167 / 228
第152話 駄洒落。
しおりを挟む
第152話 駄洒落。
一一人やエルフ、獣人などの様々な種族が入り交じり、料理や酒を楽しみながらワイワイと騒ぐ中、突如店内に怒鳴り声が響く。
「んだとゴルァァ!?」
酒や料理を楽しんでいた者達は皆一斉にその大きな怒鳴り声がした方へと顔を向ける。
「なんです? 何か違うとでも言うんですか? あと、何も考えずに怒鳴るところもあなたの悪いところですよね。
なんといいますか……単細胞?」
どうやらスキンヘッドの大柄な男と二十歳くらいの中性的な男が言い合っているようだ。
中性的な男はスキンヘッドの男を挑発するかのように失笑しながらそう言った。
「なんだとォ!? いっつもスカしたようなツラしやがってッ!! もう我慢ならねェ!!」
二人の男の周りにお店にいた客達が野次馬のように集まりだした。
「なんですか? 殴り合いでもするって言うんですか? ダメですよーこんな所で殴り合いなんかしちゃったら除名処一一」
「あァ、うるせェ!! もうこの際なんでもいいッ!! お前に先輩に対する礼儀ってのを叩き込んでやるッ!!」
スキンヘッドの男は中性的な男の忠告なんかを無視して殴りかかろうとした一一が、その時。突如パァンと、響き渡るような甲高い音が鳴った。
二人の男、いや、その周りにいた野次馬も含め、皆が一斉に音がした方へ向いた。
みんなが見たその先には、ゼロが佇んでいた一一
◇◆◇◆◇
Sideゼロ
うん、さすがにちょっとうるさいかなぁ。とりあえずお店の人も困ってるみたいだし(俺も早く料理食いたいし)、手を貸そうかね。
「ここは酒を飲んだり、飯を食うところだぞ? 争いごとならよそでやってくれない?」
俺はやや呆れたようにそう言った。
「あァん!? おめェには関係ねェだろォ!?」
あぁ、やっぱり怒鳴るよねぇ。
「それと、揉め事なら冒険者ギルドの決闘場使えば? あそこならもし殴りあっても殺しはしなければ除名処分にはならなかったはずだし、ギルドは一日中空いてるしね。」
「それは本当かッ!? 嘘じゃねェだろうなァ!?」
えぇ、、普通そこ疑う? ってかこの人冒険者だよね? 普通知らん?
「よぅし、なら早速決闘場に行くぞッ!! てめェもついて来やがれ!!」
スキンヘッドの男が返事も聞かずに飛び出した。
「・・・あぁ、すぐに行きます。」
中性的なやつは溜息をつきながらスキンヘッドのやつについて行ったみたいだ。
いやぁ、これで一件落ちゃ「ッチ。」く?
……中性的なやつが俺の横を通る際、何やら舌打ちをしたような気がした。
直ぐに後ろを振り向くと、丁度扉を出るところで俺の方を睨むように見てすぐに走り去って行った。
・・・しかし、一瞬見えたあの顔。何余計なことをしてくれてんだ、って顔してたな。
「坊主! ありがとうなっ!! さっきのスカッとしたぜ!
よっし、サービスとしてさっき頼んだビグラビの唐揚げ、無料にしてやる!」
っと、もう行っちゃった奴のことはどうしようもないし、店主が感謝してくれt……って唐揚げ無料にしてくれんのか! ありがてぇ。
・・・いや、まぁ俺大金持ってるから別にこの位の値段、どうってことないけど、そういうのじゃないやん? なんか普通に嬉しいやん? 気分的なやつやん?
「お、マジっすか! ありがとうございます!」
なので俺感謝するやん? それで店主とのやり取り終えたらさっきのやつ見たやつらがなんか集まるやん?
さっきのやつスカッとしたってやつ沢山いるやん? 俺嬉しいやん? 俺含めてワイワイ騒ぐやん? 仲良くなるやん?
ワイワイしてる途中で頼んでたやつが来るやん? 食うやん?
「美味いやん。」
「うにゃうにゃん。」
ティアも俺の真似して美味いやんって言ってる。・・・可愛いねぇ。
よし、今日は気分がいい。ここは豪勢に漫画とかでよくあるあれやりますかね。
「よし! 今日は俺の奢りだ! みんな、たらふく食えぇ!!!」
『うおぉぉぉぉ!!!』
うわーお。声の密集率がパネェ。っと、みんなが騒いでるうちに先にお会計をする。多分、これを出せば普通に足りるだろう。
「ってことで店主。とりあえずこれで足りますか? あ、お釣りはいりません。」
俺は懐から白金貨を出す。
「なっ!? あ、えぇ、足りる、ます、と言うより多すぎる、ますね。」
何やら店主がワタワタと慌ただしくなった。あと拙い敬語も使い始めた。・・・あ、これってもしかして
「あ、一応言っときますけど俺、貴族じゃないですからね?」
「な。」
店主が目を点にして驚いた。・・・そりゃ確かにこんな大金をすぐに出せるくらいだから貴族だとは思うよねぇ。
「ただのしがない冒険者です。」
俺は片目を瞑って舌を出して笑う。
あ、ちなみにこの「しがない」はつまらないって方の意味じゃなくて「死がない」って方だ! だから嘘はついてないよ☆
え? 駄洒落? 寒い? 知らんなッ。
「そんな訳ね「あまり詮索はしないように」・・・はっ。・・・それもそうか。冒険者が軽々手札を見せるわけない、か。」
ほほぅ? 一言だけで静かになるとは……理解力あるやつは嫌いじゃないぞ。
「よし、んじゃこの話はこれで終わりだっ! こっからは坊主も思う存分楽しみなっ!」
「おうっ!」
一一まだまだ夜明けはこない。
一一人やエルフ、獣人などの様々な種族が入り交じり、料理や酒を楽しみながらワイワイと騒ぐ中、突如店内に怒鳴り声が響く。
「んだとゴルァァ!?」
酒や料理を楽しんでいた者達は皆一斉にその大きな怒鳴り声がした方へと顔を向ける。
「なんです? 何か違うとでも言うんですか? あと、何も考えずに怒鳴るところもあなたの悪いところですよね。
なんといいますか……単細胞?」
どうやらスキンヘッドの大柄な男と二十歳くらいの中性的な男が言い合っているようだ。
中性的な男はスキンヘッドの男を挑発するかのように失笑しながらそう言った。
「なんだとォ!? いっつもスカしたようなツラしやがってッ!! もう我慢ならねェ!!」
二人の男の周りにお店にいた客達が野次馬のように集まりだした。
「なんですか? 殴り合いでもするって言うんですか? ダメですよーこんな所で殴り合いなんかしちゃったら除名処一一」
「あァ、うるせェ!! もうこの際なんでもいいッ!! お前に先輩に対する礼儀ってのを叩き込んでやるッ!!」
スキンヘッドの男は中性的な男の忠告なんかを無視して殴りかかろうとした一一が、その時。突如パァンと、響き渡るような甲高い音が鳴った。
二人の男、いや、その周りにいた野次馬も含め、皆が一斉に音がした方へ向いた。
みんなが見たその先には、ゼロが佇んでいた一一
◇◆◇◆◇
Sideゼロ
うん、さすがにちょっとうるさいかなぁ。とりあえずお店の人も困ってるみたいだし(俺も早く料理食いたいし)、手を貸そうかね。
「ここは酒を飲んだり、飯を食うところだぞ? 争いごとならよそでやってくれない?」
俺はやや呆れたようにそう言った。
「あァん!? おめェには関係ねェだろォ!?」
あぁ、やっぱり怒鳴るよねぇ。
「それと、揉め事なら冒険者ギルドの決闘場使えば? あそこならもし殴りあっても殺しはしなければ除名処分にはならなかったはずだし、ギルドは一日中空いてるしね。」
「それは本当かッ!? 嘘じゃねェだろうなァ!?」
えぇ、、普通そこ疑う? ってかこの人冒険者だよね? 普通知らん?
「よぅし、なら早速決闘場に行くぞッ!! てめェもついて来やがれ!!」
スキンヘッドの男が返事も聞かずに飛び出した。
「・・・あぁ、すぐに行きます。」
中性的なやつは溜息をつきながらスキンヘッドのやつについて行ったみたいだ。
いやぁ、これで一件落ちゃ「ッチ。」く?
……中性的なやつが俺の横を通る際、何やら舌打ちをしたような気がした。
直ぐに後ろを振り向くと、丁度扉を出るところで俺の方を睨むように見てすぐに走り去って行った。
・・・しかし、一瞬見えたあの顔。何余計なことをしてくれてんだ、って顔してたな。
「坊主! ありがとうなっ!! さっきのスカッとしたぜ!
よっし、サービスとしてさっき頼んだビグラビの唐揚げ、無料にしてやる!」
っと、もう行っちゃった奴のことはどうしようもないし、店主が感謝してくれt……って唐揚げ無料にしてくれんのか! ありがてぇ。
・・・いや、まぁ俺大金持ってるから別にこの位の値段、どうってことないけど、そういうのじゃないやん? なんか普通に嬉しいやん? 気分的なやつやん?
「お、マジっすか! ありがとうございます!」
なので俺感謝するやん? それで店主とのやり取り終えたらさっきのやつ見たやつらがなんか集まるやん?
さっきのやつスカッとしたってやつ沢山いるやん? 俺嬉しいやん? 俺含めてワイワイ騒ぐやん? 仲良くなるやん?
ワイワイしてる途中で頼んでたやつが来るやん? 食うやん?
「美味いやん。」
「うにゃうにゃん。」
ティアも俺の真似して美味いやんって言ってる。・・・可愛いねぇ。
よし、今日は気分がいい。ここは豪勢に漫画とかでよくあるあれやりますかね。
「よし! 今日は俺の奢りだ! みんな、たらふく食えぇ!!!」
『うおぉぉぉぉ!!!』
うわーお。声の密集率がパネェ。っと、みんなが騒いでるうちに先にお会計をする。多分、これを出せば普通に足りるだろう。
「ってことで店主。とりあえずこれで足りますか? あ、お釣りはいりません。」
俺は懐から白金貨を出す。
「なっ!? あ、えぇ、足りる、ます、と言うより多すぎる、ますね。」
何やら店主がワタワタと慌ただしくなった。あと拙い敬語も使い始めた。・・・あ、これってもしかして
「あ、一応言っときますけど俺、貴族じゃないですからね?」
「な。」
店主が目を点にして驚いた。・・・そりゃ確かにこんな大金をすぐに出せるくらいだから貴族だとは思うよねぇ。
「ただのしがない冒険者です。」
俺は片目を瞑って舌を出して笑う。
あ、ちなみにこの「しがない」はつまらないって方の意味じゃなくて「死がない」って方だ! だから嘘はついてないよ☆
え? 駄洒落? 寒い? 知らんなッ。
「そんな訳ね「あまり詮索はしないように」・・・はっ。・・・それもそうか。冒険者が軽々手札を見せるわけない、か。」
ほほぅ? 一言だけで静かになるとは……理解力あるやつは嫌いじゃないぞ。
「よし、んじゃこの話はこれで終わりだっ! こっからは坊主も思う存分楽しみなっ!」
「おうっ!」
一一まだまだ夜明けはこない。
0
お気に入りに追加
2,604
あなたにおすすめの小説
「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~
平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。
三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。
そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。
アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。
襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。
果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。
召喚アラサー女~ 自由に生きています!
マツユキ
ファンタジー
異世界に召喚された海藤美奈子32才。召喚されたものの、牢屋行きとなってしまう。
牢から出た美奈子は、冒険者となる。助け、助けられながら信頼できる仲間を得て行く美奈子。地球で大好きだった事もしつつ、異世界でも自由に生きる美奈子
信頼できる仲間と共に、異世界で奮闘する。
初めは一人だった美奈子のの周りには、いつの間にか仲間が集まって行き、家が村に、村が街にとどんどんと大きくなっていくのだった
***
異世界でも元の世界で出来ていた事をやっています。苦手、または気に入らないと言うかたは読まれない方が良いかと思います
かなりの無茶振りと、作者の妄想で出来たあり得ない魔法や設定が出てきます。こちらも抵抗のある方は読まれない方が良いかと思います
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
死んだのに異世界に転生しました!
drop
ファンタジー
友人が車に引かれそうになったところを助けて引かれ死んでしまった夜乃 凪(よるの なぎ)。死ぬはずの夜乃は神様により別の世界に転生することになった。
この物語は異世界テンプレ要素が多いです。
主人公最強&チートですね
主人公のキャラ崩壊具合はそうゆうものだと思ってください!
初めて書くので
読みづらい部分や誤字が沢山あると思います。
それでもいいという方はどうぞ!
(本編は完結しました)
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる