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第146話 巻き込まれ体質?。
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第146話 巻き込まれ体質?。
一一三人の溜まり部屋
「一一でもあの技を使った後って多少ですが隙が出ません?」
「いや、あの技の後は……っと、おかえりなさいなのじゃ。主殿。」
「あ、おかえりなさいです。マスター。」
俺がいつもの部屋に帰ってくると、既にハク達が帰ってきており、2人で話し合っていた。
「おん。二人は今さっき風呂上がった感じか?」
「はい|です(なのじゃ)。」
んー、それじゃ俺も風呂はいっちゃおうかねぇ。久しぶりに体を思う存分動かせて疲れたし、ゆっくりと湯船にでも浸かりたいしな。
「うっし、それじゃ俺も入っちゃおうかねぇ。」
「「あ、なら私も一緒に一一」」
二人と一緒に入ると絶対にゆっくり出来ない気がする。・・・詳しくは言わんが、なんかそんな気がする。
「いや、俺も疲れたしゆっくりと浸かりたいから一人で行かせてもらう。今日ばかりはマジで勘弁してや。」
「「……はい(なのじゃ)。」」
俺がハッキリと今日は一人がいいと言うと、二人はしょぼくれた感じにではあるが、返事をした。
・・・こいつら、一昨日あたりに言った「言うこと聞く権利」のやつ忘れてるくね? ・・・いや、違うか。今使うべきじゃないと判断したのか。……賢明な判断だな。
「んじゃ、行ってくるねぇ。・・・あ、そうだ。……覗くなよ?」
俺は冗談めかしてそう言って部屋を出た。
・・・ちなみにそれを聞いた2人は少しだけビクッとなっていた。……おい。
◇◆◇◆◇
~翌日~
一一あの後、そのまま風呂に入ったが、俺が止めたこともあってか、特に何事もなく風呂を上がって終わった。
(本当は俺が結界をはってたからなんだけどね!)
さて、そんなことよりも。今日も今日とて講師の仕事があるため、いつもの如く学園へ向かう。
今日は勇者が来るということをきちんと覚えていたので、いつもよりも早く出勤し、前もって準備を整える。
ちなみにハク達だが、執事に先に学園に行ったと伝えるようにと言ってある。
あともちろんティアも忘れずにちゃんといるぞ?
「にゃうん。」
「っと、着いたか。」
どうやら色々と考えているうちに学園へ到着したようだ。
そして、さて入ろうかと思ったその時、遠くの方から誰かが叫ぶような声が聞こえた。
「一一一一一一! 一一一、一一一一一一一一一ッ!!」
ゼロが声をした方向をむくと、一人の男子生徒が30歳くらいの男性を追いかけていた。
よく見るとその男性の手元には刃物が、そして男子生徒の後ろに衛兵達がいるようだ。
ゼロは耳をすまして男子生徒の声をよく聞いてみる。
「ゼロ先生! そいつ、捕まえてくださいッ!!」
男子生徒は息を荒くしていたが、確かにそう言っていた。
(えーと、よくわかんないけどとりあえずはこっちに来てる奴を捕まえればいいのかね?)
「オラァーッ!!邪魔だァ!そこをどけぇぇ!!」
30歳くらいの男性はゼロに向かって手に持っていた刃物を突き刺そうとした。
が、ゼロは軽く横に避け、足を引っ掛けた。
刃物を刺そうとしていたのでやや前かがみになっていたこともあり、綺麗に顔面からすっ転んだ。
そして、すっ転んだ衝撃により、男の手からは刃物が飛んでいった。
ゼロはそのすっ転んだ男の近くにより、刃物を取るために起き上がろうとした男性の背中を勢いよく踏んだ。
男性は急に背中を踏まれたことにより、肺の空気が一気に抜け、ぐふっと音を立てて再び倒れた。
「ぐっ、何しやがる……この野ろ……ッぐふっ。」
男はそれでも立ち上がろうとしたが、ゼロの力に敵う訳もなく、そのまま衛兵達が来るまで動けずにいた。
「はぁ、はぁ……。ふぅ……、ありがとう、ございました。ふぅ、ゼロ先生。」
「ああ、こんくらい別に構わんが……んで、今度はなんの事件に巻き込まれたんだ? ジョージ。」
まぁもうみんなわかっていると思うが、先程から言っていた男子生徒とはジョージのことだ。
・・・え? 覚えてない? あの巻き込まれ体質のやつだよ? そう、あのジョージ。
「いやぁ……実はですね。
僕がお世話になっている衛兵長さんの頼みで一週間くらい前から探っていた連続殺人犯のことについて聞き込みやら証拠やら被害者などを調べていたんです。
そしてある特徴が掴めたので、次の被害者に合いそうな人などに目星をつけたんですが……まさかの一発目でちょうど当たっちゃいましてねぇ。」
と、いいながらジョージは俺の足元のやつに目を向ける。
・・・色々と言いたいことはあるが、これは言わせてくれ。俺も大概だけどこいつもこいつで大概じゃね?
あとどこの誰かわからんが衛兵長さんや。そこら辺の子供になんつーこと頼んでんだよ。
「まぁ捕まえられて何よりです。・・・それにしてもゼロ先生はこんな時間にどうかしたんですか?」
「ん? いや、そんな変な時間帯じゃないだろ? もうそろそろ6:30になるぞ?」
「え、あ! 本当ですね・・・4:30辺りからずっと張り込みしていたので時間感覚が可笑しくなってました。」
「いや、4:30って……早すぎじゃね? 両親心配しないか?」
「いえ、父と母には置いてきた宿題とか日直あるから早く行かなきゃと説明してあるので問題ないです。」
あー……この言い方的に家を抜け出すための嘘とか作り話とか手馴れてんな? こいつ。
「・・・まぁそれならいいけど、でもあんま両親心配させないように気をつけな。」
「・・・はい。・・・っと、衛兵さん達と色々と話すことがあるので、この辺りで。
ではゼロ先生。また後ほど学園で。」
「おう、気ィつけろよ。」
うし、んじゃ俺も講師の支度あるし早いとこ行こうかねっと。
一一三人の溜まり部屋
「一一でもあの技を使った後って多少ですが隙が出ません?」
「いや、あの技の後は……っと、おかえりなさいなのじゃ。主殿。」
「あ、おかえりなさいです。マスター。」
俺がいつもの部屋に帰ってくると、既にハク達が帰ってきており、2人で話し合っていた。
「おん。二人は今さっき風呂上がった感じか?」
「はい|です(なのじゃ)。」
んー、それじゃ俺も風呂はいっちゃおうかねぇ。久しぶりに体を思う存分動かせて疲れたし、ゆっくりと湯船にでも浸かりたいしな。
「うっし、それじゃ俺も入っちゃおうかねぇ。」
「「あ、なら私も一緒に一一」」
二人と一緒に入ると絶対にゆっくり出来ない気がする。・・・詳しくは言わんが、なんかそんな気がする。
「いや、俺も疲れたしゆっくりと浸かりたいから一人で行かせてもらう。今日ばかりはマジで勘弁してや。」
「「……はい(なのじゃ)。」」
俺がハッキリと今日は一人がいいと言うと、二人はしょぼくれた感じにではあるが、返事をした。
・・・こいつら、一昨日あたりに言った「言うこと聞く権利」のやつ忘れてるくね? ・・・いや、違うか。今使うべきじゃないと判断したのか。……賢明な判断だな。
「んじゃ、行ってくるねぇ。・・・あ、そうだ。……覗くなよ?」
俺は冗談めかしてそう言って部屋を出た。
・・・ちなみにそれを聞いた2人は少しだけビクッとなっていた。……おい。
◇◆◇◆◇
~翌日~
一一あの後、そのまま風呂に入ったが、俺が止めたこともあってか、特に何事もなく風呂を上がって終わった。
(本当は俺が結界をはってたからなんだけどね!)
さて、そんなことよりも。今日も今日とて講師の仕事があるため、いつもの如く学園へ向かう。
今日は勇者が来るということをきちんと覚えていたので、いつもよりも早く出勤し、前もって準備を整える。
ちなみにハク達だが、執事に先に学園に行ったと伝えるようにと言ってある。
あともちろんティアも忘れずにちゃんといるぞ?
「にゃうん。」
「っと、着いたか。」
どうやら色々と考えているうちに学園へ到着したようだ。
そして、さて入ろうかと思ったその時、遠くの方から誰かが叫ぶような声が聞こえた。
「一一一一一一! 一一一、一一一一一一一一一ッ!!」
ゼロが声をした方向をむくと、一人の男子生徒が30歳くらいの男性を追いかけていた。
よく見るとその男性の手元には刃物が、そして男子生徒の後ろに衛兵達がいるようだ。
ゼロは耳をすまして男子生徒の声をよく聞いてみる。
「ゼロ先生! そいつ、捕まえてくださいッ!!」
男子生徒は息を荒くしていたが、確かにそう言っていた。
(えーと、よくわかんないけどとりあえずはこっちに来てる奴を捕まえればいいのかね?)
「オラァーッ!!邪魔だァ!そこをどけぇぇ!!」
30歳くらいの男性はゼロに向かって手に持っていた刃物を突き刺そうとした。
が、ゼロは軽く横に避け、足を引っ掛けた。
刃物を刺そうとしていたのでやや前かがみになっていたこともあり、綺麗に顔面からすっ転んだ。
そして、すっ転んだ衝撃により、男の手からは刃物が飛んでいった。
ゼロはそのすっ転んだ男の近くにより、刃物を取るために起き上がろうとした男性の背中を勢いよく踏んだ。
男性は急に背中を踏まれたことにより、肺の空気が一気に抜け、ぐふっと音を立てて再び倒れた。
「ぐっ、何しやがる……この野ろ……ッぐふっ。」
男はそれでも立ち上がろうとしたが、ゼロの力に敵う訳もなく、そのまま衛兵達が来るまで動けずにいた。
「はぁ、はぁ……。ふぅ……、ありがとう、ございました。ふぅ、ゼロ先生。」
「ああ、こんくらい別に構わんが……んで、今度はなんの事件に巻き込まれたんだ? ジョージ。」
まぁもうみんなわかっていると思うが、先程から言っていた男子生徒とはジョージのことだ。
・・・え? 覚えてない? あの巻き込まれ体質のやつだよ? そう、あのジョージ。
「いやぁ……実はですね。
僕がお世話になっている衛兵長さんの頼みで一週間くらい前から探っていた連続殺人犯のことについて聞き込みやら証拠やら被害者などを調べていたんです。
そしてある特徴が掴めたので、次の被害者に合いそうな人などに目星をつけたんですが……まさかの一発目でちょうど当たっちゃいましてねぇ。」
と、いいながらジョージは俺の足元のやつに目を向ける。
・・・色々と言いたいことはあるが、これは言わせてくれ。俺も大概だけどこいつもこいつで大概じゃね?
あとどこの誰かわからんが衛兵長さんや。そこら辺の子供になんつーこと頼んでんだよ。
「まぁ捕まえられて何よりです。・・・それにしてもゼロ先生はこんな時間にどうかしたんですか?」
「ん? いや、そんな変な時間帯じゃないだろ? もうそろそろ6:30になるぞ?」
「え、あ! 本当ですね・・・4:30辺りからずっと張り込みしていたので時間感覚が可笑しくなってました。」
「いや、4:30って……早すぎじゃね? 両親心配しないか?」
「いえ、父と母には置いてきた宿題とか日直あるから早く行かなきゃと説明してあるので問題ないです。」
あー……この言い方的に家を抜け出すための嘘とか作り話とか手馴れてんな? こいつ。
「・・・まぁそれならいいけど、でもあんま両親心配させないように気をつけな。」
「・・・はい。・・・っと、衛兵さん達と色々と話すことがあるので、この辺りで。
ではゼロ先生。また後ほど学園で。」
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