は仕事中の為、屋敷を留守にしております。
 しかし、主様からの伝令で、今日零神主様が来訪しますので持て成すように、と。
 そして、主様から零神主様に向けてひとつ伝言があります。」

 話し始めた神Aはここで話を区切り、一歩下がる。んで、今度は違う神が1歩前に出て。

「『すぐに終わらせるから帰らないでね!』以上です。」

 と、言って終わった。
 ・・・いや、そこ変える意味あるっ!? ってか今声真似した子、すっげぇ似てたわ。
 ・・・あぁ、もしかしてその為に……うん、もう一度言うぞ? 別に変える必要なくない?

 俺の心の声を知ってか知らずか、神Bはまた一歩後ろに下がり、またまた神Aが前に出る。

「と、言うことですので大神主様の屋敷へとご案内致します。」
「あぁ、うん。わかった。」

 うん、もう、いいやっ!
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